若竹七海のレビュー一覧
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若竹七海の長篇ミステリ作品『ヴィラ・マグノリアの殺人』を読みました。
ここのところ、若竹七海の作品が続いています。
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海を臨むヴィラ・マグノリア。
その空き家になった一棟で、死体が発見された。
ヴィラの住人は一癖ある人ばかりで、担当刑事達は聞き込み一つにてんてこ舞い。
捜査に手間取るうちに、ヴィラの住人が殺される第二の事件が発生!二つの事件のつながりはどこに?住人達の素顔も次第に明らかになって―。
粒よりユーモアをちりばめたコージー・ミステリーの快作!
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1999年(平成11年)に刊行された、架空の都市・神奈川県葉崎市を舞台とした葉崎市シリーズの第1作です。
■第1章 男が死んでいる
■第2章 刑事が聞き込む
■第3章 会議が踊らない
■第4章 探偵が指名される
■第5章 容疑者が多すぎる
■第6章 女も死んでいる
■第7章 巡査部長が困惑する
■第8章 作家が企む
■第9章 警部補が追いつめる
■第10章 犯人が逃走する
■第11章 真相が明かされる
■解説 香山二三郎
海に臨む邸宅、十棟が並ぶ「ヴィラ・葉崎マグノリア」の一棟で死体が発見された……所持品もなく、顔と手が潰されて身元の特定は困難、、、
聞き込みに懸ける署員たちだが、ヴィラの住人は皆、癖のある人間ばかり……。
架空の都市・葉崎市の閑静な住宅地ヴィラ・葉崎マグノリアで起きたふたつの殺人事件を追う物語……容疑をかけられるのはもちろんヴィラの住人、、、
住人たちは、それぞれの家庭や人生、事情を抱えているクセのある人物ばかり……警察もクセのあるその住人たちに振り回されて事件は解決の糸口もつかめない。
ヴィラの住人たちがご近所さんのような感覚で描かれていいるところが特徴でしたね……大半の住人が疑わしく、そして、その住人たちが少しずつ隠している事実が少しずつ明らかになる、、、
最後まで飽きさせない展開と謎解きの醍醐味を存分に味わえる作品でしたね……愉しめました! 最後の最後で明らかになる意外な真相も面白かったです。 -
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ネタバレ一見、怪異系のホラーかと思いきや、コワイのは人間である、というスタンスの短編集。
表題作の「バベル島」で、フリューゲルの描いたバベルの塔を実際に建ててしまった伯爵が、いちばん怖かった。両親からナニーに丸投げされて、きちんと育ててもらえないまま大人になった伯爵が、子供の頃に抱いた願望を実行してしまう。子供はなんのために砂で城を作るのか…。
もう一つ、「上下する地獄」は、他と違って怪異もの。他にはない設定というわけではないけど、それがわかるのが意外と終盤で、ゾクっとした。幽霊を怖がっている人物が実はー。
ラストがあいまいだったり、話運びがわかりづらかったりもあったけど、全体的にはうっすらジワジワ怖くて、私好みであった。 -
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若竹七海の長篇ミステリ作品『さよならの手口』を読みました。
『依頼人は死んだ』、『静かな炎天』、『不穏な眠り』に続き、若竹七海の作品です。
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仕事はできるが運の悪い女探偵・葉村晶が帰ってきた!
探偵を休業し、ミステリ専門店でバイト中の葉村晶は、古本引取りの際に白骨死体を発見して負傷。
入院した病院で同室の元女優に二十年前に家出した娘探しを依頼される。
当時娘を調査した探偵は失踪していた――。
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2014年(平成26年)に刊行された、前作から13年振りとなる葉村晶シリーズの第4作です。
■さよならの手口
■おまけ ~富山店長のミステリ紹介~
■あとがき
■解説 霜月蒼
探偵を休業し、ミステリ専門店〈MURDER BEAR BOOKSHOP〉でバイト中の葉村晶は、ある家からの古本引き取りを頼まれる……ほとんどあばらやのようなその家で、大量の本と格闘したが床が抜けてしまい、床下に落ちた葉村は怪我を負うと同時に、白骨死体を見つけてしまう、、、
入院先で刑事に事情を聞かれた葉村は、ある事実を指摘……それが骨の身元判明につながり、事件は解決したのだが、話を聞いていた同室の入院患者で元女優の芦原吹雪から、二十年前に家出した娘の安否についての調査を頼まれ、引き受ける。
一方、やめるつもりだったミステリ書店のバイトも続けるはめになったのだが、そこで女性客の倉嶋舞美と親しくなる……しかし、彼女は警察の監視下にあり、葉村は担当の警察官・当麻から舞美に対するスパイの役割をしろと強要されるのだった……。
順番通りではないのですが、シリーズ第2作『依頼人は死んだ』、シリーズ第4作『静かな炎天』、シリーズ第7作『不穏な眠り』に続き、不運ながらも有能な女性探偵・葉村晶がさまざまな謎に立ち向かう葉村晶シリーズの作品です……本シリーズの長篇は初めて読みますね、、、
前作から13年振りでも、長篇でも、葉村晶の不運な運命と彼女が巻き込まれる闇の中での奮闘や怒涛の展開と独特の語り口の魅力は相変わらずですねー 彼女の人間味あふれるキャラクターと事件の謎解きの展開が堪らない一冊でした……長篇だけに、アイデアや仕掛けがたっぷり詰まった贅沢な内容で、物語が重層的で深みがあり、とても愉しめました。
遺品整理屋の伝手で遺品から出物のミステリを探すうちに押入れの床を踏み抜いてしまい白骨死体に出くわすという印象的なシーンで幕を開け、、、
元女優から20年前に失踪した娘の捜索を依頼されたことをきっかけに、最初に調査した有能な元刑事が調査を完了しないまま姿を消していた謎や、失踪した娘の父親はだれかという謎、失踪した娘のはとこが絞殺された事件の謎 等々、失踪人探しから、いくつもの謎が生まれ、複数の嘘や策謀、秘密が解明されたり暴露されたりという怒濤の展開……多くの伏線が、最後には全て回収される展開もお見事でしたね。
葉村晶シリーズの在庫は読み切ってしまいました……次は、若竹七海の別なシリーズを読んでみようと思います。 -
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若竹七海の連作ミステリ短篇集『不穏な眠り』を読みました。
『依頼人は死んだ』、『静かな炎天』に続き、若竹七海の作品です。
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仕事はできるが不運すぎる女探偵・葉村晶シリーズ。
吉祥寺のミステリ専門書店でアルバイトとして働きながら、〈白熊探偵社〉の調査員として働いている。
「さよならの手口」(2014年4位)「静かな炎天」(2016年2位)、「錆びた滑車」(2019年3位)と「このミス」上位常連の人気ミステリシリーズ、文庫オリジナルの最新刊。
「水沫(みなわ)隠れの日々」
終活で蔵書の処分を頼んできた藤本サツキのもう一つの依頼は、死んだ親友の娘・田上遥香を刑務所から自分のところに連れてきてほしいということだった。刑務所からサツキの元に向かう道で、遥香は車に乗った男たちに拉致されてしまう。
「新春のラビリンス」(「呪いのC」改題)
大晦日の夜、葉村は解体直前の〈呪いの幽霊ビル〉の警備をすることになった。ヒーターが壊れ、寒さの中一夜を明かした葉村は、女性事務員の公原から連絡が取れない男友達の行方を調べてほしいと頼まれる。
「逃げだした時刻表」
葉村の働くミステリ専門店でGWに〈鉄道ミステリフェア〉を開催することになった。展示の目玉として借りた弾痕のあるABC時刻表が盗難にあう。本の行方を追ううちに、互いを出し抜こうとするコレクター同士のトラブルや、過去の因縁まで絡んできて思わぬ展開に……。
「不穏な眠り」
亡くなった従妹から引き継いだ家にいつのまにか居座り、そこで死んでしまった宏香という女の知人を捜してほしいという依頼を受けた葉村。宏香を連れ込んだ今井という男の家を訪ねたところ、今井の妻に危うく殺されかける。今井は宏香の死後、家出していた。
解説・辻真先
TVドラマ化決定!
ドラマ10「ハムラアキラ~世界で最も不運な探偵~」
主演シシド・カフカ 間宮祥太朗 池田成志 津田寛治 中村梅雀
2020年1月24日(金)スタート予定(連続7回)
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2017年(平成29年)から2019年(平成31年)に発表された作品を収録して、2019年(平成31年)に刊行された葉村晶シリーズの第7作です。
■水沫隠れの日々
■新春のラビリンス(『呪いのC』を改題)
■逃げ出した時刻表
■不穏な眠り
■第四回・富山店長のミステリ紹介
■解説 辻真先
葉村の働く書店で“鉄道ミステリフェア”の目玉として借りた弾痕のあるABC時刻表が盗難にあう……行方を追ううちに思わぬ展開に(「逃げだした時刻表」)、、、
相続で引き継いだ家にいつのまにか居座り、死んだ女の知人を捜してほしいという依頼を受ける(「不穏な眠り」)…… 満身創痍のタフで不運な女探偵・葉村晶シリーズ。
飛び飛びになっていますが、シリーズ第2作『依頼人は死んだ』、シリーズ第4作『静かな炎天』に続き、女性探偵・葉村晶が活躍する葉村晶シリーズの作品です……本作品でも葉村晶が不運に巻き込まれながらも事件を解決する姿が、ユーモアとブラックの要素が絶妙に組み合わせながら描かれています、、、
そんな中でも印象的だったのは、
終活で蔵書の処分を頼んできた女性のもう一つの依頼は、死んだ親友の娘を刑務所から連れてきてほしいということだった……当日刑務所で娘を迎えた葉村晶だったが、そこから次々ととんでもない目に遭う羽目に、、、
友人の忘れ形見である娘を、余命わずかの自分の元につれて来てほしいと言った理由が忘れられない『水沫隠れの日々』、
葉村晶の働くミステリ専門店でGWに〈鉄道ミステリフェア〉を開催することになった……展示の目玉として借りた弾痕のあるABC時刻表が盗難にあい、本の行方を追ううちに思わぬ展開になる、、、
冒頭から何者かに襲われ、いきなり災難に遭うオープニングと、弾痕入りの時刻表に関する皮肉なオチで締めくくられるクロージングが印象的な『逃げ出した時刻表』、
相続で引き継いだ家にいつのまにか居座り、そこで死んでしまった女の知人を捜してほしいという依頼を受けた葉村晶……女を連れ込んだ男の家を訪ねたところ、男の妻に危うく殺されかける羽目に、、、
複雑な人間関係にやや混乱しましたが、ニュータウンの末路や大規模な自然災害等、日本のあちこちで現実問題になつつある災害や社会問題もしっかり現実に即して描かれておりリアリティを感じた『不穏な眠り』、
の3篇かな……葉村晶には、もう少し、平穏無事な日常を過ごさせてあげてもいいのでは とも思いますが、それがこのシリーズの醍醐味でもあるので、そうはならないんでしょうねー 本作も読み応えたっぷりで愉しめました。
こちらも相変わらずでずが……葉村晶の働くミステリ専門店〈MURDER BEAR BOOKSHOP〉の富山店長が物語の中で紹介される作家や作品について解説してくれる『第四回・富山店長のミステリ紹介』は良いですねー 色んな作品を読みたくなりますね、、、
葉村晶の魅力もパワーアップしている感じ……杉田比呂美の装丁も大好きですねー 次も葉村晶シリーズの作品を読んでみようと思います。 -
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若竹七海の連作ミステリ短篇集『静かな炎天』を読みました。
『依頼人は死んだ』に続き、若竹七海の作品です。
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史上最もタフな女探偵・葉村晶の最新作!
・バスとダンプカーの衝突事故を目撃した晶は、事故で死んだ女性の母から娘のバッグがなくなっているという相談を受ける。晶は現場から立ち去った女の存在を思い出す…「青い影~7月~」
・かつて息子をひき逃げで重傷を負わせた男の素行調査。疎遠になっている従妹の消息。晶に持ち込まれる依頼が順調に解決する真夏の日。晶はある疑問を抱く…「静かな炎天~8月~」
・35年前、熱海で行方不明になった作家・設楽創。その失踪の謎を特集したいという編集者から依頼を受けた晶は失踪直前の日記に頻繁に登場する5人の名前を渡される。…「熱海ブライトン・ロック~9月~」
・元同僚の村木から突然電話がかかってきた。星野という女性について調べろという。星野は殺されており、容疑者と目される男が村木の入院する病院にたてこもっていた。…「副島さんは言っている~10月~」
・ハードボイルド作家・角田港大の戸籍抄本を使っていた男がアパートの火事で死んだ。いったいこの男は何者なのか?…「血の凶作~11月~」
・クリスマスイブのオークション・イベントの目玉になる『深夜プラス1』初版サイン本を入手するため、翻弄される晶の過酷な一日を描く「聖夜プラス1~12月~」。
有能だが不運すぎる女探偵・葉村晶シリーズ第4弾。
苦境にあっても決してへこたれず、ユーモアを忘れない、史上最もタフな探偵の最新作。
〈甘いミステリ・フェア〉〈サマーホリデー・ミステリ・フェア〉〈風邪ミステリ・フェア〉〈学者ミステリ・フェア〉〈クリスマス・ミッドナイトパーティー〉など、各回を彩るユニークなミステリの薀蓄も楽しめます。
好評の「富山店長のミステリ紹介ふたたび」も収録。
解説は大矢博子氏。
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2015年(平成27年)から2016年(平成28年)に発表された作品に書き下ろしを加え、2016年(平成28年)に刊行された葉村晶シリーズの第4作です。
■青い影~7月~
■静かな炎天~8月~
■熱海ブライトン・ロック~9月~
■副島さんは言っている~10月~
■血の凶作~11月~
■聖夜プラス1~12月~
■富山店長のミステリ紹介ふたたび
■解説 大矢博子
シリーズ第2作『依頼人は死んだ』に続き、不運ながらも有能な女性探偵・葉村晶がさまざまな謎に立ち向かう葉村晶シリーズの作品です……本作品で葉村晶は40代になり、四十肩に悩まされつつも、ユーモアを忘れずに事件を解決しています、、、
短篇の分量に濃縮されたクオリティは長篇にも劣らず、読み応えのある作品で、葉村晶のタフさとキャラクターが魅力的でしたね……どの作品も面白かったのですが、そんな中でも印象的だったのは、
ひき逃げ犯の素行調査に従妹の消息 等々、書店のご近所さんが次々に葉村晶に仕事を依頼してきて、その依頼は順調に解決していくが、その裏にはある計画が進行していた……緊迫のクライマックスが愉しめる『静かな炎天~8月~』、
元同僚の村木からの依頼で葉村晶は殺された女性と容疑者の男について調査をすることに……実は村木はある事件に巻き込まれており、葉村晶が電話とネットだけで事件を解決するというスピーディな展開の『副島さんは言っている~10月~』、
ハードボイルド作家の戸籍抄本を使っていた男が死亡し、葉村晶がその謎を解明する……濃密なストーリーが展開される『血の凶作~11月~』、
クリスマスイブのオークション・イベントで入手した『深夜プラス1』初版サイン本をめぐる過酷な一日が描かれ、葉村晶のタフさとユーモアが光る『聖夜プラス1~12月~』、
の4篇かな。
『富山店長のミステリ紹介ふたたび』で、物語の中で紹介される作家や作品について解説してあるのは良いですねー 色んな作品を読みたくなりますね、、、
そして、40代になっても葉村晶は魅力的! ハードボイルな生き方が素敵ですね……杉田比呂美の装丁も大好きですねー 次も葉村晶シリーズの作品を読んでみようと思います。 -
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若竹七海の連作ミステリ短篇集『依頼人は死んだ』を読みました。
ここのところ、国内の作家の作品が続いています。
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女探偵・葉村晶(あきら)は探偵事務所からの仕事で生計をたてながら、時に家族がらみの無料捜査も押し付けられる、何でも屋だ。
念願の本を出版し、結婚直前だった順風満帆の婚約者はなぜ自殺したのか?
受けてもいない健康診断の、ガンを知らせる通知書が届いた意図は?
瀟洒なプチ・ホテルに集う常連に隠された惨事とは?
彼女に持ち込まれる事件の真相は、少し切なく、ぞくっと怖い。
構成の妙、鮮やかなエンディングにうならされる、みごとな連作短篇集。
解説・重里徹也
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1993年(平成5年)から1999年(平成11年)に発表された作品に書き下ろし1篇を加え、2000年(平成12年)に刊行された葉村晶シリーズの第2作です。
■冬の物語 濃紺の悪魔
■春の物語 詩人の死
■夏の物語 たぶん、暑かったから
■秋の物語 鉄格子の女
■ふたたび冬の物語 アヴェ・マリア
■ふたたび春の物語 依頼人は死んだ
■ふたたび夏の物語 女探偵の夏休み
■ふたたび秋の物語 わたしの調査に手加減はない
■度目の冬の物語 都合のいい地獄
■解説 重里徹也
「わたしの調査に手加減はない」女探偵・葉村晶のもとに持ち込まれる事件の真相は、いつも少し切なく、こわい……仕事はできるが不運すぎる女探偵・葉村晶シリーズ第ニ弾! もうすぐ29歳になる葉村晶は、フリーの調査員として長谷川探偵調査所と契約している、、、
念願の詩集を出版し順風満帆だった婚約者の突然の自殺に苦しむ相場みのりと同居することになった晶だが。(「詩人の死」)
書誌学のレポートを代筆してほしいという依頼で画家の森川早順について調べることになった晶は、その異様な画風に興味を持つ。(「鉄格子の女」)
健診を受けていないのに「あなたはガンです」という通知が送られてきたという佐藤まどか。ところが依頼を受けた直後、彼女が死んでしまう。(「依頼人は死んだ」)
構成の妙、トリッキーなエンディングが鮮やかな連作短篇集。
フリーの女探偵・葉村晶を主人公とした本シリーズを初めて読みました……各篇が叙述トリック、サプライズ・エンディングにあふれた洒落た作りになっており、春夏秋冬を二巡し、三度目の冬が巡りくるとき、彼女が知っる真実とは? 人間の悪意にぞくっとさせられる怖さを含んだダークな真相や構成の妙、トリッキーで鮮やかなエンディング 等々、好みの作品でしたね、、、
そんな中でも印象的だったのは、
平凡なOLが人事課長をドライバーで刺した事件の真相とは……ラスト一行を読んだ後の背筋が凍る感覚が忘れられない『夏の物語 たぶん、暑かったから』、
自殺した挿絵画家が残した1枚の絵画……夜と女をリアリズムに封じ込めたその作品に秘められた狂気と悪意に戦慄させられる『秋の物語 鉄格子の女』、
何不自由ないお嬢様育ちの離婚妻の飛び降り自殺……2年も前の自殺者が旧友の夢の中に現れて訴えたのは? タイトル通りの手加減のない調査、依頼人にとって受け入れがたい残酷な結果を淡々と伝える葉村晶の姿が印象的な『ふたたび秋の物語 わたしの調査に手加減はない』、
の3篇かな。
孤高の女探偵・葉村晶も魅力的! ハードボイルドタッチの一人称で描かれていることもあり、感情移入しつつ読めました……杉田比呂美の装丁も大好きですね、、、
次も葉村晶シリーズの作品を読んでみようと思います。 -
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私は基本的にはイヤミスはあまり好きではない。
けれど、何故か一年のうちに何回かは葉村晶に会いたくなる時がある。
それが何のきっかけなのかは分からないのだけれど。
葉村晶シリーズはもう何と言うか「これがイヤミスです!」とイヤミスを知らない人間に紹介しても間違いない話だと私は思っているんですけど(そうだよね?)、やっぱりこの話でも葉村晶はとんでもない依頼に巻き込まれるし、周りの人間は人の悪意を煮詰めまくったような存在ばかりだった。
親友の相場みのりだけが唯一のオアシス的な感じなのだけれど、正直読んでいる間中「大丈夫よね?あなたは裏切らないよね?」と疑心暗鬼になってもいた。いや、葉村晶シリーズに関してはそういうことが本当に有り得るのだから怖い。
寧ろあんな世界を孤独に生き抜いていける葉村晶はカッコよすぎるとすら思う。
イヤミスでもありハードボイルドでもあるのかな。
個人的に一番好きだったのは「女探偵の夏休み」ですかね。
話の展開に完全に引っかかりました……そうかそういうことだったのか!って。
この話は人間の悪意的なものが少ないので読みやすいのもいいのかも。ちょっとシャイニングっぽくはありますが。 -
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神奈川県の僻地・葉崎のローカルラジオ局「FM葉崎」。
ラジオ番組の中の人気コーナー「みんなのふこう」に「ココロちゃんのペンペン草」というラジオネームの女子高生からメールが届く。
バイト先のお弁当屋さんにいる「ココロちゃん」は、17歳とは思えないほどの不幸をしょっているのです・・・。
ココロちゃんは不幸体質というか、危険を察知する能力が著しく劣っているせいで、危ないことに巻き込まれまくり。大麻草の栽培の手伝いをさせられていたあたりはけっこうありそうかもと思ったけど、保険金殺人のターゲットにされたり、途中からはめちゃくちゃ。
ペンペン草ちゃんからのメールを紹介したあと、ニュースを紹介すると必ずココロちゃんがらみのニュース・・・という前半のくだりは面白かったな~。
怪しげな宗教団体が出てきたあたり、とくに病院の図書ボランティアたちの申し送り事項のやりとりは、ココロちゃんの状況を間接的に説明するにしても、ちょっと間接的過ぎないか?と眠くなったが、全体的にとてもおもしろかった。
ココロちゃんに惹かれてしまうラジオの作り手とリスナーたちの気持ちはよくわかる。
ココロちゃんとの別れ、そして、十数年後の再会。
ココロちゃんがなぜこんなに不幸なのか?なぜココロちゃんにひどいことをする人は不幸になるのか?後者については謎のままだけど、そういうこともあるよねってことで。不幸を不幸とも思わないココロちゃんが一番の勝者なのかな。憧れることはないけども。
1個どうしてもわからなかったのが「星の滴教団」のマークが「星がよだれをたらしているような」と表現されているんだけど、どういうの・・・?
星に水滴がついているようなら「星が汗をかいているような」のほうがしっくりくるし。星に口がかいてあってよだれたらしているの(ローリング・ストーンズ的な)?表紙にもそのイラストなしで謎のまま。
ココロちゃんて、トー横キッズにもならず、パパ活をするでもなく、お弁当屋さんや清掃会社で働いて健気だよなぁと、感心するのであった。
そしてどうやら「葉崎市シリーズ」というシリーズものがあるらしい。読むべし読むべし。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ読んだことあったのかなぁと思いながらいたけど、なかったやつ。登場人物が多く、混乱しそうと思いつつ、でも意外とそうでもなく。登場キャラがたってるからだろうかね。
さよならの手口というタイトルの回収は十分ではない気もするけど、ミステリーらしく人のつながりが重要で、どこかで誰かが裏切るのでは?と思いながら、実際裏切りがいくつか出てきて、あぁなるほどなーと思いつつ、それ以上にこの人がそっち側に心変わりかよ!みたいなことの方が、小さいながらもインパクトがある。
ボリュームの割に展開が早いのでどんどん読み進めてしまう。秋の夜長にちょうどいい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ葉村晶シリーズ。今回は4編の短編集。最初の『水沫隠れの日々』で最後届けた娘と一緒に爆発して、過去この親娘というか、おばさんと遥香の過去の関係がどうだったのかは結局グレーのままで、そこがちょっと消化不良だった。最後の表題作『不穏な眠り』、母親が借金を払えない家族の家に娘を置いてくる、というのはほんとにぞっとした。娘の気持ちは一切無視じゃない。それでそのまま大人になるなんて、普通の神経じゃないというか、娘側もちょっと問題があったのかもしれないし、育ち方のせいでそうなってしまったのかもしれない。とにかく、人間の怖さ、愚かさをつくづく感じる。