若竹七海のレビュー一覧
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猫島臨時派出署にたった一人で勤務している七瀬晃巡査と、丸顔で目つきの悪い太ったドラ猫(ポリス猫DC)が絶妙のコンビで事件を解決していく。
〈猫島ハウス〉の響子ちゃんや、猫島神社の宮司さんなど、「猫島ハウスの騒動」に出てきたひとたちに再会できて、リピーターのような気分で楽しめました。
「プラスマイナスゼロ」の三人娘が駆け抜けて行ったのも見逃しませんでしたよ。
〈キャットアイランドリゾート〉の裏手の竹藪で不発弾が発見された事件で、不発弾処理の際に、島民よりも猫の避難に力を入れてるとこなんか、猫島らしくて面白かったです。何と言ってもこの島の主役は人間ではなく猫ですから。
一話完結編のようだけれど、最初と最後に、ポリス猫DCがこの島に来たいきさつと、七瀬巡査との出会いが書かれていて、なんかしみじみとしてしまった。
ポリス猫の活躍、みごとでした。さすが探偵猫ですね。 -
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葉埼市でおなじみの葉埼FMの人気コーナー「みんなの不幸」に届いた一通のメールをもとに繰り広げられる青春(?)コージーミステリー。
17歳のリスナー〈ココロちゃんのぺんぺん草〉ちゃんは、バイト先で予想不能なことばかりをしでかすココロちゃんのことが気になって仕方がない。
ココロちゃんの近況を綴って「みんなの不幸」にメールを送っているのですが、ほんとにひっくり返るようなことばかりで、リスナーの反響がすごくて、毎回何らかの事件にかかわっているのですけど、そのかかわり方が半端ないのです。
吹き出しそうになるのをこらえながら、思わず一気読みしてしまいました。
葉埼市、個性強すぎます。
駒持警部補や角田港大などおなじみのキャラクターにも出会えて大満足です。
これを読むと、自分の身に起こる不運なんて何でもないことのように思えてくるから不思議です。 -
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ネタバレ不運な女探偵・葉村晶シリーズ第六弾。
葉村晶ももう40代半ば。時の流れを感じる。
初っ端から早速血まみれになっている葉村、たくましい。でもいくらタフだといってもこんな生活をしていたら体がもたないよと心配してしまう。
「大丈夫、苦しいだけ。痛いだけ。最悪でも死ぬだけ。大丈夫。」なんて言っていて全然大丈夫じゃないシーンもあって本当に心配してしまった。
でもトラブルがあちらからやってきてしまうので葉村に選択権は無いのだった……。何気に良い人だし巻き込まれ率も高い。
火事でトラウマがまた一つ増えたのが今後響いてくるのかな。
今回は、まったく無関係に思えた人々がどんどん繋がっていくのが面白かった。人間は恐ろしい。かなり入り組んだ話だった。
葉村の足で集める情報も、鋭い推理もすごく好き。次も楽しみ。
ミステリ書店のイベントが魅力的で、読んでいるだけでワクワクしてくる。 -
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葉埼市内にある三つの高校のうちの一つである葉埼山高校に通う三人娘。
不運なお嬢様テンコ、ヤンキー娘のユーリ、歩く平均値ことミサキ。
この個性にあふれた三人が、毎回奇天烈な事件に巻き込まれる痛快コメディ(?)のような青春ミステリ。
不運すぎるくらい不運続きのテンコと、毒舌極まりないユーリの掛け合いが面白おかしく、ハチャメチャだけど、二人の良さにしっかりと気づいているミサキは、ほんとうにいい友達を持ったよね。
出会いから卒業まで、春夏秋冬と思い起こせばあっという間の三年間。
三人で行った卒業旅行には、最後にじんとくるものがあって良かった。
この奇妙で熱い三人の友情が一生続きそうで、ちょっと怖い気もするけど…。 -
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ネタバレ葉村晶シリーズ、長編が2作続いた後の短編集。
正直、やっぱりちょっと何か物足りない。
長編の方が好き。
四十肩に苛まされ、富山店長には何かとこき使われ、内面と口先の鋭さとは裏腹に芯にある優しさに周囲からつけ込まれる、書店探偵葉村晶の事件簿。
気になってはいたものの、中々手が出せないでいる『レベッカ』が早く読めよと言わんばかりに最初の1編に出てきたのには驚き。
そればかりでなく、巻末の”富山店長のミステリ紹介”が意外にも(と言うと失礼かもしれないが)守備範囲が広く、端的ながらうんちくが利いた一味違うブックガイドとなっており、読みたい欲求を掻き立てられる。
協力者のお名前もあったけど、若竹さん、ブックキュレーターとしての腕もお持ちなのでは。
あまり他の方の解説とかでも見かけた記憶はないので、書評の場面でも活躍して欲しいなぁ(自分が知らないだけ!?)。
本書の解説で大矢博子さんが葉村のことをS・J・ローザンのリディア・チンのようと評しているが、この言葉に膝を打った。
そう。
自分が葉村晶を読んで最初に思い浮かんだのは”ビル&リディア”シリーズとルヘインの”パトリック&アンジー”シリーズ。
”ビル&リディア”シリーズには手を出しているところだけど、刺激されて(言及されているわけでもないのに)”パトリック&アンジー”シリーズにも手を出してしまいたくなってきたなぁ。
いかんなぁ。。。 -
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人口約30人ほどに対して、約100匹の猫が住んでいるという猫島。
〈猫のため息〉という名前の入江で、ナイフで刺された猫のはく製が見つかる。
その後、マリンバイクで暴走する男と崖から降ってきた男との衝突事故が起こり、二つの事件のつながりはあるのか?
猫好き猫マニアが続々と訪れる通称猫島は、みやげ物も何もかも見渡す限り猫だらけで、店も観光スポットにも猫という名がついている。
最初は事件の真相を追うというより、猫島観光を楽しんでいるような気分で、巻頭にある〈猫島観光マップ〉を何度眺めたことか。
潮が引いて道ができれば、島に渡って行けるなんて、考えただけで楽しそう。
猫アレルギーの駒持警部補と、お気楽な七瀬巡査の大奮闘で、ようやく疑わしい人物が上がってきて、事件の全体像が明らかになってくる。
そして事件発生から一週間、台風が近づく頃に、物語はクライマックスに。
真夏のリゾート地で起こった出来事とは言え、すごく凝った内容だった。
殺人事件の話を読んでいるはずなのに、思わず笑みがこぼれてしまう楽しさ。
不可解な部分も残しながら、若竹作品まだまだ読んでみたいなと思ってしまった。 -
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ネタバレ刊行当時13年ぶりの葉村晶(その間短編は2本ほど発表されているらしいが)。
なんと四十歳の坂を越え、職業も長谷川探偵社が廃業したことにより、ミステリ専門古書店"MURDER BEAR BOOKSHOP"でアルバイトをしていた。
なんか探偵じゃない葉村を見るのって『プレゼント』の頃を思い出す。
13年ぶりかぁ。
リアルタイムで待っていたら待ちくたびれる、というか完全にそれまでの過程を忘れてしまうだろうから、ある程度出そろったところから月日を物ともせず、ずんずんと読んでいく今の読み方ができて幸運。
さて、今回は葉村が古書店で働いているということもあり、ほんのりビブリオ風味。
書店での倒述フェアではF・W・クロフツとか、骨フェアではレジナルド・ヒルとか語られるとそっちも気になってしまうのがミステリ好きの性。
事件の方は、とあるアパートの店子の遺品整理で大量の蔵書が見つかり、掘り出し物がないか探っていたところ、押し入れの床が抜け白骨死体の待つ床下へ頭から落下するという葉村の災難に始まる。
白骨死体の謎は元探偵葉村の推理が冴え渡り、事情聴取に来た刑事に口添えすることでスピード解決。
その能力を見初められ依頼されたのが、往年の大女優・芦原吹雪の失踪した娘の捜索。
それと並行して巻き込まれる"MURDER BEAR BOOKSHOP"の常連客・倉嶋舞美とのどたばた。
切れ味良い物言いや、物事の見極めの鋭さは健在であるが、前作までと比べてとにかく災難に見舞われるし、ところどころで冷静さを失い、感情を抑え切れない場面も。
今回特に印象的だったのは人と人が懇意になることの脆さ。
前々から滲んではいた葉村の優しさにつけ込んでかき回すサイコパスしかり、そのサイコパスにすっかり洗脳されてしまう”スタインベック荘”の大家しかり、ちょっとした手抜かりから微妙な関係となってしまった東都総合リサーチの桜井しかり。
それを終盤、「慢心」という言葉や「わたしは何を間違えたのだろう」と自省する葉村の心に共振し、とても胸が痛んだ。
それとは別に『依頼人は死んだ』で出てきた濃紺の悪魔や、前作ですったもんだあった相場みのりの行く末など、未来への振りかと感じていたところが全く回収されず、意外と放置系なのか!?(まぁ、別に支障ないけど)という点も多々。
全体的にイヤミス感溢れていたけれど、最後のオチだけはとっても爽やか。
次は『静かな炎天』。
また短編になるようだ。 -
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ネタバレ目次
・哀愁のくるみ餅事件
・根こそぎの酒饅頭事件
・不審なプリン事件
・忘れじの信州味噌ピッツァ事件
・謀略のあめせんべい事件
広域犯罪を捜査するために警視庁の置かれた捜査共助課。
現場で捜査もするけれど、県と都の調整と根回しも大事な仕事。(やりがいはない)
長野県から出向してきた御子柴刑事は、甘党の上司に振り回されながら、こつこつと仕事をこなしている。
ほのぼの系の作品にもできるところを、若竹七海はちょっといや~な感じに落としてくる。
解決のめどが立った事件を長野の元上司に報告すると、事件の見え方が変わってくる。
というパターンの連作短編集で、とても読みやすくて面白いんだけど、最近ちょっと重めの読書が続いていたから、物足りなさは否めなくて残念。