金井壽宏のレビュー一覧
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「非主張的自己表現」で『安眠ガイド』とリンク。日本人特有の「自分の気持ちを抑えて言わなくても伝わるだろう」ではなく、でも怒ったり感情的になったりするのでもなく、ちゃんと気持ちを伝えることが重要。女性で出世するタイプの一つとして挙げられている「男性を凌駕しようとする女性」、いわゆる「男性化」は、朱野帰子『わた定』や碧野圭『駒子さんは~』にも同じような主題があったような。日本人のビジネスパーソンは感情を伝えるのが苦手で、奥さんにすらありがとうが言えない男性社員もいるとの話に驚き。たしかにいそうだけど、そういう人は一体どこで安らぎを得るのだろう。
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支援とは信頼のやり取り
効果的な支援の原則
・支援する側もされる側も用意ができている
・支援関係が公平なものだとみなされている
- 支援を必要とする側が「一段低い位置」にいることを忘れさせることが必要
- まず「控えめな問いかけ」によってお互いの無知を取り除き、立場上の格差を縮める
- どうすれば最高の支援ができるか必ず尋ねるべき
- クライアントは、なにが役に立ち、なにが役に立たないかというフィードバックをする機会を探すべき
・支援者が以下三つから適切な支援の形を選択し、その役割を果たしている
- 具体的知識やサービスを与える専門家
- 診断し、処方箋を -
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<感想・要約>
人事の基礎のキを知りたくて読書。著者の八木さんのNKKやGEでのキャリアに沿って話は展開されるが、人事の役割や組織の強さの元について考察があり、勉強になった。
<一番よかった点>
「勝ちの定義がしっかりしている組織は強い」「リーダーがリーダーを育てる」「人事はビジネスパートナー・チェンジリーダーとしての役割をもつ」という主張が、自己組織化のための第一歩としてミニマムマネジメントが必要だと感じている私の想いと符合しており、背中を教えてもらえた気分。
<疑問点>
内省によって「自分の軸」を明確にし、それに沿って生きることで確固たる持論を持てるようになり、リーダーとしてのエンジン -
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最初は翻訳のせいもあり、極めて読みにくく感じたが、先に読んだ知人の'第3章を過ぎたところから面白くなるよ'という言葉を信じて何とか読み進めたところ、確かにその通りだった。
この本のポイントは、第3章「成功する支援関係」に書かれている簡単な原理、「支援を求める立場は、心理的に一段低い位置(ワンダウン)に置かれ、支援を求められる立場は、逆に高い位置(ワンアップ)に立つ」ということだと感じた。一見簡単なことのようだが、この心理的な'あや'の部分をあえて言葉にして意識することが、スムーズに支援を進めていく上で極めて重要だという。
特に、支援を求める側はワンダ -
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NKK、GE日本法人を経て現在はLIXIL(住生活グループ)執行役副社長となった八木と、リーダーシップを中心とした経営学教授の金井のコラボ。八木が人事の現場経験から抽出された要諦を熱く語り、読者にスムーズに伝わるように金井が編集者+αの役割を果たして体系的な解説を挟みこんでいく構成。GEウェルチの「わが経営」を焼き直したようにも思えるが、日本人が、それも現在注目を集めるLIXILのキーマンが語るという点で、読みやすいものとなっている。
人事部門、人事マンは、もっとアグレッシブに経営戦略にコミットし、リーダーを産み出すためのダイナミックな発想と行動を心がけなくてはならない、と呼びかける。あらか -
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人事だけなく、社長をはじめとするリーダーの人には、
こんな風に働いて欲しいという願いがあると思う。
一人ひとりが異なる個性を持っている。
その上、人にも会社にもチームにも、その前後間での状態がある。
あるところではうまくいったとしても、
それはあるところであって、他でうまくいくとは限らない。
何かの理想を軸として、人と対峙して制度を作り、少しずつ改善していく。
軸があるから、悪いところは悪いことだときちんと指摘できる。
この道にも一発回答はなく、ただ一歩ずつ進めることしかないのかなと思いました。
(以下抜粋。○:完全抜粋、●:簡略抜粋)
○「経営と現場の間に一貫性をもたせる」という言い方 -
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■「謙虚に問いかける」は、
・相手の警戒心を解くことができる手法であり、
・自分では答えが見いだせないことについて質問する技術であり、
・その人のことを理解したいという純粋な気持ちを持って関係を築いていくための流儀、
である
一方で、現代では「尋ねること」よりも「自分が話すこと」が優先されてしまっている。
しかし人間関係を築くのは謙虚な質問によってこそ。
その態度を持たなかったがゆえに、信頼関係が築かれず、大組織では大きな事故が発生している現実もある。
■質問をすることで信頼関係が築かれる
自分が話す:知らないから教えてあげる、という上からの示唆が含まれる。
質問をする:会話の主導権を相手 -