【感想・ネタバレ】人を助けるとはどういうことか ― 本当の「協力関係」をつくる7つの原則のレビュー

あらすじ

どうしたら、あの人の役に立てるだろう?

あたりまえすぎて見過ごされていた「協力関係」の原理原則を、
組織行動論のグル、エドガー・シャインが、身近な事例から、わかりやすく提示する。

「親切のつもりで」、あるいは「相手の助けになるように」とった行動が、
実は相手にとってはそうでなかったということは多い。仕事にとどまらず、
日常生活でも、こうした体験は誰もが記憶にあるだろう。

では、なぜ、こうした齟齬が起きてしまうのか。起こらないようにするには、
どうすればよいのか。起きてしまったときには、どんな措置を講ずれば
よいのか。こうした疑問に答えていくのが本書だ。

本書で提案する「支援」とは、「押し付け」の支援ではない。あくまで、
相手の成長につながるプロセスをともにする、という考え方だ。
相手の自律を目的とし、相手が何を必要としているかを質問によって導き出し、
一緒に答えを考えていく。これは、プロセス・コンサルテーションと呼ばれる
手法であり、シャインが、50年もの長きに渡って、
暖め続けてきたものだ。
本書は、「支援」の原理原則の解説とともに、実践する際のコツ、また具体的な
質問例も織り交ぜて、あくまで実用のためのエクササイズガイドとして、
読者の役に立つことを企図している。
『リーダーシップ入門』『リーダーシップの旅』の金井壽宏氏が監訳。

「この最高傑作を読んだ者は、誰でも必ず得るものがある」
―ウォレン・ベニス

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「支援」をテーマにした良書。支援とは道を教えるという簡単なことから、組織コンサルのような高度な支援も含まれる。

今の自分の仕事という観点、マネージャーとして良いチームを築くという観点、プライベートでの人間関係の観点、あらゆる社会的関係に適応できる考えだった。

専門家型・医者型・プロセスコンサルの3つの型を知ること。
まずは控えめな質問から始めること。
自分が支援者になる場合、クライアントが一つ低い位置にいると認識していることを常に意識し、対等な関係を築く努力をすること。

定期的に読み返したい本。

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2021年01月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

p41 われわれの自尊心の基盤となるのは、礼を言われることにより、要求していたものが受け入れられ、肯定されたと、絶えず認識することだ。

p46 他人を信頼するとは、われわれがどんな考えや感情、あるいは意図を示そうとも、相手はこちらをけなしたり、顔を潰したり、自信を持って言ったことを利用したりしないと思うことだ。

p111 プロセスコンサルタントの役割の適用の前提

p119 自殺志望の患者にこう尋ねた。「あなたのすべてが自殺を願っているのですか。それれとも、あなたの中には自殺を望まない部分がいくらかあるのでしょうか。ちょっとでいいですから、自殺を望んでいないあなたの部分と話させてください」

p198 フィードバックが最良の状態で働く条件→強要されるのではなく、自ら求めたもので、具体的かつ明確であり、共通の目標に適合していて、評価的なものというよりは説明的なもの

p230〜 支援関係における7つの原則とコツ

p247 もし、クライエントがあなたからの助言を執拗に求めたら、少なくとも二つの選択肢を与えなさい。そうすれば、クライエントはまだ選択しなければならないことになります。

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2020年06月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

◎支援の際には、即断するのではなく相手の"本当の問題"に気づくことが重要。
◎単なる質問者、医者、専門家等...支援者が担う役割は沢山あるものの、使う場面を謝ると失敗に繋がる。そうならない為には相手との関係にフォーカスしておく必要がある。
◎ただ、失敗は学びになることもあるため神経質にならなくても良い。
ざっと読んでこの辺りは留意しておこうと思った。

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2024年10月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

支援という観点で、組織・人間関係を絡め科学した良書だ。
支援に必要な心構えや技術が明確に書かれており、支援者にとって必要な情報を提供できているように感じる。

ただ、少し読みにくいのが難点だ。これは私の無知の問題もあるがアメフトなどを例に記載されている情報は、例えでわかりやすく書いているものが私のアメフト知識のなさから理解に時間がかかるものになっていた点が、個人的に評価を下げてしまった。

人を支援する時に見返りを求めるのは違うよねとか、支援の前に持ち合わせるマインドはとても為になり、これを実践することで自信が支援側に立った時の感情コントロールに役立つように感じた。

一読して、必要箇所を読み返してマインドを取り戻すのに今後この書籍を使いたいと思う。

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2020年12月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

支援とは、「役に立とうとする意志」のある者と、「支援を受ける意思」のある者との間に成り立つ。
生返事は関係を損ね、求められていないのに手を貸す行為は信頼関係を壊してしまう。

「役に立とうとする意志」のある者は、求められる支援が今まで似たようなものがあったとしても、全く新たな要求として捉えること。そして、求められる支援の本質的な意図を探ること。相手が話す内容だけでは、本当に求められていることに応えられないかもしれない。時期尚早に答えず、会話をし、何に困っているのかを明らかにすることが大切。
また、支援を受ける側をワンダウンの立場に感じさせないことも大切。あくまで対等なので、喜んで支援すること。

支援を望むものは、何に困っているのかわからないことが多い。そのため、プロセスコンサルテーションの実践力を向上させる必要がある。

フィードバックは判断を入れず、記述的であれ。結局、助かったと判断するのは、自分。他者からどんなアドバイスを受けようとも、その通りに従ってしまっては、支援も何もない。

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2014年08月09日

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