あらすじ
どうしたら、あの人の役に立てるだろう?
あたりまえすぎて見過ごされていた「協力関係」の原理原則を、
組織行動論のグル、エドガー・シャインが、身近な事例から、わかりやすく提示する。
「親切のつもりで」、あるいは「相手の助けになるように」とった行動が、
実は相手にとってはそうでなかったということは多い。仕事にとどまらず、
日常生活でも、こうした体験は誰もが記憶にあるだろう。
では、なぜ、こうした齟齬が起きてしまうのか。起こらないようにするには、
どうすればよいのか。起きてしまったときには、どんな措置を講ずれば
よいのか。こうした疑問に答えていくのが本書だ。
本書で提案する「支援」とは、「押し付け」の支援ではない。あくまで、
相手の成長につながるプロセスをともにする、という考え方だ。
相手の自律を目的とし、相手が何を必要としているかを質問によって導き出し、
一緒に答えを考えていく。これは、プロセス・コンサルテーションと呼ばれる
手法であり、シャインが、50年もの長きに渡って、
暖め続けてきたものだ。
本書は、「支援」の原理原則の解説とともに、実践する際のコツ、また具体的な
質問例も織り交ぜて、あくまで実用のためのエクササイズガイドとして、
読者の役に立つことを企図している。
『リーダーシップ入門』『リーダーシップの旅』の金井壽宏氏が監訳。
「この最高傑作を読んだ者は、誰でも必ず得るものがある」
―ウォレン・ベニス
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Posted by ブクログ
どんな場面・対象であったとしても「支援」というプロセスは社会生活の中に必ずあって、誰もが「支援者」になりえるのでどうすれば「支援者」として有能になれるか。「支援」を「社会的通貨」と表現されているのがとても興味深い。4つの問いかけと3つのモード、支援関係における7つの原則と18のコツ、プロセス・コンサルテーションの10の原則など有用な情報。
Posted by ブクログ
面白かった。
医者やソーシャルワーカーなど正にヘルプする人向けだが、会社のスタッフ部門がライン部門に対するアプローチや人を支援する場面全般に適用できる。
Posted by ブクログ
シンプルな問いの答えがこの本に詰まっている。あらゆる生き方をしている人に当てはまる考え方、物事の捉え方を教えてくれる。著者の懐の深さ、人間味を感じさせてくれる。詰まるところ自分は人を助けたいと思っているし、そのためには何が今の自分に不足しているのか、を気づかせてくれる。
Posted by ブクログ
読書中。
本当に目からウロコだらけ。職業柄、支援する側に立つことが多いが、本当に参考にしかならない。この本に出会わなければ意識すらしなかったことがたくさんある。
Posted by ブクログ
「支援」をテーマにした良書。支援とは道を教えるという簡単なことから、組織コンサルのような高度な支援も含まれる。
今の自分の仕事という観点、マネージャーとして良いチームを築くという観点、プライベートでの人間関係の観点、あらゆる社会的関係に適応できる考えだった。
専門家型・医者型・プロセスコンサルの3つの型を知ること。
まずは控えめな質問から始めること。
自分が支援者になる場合、クライアントが一つ低い位置にいると認識していることを常に意識し、対等な関係を築く努力をすること。
定期的に読み返したい本。
Posted by ブクログ
p41 われわれの自尊心の基盤となるのは、礼を言われることにより、要求していたものが受け入れられ、肯定されたと、絶えず認識することだ。
p46 他人を信頼するとは、われわれがどんな考えや感情、あるいは意図を示そうとも、相手はこちらをけなしたり、顔を潰したり、自信を持って言ったことを利用したりしないと思うことだ。
p111 プロセスコンサルタントの役割の適用の前提
p119 自殺志望の患者にこう尋ねた。「あなたのすべてが自殺を願っているのですか。それれとも、あなたの中には自殺を望まない部分がいくらかあるのでしょうか。ちょっとでいいですから、自殺を望んでいないあなたの部分と話させてください」
p198 フィードバックが最良の状態で働く条件→強要されるのではなく、自ら求めたもので、具体的かつ明確であり、共通の目標に適合していて、評価的なものというよりは説明的なもの
p230〜 支援関係における7つの原則とコツ
p247 もし、クライエントがあなたからの助言を執拗に求めたら、少なくとも二つの選択肢を与えなさい。そうすれば、クライエントはまだ選択しなければならないことになります。
Posted by ブクログ
「支援をする・される」という所に焦点を当てている本。訳本でもあり読み進めるのが少し大変ですが、支援を意識することがある人は読んでおいたほうが良いかも。
私たちの職業は診断・治療をするという立場で仕事として支援をしているけども、日常に当てはめた場合はまず「プロセス・コンサルタント」という立場で純粋な質問をし続け、一段下になったクライアントを同じ立場に戻してあげることが大事なのですね(仕事の上でもそうかも)。そして、親切な押し売りはありがちだけど、効果を生まないということ。
Posted by ブクログ
冒頭に「役に立つ支援と、役に立たない支援とがある。」という一文にドキッとし、一気に読んだ。示唆に富んだ内容が続き、「どうしたらあの人の役に立てるのだろう?」という本質に踏み込める一冊。
Posted by ブクログ
4年振りに再読。
医師やコンサルタントといった専門家による公式なものから、職場の同僚のちょっとした相談や手伝い、家庭での家事や介護など、人間関係のあらゆる場面で必要な「支援」を上手く行うことで、よりよい協力関係を築くための指南書。
往往にして支援が失敗する理由として、著者は支援者・被支援者それぞれに陥りがちな罠があると指摘し、特に支援者には、適切なコミュニケーションによって被支援者との間の認知的・感情的ギャップを克服し、相互理解と信頼関係を土台に、被支援者と共に考え、解決策を探求する「プロセス・コンサルタント」の役割が重要であると説き、その手法は組織のマネジメントにおいても有効であると主張する。
本書は社会人・家庭人の両面において、自分の人格形成、意識と行動に多大な影響を及ぼした一冊なのだが、読み返すとまだまだできていないことが多いことにも気づく。人を助けることにも、人に助けられることにも、もっと上手くならねばとの思いを新たにした。
Posted by ブクログ
人を助ける・支援するというのは、兎角、 上下の関係に陥ってしまいやすい。
支援する対象を理解するという手順を欠いた場合、専門性や良心さらには人間関係そ のものを無碍にしてしまう可能性があると いうことがよく分かる一冊。
そうならないために、正しく寄り添うため の質問「どうしてほしいですか?」が素直 に聞けることの重要性を理解できた。
Posted by ブクログ
◎支援の際には、即断するのではなく相手の"本当の問題"に気づくことが重要。
◎単なる質問者、医者、専門家等...支援者が担う役割は沢山あるものの、使う場面を謝ると失敗に繋がる。そうならない為には相手との関係にフォーカスしておく必要がある。
◎ただ、失敗は学びになることもあるため神経質にならなくても良い。
ざっと読んでこの辺りは留意しておこうと思った。
Posted by ブクログ
・関係の深さは、人が自らをさらけ出す中で、自分のために安心して要求できる価値の量という観点から定義されるのだ。
・より広範囲の専門知識を支援者に頼るようになると、クライアントは一層弱体化する。セールスやサービスを伴う関係では、容易に手を引くことができるため、クライアントはより高い地位にあり、権力を備えている。一方、クライアントが手ほどきを受けるような形式的な支援関係では、一層高い地位につき、権力を備えているのは支援者の方だ。
・クライアントの本当のモチベーションはなにか
・重要なのは、問題を前提とした質問で話を促さないことだ。それこそクライアントが否定従っていることかもしれないからである。質問は抽象的な内容を常に避け、抽象概念や一般的な事柄よりは、もっと詳しい例を求めよう。はじめのうちは、起きている事柄に集中すべきである。
・純粋な問いかけは、話によく耳を傾けることよりも効果的だ。
・活動的だが、控えめな質問のプロセスに取り組むことにより、支援関係における問題をはらんだダイナミクスもいくつか改善できる
クライアントに主導権を握らせ続け、自分のために問題を能動的に解決する立場を取り戻せるようにすること
ある程度まで自分のジレンマを自力で解決できるという自信を与えること
クライアントと支援者が協力できるように、なるべく多くのデータを明らかにすること
・4つのレベルの質問
純粋な問いかけークライアントの話だけに集中するもの
診断的な問いかけー感情や、原因分析、行動の代替案を引き出すもの
対決的な問いかけー現状について支援者自身の見解をもたらすもの
プロセス指向型の問いかけークライアントに支援者との即座の相互関係に専念させるもの
・議題には二種類のものー即座に注意を払わねばならない議題と、長期に渡る政策や戦略のように、もっと時間をかけてより深く議論しなければならない議題がある
・一段低い位置にクライアントが慢性的にいるなら、支援者はイニシアティブを取って支援を申し出るべきであり、絶えず頼み事を必要とするせいで、クライアントがあまり自尊心を失うことがないようにしなければならない。支援の行為に、自分の勝手でやるのだという理由付けをすることで、支援者はこの罪悪感を減らしてやれる
・支援者は自分の支援がもう必要なくなるのはいつか、助言して貰う必要がある
・フィードバックは、求められたものでない場合は有益とは言えない
・フィードバックは評価的なものより、説明的なもののほうが機能する。それによりクライアントも評価を行える
・適切な質問をすることによって支援関係を築ける
・組織であるクライアントと仕事するうえで最も難しい部分は、プロセスに関する専門的な意見や助言を与えながらも、質問者の役割にとどまり続けること
・支援しようという努力が快く受け入れられなくても、腹を立てないこと
・クライアントがあなたからの助言を執拗に求めたら、少なくとも2つの選択肢を与えなさい。そうすれば、クライアントはまだ選択しなければならないことになります
・組織行動論や支援学を学ぶ意味は、人との関係を生きる中で、心なき状態を、心ある状態に少しでも補正していく一助となることなのだ
・プロセス・コンサルテーション10の原則
絶えず人の役に立とうと心がける
今の自分が直面する現実から決して遊離しないようにする
自分の無知を実感する
あなたがどんなことを行っても、それは介入、もしくは揺さぶりになる
問題を自分の問題として用事者意識を持って受け止め、解決も自分なりの解決として編み出していくのは、あくまでクライアントだ
流れに沿って進む
タイミングがすごく大事
介入で対立が生じたときは、積極的に解決の機会と捉えよ
何もかもがデータだと心得よ。誤謬はいつも起こるし、誤謬は学習の重要な源泉だ
どうしていいかわからなくなったら問題を話し合おう
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支援はする側だけでなく、される側にも助言を受け入れる準備が必要。
支援のときに私が気を付けるべき罠は自分の正解がすべての人の正解だと思い込み、感謝されるべきだと感じること。なかなか難しい。
Posted by ブクログ
1.自分の行っていることがしっかりと人の役に立っているのかを科学的視点から分析したくなったので読みました。
2.本書は組織心理学の祖として活躍している著者が「人を助けること」についてどのような考えなのかを述べています。
人を助ける=支援というキーワードを紐解きながら、日常でのシーンを事例にして役に立っているケースと経っていないケースを比較しています。
役に立っている状態には必ず7つの原則が守られており、それを保つために4つの問いかけの順番を守っています。本書ではその原理原則とともになぜ役に立たない支援が出てしまうのかも述べています。
3.日常を振り返ると「問いかけの数」が少ないことに気づきました。ほんの少しの質問で分かった気になる。事前調査であらかた理解した気になるということが往々にしてありました。調べることは当たり前ですが、当事者に直接話を聞いて検証するという行為をしっかり踏んでいかないといけないのだと感じました。
大切なのは自分が何を話すかではなく「何を問うか」だと思いました。
Posted by ブクログ
人を助ける、という行為は介入が伴うため、「助ける」行為を行う手前の意思表示の時点で影響を与えてしまう。
それが能動的に「教える」「助ける」姿勢になるとなおさらだ。
支援を受ける側も与える側も準備が必要であり、またクライアント(支援される側)によりそった「プロセスコンサルテーション」が有効な場面が少なからずある。
受け手がどう感じるか、というのは大切にしているつもりではいても、油断すると一方的な押し付けになりうる。この点は気をつけなければ、と感じた。
Posted by ブクログ
支援者の役割には3種類あり、支援者は、その時々の状況に応じて、それらの役割を選択しないといけない。
1) 専門家の役割; 必要に応じて専門的な情報やスキルを提供する
2) 医師の役割; 患者の状態を診断し、診断結果に応じた処方箋をつくる
3) プロセス・コンサルタント; プロセスに着目し、プロセスに働きかけることにより、クライアントが問題を解決していくことを支援する
専門家の役割がうまく機能するのは、クライアントの側が、どのような支援が必要なのかが分かっている場合。
医師の役割がうまくいくのは、クライアント、すなわち患者が診断結果に信頼を置いている場合。
そのような場合ではなく、例えば、クライアントが、何かがうまくいっていないと感じているが、それが何か分からないし、どのように問題をクリアにしていけば良いのかも分からないようなケースに、プロセス・コンサルタントが活躍する余地がある。
少し分かりにくいが、プロセス・コンサルタントというものについての私の理解は以下の通り。
■組織や職場で起きていることのうち、見えるのは氷山の一角であり、それを起こしているもの、起きていることの原因になっていることが水面下の見えない部分にある
■水面下にも多くのものがある。例えば、構成員一人一人の考え方や、構成員の間の関係性や、無意識のうちに従っている組織の規範や組織文化。これらを総称してプロセスと呼ぶ
■水面上に出ているものは、水面下にあるものの結果であり、水面上にあるものにいくら働きかけても問題の解決にはならない。問題は水面下に、すなわち、プロセスの中にあるので、プロセスに働きかけない限り問題の解決には至らない
■逆に言えば、水面下に働きかける人をプロセス・コンサルタントと呼ぶ
これでも分かりにくいけれども、今のところの理解はこういったところ
Posted by ブクログ
支援とは信頼のやり取り
効果的な支援の原則
・支援する側もされる側も用意ができている
・支援関係が公平なものだとみなされている
- 支援を必要とする側が「一段低い位置」にいることを忘れさせることが必要
- まず「控えめな問いかけ」によってお互いの無知を取り除き、立場上の格差を縮める
- どうすれば最高の支援ができるか必ず尋ねるべき
- クライアントは、なにが役に立ち、なにが役に立たないかというフィードバックをする機会を探すべき
・支援者が以下三つから適切な支援の形を選択し、その役割を果たしている
- 具体的知識やサービスを与える専門家
- 診断し、処方箋を与える医師
- クライアント参加によって信頼関係を築き、情報をもらうプロセスコンサルタント
・言動すべてが人間関係の将来を決定付ける介入だと認識する
・効果的な支援は純粋な問いかけとともに始まる
・問題のオーナーはクライアントだと認識する
・すべての答えを得ることはできない
Posted by ブクログ
支援についての考察。
キャリアコンサルタントの勉強中もよく言われたけど、相手の話をよく聞いて、困っていること、助けを求めていることは何か、そもそも支援は必要なのか確かめることが大事なのだ。
言っていることにすぐ反応するんじゃなくて、何でそう言ったのかな?って視点を持つこと。
また、何かを達成したい、やってもらいたい時は強制するのではなく、(できていない・やらない)妨げになっているものは何かという視点も重要。
さらには目の前のクライエントだけではなく、その先への影響についても考える必要がある。
Posted by ブクログ
最初は翻訳のせいもあり、極めて読みにくく感じたが、先に読んだ知人の'第3章を過ぎたところから面白くなるよ'という言葉を信じて何とか読み進めたところ、確かにその通りだった。
この本のポイントは、第3章「成功する支援関係」に書かれている簡単な原理、「支援を求める立場は、心理的に一段低い位置(ワンダウン)に置かれ、支援を求められる立場は、逆に高い位置(ワンアップ)に立つ」ということだと感じた。一見簡単なことのようだが、この心理的な'あや'の部分をあえて言葉にして意識することが、スムーズに支援を進めていく上で極めて重要だという。
特に、支援を求める側はワンダウンの状態に置かれやすく、いったんそうなってしまうと、心理的な抵抗が生じて素直に支援を受け入れられなくなる。支援する側はこれを避けるべく、「控えめな問いかけ」(第5章のタイトル)からスタートして、相手がワンダウンの位置に落ちないように注意を払うことが大切だ。第7章「チームワークの本質」には、この原理が最もはっきりと表れていると感じた。
著者は、成果を上げるチームの本質を、'各メンバーが自分の役割を適切に果たすことによって、ほかのメンバーを助けている'、'メンバーたちは互いに、またチーム全体として支援し合う。誰もがクライアントであり、誰もが支援者である'と述べている。これは即ち、チームのメンバー同士が互いに支援し合う=相互に依存し合う関係を築くことにより、ワンアップとワンダウンが相殺されて、心理的に壁のないバランスが取れた状態になるということではないだろうか。チームリーダーの仕事は、このような'相互依存するチームワークのための環境を作り出すこと'である(第8章)。
かなり皮相的な部分にこだわりすぎた気がしないでもないが、この「ワンアップとワンダウンの心理的なバランス」というポイントを意識しながら読むことにより、全体の流れを掴むことができたように思う。仕事や生活の上で、支援したりされたりする機会はいくらでもある。学んだ内容を意識して実行していこうと思う。
Posted by ブクログ
「謙虚なコンサルティング」を読んで、著者の考えをもっと知りたくなり、読んだ本。
が、組織開発の権威である著者であるからこその理想を描いた本。なんとかお客を集めて稼がなければならない一般的なコンサルタント業は、私はすべてを知っている、という顔をしなければならない。
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自分が私人として生きていることと、経営コンサルタントであることは、今まで切り離して考えていたが、この本によってそれが統合された。
私は、クライアントに親切にしなければいけない。クライアントを助けなければいけない。
それは、必ず相手の望む成果を出す、という文脈において。
そのために、どのような態度が必要か、教えてもらった。
Posted by ブクログ
コーチングとか、コンサルティングとか、サーバント・リーダーシップとか、ビジネスにおいて人を支援するという概念が注目されているが、この本は、そういうことも含みつつ、そもそも「人を助けること」ということを、例えば道を尋ねる人に道を教える、というところまで戻って考える本。
という意味では、とても根源的である。
一見、分かりやすそうでありつつ、あまりにも日常的なシチュエーションで議論が進むので、かえって当たり前のことをいっているのか、深淵なことを言っているのか、分からなくなる印象。
「支援」という行為がなぜうまく行かないかということを徹底的に考えていて、大変勉強になる反面、そんなにいろいろ考えていたらメンドーでしょうがなくなるでしょ、という気もした。
自立を基本とするアメリカ人だから、ここまで支援ということが複雑になるのか、人間の生物/社会的な性質がそうさせるのか。著者は、後者というニュアンスだけど、気配りが文化となっている日本だと、逆にここまで意識的に気配りしないだろう、と思ったりする。
読んでていろいろ複雑な思いがよぎる本であったが、結論部分の7つの原則と18のコツはときどき読んで、支援に関する謙虚な気持ちを忘れないようにしたいと思う。
Posted by ブクログ
支援を受ける側と支援を与える側の両面から価値のある支援のかたちを探る。本書で提案されるプロセスコンサルテーションはまさに自分自身の関心分野に近く明快に言語化された感覚である。
支援には役割が必要でありながら、相手の信頼を得られていない関係性では機能しない。専門家的な役割が決してダメなのではなく、適切な切り替えが必要である。相手が本質的に求めることを時間をかけて探る。などなど、多くの発見があった。
また対話型ファシリテーションの共有する価値観も多い。両者ともプロセスに視点を当て、相手の自己尊厳を高めたうえで、事実に基づいた問いを重ね、課題と解決策を自己発見させる。改めてこれまでの支援のあり方を振り返り、今後の支援のあり方を模索できた本でした。
しかし、なぜこんなに読みにくいんだろうか。日本語が誤っているわけでもないのに、とにかく読みにくく、頭になかなか言葉が入ってこない。。
Posted by ブクログ
この本は、人との繋がりを持つ場合、気を付けるポイントを明確に示している。
こんなことも助ける行為なのだなと、あらためて認識する。
コンサルって確かに失敗する事がある。
もう少し早く知りたかった。
Posted by ブクログ
支援を人間関係の側面から再定義し、支援とは何かという問いに向き合う本。支援を大きく、①クライアントが必要としている具体的な知識や具体的なサービスという形で支援を与える専門家、②クライアントの状態を診断し、処方箋や専門的なサービスを与える医師、③実際に必要なものを判断するため、共同で調べることによってクライアントを参加させ、情報をすべて打ち明けてもらえるほどの信頼関係を築くプロセス・コンサルタント、に大別しており、状況に応じたこれらの使い分けが肝要としている。
最後に並べられているプロセスコンサルタントの10原則は定期的に見返したいキラーフレーズに満ちている。特に「問題と解決に向き合うのはあくまぇクライアント」というのはハッとさせられる。問題とその解決によって結果がどのようであるにせよ、それをしっかり受け止めるのは、クライアントなのだ、という主旨であり、クライアントと同調していてはいけないということを再認識させられる。あくまでクライアントとは立場が異なり、違う視座を持ち続けないといけない。
Posted by ブクログ
「問いかける技術ー確かな人間関係と優れた組織をつくる」からの流れ、本著者の著作は2冊目だ。
なるほど、著者は「プロセス・コンサルテーション」を開発・実践してきた組織心理学の第一人者だ。
クライアントは一段低い位置(ワン・ダウン)にいて、支援者は一段高い位置(ワン・アップ)にいる。この力の不均衡がクライアントと支援者の双方の関係をうまくいかなくする。支援者は常にワン・ダウンすることを意識し、クラアントと対等な立場でクライアントに依存、信頼してもいいのだという安心感を与えることが望まれると。
そこで意識するといいのが「控えめな問いかけ」、クライアントに主導権をとってもらいながら能動的に解決する立場を取り戻し、自信を持たせ、そして支援者と協力できる状態にすることだ。クライアントに力の不均衡を感じさせない関係がさらに良い支援につながるということだ。
Posted by ブクログ
支援という観点で、組織・人間関係を絡め科学した良書だ。
支援に必要な心構えや技術が明確に書かれており、支援者にとって必要な情報を提供できているように感じる。
ただ、少し読みにくいのが難点だ。これは私の無知の問題もあるがアメフトなどを例に記載されている情報は、例えでわかりやすく書いているものが私のアメフト知識のなさから理解に時間がかかるものになっていた点が、個人的に評価を下げてしまった。
人を支援する時に見返りを求めるのは違うよねとか、支援の前に持ち合わせるマインドはとても為になり、これを実践することで自信が支援側に立った時の感情コントロールに役立つように感じた。
一読して、必要箇所を読み返してマインドを取り戻すのに今後この書籍を使いたいと思う。
Posted by ブクログ
支援する=Helping
支援する方と支援される方の相互作用
7つの原則
支援を与える側も受ける側も用意ができている
支援関係が公平なものと見なされるとき
支援者が適切な支援の役割を果たすとき
言動の全てが人間関係の将来を決定づける介入
効果的な支援は純粋な問いかけと共に始まる=無知の知
問題を抱えている当事者は支援を受ける側
全ての答えを得ることはできない
Posted by ブクログ
「謙虚に問いかける」それがチームを一体化させ大きなことを成し遂げる。
ということを、根拠をしめし方法を示すことで詳しく説明していくという本。
謙虚、という部分が、分かっていてもつい抜けがちになることを戒めてくれる。
問いかけ方については、少し言及があるものの少ない。重要性を伝えてくれることで完結している。
Posted by ブクログ
支援とは、「役に立とうとする意志」のある者と、「支援を受ける意思」のある者との間に成り立つ。
生返事は関係を損ね、求められていないのに手を貸す行為は信頼関係を壊してしまう。
「役に立とうとする意志」のある者は、求められる支援が今まで似たようなものがあったとしても、全く新たな要求として捉えること。そして、求められる支援の本質的な意図を探ること。相手が話す内容だけでは、本当に求められていることに応えられないかもしれない。時期尚早に答えず、会話をし、何に困っているのかを明らかにすることが大切。
また、支援を受ける側をワンダウンの立場に感じさせないことも大切。あくまで対等なので、喜んで支援すること。
支援を望むものは、何に困っているのかわからないことが多い。そのため、プロセスコンサルテーションの実践力を向上させる必要がある。
フィードバックは判断を入れず、記述的であれ。結局、助かったと判断するのは、自分。他者からどんなアドバイスを受けようとも、その通りに従ってしまっては、支援も何もない。