若竹七海のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
なんというバタフライエフェクト
因果というか応報というか
登場人物が多くて目が回りそうだったけれど
読み応えがありゾクゾクさせられた
そして相変わらず不運続きでもへこたれない中年葉村晶に会えて元気が出た!
タイトルの秀逸さにも唸る
〈まぐさ桶の犬〉とは
"自分には役に立たないが、誰かがそれでいい思いをするのは絶対にイヤだ、とその「役に立たないもの」を手放さずに意地悪や嫌がらせをし続けるひと“
のことだそう
著者の皮肉がめいっぱい込められた例えだと感じた
若竹作品らしい人間の業を突きつけられる展開に引き込まれて
寝る前に読んでたら不穏な夢を見てしまったし
巻末のミステリ紹介も嬉しくて
お店のイベントをスケジュールに書き込みそうになってた笑
私も死の味の犯人が思い出せない… -
Posted by ブクログ
『祖父の家に置きっぱなしになった母の遺骨を回収して欲しい』ただ遺骨を取りに行くだけで三十万という高額の依頼が、探偵である葉村晶のもとに持ち掛けられた。犯罪ではない、とはいうが、奇妙な依頼の詳しい内容を聞いていくと、すでに亡くなっている祖父の名前は左修二郎。有名な心霊研究家だった祖父の家には、心霊現象に遭ったという話もあるそうだ――「蠅男」
「この手紙を磯崎保様にお渡しください」と届いたファンレター。犯罪事件を中心に調査しているライターの〈私〉は、磯崎保の担当弁護士から、このファンレターの人物を調べて欲しい、と頼まれる。磯崎保は死刑囚。五人を死に追いやり、弁護士さえも極刑やむなしと語る残忍な大事件を起こした死刑囚に手紙を送ってきた人物とはいったい何者なのか――「暗い越流」
ということで本作は全五編。「道楽者の金庫」だけすこし柔らかな印象を受けますが、基本的には、かなり強めの苦み(苦みをこえて、毒にも近しい)を持った作品が並んでいます。淡々とした文章で綴られ、どの作品も切れ味は鋭い。大変好みの作品集でした。先も読めず、語り手や登場人物に寄りかかることをよしとしない容赦のない展開も魅力的です。五十ページほどのきゅっと引き締まった短編が好きなひとが、ジャンル関係なく読んで欲しいな、と思う一冊でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ好きな著書だったので。
悪徳警官とコージーミステリーが両立するとは、
予想だにしていなかった。
いや、悪徳警官と言っていいのかどうか。
とある東南アジアの国では、
警察官が家宅捜索をする際に、
家財が盗まれたり、証拠をしこまれたりするので、
必ず近所の人とかに立ち会ってもらう、と聞いたことがある。
それと比較するのもどうかと思うが、
最初の二篇の主人公、
生活安全課の大女と小デブ男のコンビのことを
悪徳警官、と呼ぶにははばかれる。
いや、悪い警察官であることは間違いないのだが。
流刑地ともいわれている辛夷ヶ丘署の上司がひどすぎるせいか、
市長選挙の悪口の言い合が子供のけんかみたいだからか、
全体的にほのぼのとした雰囲気を漂わせる著者の腕なのか、
犯罪者たちとの丁丁発止には好感さえ抱く。
コンビが主人公ではない後半、
だんだんダークになっていくが、それも良い感じ。
「刀自」は知っていたが、「窩主買い」は知らなかった。