若竹七海のレビュー一覧

  • 錆びた滑車

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    ネタバレ

    昨日読んだ「不穏な眠り」の前に出版された本だけど、順番間違えちゃった。
    でも葉村晶の住所にこだわらなければ問題なし。(強弁)

    長篇はやはり面白い。
    畳みかけるように次々彼女を襲う不運。

    だって、膝の悪い老女を尾行するというラクショーな仕事をしていて、どうして2階から降ってくる老女の下敷きになりますか?

    途中から彼女の仕事はヒロトからの依頼である、交通事故の時、なぜ自分はその場所にいたのかを調ベていたのだけれど、火事に巻き込まれ、薬を盛られ、留置所に放り込まれ、包丁を向けられる。
    それでなくても住む場所に事欠き、寝ようとすれば電話が鳴り、食事をとろうと思えばタイミングを逃し、支出は収入を上

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    2020年03月07日
  • 錆びた滑車

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    ネタバレ

    葉村晶シリーズでもかなり読みごたえのある話。でも冒頭で語られている通り、なんとも悲しい話だったか。
    いつのまにやらNHKでドラマ化されちゃって、映像化される前に読まなくては!と思っていたが、この話は採用されなかったらしい?新しめだから?
    運が悪いとかそういうことでもなく、ほんとに体も心もぼろぼろ。それでも葉村はやるよねと思わせる。
    葉村と一緒に推理を巡らせるのだけど、これでもなかったかと進んでいく。
    それにしてもほんとに休ませてもらえない葉村。ようやく眠れそうなのに、一時間おきにそれぞれ別の人から畳み掛ける電話など、読んでいる自分まで辛くなりそうになりながら、この書き方うまいなとちょっとだけ笑

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    2020年03月05日
  • 静かな炎天

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    9時7分、玄関を出たところでスマホに載せているバス時刻表を見ると出発時刻は9時9分だった。考える暇はなかった。普段は5分の道のりを、私は走った。散歩中のお爺ちゃんおばあちゃんが、目を剥いて私のガニ股走行を眺めている。最初のダッシュは、無酸素系の筋力エネルギーが使われるという。その1-2分後に有酸素系の筋力のエネルギーが使われる。が、こういう場合、無酸素のエネルギーは一瞬で使われて、バス停に近づく頃にはガス欠になりかけていた。ところが、信号待ちとバス特有の遅れのお陰で、バスがちょうど信号が青に変わって出発しようとするところだった。火事場の底力は、このように出るのかもしれない。10メートル手前、私

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    2020年03月02日
  • プレゼント

    購入済み

    気持ちよくびっくり

    私にとっては、葉村晶シリーズを読んだのは2冊目で、読みやすい短編集です。葉村晶が全ての話に登場するわけではありませんが、どの話も、ある勘違いを呼ぶような仕掛けがしてあって楽しめました。表題作は、以前ミスマ―プルのドラマで見た「蒼ざめた馬」が思いだされる作品。「再生」は、ただ、ただびっくり。「ロバの穴」今の世の中生き抜く為には、うまくかわす術を身に付けなければ。「トラブルメイカー」葉村晶のキャラクター形成には姉の存在と死が影響を与えた。

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    2020年02月25日
  • プレゼント

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    ハムラアキラシリーズ1冊め。

    短編集だけど、葉村晶と小林警部補の話が交互に続く。
    葉村晶が主人公のものと、小林警部補が主人公のものとでは語り口が違うので慣れるまでに時間がかかった(ミステリーが久々だからかも)、ストーリーは淡々と進むが何か癖になる。

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    2020年02月22日
  • プレゼント

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    テレビドラマ化された葉村晶シリーズの最初の1冊目を読み終えた。短編集のような作りで、葉村晶以外が主人公のパートがあったりして、羽村晶シリーズとはいえそれ以外の作品も混ざっているのかと思っていました。読み終えてみると、それらは全て表裏で絡み合っていてひとつの話を構成していたらしい。また、これから展開する話の伏線となっているらしい。なんてことを想像(?)しています。

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    2020年02月03日
  • ヴィラ・マグノリアの殺人

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    登場人物が全員濃い目のキャラクターで、住民同士の会話が面白い。
    いろんな事件が重なり、捜査中の流れは頭がこんがらがったが、その分それが収束していくところは気持ちよかった。
    最後に独特の後味の悪さを残すところは作者らしいと思った。

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    2020年01月02日
  • 暗い越流

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    ネタバレ

    短編ミステリ五話の構成。
    一話目と五話目が葉村晶のお話。これは今まで通りとても面白いし、キレキレのキャラクターも健在してて良かった。
    そして、他のお話もなかなかに癖のあるものばかり。良い意味で。
    二話目の「暗い越流」の主人公が最後の最後で闇を見せる感じ、終始探偵側目線の葉村晶シリーズを読んだあとだったから余計にぞくっとした。
    また「狂酔」では、一人の男が監禁されてる人々に対しひたすら語ってるという形で話が進んでいく。結末がとても悲しく、なんとも言えない気持ちになったが楽しめた。

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    2020年01月02日
  • 不穏な眠り

    ネタバレ 購入済み

    苦味強めを覚悟すべし

    話は相変わらず面白いし、バリエーション
    にも富んでいる。結末は意外だし、そこまで
    二転三転あり楽しめる。

    ただ、今回はいつも以上に、登場人物に嫌な
    人が多いように感じるのは、気のせいか?

    初登場ではないキャラまで、自分勝手な面が
    より目立つ部分が多く、その辺りはちょっと
    苦手。

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    2019年12月06日
  • 暗い越流

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    ネタバレ

    葉村晶がMURDER BEAR BOOKSHOPで働く経緯を知ることができた。葉村晶がケガを負うのはいつものことだが、今回はとりわけ読んだ後、後味の悪い短編が揃っている。

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    2019年04月21日
  • 古書店アゼリアの死体

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    ネタバレ

    職場の同僚からお借りした、初めましての若竹さん。
    面白かったです。
    架空の葉崎市を舞台にしたミステリでした。
    名門・前田家のあれこれは込み入っていて、この要素は横溝正史っぽいと思いましたが、読み心地はとても軽く明るかったです。
    怪しい人もてんこ盛りで、やっぱり…の人もいましたが、無垢っぽい人が実は一番残酷なのかもな、と思いました。
    そしてネタバレかもしれませんが、厳密な真相は闇に葬られたのですねこれ……。
    古書店アゼリアの店主・紅子さんが好きでした。巻末のロマンス小説紹介も、ロマンス小説と言えどジャンルがさまざまで、未読のものは読んでみたくなりました。

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    2019年04月06日
  • 御子柴くんと遠距離バディ

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    冒頭から大怪我ではらはらしたけどそれが原因で長野に帰った御子柴君と東京にいるままの相棒の竹花君がそれぞれの地で起きる事件を解決していく6つの短編集。無関係と思われる小さないざこざが後で全部繋がっていくので読み返し必須。あー、そうだったと何回思ったか。東京と長野で協力する機会なんて…と思っていたらまたうまく繋がるんだこれ。しかし皆、甘味好き過ぎる!見事に賄賂になっていてにやり。

    0
    2019年03月13日
  • 御子柴くんと遠距離バディ

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    ネタバレ

    御子柴くんの続編。あとがきで作者本人も書いてたけど、御子柴くんがますますつらい目にあっててびっくり。しょっぱなから御子柴くんが死にそうな目に合ってるし、長野県警の閑職につくことになってるし。でも小林先輩がいなくても、御子柴くんだけで立派に解決できるようになってて素晴らしい。バディの竹花君もいい人だ。こういう仕事ができる人なら楽しいだろうな、と今仕事への意欲が落ちている私は思う。

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    2019年01月13日
  • 御子柴くんと遠距離バディ

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    御子柴くんが冒頭でとんでもないことになりますが、そのかいあって、長野県警に戻ります。体調や体力が復活するごとに色んな事件に出会います。
    根っからの事件引き寄せ体質なんですね〜。
    飄々とした話の流れがなかなか面白い。

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    2018年09月21日
  • 静かな炎天

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    ミステリ専門書店二階の探偵の女性調査員
    調査がないときは書店の店番
    四十肩
    書店がミステリ専門店だけに、ミステリ小説関連の薀蓄も嬉しい

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    2018年09月08日
  • 暗い越流

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    ネタバレ

    大好きな女探偵・葉村晶シリーズ2作品とミステリー短編3作品。
    私にとっては大満足の短編集となった。
    若竹さんは葉村シリーズしか読んだことがなかったが、シリーズ以外のミステリーも面白い。
    全てにおいてオチの付け方に不意を突かれ、読み終わった後の余韻に浸りながら初めから読み直して色々と確認したくなる。

    我らが「悪霊が束になって現れてもびくともしない」葉村晶は40歳前後の頃の物語。
    相変わらず依頼人や富山店長に振り回されっぱなし。
    ボヤキのような呟きも相変わらずで、いちいち冴えていて笑える。
    他の若竹作品も追いかけてみたい。

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    2018年08月21日
  • 暗い越流

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    面白かったー。
    短編なのせいかテンポがよく、引き込まれた。
    どの話もラストが、ぞわーっとするようなおーと唸るようなラストで狙いすぎてない感じが良かった。

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    2018年08月10日
  • 御子柴くんと遠距離バディ

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    ネタバレ

    御子柴将(みこしばすすむ)シリーズ、第二弾。
    いきなり最初の一編から、作者は御子柴くんに何をするのーーーーーー!!と悲鳴を上げたくなる。
    前作では、土産物取次係のようにこき使われる御子柴くんがコミカルだったが、芸風変わったの?!という感じで始まる。

    長野に戻った御子柴くんと、警視庁共助課で頑張る、竹花一樹(たけはなかずき)、それぞれの頑張りと、糸電話のような遠いつながり…いや、運命の赤い糸か。
    前作では、御子柴くんの“遠距離バディ”は、先輩であり恩人でもある小林さんのような印象で、竹花君のことはそんなに印象に残っていないのだけれど。

    今回、非常に複雑に絡み合った糸で事件と事件がつながり、芋

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    2018年08月04日
  • 御子柴くんと遠距離バディ

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    痛快。爽快。テンポよく事件が連鎖して解決していく。遠距離バディとはよくいったもので、あちらとこちらを結んで呼応しあって、離れていても繋がって。
    知ってる地域もたくさん出てきて、甘味も美味しそうで、お腹も空いてくる!

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    2018年07月27日
  • 御子柴くんの甘味と捜査

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    東京都出身なのに山岳遭難救助隊に憧れて長野県警に入ったものの容疑者確保時の事故で膝を壊して夢破れ、さらには江戸留守居役とも呼ばれる警視庁捜査共助課出向中の主人公、御子柴 将。しかし、周囲からは「長野」とかスイーツ刑事(名物スイーツの手配や土産も留守居役のお仕事)と呼ばれる日々。
    そんな主人公が担当する事件は、信州名物のスイーツ(は、甘党のもやし刑事に食べられて口にできない)と、事件のあらましを聞いた元上司の小林警部補の思いつき(名推理)で謎が明かされ、ようやく口にできたスイーツのうまさに感心して終了というパターン。
    語り口の軽さ、独り言のツッコミが楽しい。
    18-88

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    2018年07月08日