若竹七海のレビュー一覧
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ネタバレ御子柴将(みこしばすすむ)シリーズ、第二弾。
いきなり最初の一編から、作者は御子柴くんに何をするのーーーーーー!!と悲鳴を上げたくなる。
前作では、土産物取次係のようにこき使われる御子柴くんがコミカルだったが、芸風変わったの?!という感じで始まる。
長野に戻った御子柴くんと、警視庁共助課で頑張る、竹花一樹(たけはなかずき)、それぞれの頑張りと、糸電話のような遠いつながり…いや、運命の赤い糸か。
前作では、御子柴くんの“遠距離バディ”は、先輩であり恩人でもある小林さんのような印象で、竹花君のことはそんなに印象に残っていないのだけれど。
今回、非常に複雑に絡み合った糸で事件と事件がつながり、芋づる式あり、急展開あり、転がる石のようなスピード感だ。
繋がるんだろうとは思ったけれど、そことそこでそう来るか!!という感心と面白さ。
火の国と春の訪れは、「犯人そこっ?!」という驚きが。
『御子柴くんの災難』
御用納めを待ち望む御子柴くんを次々と襲う、仕事と災難。
『杏の里に来た男』
たかがきのこ、されどきのこ。
一見、小さいと思われる事象をおろそかにしてはいけない。
『火の国から来た男』
でかくて重い熊が意外なところに出現。
『御子柴くんと春の訪れ』
タイトルから、勝手な想像をして誤解してしまいました。
『被害者を捜しにきた男』
警察医の大屋先生の「かわいそうにな」が印象的。
『遠距離バディ』
離れたところで頑張る、御子柴くんと竹花くん。
繋がっている。 -
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東京都出身なのに山岳遭難救助隊に憧れて長野県警に入ったものの容疑者確保時の事故で膝を壊して夢破れ、さらには江戸留守居役とも呼ばれる警視庁捜査共助課出向中の主人公、御子柴 将。しかし、周囲からは「長野」とかスイーツ刑事(名物スイーツの手配や土産も留守居役のお仕事)と呼ばれる日々。
そんな主人公が担当する事件は、信州名物のスイーツ(は、甘党のもやし刑事に食べられて口にできない)と、事件のあらましを聞いた元上司の小林警部補の思いつき(名推理)で謎が明かされ、ようやく口にできたスイーツのうまさに感心して終了というパターン。
語り口の軽さ、独り言のツッコミが楽しい。
18-88 -
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長野県警から、上野の警視庁捜査共助課へ出向中の御子柴将(みこしば すすむ)くん推定30代前半。
共助課というのは、他県と東京がらみの事件(意外に多い)の捜査がうまくいくよう、お国から遣わされた橋渡し役、時代小説好きの同僚は「江戸お留守居役」と言うが、全くその通りだ。
接待と贈答用菓子の使いどころが上手くないと務まらない。
…というか、ちゃんとした警察ものミステリなんですが、恐るべき甘党の捜査一課主任の玉森や、長野県警にいる、御子柴の元相棒であり上司であった小林警部補など、個性的キャラとの絡みが実にコミカル。
でも、御子柴くんの立場を考えるとちょっと同情、そして、おいしそうな銘菓の類が出てくるたびにウェブで検索してしまい、たびたび読書が中断してしまう…という連作短編集だ。
御子柴くんはもともとは東京の出身だが、山岳遭難救助隊に入りたくて長野県警に入った。
ある事故で膝を痛めてその夢はついえたが…
無駄に引っ張ることなく、事件がらみで明かされてすっきり。
『哀愁のくるみ餅事件』
『根こそぎの酒饅頭事件』
『不審なプリン事件』
『忘れじの信州味噌ピッツァ事件』
『謀略のあめせんべい事件』 -
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長野、東京、さらに他の地方都市で発生した事件が複雑に絡んで、
最後には…。警視庁捜査共助課から長野に戻った御子柴くん、
でも、根っこは相変わらず刑事です。
犯人が名乗り出たり、あるいは犯人を突き止めたりで、
刑事として「持って」いそうなのに、ツイていないように見えるのは、女探偵、葉山シリーズと同じ匂いがする。
これでもか、これでもかと不幸や災難が連鎖し、
悪態をつきながら(これは葉山の場合。御子柴くんは
つきません)事件の渦中に飛び込んでいく。
えらい、えらいと肩を叩きたくなる。
長野県警から警視庁の捜査共助課に出向し、
がんばっている御子柴くんシリーズの第二弾。
年末の仕事納めの前に、事件のあれやこれやを押し付けられ、相棒の竹花と走り回る。
一つ片付いたと思ったらまた一つ。
なかなか、仕事をおさめられない。
貧乏くじを引くタイプっているのね。
で、最後の最後で大きな不幸に見舞われてしまう。
と、これが第一話。
一話で大きなケガを負った御子柴くんは長野に戻され、
長野県警千曲川署の地域生活安全情報センターのセンター長という役職につくことに。
都内、長野、あるいは熊本と、あちこちで発生していた事件が、御子柴は長野で、竹花が東京で動くにつれ、
徐々に繋がりが明らかになり、集束し、一挙解決となる。
数カ所で事件が発生するので、当然、登場人物も増えて、
読んでいるうちに、こいつって誰だっけ、なんて、
ときどき迷子になることもあるけど、ああ~、こうなっていたのね、と、ジグソーパズルの仕上がった感を味わえる。
竹花がメインキャラで活躍し、御子柴くんが脇役になるストーリーもあるが、決して物足りなさを感じない。
ところで、御子柴くんのバディといったら、
てっきり小林警部補のことかと楽しみにしていたら、
いつのまにか、退職していたのネ。
ちょっと、それが、残念。 -
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元警官の大道寺圭は、退職後に犯罪者のまぬけなエピソードをつづった本「死んでも治らない」を発表した。
ところが、それがきっかけでまぬけな犯罪者たちにつきまとわれることになり・・・。
現在作家の大道寺圭の活躍を描いた5つの独立した短編の間に、彼が刑事として最後に関わった事件の記録が差しはさまれ、2つのパートが交互に綴られていくという構成になっています。
ラストまで読むとこの2つのパートが密接なつながりを持つことが明らかになり、施された趣向にハッとさせられます。
軽いコミカルなタッチや三枚目で憎めない大道寺のキャラのおかげでのんきな気持ちで読み進めていくと、人間の底知れぬ「悪」との遭遇にギョッとさせられ、毒まんじゅうを知らぬ間にたくさん食べたような気持になりました。
仕掛けた謎の設定と物語の切れ味のうまさには脱帽ものです。
やっぱやめられないな~、若竹七海さんは‼ -
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御子柴くんと竹花刑事、わずかに甘味を添えた短編集。全体的にまるで美味しいコーヒーのような深い味わい。凝縮されているせいか展開が早く、一気読みおすすめ。あっちの話がこっちにつながったり、ところどころにあるユーモアあり、うまく描いてるけれど、葉村シリーズの方が好きかな。御子柴くんとかキャラがどうも薄い感じ。あとは、パン好きな私としては、上田のルヴァン! パンは間違いなく美味しいが、杏子ジャムとクリームチーズでこの世で一番うまいと思うとのことで、今度行った時にトライだ。相性がいいのは間違いないでしょうが。そんなことでもちろん楽しめた一冊でした。
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久しぶりの再読。
『プレゼント』に登場した御子柴くんが主役。小林警部補と組んでいた時とは違い、警視庁と長野県警とを繋ぐ政治的な役割を担わされていて、そのためにあちこちからスイーツを手配させられて、本来の捜査以外のお仕事に振り回されている。
それでも毎回登場するスイーツは美味しそう。
最終的には元上司の小林警部補が探偵役となって御子柴君に真相を指南。小林警部補らしく謙虚にさりげなくではあるけれど、それで真相が明かされるのだからやっぱり小林警部補って名探偵。
元々は小林警部補を主役をする作品を依頼されたそうだが、若い御子柴くんを主役にしてくれたおかげで彼のキャラクターも明らかになったし、これはこれで面白かった。
最近シリーズ新作も出たようなので、そのうちに読んでみたい。 -
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ネタバレ『御子柴くんと遠距離バディ』の前作に当たる、シリーズ第1作である。第2作を先に読んだために、インパクトはやや弱いかもしれない。しかし、彼はやっぱり葉村晶と同じく、トラブルを吸い寄せ、頼まれると断れないのであった。
東京出身にして、長野県警に入ったが、警視庁に出向中の御子柴くん。「甘味と捜査」だけに、全5編のタイトルに甘味が入っているが、事件そのものにはあまり関係ない。しかも、御子柴くん自身はほとんど味わえないという…。
「哀愁のくるみ餅事件」。上田市で見つかった盗難車から発見された、死体の素性とは。支障がない程度に書くと、家族って難しいねえ。血が繋がっているからこそ、難しい。正直、気持ちはわかるし、正解があるなら教えてほしい。
「根こそぎの酒饅頭事件」。一言で言ってしまえば、人間の飽くなき欲望か。ここまで巧妙ではないにしろ、現実にもこういう事件は聞く。どうして危険な橋を渡るのか。結局は、需要と供給、すなわち市場原理で成り立っている。
「不審なプリン事件」。結婚式会場に現れたのは…。これもまた、家族の難しさかな。決して笑えない話だが、こんなネタを重く感じさせずに読ませるのは、若竹流ミステリならでは。そして、葉村晶的作品世界のおかげ。
「忘れじの信州味噌ピッツァ事件」。こういう事例も実際に聞くが、ここまで警察を煙に巻いた例はあるまい。おそらく、天才ではなく単に天然なのだろう。こんな巨大疑惑を短編にしてしまう若竹さん、あなたってお人は…。
最後はやや長い「謀略のあめせんべい事件」。失態を犯した御子柴くん。そのために、こんなに長引くとは。呆れるほどタフな奴だ。『相棒』を彷彿とさせる複雑な構図にも関わらず、この結末は、らしいというか何というか…。
各編とも十分すぎるほど詰め込んでいるのだが、『御子柴くんと遠距離バディ』と比較すると、物足りなく感じてしまう。あなたがもし2作とも未読ならば、刊行順に読んだ方がよいだろう。御子柴くんの再登場はあるだろうか。 -
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ネタバレ短編集。あとがきによれば、「暗い越流」が日本推理作家協会賞を獲ったのをきかっけに単行本になったらしいい。
以下あらすじ
「蠅男」…女探偵葉村晶シリーズ。人里離れた別荘。もとは霊能者が建てた。屋敷に来た人が、気分が悪くなったり、頭痛がしたりするらしい。
「暗い越流」…死刑判決になった男に宛てられたファンレター。差出人は、男の実家の隣に住んでいた女子高生だった。しかも、彼女は5年前から失踪しているという。一見、葉村晶タイプの雑誌リサーチャーが、弁護士と組んで事件を調べているのかと思った、最後の2ページでびっくりして、前の部分を読み返してしまった。
「幸せの家」
「狂酔」…教会の地下にシスターたちを閉じ込めて建てこもる男。彼の語りを通して、児童養護施設で育った少女のことが明らかになる。
「道楽者の金庫」…これも葉村シリーズ。大金持ちが亡くなった。彼は金庫に何かをしまっていたらしい。しかし、その金庫の番号を知っているのは、生前お金持ちが大量に集めていたこけしだけだ。葉村は田舎の別荘までこけしを取りにいく。
葉村作品が2つも読めてうれしい。それ以外の短編も面白かった。 -
Posted by ブクログ
最初と最後の作品が、葉村晶のもの。
中の三編はノンシリーズだけど、この並びがまた一つのトリックになっている。
葉村晶のシリーズは全て、家族のあり方が事件のベースにあるのだが、この短編集もまたそうなっている。
だから読後苦い物が残されてしまうのはしょうがないが、なぜか葉村晶が事件に巻き込まれると「しょうがないなあ」と苦笑い程度には薄まったりするのは、短編だからなのかもしれない。
何しろ「悪いうさぎ」の読後感ったら、苦いなんてものじゃなかったから。
親が子どもを支配する連鎖が何とも重苦しくて見苦しい表題作。
読んでいて一番つらかった。
幸せになっていいはずの未来を断ち切られても、子どもは文句を言えないのか。
子どもの犠牲の上にある親の安泰って、ここまで極端ではないけれど、実はわりとよくあることなのではないだろうか。
家族っていうのは一体なんなの?
血のつながり?
一緒に暮らしているという、その形?
壊そうと思っても簡単に壊れないくせに、大事に抱え込んでいるといとも簡単に崩れてしまう。
実に厄介な代物。
だけど往々にして人は家族を作ろうとするんだよね。
そこに幸せがあるという前提で。