若竹七海のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
【作品紹介・あらすじより】
いてくれるだけで満たされる――
猫を愛する作家陣がすべての猫好きに贈る、
猫尽くしのオリジナル・アンソロジー!
荻原浩「猫は長靴を履かない」
叔父さんから遺産として譲り受けた猫のわびすけ。
わびすけが僕の生活にもたらしたものとは――。
石田祥「ツレ猫婚」
35歳にしてお見合いをすることになった七緒。
やってきた男性は、究極の猫好きで――。
清水晴木「いちたすいち」
人づきあいが苦手で不眠症気味の成美が、
コインランドリーで出会った黒猫。
ひとりと一匹の距離はすこしずつ縮まり……。
標野凪「猫のヒゲ」
娘の頼みで自分と同じ年の老猫を迎え入れることになった葛。
シマ子と名付けた猫との暮らしが気づかせてくれた、大切なこと。
若竹七海「神様のウインク」
世間から取り残された昭和の遺物・上ヶ丘団地。
その四十二号棟には猫がたむろし、ジゴク棟と呼ばれていた。
山本幸久「御後安全靴株式会社社史・飼い猫の項」
会社の創業五十五周年記念の社史づくりを担当することになった大立。
ここには歴代猫社員が在籍し、さまざまな危機から社員を救っていて――。
どの作品もほのぼの面白く読めました! -
Posted by ブクログ
猫愛にあふれた作品ばかりで、読んでいる間、ずっと幸せな気持ちだった。
なかでも、『爪切りのニャンニャンパーク』は最高だった。
なんだか、コミカルなイメージのタイトルなのに、あんなに泣かせてくるなんて反則。『天空遊園地まほろば』、絶対に読む。探すぞー。
『猫をかぶれば』も、可愛くて好き。私も、猫をかぶっておいた方がいいタイプの人間だしw
収録作品がWEB astaが初出のものばかりというのに関係があるのか、冒頭、主人公のモノローグみたいな章がある作品がいくつかあったのは偶然なのか?
とりあえず、その後単行本・文庫本になっているかどうかを確認しないとだな。初出表記があれだけなのはちょっと不親切な気がする。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ傲慢(プライド):中山七里
リベラルを掲げる男が、愛弟子の女性をレイプする。
された女性はすぐに警察に被害届を提出。
された側とした側の双方で主張をするが、
レイプをした男が突如殺害される。
当然疑いの目はレイプされた女性に向けられるが、
何故かアリバイの主張を拒否する。
お互いの傲慢が絡み合いどちら側の味方も気持ちの悪さを覚える。
男を殺害したのはレイプされた女性の秘書。レイプされた女性の傲慢な態度から罪をなすりつけようとした。
また殺害時刻には趣味の児童買春をしていた為、アリバイを主張出来なかった。
怠惰(スロウス):岡崎琢磨
7歳の息子が急に学校への登校を拒否し始める。
様子を見ていたが一向に改善の見込みがない為、
気分転換に実家の農業の手伝いに向かう。
全て息子の計画通り、農家を営む祖父母を助けたがために、絵本を参考に芝居をして農業を手伝わせる様に仕向ける。
7歳にしてかなりの策士。
憤怒(ラーズ):川瀬七緒
7つの作品で1番好み。
自閉症スペクトラムを持つ息子の音也が事故で急死した。
良かれと思い田舎に移住した父の和人と妻の彩美は悲しみにくれていた。継母である彩美は音也を可愛がり、よく尽くしてくれていた。葬儀を終えて間もなく、1人の老女から嫌がらせを受ける。原因も分かぬまま、嫌がらせはエスカレートしていき、ついに老女と直接話し合いの対決に向かう。
老女が語った恐ろしいまでの真実に驚愕。
息子を殺したのは継母の彩美。
自身が妊娠したことを機に邪魔な音也を消すことにした。
ただただ怖い
嫉妬(エンヴィー):七尾与史
相手に対する嫉妬が暴走して殺害に至るまでの話。
シェークスピアの「オセロ」
夏目漱石の「こころ」
これらの作品を絡ませて物語は展開する。
嫉妬により好きな男性の恋人を刺す主人公。
その主人公を裏で操っていた精神科医の女医。
上手く出来過ぎな物語だが、エンタメとしては満点。
色欲(ラスト):かもしだセブン
高校生の息子に金庫の中にしまっておいたエロ本を見つけられる。エロ本から推理できる息子の考察がまさに名探偵。
主人公の職業、母親との馴れ初め、
離婚に至った経緯や再婚相手の素性まで
一冊のエロ本主人公の半生を丸裸にする。
暴食(グラトニー):若竹七海
親からの虐待により、人格が極端に歪んだ中村公介。
カニバリズムで殺人を繰り返すシリアルキラーと
ママと呼ばれる正体は男の遺体処理を生業にする者との同居生活。2人の関係性が曖昧なまま物語が進行し、最後で全て明かされる。 -
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若竹七海さんのミステリーは、葉村晶ものばかり読んでたのです。しかし、多くは読後感が悪くて、ちょっとたくさんは読みにくいなと思ってました。
今回の長編は、全く違ってました。
初めて、コージーミステリーというジャンルも知りました。暴力行為の比較的少ない後味の良いミステリーとのことです。
登場人物は多く、しかもいずれも癖の多い、いわくつきで過去のある人物でした。把握するだけでも、なんかすぐわすれてしまうし。
二つの殺人事件?からなり、それに纏わり登場人物たちの掛け合いが、絡みます。刑事も含めて会話が面白かったです。
最後の最後まで、ストーリーや心情などしっかり説明してくれて、分かりやすかったです。
このシリーズは、この後もとっても楽しみです。
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Posted by ブクログ
七つの大罪と言われる「傲慢」「嫉妬」「憤怒」「怠惰」「強欲」「暴食」「色欲」に基づく七つの短編集!
また、本書の七つそれぞれの短編の著者も「七」に関係があるなど、面白い仕掛けが施してあった。
七つの短編はどれも面白く一気読みしてしまった。
特に「憤怒」は短編にも関わらず、離婚、障害、村集落、認知症など盛り沢山の内容をギュッとまとめてあり、短編では勿体無いほどの作品だった。
あと意外だったのは「色欲」で、タイトルも然り、他の流れからもっとグロテスクか砕けた内容を想像しながら読んだが、息子の返しなどコミカル要素もありつつ、家族の大切さを教えてくれるような物語だった。
他のどの作品もホント素晴らしかった!
テーマを明確にして書かれた短編だから、読者もテーマを先に知って読めるので、読みやすく楽しみやすいと感じる一冊だった。 -
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どことなく古さを感じる90年代ホラー、大好物。登場人物に切れ者が多く、進行もサクサクでストレスフリー。結構な文量なのに、気づいたら一日で読み終えていた。
「戯曲が再現されているのでは?」の展開(裏書きに記載されているのでネタバレじゃないハズ)はなんだか名探偵コナンの夏休みスペシャル的展開で、「これちょっと不気味だからホラー扱いされてるだけのミステリ寄りのやつでは?」と危惧していたところ、ちゃんと怪奇現象で人が死んでくれて安心した。
怪異のモチーフ、モチベーションも腑に落ちる内容で、作品としての完成度は高いと思う。個人的にはコレクションの扱いや怪奇現象の描写が淡白すぎる気がしていて、もう少しおどろおどろしいほうが好みではあるんだけど。 -
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現在無職の葉村晶は、かつて辞めた長谷川探偵事務所の所長から受けた依頼の手伝いを頼まれる。日給は三万円。資産家のお嬢様で、著名人でもある松島詩織の身辺警護の依頼だ。嫌がらせのストーカー被害を受けている、という。不自然な嫌がらせ行為、詮索に口を閉ざす依頼人、割に合わない依頼の行方は――「濃紺の悪魔」
友人である相場みのりの婚約者が死んだ。運転中に、トンネルの入口脇の壁に激突して。自殺だったという。「あいつがそう簡単に自殺するわけがない」とみのりは語り、葉村晶に調査をお願いする。資産家の息子であり、詩集を出版したばかりだった青年はなぜ死を選んだのか。発売された詩集の売り上げも悪くなかったそうだが――「詩人の死」
ということで、本作は葉村晶を探偵役にして、全部で九篇の短篇が並んでいます。最後まで読むと大きなひとつの物語となるのですが、一本一本の短篇のクオリティも高い作品集になっています。歯切れの良い文章、人間心理の描き方、結末の切れ味……と、どれを取っても素晴らしく魅力的で、特に個人的に、ままならない人間関係がままならないまま、分かりやすい〈善〉と〈悪〉に区切らずに書いている点が好きでした。シリーズはこの後も続いているので、このまま読んでいきたいと思う作品でした。