若竹七海のレビュー一覧
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葉村晶シリーズを読み進める中で、この本も読みました。
この本だけ表紙が違うなぁと思ったら、これだけ出版社が違うのですね。
この本は光文社、その他の葉村晶シリーズは文藝春秋。
あとがきによれは、表題作である「暗い越流」が、文学賞を受賞したものらしい。
暗い越流は、死刑囚に届いた1通のファンレターが発端になり、雑誌記者が差出人を探す…という話。
暗い越流は葉村晶シリーズではなく、葉村晶が登場するのは「蝿男」と「道楽者の金庫」だけだ。
しかしノンシリーズも含めて、全てワクワク、ゾワゾワするおもしろい短編ミステリーだった。
短編であることがむしろ心地よいと思った。
道楽者の金庫では「こけし」が謎 -
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ネタバレ葉﨑市シリーズ二作目。
前作のヴィラ・マグノリアの土地所有者だった、
地元の名家前田家をめぐる殺人事件。
「コージータイム」というどこかで聞いた雑誌
(編集長が殺されたような…)を発行していた勤め先がつぶれ、
泊まったホテルが火事となり、新興宗教に追われ、海に叫ぶ女。
挙句の果てに死体を発見する。
その死体は前田家の行方不明だった「若殿」なのか。
前作より面白かった。
死体を担いだり、棺の中で寝てしまったりと、どたばた要素があったからか。
恋愛要素がはっきりしていたからか。
最後のドンデン返しが良かったからか。
パンプキンスープとか、前作のネタがちょこちょこ出て来たのも、
楽しかった。
ロ -
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若竹七海の葉崎市シリーズ第一弾。ジャンルとしては「コージーミステリ」というものらしい。でもこれホントにコージーなの?喫茶店や古書店を舞台に、悩みを抱えた客の謎を、店主のお婆ちゃんや若い女性が解いていくものではなかったの?
作者本人がカッパノベルズの初版でコージーミステリを説明しているらしい(「解説」より)。
‥‥小さな町を舞台とし、主として誰が犯人かという謎をメインにした、暴力行為の比較的少ない、後味の良いミステリ‥‥これが「コージー」らしい。更にこの作品を説明して「重苦しい情念の世界も、鬼面人を驚かす類の大トリックもありません」と断ったうえで「舞台は海沿いの閑静な住宅地」で、「それぞれ一癖 -
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「葉崎市シリーズ」の2冊目。
今度は、前作でも当地の名家として紹介されていた前田家を巡る騒動の顛末。
海岸で発見された溺死体に行方不明になっている前田家の御曹司・秀春の可能性が浮上。
かつて秀春の失踪事件を担当した駒持警部補が過去のお家騒動をなぞりながら五木原巡査部長とともに捜査にあたる。
秀春を巡って、紅子に満知子に初穂に結衣にしのぶに麻衣、居並ぶ女性陣は皆、いわくあり。
とは言え、前田家の人々のみならず、葉崎FMのメンバー、東銀座商店街の面々、そしてトラブルに見舞われ続ける相澤真琴など登場人物は皆、なんとなく憎めない感じの人ばかりで、筋書きはとても面妖な話なのだが、それを感じさせない軽や -
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ネタバレ本筋(ミステリー)以外の話で恐縮だが、主人公・葉村晶が非常に魅力的。
物語の始まりは廃屋でカビ臭い蔵書の取り出し、遺品整理。
晶が押入れの多量の蔵書を運び出そうとした瞬間、腐食した床を踏み抜き、下水まみれの床下に落下し、骸骨に頭をぷつけながら気絶し骨と肺をやられてしまう。
意識を取り戻すとそこは病院で、結局、同室の患者から調査依頼を受けるハメに。
満身創痍で始まり、周りの人や警察から雑多な扱いを受けたり疎んじられたりする。
踏んだり蹴ったり、そして厄介ごとが重なってくる毎日なのに、晶はめげない。
晶の魅力は、肉体、精神の強さというより、ひたすら愚直に、時々は間違いもしながら、前に進 -
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ネタバレ葉村晶シリーズの長編。
女子高生の家出、失踪を調査するなかで、大小さまざまな事件に巻き込まれる晶。
事件をとくためのキーはたくさん出てくるものの、400ページ過ぎるまで(この本は全460ページくらい)カナが言っていた「ゲーム」の真相にかすりもしなかった。
分かってしまえば、こわくて知りたくなかったと思うような真実。
悪いやつらが蔓延るのは、このシリーズのあるあるではあるものの、ここまで人命を軽視するやつらが大量に登場すると、後味悪過ぎた。
そして、登場人物が多すぎた。
2日ほどで一気に読んだものの、途中で「こいつ誰だっけ?」と何度思ったことか…。
女の子達の名前も「美和」「佳奈」「綾子」… -
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これぞ私の好きな気楽で楽しみいっぱいの本だよっていう読み物。
まず章立てのタイトルが、もう、知ってる映画のタイトルのもじりで「これがあれで、あれがこれで」と当てはめて楽しんだ。
そして古書店、しかもロマンス小説専門店が舞台ときた。出るは出るはロマンス小説の数々題名作者。
最初にデュ・モーリアの「レベッカ」が出てきて、おおお!これ何度読み返してもぞくぞくするね。これを出してくれるのは嬉しい!
コージーミステリ(恐ろしい事件が起こっても、それが解決すると再び平穏な、心地よい平凡な日常的な生活に戻っていけるという安心感に支えられたミステリー)とか、ゴシックロマン(若い娘が屋敷を手に入れる話) -
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「葉崎市シリーズ」第2弾。
葉崎署駒持警部補の今回のバディは五木原巡査部長。このコンビもいいわ〜。
仕事を失い、やけくそで泊まった高級ホテルで火事に遭い、海に向かって「バカヤロー」と叫びに来た葉崎市の海岸で死体の第一発見者となった主人公・相澤真琴。その後も店番で入った古書店で泥棒に遭ったり、首を絞められて殺されそうになったりととことんツイてないところがどことなく葉村晶を彷彿とさせる。
その他の登場人物もなかなか個性的で、事件の展開はもちろんのこと、読み出したら止まらない。
タイトルにもなった「古書店アゼリア」がロマンス小説専門の店ということで、海外ロマンス特にゴシックロマンスのカルト的知識 -
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ネタバレ初作家。非常に面白かったが、騙され過ぎた感やその悔しさも少し残った。読み始めたときの文章で星新一が浮かび、読み終えた後、アガサ・クリスティーが残っている。分かりやすい文章だったが僕には理解が難しく、それぞれ何度も読み返した。
「まーちゃんさん」が高評価されていたため手に取り、楽しむことができました。
いい作家にめぐり合わせていただき、ありがとうございました。
①濃紺の悪魔
虚言か真実か、ただの1本のヒモを力いっぱいこんがらがらせた感じ。すごい。
②詩人の死
幸せなはずの詩人の自死。その理由を模索した挙句、答えはラストの光景がすべて。
③たぶん、暑かったから
ラストが恐怖映画のよう。敵を欺く -
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『私は葉村晶という。国籍・日本、性別・女。・・・〈白熊探偵社〉の調査員である。』という冒頭の自己紹介からイメージする通り、GUNアクションもなければ、徒手のアクションもない。にもかかわらず、この躍動感たるや、このスピード感たるや。ハードボイルドな乾いた文体の中に含まれるユーモアが、主人公をチャーミングに活写する。平易な形で張られた伏線の回収も鮮やかだ。
短編集である本作は、7月から12月まで月に1件の事件を解決していく。冒頭の7月と12月の事件は緩やかにつながり、ちょっとした中編のような感覚も楽しめる。さて、このシリーズ、次は何を読もうかと考えるとき、重複買いの無いようにしっかり記録して -
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葉村晶シリーズを読みたくて、第一作から手を出してみた。
葉村晶のお話と、小林警部補のお話。
8編の短編集。
どれも読みやすくて面白い!
大掛かりな推理や謎解きはないけど、スイスイ読んでって、最後に「あ、そういうこと?!」と驚きがある。
一つ一つの話がとても短くて、ダラダラ無駄な記載がないのも好感。
こういうタイプのミステリー、好きです。
小林警部補は、犯人が分かっていて推理していくと言う「古畑任三郎パターン」。
第二話から、小林が自転車に乗って登場してまさに古畑だったな。
小林警部補も気に入ったのですが、若竹さんのwikiを見るとシリーズ化はされていないようだ。小林ではなく、小林の部下の御 -
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のんびりふわふわ楽しめました。人が死んでいるし、天変地異はあるし、それなのに、のんびりふわふわで良いのかな、と思いつつも、のんびりふわふわ楽しめました。
カバーに長編推理小説と書いてあります。その通りです。しかし、ちょっと長いかなあ?と思いました。目次は日付入りなので、それを見ても9日間の出来事です。ちょっと描写がのんびりしているかなあ、でも、それがこの本の良さなんだろうなあ、と思いました。
細かいエピソードをあちらこちらにちりばめながら、最終的な大団円にもっていって、鮮やかにおさめるのはさすがだなあ、と思います。
しかしながら、この本の中での最大の謎は解決されません。登場人物たちには解決した