若竹七海のレビュー一覧

  • 古書店アゼリアの死体

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    葉崎シリーズ二作目。
    あー面白かった!
    葉崎の名家、前田家をめぐる事件の数々に、地元民みたいにのめりこんで一気読み。
    駒持警部補、さすが鋭い。
    真琴ちゃんの災難続きには気の毒だけど笑ってしまった。これから五木原巡査部長とうまくいくのかな。きっと紅子さんの口添えで幸せに暮らすのでしょう。
    紅子さんのお店、探してみたくなった。
    ロマンス小説も少しは読んでみようかしらん。

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    2021年10月18日
  • さよならの手口

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    ネタバレ

    本筋(ミステリー)以外の話で恐縮だが、主人公・葉村晶が非常に魅力的。

    物語の始まりは廃屋でカビ臭い蔵書の取り出し、遺品整理。

    晶が押入れの多量の蔵書を運び出そうとした瞬間、腐食した床を踏み抜き、下水まみれの床下に落下し、骸骨に頭をぷつけながら気絶し骨と肺をやられてしまう。

    意識を取り戻すとそこは病院で、結局、同室の患者から調査依頼を受けるハメに。

    満身創痍で始まり、周りの人や警察から雑多な扱いを受けたり疎んじられたりする。

    踏んだり蹴ったり、そして厄介ごとが重なってくる毎日なのに、晶はめげない。

    晶の魅力は、肉体、精神の強さというより、ひたすら愚直に、時々は間違いもしながら、前に進

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    2021年10月18日
  • ヴィラ・マグノリアの殺人

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    みんな秘密があり、みんな隠し事があり、錯綜するする…。
    登場人物が多くて、最初は誰やったっけ? と何度も登場人物ページに戻りましたが、キャラが全員こゆいので。
    男性にしては小柄、が集う場所。

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    2021年10月16日
  • 悪いうさぎ

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    読み始めてからNHKのドラマの原作だと気付く。シシド・カフカはカッコ良すぎるが、彼女のように低体温のいい声で淡々と語るような筆致はそのものかも。女子高生の会話のくだけ方が不自然にならず引っ掛からなくて良かった。無理に若者言葉を使ったり、むしろ年寄りくさい言い回しをこの世代が使ったりする小説で興醒めることも多いからな。難しいものだ。しかし自分が適切だと思っていることも勘違いかもしれぬが。

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    2021年10月06日
  • 依頼人は死んだ

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    シリーズ2作目とのこと。全作読破決定です。
    太刀洗さんを彷彿とさせる、いい感じに女子でない主人公がいいですね。自分を分析するのに微塵の容赦もないのが好みドストライク。
    真相を明かす口数が少なく、余韻の残る作品が多かったです。最終話で急にモリアーティみたいのでてきて、ゾクッとして終わりました。「都合のいい地獄」、ほんま容赦ないわ~。好っきゃわ~。

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    2021年09月20日
  • 悪いうさぎ

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    ネタバレ

    葉村晶シリーズの長編。
    女子高生の家出、失踪を調査するなかで、大小さまざまな事件に巻き込まれる晶。

    事件をとくためのキーはたくさん出てくるものの、400ページ過ぎるまで(この本は全460ページくらい)カナが言っていた「ゲーム」の真相にかすりもしなかった。
    分かってしまえば、こわくて知りたくなかったと思うような真実。

    悪いやつらが蔓延るのは、このシリーズのあるあるではあるものの、ここまで人命を軽視するやつらが大量に登場すると、後味悪過ぎた。
    そして、登場人物が多すぎた。
    2日ほどで一気に読んだものの、途中で「こいつ誰だっけ?」と何度思ったことか…。
    女の子達の名前も「美和」「佳奈」「綾子」…

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    2021年09月19日
  • 猫島ハウスの騒動

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    ネタバレ

    葉崎市シリーズ。
    夏の観光地での驚きの事件の数々。
    だけど、ゆるゆるな雰囲気で楽しい。
    よみおわったら、アチラコチラに伏線が潜んでいたことに相変わらずびっくり。
    若竹さん、さすが!です。

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    2021年09月18日
  • 古書店アゼリアの死体

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    これぞ私の好きな気楽で楽しみいっぱいの本だよっていう読み物。

    まず章立てのタイトルが、もう、知ってる映画のタイトルのもじりで「これがあれで、あれがこれで」と当てはめて楽しんだ。

    そして古書店、しかもロマンス小説専門店が舞台ときた。出るは出るはロマンス小説の数々題名作者。

    最初にデュ・モーリアの「レベッカ」が出てきて、おおお!これ何度読み返してもぞくぞくするね。これを出してくれるのは嬉しい!

    コージーミステリ(恐ろしい事件が起こっても、それが解決すると再び平穏な、心地よい平凡な日常的な生活に戻っていけるという安心感に支えられたミステリー)とか、ゴシックロマン(若い娘が屋敷を手に入れる話)

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    2021年09月15日
  • 古書店アゼリアの死体

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    「葉崎市シリーズ」第2弾。
    葉崎署駒持警部補の今回のバディは五木原巡査部長。このコンビもいいわ〜。

    仕事を失い、やけくそで泊まった高級ホテルで火事に遭い、海に向かって「バカヤロー」と叫びに来た葉崎市の海岸で死体の第一発見者となった主人公・相澤真琴。その後も店番で入った古書店で泥棒に遭ったり、首を絞められて殺されそうになったりととことんツイてないところがどことなく葉村晶を彷彿とさせる。

    その他の登場人物もなかなか個性的で、事件の展開はもちろんのこと、読み出したら止まらない。
    タイトルにもなった「古書店アゼリア」がロマンス小説専門の店ということで、海外ロマンス特にゴシックロマンスのカルト的知識

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    2021年09月08日
  • 依頼人は死んだ

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    ネタバレ

    初作家。非常に面白かったが、騙され過ぎた感やその悔しさも少し残った。読み始めたときの文章で星新一が浮かび、読み終えた後、アガサ・クリスティーが残っている。分かりやすい文章だったが僕には理解が難しく、それぞれ何度も読み返した。

    「まーちゃんさん」が高評価されていたため手に取り、楽しむことができました。
    いい作家にめぐり合わせていただき、ありがとうございました。

    ①濃紺の悪魔
    虚言か真実か、ただの1本のヒモを力いっぱいこんがらがらせた感じ。すごい。
    ②詩人の死
    幸せなはずの詩人の自死。その理由を模索した挙句、答えはラストの光景がすべて。
    ③たぶん、暑かったから
    ラストが恐怖映画のよう。敵を欺く

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    2021年09月03日
  • プレゼント

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    ハムラアキラシリーズ、依頼人は死んだ以来の二作目です。前にも感じたのですが、文章とハムラアキラのざらっとした感じがとても合っていて心地よいのです。ハムラアキラが年齢を重ねてどうなっていくのか、とても楽しみです。また、追いかけたい探偵が増えてしまいました。

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    2021年08月15日
  • 静かな炎天

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    この事故現場の交差点、知ってる。
    この川、知ってる。
    このお菓子、知ってる。
    え!地元?
    変な興奮をしてしまい、うわうわしているうちに、読み終わってしまいました。

    体が痛い、しんどい、でも仕事だから動かないと辛いけど動かないとで、仕事を続ける晶
    を応援してました。


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    2021年08月10日
  • 悪いうさぎ

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    ネタバレ

    孤高の探偵、葉村晶。セリフの一つ一つの切れ味が鋭く、皮肉がきいていてやはり好み。そして葉村晶がいくらタフでも、もうちょっと手加減してあげて欲しくなるほどの不運さに、つい心配になる。クールに見えて人間味のあるところがまた魅力として写る。
    女子高生の入り組んだ交友関係、悪趣味な成功者たち…救いもなく苦い後味が広がるが、それも葉村晶にぴったりだ。

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    2021年08月09日
  • 静かな炎天

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     『私は葉村晶という。国籍・日本、性別・女。・・・〈白熊探偵社〉の調査員である。』という冒頭の自己紹介からイメージする通り、GUNアクションもなければ、徒手のアクションもない。にもかかわらず、この躍動感たるや、このスピード感たるや。ハードボイルドな乾いた文体の中に含まれるユーモアが、主人公をチャーミングに活写する。平易な形で張られた伏線の回収も鮮やかだ。

     短編集である本作は、7月から12月まで月に1件の事件を解決していく。冒頭の7月と12月の事件は緩やかにつながり、ちょっとした中編のような感覚も楽しめる。さて、このシリーズ、次は何を読もうかと考えるとき、重複買いの無いようにしっかり記録して

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    2021年07月17日
  • プレゼント

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    葉村晶シリーズを読みたくて、第一作から手を出してみた。

    葉村晶のお話と、小林警部補のお話。
    8編の短編集。
    どれも読みやすくて面白い!
    大掛かりな推理や謎解きはないけど、スイスイ読んでって、最後に「あ、そういうこと?!」と驚きがある。
    一つ一つの話がとても短くて、ダラダラ無駄な記載がないのも好感。
    こういうタイプのミステリー、好きです。

    小林警部補は、犯人が分かっていて推理していくと言う「古畑任三郎パターン」。
    第二話から、小林が自転車に乗って登場してまさに古畑だったな。
    小林警部補も気に入ったのですが、若竹さんのwikiを見るとシリーズ化はされていないようだ。小林ではなく、小林の部下の御

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    2021年06月01日
  • 猫島ハウスの騒動

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    のんびりふわふわ楽しめました。人が死んでいるし、天変地異はあるし、それなのに、のんびりふわふわで良いのかな、と思いつつも、のんびりふわふわ楽しめました。
    カバーに長編推理小説と書いてあります。その通りです。しかし、ちょっと長いかなあ?と思いました。目次は日付入りなので、それを見ても9日間の出来事です。ちょっと描写がのんびりしているかなあ、でも、それがこの本の良さなんだろうなあ、と思いました。
    細かいエピソードをあちらこちらにちりばめながら、最終的な大団円にもっていって、鮮やかにおさめるのはさすがだなあ、と思います。
    しかしながら、この本の中での最大の謎は解決されません。登場人物たちには解決した

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    2021年05月16日
  • 不穏な眠り

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    葉村晶シリーズ第6作の短篇集。
    どれも人間の厭なところがふんだんに描かれている重い話だったなぁ。
    好きなのは「水沫隠れの日々」と表題作「不穏な眠り」。衝撃のラストでばっさり終わる前者と、深い憂いの余韻が残る後者、やはり幅広い作家だ。

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    2021年03月20日
  • 不穏な眠り

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     女性探偵・葉村晶シリーズを読み始めると、頭の中では宍戸カフカさんが動きし、より魅力的な物語になっていく。今回のシリーズは2021年版『このミス』で10位を獲得した短編集だ。
     スピード感のあるストーリー展開で、ミステリーの要素も十分。主人公の判断力と行動の速さは、気持ちいいくらい期待に応えてくれる。ただ、短編ではあるものの、ストーリーにもう一回転の展開が欲しかった。各短編が終わった瞬間に『で、どうなったの?』と突っ込みに似た余韻が残る。

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    2021年01月24日
  • 御子柴くんの甘味と捜査

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    すごく読みやすい作品でした。

    色々な甘味が出てきて、食べたくなりました。
    事件の内容が甘くなくヘビーだなと思いました。
    主人公の御子柴くんもよかったけど、個人的には小林警部補がお気に入りです。「なーんか変なこと思いついちゃった」ってお茶目な感じが素敵だと思いました。小林警部補が主人公の作品があることを知らなかったので読んでみたいです。

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    2021年01月24日
  • 不穏な眠り

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    ネタバレ

    シシドカフカさん主演のドラマ、録画したものも少しずつ見ている。イメージはとても合っている。本の葉村晶の方が、もう少しベージュで薄汚れてて、疲れて郊外を歩いていそう。この本だと、糞が混ざっているであろう池の泥水を飲んでしまい肺にまで入っていくようなイガイガした苦しさや、年越しの冷え切ったビル、災害級の雨、のような悪臭や不快感、寒さ冷たさ、大きな音まで自分も感じてしまう気がする。老眼疑いも、すぐに思いつかなかったこともあったけどそれでも、打つ手も打ってる、有能な探偵ぶりも健在だった。カズレーザーさんのお勧めで知り、シリーズ始めから読み始めて最新刊まで追いついた。同年代。これからも読みたい。

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    2021年01月23日