若竹七海のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『仕事はできるが、不運すぎる女探偵・葉村晶』シリーズ最新作。
初登場の作品では20代だった彼女も今は50代。体のあちこちに不調を抱え、無理は出来ないお年頃になったのだが、やはり今回の依頼もハードな展開になっていく。
まぐさ桶の犬:『自分には役に立たないが、誰かがそれでいい思いをするのは絶対にイヤだ、とその「役に立たないもの」を手放さずに意地悪や嫌がらせをし続けるひと』
正直、葉村晶シリーズに登場する人物たちって、みんなこの「まぐさ桶の犬」ばかりな気がする。
身勝手で、相手の気持ちや都合などお構いなしで、自分の感情や都合ばかりを押し付ける。おまけに誰もかれもが信用ならない。
そこに振り回され -
Posted by ブクログ
今頃という感じだが、若竹七海の作品を初めて読んだ。
「女には向かない職業」という名作ミステリがあるが、本作も主人公は女探偵、いや元探偵だ。ずっとケガばかりしている主人公が読んでいて痛々しいが、ミステリの筋はよく出来ており、終盤もスピード感があってなかなか面白かった。タイトルも気が利いている。誰にさよならを言う手口なのか、最後まで読むと納得のオチだ。
本筋の面白さとは別に、ミステリ通の作者ならではの色々なミステリのタイトルが出てくるだけでなく、解説までしてくれているのはとても嬉しい。早速この中で出てきた作品のいくつかは今後読もうと思うリストに入れたくらいだ。