若竹七海のレビュー一覧
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もの凄い久しぶりに若竹さんの本を読みました。
「あ~若竹さんはこんな感じだった」と思いだしました。
コージーミステリーとしてユーモアには包んでいますが、毒も含まれてます。
人の悪意を書くのが、とにかく上手い人なので、かなり癖もあります。
けど、そんなところが病みつきにさせる要因なんですよね。
この本は元警察官の大道寺がまだ警察にいるときの話と、辞めてからの話が交互に書かれます。
文庫本だし、表紙の絵も可愛いので、さらっと読めそうかなぁと思っていたら、工夫に満ち溢れていて丁寧に書かれているなぁという印象の本でした。
大道寺は警察を辞めてから「間抜けな犯罪者」を本にしているんですが、その具体例が -
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ネタバレヴィラ・マグノリアという全部で十件からなる建売住宅でおきた殺人事件の話。というか、その殺人事件に巻き込まれる住民たちの話。厳密にはその上にある大豪邸も巻き込まれているけれど。
コージー・ミステリーの定義がわからなくなってきた。死んでもコージーなんですか?
とにかく、登場人物が皆クセのある人物。出てこなかった人までクセがある。これは第二弾も書けそう…と思うくらいキャラが立っています。(事実、これ以上人がここで死ぬわけにもいかないが)人間、裏のない人なんて、いないんだよ。人間、他からみた評価なんてあてにならないんだよ。
殺人事件!と構えずに、気楽に読みましょう。 -
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ネタバレ≪内容覚書≫
豪華客船、箱根丸。
横濱港を出航し、世界をまわりながら、倫敦を目指す。
殺人事件の容疑者の乗船疑惑や、
令嬢の駆け落ち騒ぎ、幽霊船の出現にさらには殺人事件まで。
昭和の時代の様々な人々を乗せ、船は倫敦を目指す。
≪感想≫
人物がドドッと登場するので、最初は混乱。
特徴を掴んで、誰がどれかわかる2、3話目から、
グッと面白くなって引き込まれた。
それにしても、龍三郎さんの影が薄いな、と思ったら、罠だった。
なにかおかしぞ、とは思いつつも、次々と起こる事件の展開に
うっかり彼の存在を忘れさせられていた。
中途半端な推理小説より、よほど見事に騙してくれた。
一話一話も、小気味よ -
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2010/6/21
サスペンスフル本格ミステリー!
と本書の紹介には書かれていましたがこれはホラーです。
最後の最後までホラーに突き進むのか、それともミステリーとして収束するのかとヤキモキさせますが、ワタシの出した結論はホラー。
確かにミステリー的な解釈ができる場面もありますが、ちょっとミステリー的な要素が薄かった気がします。
よくホラーとミステリーの融合と言いますが、このジャンルはミックス度合いが難しい。
例えば密室殺人があって、散々引っ張ったあげくそのトリックは「犯人が呪い殺した」ではクレームの嵐。
だからと言って、怨念が巣食う館で怪奇現象が発生。誰もが恐怖のドン底にいる中で密室殺人が -
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海に面した半島に建つヴィラ・葉崎マグノリア---10棟が立ち並ぶコテージの空家で変死体が発見された。遺体の身元が確認できないような状況の中、刑事達が聞き込みを開始するが、ヴィラの住人達は皆個性的で証言を取るのも一苦労する有り様。おまけにトラブルメーカーの住人までが殺されてしまう。連続殺人の様相を呈してきたかに思われたが…。葉崎を舞台にした若竹印のコージー・ミステリ。ピリ辛ユーモアが随所に盛り込まれ、中でも一番興味を惹いたのは、ハードボイルド作家の角田港大。トレンチコートにサングラス、料理自慢のレストランでいきなり「テキーラ、オン・ザ・ロックで」と注文するような、作品を体現した胡散臭い男で笑える
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コージーミステリの若竹氏のもうひとつの顔ともいうべき心霊ものを含む短編集。(すべてではないが)連続する次の話にオチが繋がるような終わり方をしたり趣向を凝らしているのがおもしろい(それとも偶然?)ホラー系は苦手なのに、読み始めたら最後まで読まないと気がすまない性分のため、どうにか完走。(ネタバレ注意)短編はネタバレしないように感想を書くのが難しいので、一言コメントと納得の☆印を各小話につけることにする。「のぞき梅」迷信に囚われる家族。「影」はじめに出てくる怪談がなにげに怖い。「樹の海」自分でした怪談にビビる作家。「白い顔」次の話に繋がる最後のオチがホント怖い。でもなんで○○が?☆「人柱」丙午の女