金井壽宏のレビュー一覧
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前作、シンクロニシティが面白かったので
その続きとなる、本書である源泉を読みました。
神の啓示と、人のひらめきは何が違うのか?
という疑問を追求するべく、世界中の学問の権威を訪ねたり
自身の人生での出来事を内省したり、とにかく奔走する著者。
それに関して、今作で結論が出ていませんが、
著者の源泉に対する調査と追求の、記録のような本です。
前作のシンクロニシティでは、自分の行動と世界の出来事が
どうしてうまく結び付くのか? という疑問が切り口でした。
今回の源泉では、世界やそこでの出来事における自分が、
時として神の啓示を受けたかのように、すいすいと行動する、
その理由を切り口にしています。
神の啓示は、もしかすると、自分の中にそれを発生させる
源泉があるのかもしれない。では、その源泉とは何か?
というのが主な内容の本です。
著者の人生において、源泉が強く働いたことで
問題が発生した現場において、自ら行動を起こし、
驚くほどの成果を上げていけた、という経験があります。
それは、ハリケーンの被害を受けた町での救助活動でのこと。
問題に直面し、解決や目的を定義し、解決にむけての行動をし、
なおかつ、それを著者個人だけでなく集団でやり遂げたことが
強烈な印象として残り、源泉への追求の根拠でもあるそうです。
しかし、源泉への追求方法に関しては、正直、
スピリチュアル系な要素が強いと思いました。
ビジネスライクな思考法や行動法でもなく、
ライフハックのようにオシャレで理にかなったことでもなく、
気功や瞑想といった単語や概念が紹介されます。
逆に言えば、そういったスピリチュアルな観点から
物事を考える人には、すらすらと読める本かも知れません。
確かに、入浴時等のリラックスした状態に、
頭がさえたり、アイデアが浮かんだりすることがあります。
あるいは、仕事をするために仕事をし続けるよりも
うまく休暇を挟んだほうが、かえって仕事に対して
意欲的に取り組める、なんていうことがあると思います。
この本は、ビジネス本の中でも、そういう本です。
具体的な思考や行動をもたらす本ではなくて、
そういう方法を編み出せるようになるかもしれない、本です。
当然、源泉に対して、科学的なアプローチも行ってはいますが
いまだ未知の領域のようで、本書にその結論はありません。
源泉や宇宙にに関する原則等も、終盤で紹介されていますが
私からすると、どうにも抽象的で、そういえばそうかもなぁ、と
思うくらいの考え方でした。方法というより概念なわけです。
チャンスの神様は前髪しかなく、それを掴むには
つねに目を開き、努力している必要がある…というような
内容が主です。これも悪い内容ではないのですが。
具体的ではなく、概念的で形而上的な考え方や見方で、
リーダーシップや能力や人生を考えてみたい、という人や
そういう内容の本を読んでみたい、という人におすすめです。
でも、読んで良かった本だと思ってます。
ビジネス思想、ビジネス哲学のような感覚で読めるので
ガチガチの本に疲れた時、また読んでみようかと思える本です。
実際、読んでみると自分の仕事に対して、今までとは別の感覚で
取り組めるようになりました。不思議です。
自分の視野を広めないと、チャンスはつかめない、というのも
あながち嘘ではないと思います。 -
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リーダーシップを学び、自分のものとして培いたい、と
思って読んだ本。ビジネス書というか、著者の自伝本といった印象。
弁護士としてのキャリアを中心に、人生を猛進した著者。
しかし、壮年になってからの離婚をきっかけに、
その人生とキャリアは一変します。
そもそも、著者の原動力というか、その核となる出来事は
同じく弁護士である父の仕事である、と思います。
著者は、その父の仕事を垣間見たことで、強烈な思いを抱きます。
「なぜ、人は、同じ人に対して、極めて残酷になれるのか?
二度と悲惨な出来事を起こしてはいけない。
そのために、人はリーダーシップを学び、発揮しなければならない」
原文ママではありませんが、上記の著者の思いが
リーダーシップに関わったきっかけとなります。
アメリカンリーダーシップフォーラムの立ち上げに
奔走する著者は、そこでの実務的な内容はあまり記していません。
どちらかと言うと、そこで感じた事や、思った事を中心に
この著書にまとめています。
また、リーダーシップについて多く述べてもいません。
何を述べているかというと、著書のタイトルでもある
「シンクロニシティ」です。また、これが著者における
リーダーシップに対する切り口になっていると思います。
私が感じた、著者におけるリーダーシップとは
人を導く能力ではなくて、人と出会って繋がり、
ともに協同していく能力だと思います。
シンクロニシティという切り口から、
リーダーシップ論を述べるのは、順番としては
非常に自然だと思います。
自分がリーダーであるには、まず、協力してくれる誰かが
いなければならないからです。
どうすれば、自分にとって大切な人と出会えるのか?
どうすれば、大切な人だと感じたり、分かったり出来るのか?
そのために、自分をどうすれば良いのか?
もとい、自分はどうあれば良いのか?
リーダーはあり方が重要である、という観点が強く、
人がどう行動するべきか? というより、
行動する人はどうあるべきか? というのも
この本の要素だと思います。
つまり、シンクロニシティを得るためには、
どういう存在であれば良いのか? という問いにつながります。
そんな自問自答を続けたのが、この著書だと思います。
リーダーシップとか、ビジネスとか、というのは
その結果に過ぎないようで、本文にもあまり出てきません。
オコジョと私はつながった! 同じ宇宙にあるんだ!
と述べる著者が微笑ましくも、そのシンクロニシティの
実際と可能性に突き進む姿勢が勇ましく感じられます。
長々と書いてしまいましたが、私が著者で最も勉強になったのは
自らのあり方を自問自答し続けること、
そのために、自分を取り巻く周囲や環境、世界に対して
常に目を開いていることです。
そして、それらに絶望せず、希望をもって臨むこと。
自分の可能性は自分で生かす。主体的に生きること。
自分に責任を持つこと。そういうあり方をしていれば
世界が開かれていると感じ、次第に周囲と協同できる、
ということです。 -
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毎日毎日、自分は一体、何をやってるんだろうか、
せっかく生まれてきたからには、自分にしかできない何かを
成し遂げたい、時々そういう気分になるときがある。
たいていの場合、目の前のことを一生懸命やってやり過ごすか、
あるいは少し手を止めて考えても、すぐに考える暇もなくなるほど
忙しくなるか、そうやってちゃんと考える時間はなかなかできない。
この本は、そういう人には痛烈だ。
作者は、突然使命感を持って、それを天命だと信じて、
未知の世界に飛び込むと、なぜか良い出会いに恵まれて、
いろいろ勉強しながら大成功する。
で、本当のリーダーとは、人知を超えた意思と通じ合って、
その意思を実現しようと一心に、機敏に動くことによって、
大きな変化を起こすことができる、と結論付ける。
でも実はこの人、
父は米国で1、2を争う法廷弁護士、
本人も若くして法律事務所を開いて大成功、
その傍らで、石油会社を起業、競走馬の飼育事業も成功、
挙句の果てにはラスベガスでちょっと遊んだら大勝ち、
(この勝ち金は最後にはすったみたいだが)
という具合で、
もともと強運やん!
…と思ってしまうと何も学べない。
作者のモテモテの話などにも我慢して、最後まで読みきると、
そんな一時的な成功も全て、この人を成長させるためのもので、
最後には、自己の意思よりも、世界の意思の方がずっと強力で、
過去から未来に渡って継続的なものであり、
その流れを知って動く方がはるかに良いでしょ、と悟ることになる。
最後に作者が知るのは、偶然というにはできすぎている、
世の中の巡り合わせの妙。これには結構感動。
ひとつ残念なのが、監訳者の解説。
読み方は人それぞれ、今のこの人にはきっとそれが正しいのだろうが、
どちらかというと、意志の力で成功する、という本だという捉え方で、
そういう本だったら私には響かなかった。 -
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柴田昌治さんの本は、「なぜ会社は変われないのか」に始まり、多数読ませていただきました。当時、組織における様々な問題は、個々人の能力アップによって解決できるものだと思っていた自分にとって、人間同士の関係性、組織風土にフォーカスした作品に、衝撃を受けた記憶があります。それだけインパクトがありました。
一方、金井教授は、キャリア論・組織論を中心に、こちらも多数の本を読みました。
このお二人による作品読まないわけにはいきません。
この著書は「なぜ会社は変われないのか」で語られているストーリーを、実際のモデルとなった人物の証言を交え、実態に迫るという、興味深いものでした。現実は、以前の著書で書かれている以上の苦労があったようです。
スコラの風土改革の原点を見ることができる、貴重な作品です。
それからかなりの年月が経ち、日本の状況も、スコラの理論も変わってきています。
そんな中であっても、組織風土に対し、注目していきたいと思っています。
チームワークの二大要素
「目指すものを共有」し、「動きの原則、考え方の原理を共有」することの大切さ
基本姿勢「事実・実態を真摯に学ぶことからすべてはスタートする」
この事実の中には「生きているものの存在は、そもそも不安定でゆらいでいる」という事実認識も、基本中の基本として含まれる
「事実と自分に対して誠実にあろうと常に努力を続ける」という姿勢
動きの原則・考え方の原理
①事実・実態を大切にする
②常に意味・目的・価値を問い続ける
③当事者であり続ける
この3つを共有することが、チームワークが機能するために不可欠
<この本から得られた気づきとアクション>
・風土改革の重要性をあらためて痛感した。
・自分の考え・行動は動きの原則・考え方の原理に沿っているだろうか、自問自答しなければならない
<目次>
序章 日本企業がわずらっている現代病―チームの免疫不全症候群
第1章 なぜ会社は変われないのか
第2章 大企業病を克服せよ
第3章 社員が自ら考えて会社を変えていく
第4章 驚異的成果を生むマネジメントの真髄
終章 人を幸せにする会社とは―「いい会社」の条件 -
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『リーダーシップの旅』などで味のある金井さん。好き嫌いがありそうだが、自分は割と嫌いではない。学者なのでたくさんの過去の研究を参照しはするが、型にはめようとはしているわけではない。
「この本は、変革の本であるが、なによりも希望の本として受け止めてほしい」(P.3)とあるが、何を言わんとする本かは目次を見るのがよかろう。
プロローグ. うちの会社も、どこの会社も
第1章. 個人にとって組織とは何か
第2章. なぜ組織変革が必要なのか
第3章. 変革を動機づける
第4章. 組織変革を阻むもの
第5章. 組織変革のリーダーシップ
第6章. 組織変革のビジョン
あとがき
組織には(個人にも)変革が必要で、そのためにはリーダーシップとビジョンというのは必須の要素である、ということ。「変革を拒む33の憶見」(P.116)などにまとめられてもいるが、組織変革は言うは易し、行うは難しの典型。著者もリーダーシップの理論よりも、実際に変革を成し遂げたリーダーのリーダーシップの持論に興味があると言う。
「個人のキャリアにとっても、組織の発展にとっても、変わることなく成長はないし、成長を伴うなら変革のたいへんさはそれに値する。」(P.5)
組織の一員には、「愚痴を言う権利もあるけれど、希望を語る義務もある」(P.37)のだ。さて、自分は義務を果たしてはいるだろうか。何より自分のためであるのだが。
「個人のキャリアにとっても、組織の発展にとっても、変わることなく成長はないし、成長を伴うなら変革のたいへんさはそれに値する。」(P.5) -
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尊敬する金井氏と増田氏によるリーダーシップについて言及した本。
前半は半生においてリーダーシップを発揮してきた増田氏にインタビューを行い、実生活でどんな意識をもち、どんな行動をとってきたかについてが書かれている。
後半はそれを踏まえ、両著者の考えるリーダーシップについて紐解いていく。
増田氏は知らなかったが、理論、言動に非常に共感し、感銘を受けた。差別ではなく女性の著者でこれほどに憧れる人は初めてだったように思う。
個人的に、リーダーシップとは人として生きていく基軸であるように思う。私はリーダーになりたいわけではなく、この理論で大事とされているものを理解し、実践できる人物でありたい。 -
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覚えておきたいこと。
ドゥエックの「固定的知能感」と「拡張的知能感」(やれば出来るの研究 草思社)。
「固定的知能感」の持ち主:人間の能力は固定的であり変わらないと信じている。努力を無駄とみなし、他者からの評価ばかりを気にして、新しいことを学ぼうとしない。→大人は学びの終着駅。
「拡張的知能感」の持ち主:自分の能力は拡張的であり、変わりうると信じている。能力は努力次第で伸ばすことができると思っていて、たとえ難しい課題であっても学ぼうと挑戦する。→大人は学びの終着駅ではない。
思い出すのは、お姉さんの娘に対する言葉。「人間学生時代が一番頭良いんだからね」。「そんなバカな」と思ったが、それは、「知能感」の違い。
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7:2:1の法則:経験7割、上司顧客からの薫陶2割、研修セミナー1割。 -
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人々が教育についてやたらと雄弁になる(なれる)理由は「誰もが教育を受けた経験をもっているから」であり、またそれが「『評価』の難しい営みであるから」という中原氏の指摘はもっともであると思う(P228)。しかし僕は、ある意味、だからこそこれまでこの分野にはそれほど関心が持てなかった。
人にものを教えたり教わったり、「学び」それ自体はとても好きなのだけれど、それは例えば「収益」といった形で定量的に分析・評価されるものでもなければ、そうするべきものでもないものと勝手に思っていたし、仕事との関連で言えば、本当に意味のあるのか疑わしい退屈な研修などを想起させるから、やはり関心のわかない分野であった。「人材」とか「育成」には常にある種の曖昧さがつきまとい、またそれがもたらす敷居の低さが嫌だった。
しかしつい最近、中原氏の「経営学習論」を読み、多少この分野に対するアレルギーがなくなった。それにはずみをつけるために読んだ本書だったが、やはり面白いと思えた。
何より、繰り広げられる対話の中で、中原・金井両氏自身の、「学び」に対して謙虚に学ぼうとする姿勢そのもののが「学び」を体現していると思えたからである。こういう方々から、たくさんのことを学びたいと思えた。
面白い読み物としてさらりと読めてしまうため、また話題が多岐に渡っているためなかなかつかみどころのない印象も受けてしまうが、だからこそキーワードもたくさん散らばっているので、これらを参考に時間があるときに関連する本でも紐解いていこうと思う。
余談だが、本書で初めて「教育学」の一端を垣間見た気がする(本書が扱っているのは経営学と教育学を跨る学際分野ではあるけれど)。教育学の講義なんて受けたことなかったし、大学に教育学部もなかった(文学部はあったけど、それにもあまり縁がなかった)。今思えば、自分はこれまで一度も「教育学」に触れたことがなかったことに気が付いた。