若竹七海のレビュー一覧

  • 殺人鬼がもう一人

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    東京郊外の寂れた町、辛夷ケ丘。これでコブシガオカと読む。
    悪徳な人たちが暮らしていて、放火、殺人事、強盗、詐欺、選挙違反、と事件が起こり解決らしきものを迎える。それぞれの終わり方ば分かりづらいが、最後の〆方はさすが。
    短編集は苦手なんだけど面白かった。

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    2022年05月09日
  • 古書店アゼリアの死体

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    やっちまった。ただ今、5月5日の午後12時。

    〆切は明日朝1番なのに「未だ大丈夫」と思いながら、祝日の今日1日は、「つい」これを読み始めて一気読みしてしまった‥‥。どうすんだオレ。とりあえず、感想は置いてといて、徹夜覚悟で書き始めよう‥‥。

    ーーーーーーーーーーーm(_ _)m

    12時間後。
    もはや、葉崎市の海岸に打ちあげられた溺死体、或いはアゼリア古書店で発見された撲殺死体の気分です。死んでしまえ!私。先月の教訓はどうなったんだ!いや、すみません。後もう少し‥‥。

    ーーーーーーーーーーーーー\(^o^)/

    20時間後。
    いやあ、すみません。とりあえず終わりました。いや、終わらせまし

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    2022年05月08日
  • さよならの手口

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    ネタバレ

    葉村晶の乾いた言葉選びが本当に好き。
    仕事柄ハードボイルドでも、日常で心地のよいものを好みで選んでいるところが、私にとって好感の持てるポイント。華美ではないがそういう穏やかな生活が、きちんと後ろに控えているところがいい。
    でも今回初っ端から満身創痍で笑ってしまった。トラブルの方が葉村晶を離さないといった様子だ。
    葉村晶の仕事ぶりを見て回るのは楽しい。最低でも、社交性があって身体が強くて口がうまくて勘が強くないと務まらない。
    幾重にも折り重なった事件の苦い後味がこのシリーズらしいなと思う。

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    2022年04月23日
  • プラスマイナスゼロ

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    葉崎市のシリーズ。
    メインが高校生なせいか、後味そんなに悪くないのでさくさく。
    色々めちゃな分もあるけどコージーとして楽しめたかなと。

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    2022年04月09日
  • 錆びた滑車

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    葉村晶は長編の方が私は好き。
    毎度のこと話が進むにつれ痛みつけられる葉村だが、今回は肉体よりも心の方が痛かったか(怪我も酷いけど)。
    伏線もきっちりと回収されている。
    冒頭の文で、今回はもしかして…と思ったが哀しい話だった。読み終わってから冒頭に戻って、タイトルの意味もわかった。

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    2022年03月05日
  • さよならの手口

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    シリーズものが読みたくなって、この作品の次(静かな炎天)をずいぶん前に読んでそのままになっていた葉村晶シリーズを読んだ。
    満身創痍というか、話が進むにつれ(葉村の推理が進むにつれ)、身体と心を痛めつけられる。次も読みたいと思わせてくれるのは葉村晶の不屈さと優しさかな。
    和製ハードボイルド。最後の一文も、”ロンググッドバイ“。

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    2022年02月19日
  • みんなのふこう 葉崎は今夜も眠れない

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    ネタバレ

    葉﨑市シリーズ七作目。

    ちょっとのれなかった。

    おなじみの葉﨑FMで放送されるコーナーに投稿された、
    かなり不幸な、かつ不運な、
    それでいて明るく生きている女の子の話が、
    犯罪がらみになってしまうミステリー。

    「プラスマイナスゼロ」のテンコにも少し感じていたが
    あまりの不運さにちょっとついていけない感じ。
    というよりかは、
    ココロちゃんにもうちょっと幸せになってほしかったのかもしれない。

    全体としては面白かったし、
    葉﨑市に住みたい気持ちに変わりはないけれど。

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    2022年02月12日
  • 古書店アゼリアの死体

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    私はイヤミスは避けて通るんですが
    若竹さんは全然okです。

    ですよね〜という納得感があります。
    あと何回騙しにくる? 
    ページ的にまだまだでしょw
    楽しかった〜

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    2022年02月12日
  • 静かな炎天

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    ネタバレ

    葉村晶シリーズの短編集。
    安定のおもしろさ。

    ミステリ専用の本屋の書店員をしながら、探偵をしている葉村晶。というか、晶の話を聞きつけた人に頼まれて仕方なく引き受けている感じ。
    人探しをしていたはずなのに、事件に巻き込まれる率、高し。

    晶の心の声というか、心の中のツッコミが、キレが良くておもしろい。
    私自身、若い頃は心に毒を持っていたつもりなんだけど、年をとるごとに丸くなり、自分の中から毒が抜かれていくさまを痛感しているのです。
    晶は四十肩になるような年になっても、毒が健在で嬉しいよ。

    表題作「静かな炎天」では、黒幕が狙った方法って、さらりと書いてあるけどすごく残酷な方法でぞっとした。

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    2022年02月08日
  • ポリス猫DCの事件簿

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    ネタバレ

    葉﨑市シリーズ六作目。

    ああ、猫島に住みたい。
    加熱だけど温泉が出て、
    平日はもりとかけだけだけど蕎麦屋が出来て、
    葉﨑市の猫島はさらにパワーアップしていた。

    でもかなり個性的でないと住民にはなれないようなので、
    猫島海岸がいいところかな。
    美味しい定食屋が住宅街にできたらしいし。
    ランチや週末の忙しい時にアルバイトで通うのはどうだろう。
    でもそれだと、いかにのんびりした葉﨑市でも暮らしていけないか。
    まあ、でも賄いをだしてもらえれば、とりあえずは生きて行けるかな。
    百匹の猫たちだって、暮らしてるんだから。

    今回は猫島臨時派出所のポリス猫が主人公。
    七瀬巡査を手伝わせながら、大小の事件を

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    2022年02月02日
  • 悪いうさぎ

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    比較的初期の葉村晶シリーズ。
    当然ながら短編に比べてボリュームがあるのだが、それを忘れさせるほどテンポが良く、面白い。

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    2022年02月01日
  • プラスマイナスゼロ

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    ネタバレ

    葉﨑市シリーズ五作目。

    「卒業旅行」というタイトルを見て最終章だと思い、
    一度本を閉じた。

    主人公は丘の上にある高校に通う女子高生。
    学園祭、じゃなくて収穫祭で豚汁を作って売ったり、
    卒業式で卒業生にかくし芸を披露したり、
    海岸で友達と三人でクリームソーダを食べたり、
    死体を発見したり、幽霊を見たりと、
    高校生活を満喫していた。

    そして、その親友たちと仲良くなるきっかけの心温まる話、の後の「卒業旅行」。
    この著者の作品を読んだことがあれば、
    ここから急降下が始まるのではないかと恐れるのは当然だ。
    と、身構えた割には「卒業旅行」はどんでん返しでもなかったし、
    最終章でもなかった。
    と言って

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    2022年01月24日
  • 不穏な眠り

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    若竹七海さん葉村晶シリーズ2冊目。
    どのお話もテンポよく、転がる展開を楽しみながら一気に読み終わってしまった。やっぱり主人公の造形が好きだなぁ。
    ただ、依頼主や雇い主とのパワーバランスがちくちくと気にかかる。

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    2021年12月27日
  • さよならの手口

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    ネタバレ

    最初は軽いタッチというか独特な主人公だなと読み進めていたら、
    途中からあれよあれよと話が大きくなっていきました。

    前作を読んでいないのですが、
    葉村探偵の思考や倉嶋舞美のうざさなど楽しく読めました。

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    2021年12月23日
  • プレゼント

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    著者の作品は愛読しているが、本作のみ縁がなく読む機会なかった。初出から25年以上たっているが、相変わらずキレキレで面白い。むしろシンプルに研ぎ澄まされて良い感じ。収録作の中ではトラブル・メーカーがお気に入り。

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    2021年12月11日
  • 古書店アゼリアの死体

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    ネタバレ

    食事の最後に、これお店からのサービスですってもらったスイーツがすんごいおいしくて、いや、常連になるわ!って思う話。
    死体で登場した秀春が、あの短いラストで血肉を備えた生臭い生きた人間としてどんと存在感を増す。すごいっすよ。
    最近知った作者なので、未読がたくさんあるのがうれしい。もっと読みたい。

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    2021年11月20日
  • 暗い越流

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    葉村晶シリーズを読み進める中で、この本も読みました。
    この本だけ表紙が違うなぁと思ったら、これだけ出版社が違うのですね。
    この本は光文社、その他の葉村晶シリーズは文藝春秋。

    あとがきによれは、表題作である「暗い越流」が、文学賞を受賞したものらしい。

    暗い越流は、死刑囚に届いた1通のファンレターが発端になり、雑誌記者が差出人を探す…という話。
    暗い越流は葉村晶シリーズではなく、葉村晶が登場するのは「蝿男」と「道楽者の金庫」だけだ。
    しかしノンシリーズも含めて、全てワクワク、ゾワゾワするおもしろい短編ミステリーだった。
    短編であることがむしろ心地よいと思った。

    道楽者の金庫では「こけし」が謎

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    2021年11月16日
  • 古書店アゼリアの死体

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    ネタバレ

    葉﨑市シリーズ二作目。

    前作のヴィラ・マグノリアの土地所有者だった、
    地元の名家前田家をめぐる殺人事件。
    「コージータイム」というどこかで聞いた雑誌
    (編集長が殺されたような…)を発行していた勤め先がつぶれ、
    泊まったホテルが火事となり、新興宗教に追われ、海に叫ぶ女。
    挙句の果てに死体を発見する。
    その死体は前田家の行方不明だった「若殿」なのか。

    前作より面白かった。
    死体を担いだり、棺の中で寝てしまったりと、どたばた要素があったからか。
    恋愛要素がはっきりしていたからか。
    最後のドンデン返しが良かったからか。
    パンプキンスープとか、前作のネタがちょこちょこ出て来たのも、
    楽しかった。

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    2021年11月08日
  • ヴィラ・マグノリアの殺人

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    若竹七海の葉崎市シリーズ第一弾。ジャンルとしては「コージーミステリ」というものらしい。でもこれホントにコージーなの?喫茶店や古書店を舞台に、悩みを抱えた客の謎を、店主のお婆ちゃんや若い女性が解いていくものではなかったの?

    作者本人がカッパノベルズの初版でコージーミステリを説明しているらしい(「解説」より)。
    ‥‥小さな町を舞台とし、主として誰が犯人かという謎をメインにした、暴力行為の比較的少ない、後味の良いミステリ‥‥これが「コージー」らしい。更にこの作品を説明して「重苦しい情念の世界も、鬼面人を驚かす類の大トリックもありません」と断ったうえで「舞台は海沿いの閑静な住宅地」で、「それぞれ一癖

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    2021年10月26日
  • 古書店アゼリアの死体

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    「葉崎市シリーズ」の2冊目。
    今度は、前作でも当地の名家として紹介されていた前田家を巡る騒動の顛末。

    海岸で発見された溺死体に行方不明になっている前田家の御曹司・秀春の可能性が浮上。
    かつて秀春の失踪事件を担当した駒持警部補が過去のお家騒動をなぞりながら五木原巡査部長とともに捜査にあたる。
    秀春を巡って、紅子に満知子に初穂に結衣にしのぶに麻衣、居並ぶ女性陣は皆、いわくあり。
    とは言え、前田家の人々のみならず、葉崎FMのメンバー、東銀座商店街の面々、そしてトラブルに見舞われ続ける相澤真琴など登場人物は皆、なんとなく憎めない感じの人ばかりで、筋書きはとても面妖な話なのだが、それを感じさせない軽や

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    2021年10月25日