組織が人々を「力」で「操る」のではなく、「奉仕」によって「導く」ことを通じて、社会により大きな価値を生み出すべきであると提言した、リーダーシップ論の古典。
組織が大規模化するにつれて官僚化・非人間化・凡庸化していくことに対し、著者は、傾聴や共感、直感を大切にしながら、謙虚に気づきや学びを求める「奉
...続きを読む仕型」リーダーこそが、フォロワーの信頼を得て、有能な「トラスティ」(取締役会や理事会など)とも協調しつつ、よりフラットな組織を導くことにより、従来の「パワー型」リーダーが率いるピラミッド型組織よりも、社会にとって意義のある貢献ができると主張する。
原文は著者による1970年代に書かれた論文や講演録であるが、驚くほど今日の社会環境でも有効な示唆に溢れており、聖書や詩からの引用もあって味わい深い。自己実現や成長の機会によって従業員に「奉仕」する組織こそが、サービス・商品提供を通じて社会に「奉仕」できる。「企業倫理」や「CSR」といった狭い文脈で片付けるのではなく、「真に高い成果を出すための実践的リーダーシップ論」として、座右に置きたい。