若竹七海のレビュー一覧

  • 不穏な眠り

    Posted by ブクログ

    本シリーズを初めて読んでから約20年。ほぼ自分と同じように歳を重ねて40代になった葉村さんに親近感を禁じ得ない。思えば若竹七海さんの作品も90年代に創元推理文庫版『ぼくのミステリな日常』を手にしてずっとだから相当に長い。好きな作家の新作を定期的に読めるのは幸せだと思う。

    本シリーズはトリック重視の本格ものではなく、ソフトなハードボイルドという感じ。何せ最近の葉村さんは推理を働かせる前に調べ物はネット検索。これがスパスパとヒットして、葉村さんの検索能力が意外に高いことがよくわかる。一匹狼の葉村さんは逞しく時代に順応しているのだ。
    基本的には常識的な一般女性である葉村さんが、ドンパチ騒ぎや殴り合

    0
    2020年12月14日
  • 不穏な眠り

    Posted by ブクログ

    他人事とは思えない不運の連続で笑うに笑えない災難や厄災。
    頑張れ!なくな!葉村晶!
    ファンはまだまだ貴女の活躍を待っています。

    0
    2020年12月09日
  • 錆びた滑車

    Posted by ブクログ

    最近テレビドラマ化。見てみたい。読んでいて苦しくなるほど、災難に見舞われる女探偵。これだけ、つらくても、頑張れのは探偵という仕事が好きだからなんでしょうね。シリーズ終了の際にはぜひもう少しいい暮らしができることを望みます。

    0
    2020年11月30日
  • 悪いうさぎ

    Posted by ブクログ

    【腹減り度】
    なし
    【1番美味しそうだったもの】
    山中で食べるチョコレートバー

    *感想*
    う〜ん、葉村晶不幸すぎる(笑)笑い事じゃないけどね。
    今回は長編ということで、笑ありミステリありサスペンスあり恋愛あり?で、読み応えたっぷりだった。
    消えた女子高生と病んだ大人たち。次々と勃発するトラブルと謎、謎、謎。友達のみのりんにも胡散臭げな春が到来。どれも気になるけど、とりあえず頑張れ葉村晶!という気持ちで読破。
    今回心にトラウマを負ってしまった葉村晶。次回作に生かされるのかな?すぐ読みたい。

    0
    2020年11月11日
  • 静かな炎天

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    葉村晶の5作目。

    冒頭の葉村晶の少々情けない日常からの、
    事故への、そして被害者のバッグを探す流れは美しいとも言えよう。
    ペールブルーに染められたホースヘアーの生地、
    べっこう風の持ち手。

    同じブルーでそろえた手帖を探すために、
    コンビニの飛び込みバイトまでやって、
    犯人を追いかける。
    同じ「青」好きとしては惹き込まれる話だった。

    昔の同僚村木に頼まれた調べ物のせいで、
    バイト先の本屋に捜査官たちがあふれかえったのも面白かったが、
    ハードボイルド作家の先生になりすました死者が誰だったのか、
    の調査も面白かった。
    死者の正体が過去の知人だと思い追悼するたびに、生き返る。

    それにしても(一

    0
    2020年09月19日
  • 錆びた滑車

    Posted by ブクログ

    葉村晶シリーズ第5弾
    長編がやっぱり好き
    今回もしっかり不幸に愛される探偵だった
    でも不幸な目に遭うのは身体だけにしてほしい
    いやそれも可哀想ではあるのだがちゃんとタフだからなんとかなるし なんとかする

    あんたもね、探偵

    束の間とは言え 魔法のような時間を過ごした者には堪える
    どんな経験をしても 心はタフになれない

    0
    2020年09月15日
  • 悪いうさぎ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    葉村晶の3作目。

    冒頭、ストレスは女友達との長電話で解消する、とあった。
    あれ、葉村晶、そんな友達いましたっけ?
    と思ったら、同居人かつ大家の友達と同居生活を解消して、
    長電話をするようになっただけだった。
    そうだよね。

    金属メッキ工場と言えば青酸カリ、
    骨折と言えば白骨死体の身元判明、
    猟銃と言えばマンハンティング。
    ミステリー好きならこれくらいの連想ゲームはできるので、
    結末に意外性はなかった。
    娘を殺してしまった父親は可哀想だったが。

    好みで言わせてもらえば、
    友達の恋愛に、少女の失踪と殺人、同業者の暴虐、
    それに本人の惑いと長編にしても盛りすぎじゃないか、と思う。
    もしくはもっと

    0
    2020年09月03日
  • 錆びた滑車

    Posted by ブクログ

    今年初めに彼女(葉村晶)のことを知ってから、ずっと人生を追いかけてきた。そして現代に近づいてきた。2018年8月文庫書き下ろし。物語は、その冬の真っ最中に終わる。2017年秋には、東京オリンピックのことも知っていたし、40代中頃だと言っていた。物語の最後には、吉祥寺の知る人ぞ知るミステリ専門古書店の二階に探偵社を兼ねて住み着くことになった。いよいよ逢いにいけるかもしれない(←いや、ムリだけど)。

    「世界で最も不運な探偵」という冠はそのままに、けれども今回の解説子はそのことには触れずに「古今東西の推理小説や、場合によっては映画に関する蘊蓄」を持つ「マニアックな探偵」として紹介している。ちょっと

    0
    2020年09月01日
  • 悪いうさぎ

    Posted by ブクログ

    葉村晶シリーズ第2弾
    面白い
    葉村晶がとても好き
    今回とっても探偵っぽいというか よくもまぁこんなにも酷い目にあってもよく死なないなぁと
    何度となく抱きしめてあげたくなる
    絶対ウザがられるだけだろうけど
    まだまだ続くのが嬉しい
    でもこの先あまり傷つけないであげてほしい
    心も身体も

    0
    2020年08月21日
  • プレゼント

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    あえて、辛いと言おう。
    宮部みゆきは心が揺さぶられ過ぎて、辛いことがある。
    それは、人の心や人の世の
    暖かさと冷たさを行ったり来たりするから。

    それに比べると、
    「冷たさ」ばかりを感じるこの作品集は、
    その変わらぬシニカルさが心地よい。

    「海の底」は短いながらも伏線の回収も鮮やかだし、
    ホテルのエグゼクティヴデスクの女性のキャラクターも
    思い込みが強い編集者の設定も見事。

    「トラブル・メイカー」はそのシニカルさが少し崩れて
    甘さが顔を出したのが、印象的だった。
    面白かった。

    0
    2020年08月16日
  • 暗い越流

    Posted by ブクログ

    短編集。全部葉村晶ものかと思って読んだら、あれれ?となり、よく見たら三編は葉村ものでなく、それでも不気味なイヤミスでした。葉村もの二作目で、やっとあの古本屋が登場します!

    0
    2020年06月15日
  • プレゼント

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    葉村晶と小林警部補の話が交互に繰り広げられる短編集。
    葉村がまだ少し若い頃でなんだか感慨深かった。
    ドラマで見た姉の話はこれかあとようやく見つけた感じ。
    相変わらず葉村のところには理不尽な人々が現れる。
    対して小林警部補の話は、先に犯罪というか事件の当事者から始まる。サスペンスドラマのよう。
    全体的にダークというかシニカルというか、そんな雰囲気を醸し出してるような感じだけど、文章がテンポ良く読みやすかった。

    0
    2020年05月23日
  • 錆びた滑車

    Posted by ブクログ

    これは今までで、もっとも悲劇的な内容でした
    序盤に事件が起き、中盤は割と淡々と捜査が進み、終盤に何度も展開が転びます
    探偵ものらしい小説になっていました

    警察があまりにも間抜けとか、語りすぎる証言者など定番とも言える突っ込みどころも
    今までの長編作品と比べると、うまく収束しているように感じます

    言いたいことをぐっと耐える大人な主人公が魅力

    0
    2020年05月10日
  • 暗い越流

    Posted by ブクログ

    表題作の浮かび上がった事件と、そこから繋がってしまった悪意のどん詰まり感にゾワゾワする。
    最後の頁の怖さは「幸せの家」「狂酔」も、それぞれ自分の想像力でダメージを受ける。
    人の、感情は、蔑ろにしてはいけない。
    「蝿男」「道楽者の金庫」は葉村晶シリーズ。
    他三編と同じくゾワゾワするような怖さもあるけど、葉村の不運エピソードが毎度ながら痛そう・キツそう極まって、事件の惨さが中和されてる(気がする)。『悪いうさぎ』でのトラウマ・トラブルもまだ残ってた。ハードボイルドじゃなくてハードモード。

    0
    2020年05月07日
  • 静かな炎天

    Posted by ブクログ

    設定が安定したからか、主人公も探偵稼業と雑用に邁進しています
    すっきり解決しないエピソードもありますが、洞察と推理は探偵らしくなっていますね

    かつての同僚が登場する4話、依頼者に振り回され続ける5話、葉村らしさ全開の6話と後半が面白いです
    結局、どっちなのか、どうなったのかが気にはなりますが

    ボソボソと主人公が吐く毒が、作者の本音のようでなりません

    0
    2020年05月06日
  • プレゼント

    Posted by ブクログ

    ドラマを見終わって、原作の一巻目は買ったもののずっと読まずにいたのですが、読み始めたら、ドラマの世界そのままのような、あっさりと書かれているけれどもむむっとうならされる短編集。はまりそうな予感がして、全巻購入してしまいました。これから葉村晶の半生を読むのが楽しみです。

    0
    2020年05月04日
  • 静かな炎天

    Posted by ブクログ

    バラエティに富んだ短編6作からなる葉村晶シリーズの短編集。少なからず主人公自身のせいでもあるのだが、主人公の知人達が遠慮なくトラブルに巻き込んでおきながら、当人たちにはまるでそんな認識がない。おいおい、いい加減にしろよと言いたくなるよね。

    0
    2020年05月04日
  • 御子柴くんと遠距離バディ

    Posted by ブクログ

    前作から3年が過ぎた。長野県警から警視庁のパイプ役として捜査共助課に出向させられた御子柴くん。小林警部補も半年前に定年退職した事だし、いよいよ一人前になったと、私が思った途端に彼は凶刃に襲われる。著者はよっぽど主人公を痛い目に遭わせるのが好きらしい。何故彼がそんな目に遭ったのか。その伏線を張って広げて解きほぐしたのが第一話で、なおかつこの文庫本の「遠距離バディ」の始まりになる。いやあ、このさりげない犯人の悪意が若竹七海の特徴で、「でもやっぱり御子柴くんのように誠実に生きる方が、多分寝覚は良いよね」と思わせてくれる。

    刑事の仕事っていうのは、仮説を立てて、足を運んで立証しようとして、それが潰れ

    0
    2020年04月21日
  • 御子柴くんの甘味と捜査

    Posted by ブクログ

    「プレゼント」は96年に刊行。それから18年後に刊行された本書では、完全脇役の新米刑事だった御子柴くんが、なんと主演を務めている。警視庁に出向していて、日々仕事の合間に上司のお菓子を調達をしていた。

    葉村晶シリーズがあっという間に終わりそうなので、浮気して彼女のデビュー作から派生した本書を紐解く。よくある、仕事はできるけど実は甘味に異様に執着を持っている主人公という設定、というわけではない。彼は真面目で、かつ優秀な捜査員なんだけど、作者の趣味で甘味を登場させざるを得なかったというのが実態のようだ。あと味が良い方ではない事件が次々と起こるのだけど、電電くるみ餅や、酒饅頭本舗つるやの酒饅頭や、軽

    0
    2020年04月05日
  • 錆びた滑車

    Posted by ブクログ

    ハムラアキラシリーズ。

    長編。読みごたえあり。
    二転三転していく展開。
    それとは逆にストーリーと結末はもの悲しい。
    人間のエゴなのだろうか。

    葉村の年齢を重ねた姿に哀愁が漂う。

    0
    2020年03月07日