あらすじ
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家庭、企業、コミュニティ―。リーダーシップはあらゆる局面で直面する課題です。本書は、リーダーシップを実際に身につけるために理論と実例を紹介します。内容をより深く理解できる興味深いエクササイズを掲載。J.ウェルチ、小倉昌男、松下幸之助など著名な経営者の事例を的確に解説。具体的な知識が身につきます。
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Posted by ブクログ
幅広い実例、文献、研究をとりあげながらも、著者の一貫した視点で自分の言葉で整理・説明されているので、初心者でもリーダーシップの概念を整理することができる、本当に優れた本だと思いました。
組織目標(課題:P)の軸と、組織維持(人間:M)の軸が非常に多くの研究で研究された、ロバストなものなのだということがよくわかりました。PM理論は聞いたことはありましたが、これほど安定していると理解できると、実際の仕事のときでも意識できそうな気がしました。また、
行動理論(三隅、ミシガン、オハイオ)
↓
状況適応理論(フィードラーなど)
↓
変革型(コッターなど)
と発展するリーダーシップ理論においても、課題Pと人間Mの2軸が基本になっていて、そこからの発展形として説明されているので、整理して理解ができました。
こんなに充実感ある新書は初めてでした。
Posted by ブクログ
この本は、実にいい。
リーダーシップ論を学ぶにあたり、全体の基礎となるような座標軸を与えてくれる本。この考え方のもとに、様々な論を位置づけて、自分独自の持論を作るベースに使えるだろう。
Posted by ブクログ
リーダーシップ論は、ビジネススクールで最もよく研究されたテーマの一つである。しかし、まだわかっていないことも多いという。リーダーシップを巡っては様々な理論が存在するが、「理論はリーダーシップをとろうとする人の持論に翻案され、それがその人の経験に根付くときに初めて大きなパワーをもたらす」。「リーダーシップ入門」と銘打った本書で、著者はことさらこのことを強調している。
それゆえ、前段に「リーダーシップの学び方」を詳しく述べ、その後で優れた実践家としてペプシコのR.エンリコや、GEのJ.ウェルチ、ヤマト運輸の小倉昌男などの実例を紹介し、最後にリーダーシップを巡るこれまでの理論を俯瞰する。
特徴的なのが、読者がリーダーシップを自分のものにできるように、随所に演習をちりばめていることだ。自分のリーダー経験を分析してみたり、リーダー理論を自分の言葉に翻訳してみるという作業を通じて、与えられるリーダー像の理解だけではなく、自ら考えることでリーダーとは何かを明らかにさせようという工夫がなされている。
自身の関心のあったところでは、一流企業でのリーダー育成についてだが、実践事例で取り上げられていたペプシコもGEも、トップ自らが次世代リーダーの育成に関わっていたということを知って、大変参考になった。
リーダーシップは理論だけを知っていても身につかないし、状況によっても要求されることが違ってくる。そこに、実績をあげているトップ自らが後進の育成に関わることで、組織にとって最適な教育ができるであろうし、実戦の中から得るものも多いと思う。また、そうした取り組みの積み重ねが、組織気風土や組織のDNAを形成するのだと思う。
【リーダーシップに関するメモ】
・振り向けばついてくるフォロワーが存在すること。
・フォロワーはフォロワーなりに自立していること。
・リーダーシップは、リーダーその人の中に存在するというよりは、リーダーとフォロワーとのやり取りの中から、インタラクティブかつダイナミックに帰属されていく過程である。
・リーダーシップを支える鍵は「信頼」である。
・リーダーシップの規範は、産業によって、会社によって、職能分野によって、世代によって、それぞれ異なっている。
【リーダーシップ理論に共通する基本的な二軸】
・課題(仕事)関連行動:人間(対人関係)関連行動
・三隅二不二=P(パフォーマンス):M(メンテナンス)
・ベールズ=課題リーダー:社会・情緒的リーダー
・リッカート=職務中心の監督:従業員中心の監督
・ブレーク、ムートン=生産に関する関心:人々に関する関心
・コッター=アジェンダ設定:ネットワーク構築
・日常語=大きな絵(ビジョン)を描く:大勢の人々を巻き込む
Posted by ブクログ
リーダーシップの実践のための入門書というより、リーダーシップを研究するための人の入門書という印象。
リーダーシップを研究しようとする人は、ぜひ目を通すべき。
これまでの実践家のリーダーシップ、学者の研究内容がコンパクトにまとまっています。
Posted by ブクログ
『リーダーシップの旅』という共著が意外によかった金井さんのリーダーシップ論。この人の文章には独特の「文体」があります。好き嫌いはあるかもしれませんが、その独特さも含めて私は割りと好きです。
目立つ論旨をいくつか挙げると、フォロワーの能動的な役割の強調している点や、多数の研究との比較を通して三隅二不二(じゅうじ、と読みますが読み仮名がなかったのは不親切)のPM理論に多かれ少なかれ集約できると主張している点が挙げられます。あとはTPOV (Teacheable Point of View)という言葉を通して、リーダーシップの言語化を促しているところでしょうか。この点については、優れた会社の社内で行なわれているであろうリーダーシップを調査を行なわないのは「恥ずべき怠慢だ」と言い切る熱さがあります(正当で妥当なものかは分かりませんが)。
帯には「こうすれば部下はついてくる!」とありますが、そういう類の本ではありません。そういうノウハウ本ではなく、もう少し熱意にアカデミックさを織り交ぜて"リーダーシップ"について語った本ですね。
Posted by ブクログ
リーダーシップとは何か?
書籍にはワークショップがあります。
それを通じて自己における定義、現在位置に気付けます。
リーダーシップ。
書籍を通じて思い描くことが可能です。
自らに対して問うことで認知を深められます。
1.リーダーシップから類推するキーワードは?
2.どんな人、行動、シーン?
その上でどうしたいか?
Posted by ブクログ
リーダーシップについては、悩みはつきない。いろいろな試しては、うまくいったり、うまくいかなかったりである。
で、一応本もいろいろ読むのだが、リーダーシップ関係の理論書は概して退屈である。が、リーダーの自伝なんかを読むのも面倒だし、自分と違うスタイルの人の話しを読んでも、簡単に真似できるものでもない。
というときに結構便利なのは、金井先生が、翻訳や解説を担当されている本である。金井じるしを目安に何冊か読んでいるうちに、金井先生の考えも分かったような気がしていた。
で、改めてご本人による「リーダーシップ入門」である。
簡単にまとめると、リーダーシップは、「鑑賞」するようには学べない、「実践」を通じて学ぶのだ。ということをベースに、実践を通じて自らの「持論」を作って行く事が大切ということ。
なので、帯に書いてあるように「こうすれば部下はついてくる」という本ではない。もっとディープな本だ。
が、個人的に一番な納得したところは、リーダーシップに関するさまざまな理論を整理したパートだ。
リーダーシップは、いろいろな理論があって、どれが正しいのやら?何がどう違うのか、と結構、イライラするのだが、金井先生による、全てのリーダーシップ理論は、「成果」と「人間関係」の古典的な2軸で理解できるということ。
と言われてみれば、「そりゃ、当たり前だろう」という気もしなくないが、ちょっとコロンブスの卵的なまとめ方かな。
一旦、こういう風に理解したうえで、学者毎の違いというか重点の置き方を勉強していけば、理解しやすそうな気がしてきた。
最後に、リーダーシップに関する本がいろいろ紹介されていて便利ではある。
が、しばらくリーダーシップ系の本は、読まないかもね。
だって、本書のまとめにそれなりに満足したし、理論より、実践を通じた「持論」が大切ということなんで。
Posted by ブクログ
金井教授の著書は好き。膨大な文献の読み込みに裏づけられた信頼性があるだけでなく、自分の言葉でも語られているからだ。彼でもまだまだわからないリーダーシップの分野だからこそ、持論の持ち方や磨き方が本書では提示されている。私にも持論があるがそれを深掘りしてみるのも良いかもしれない。
Posted by ブクログ
理論だけを学んでも身につかない。実践してこそ理論の理解も深まり身につく。リーダーシップ論をいろんな研究者の考えを紹介しつつ、エクササイズを用いている本。
大小はあれど誰しもが持っているリーダーシップ。どのようなタイプでどこを目指すのか。ここでも軸をもつことが重要。俺のTPOVは?再読すべき本。
Posted by ブクログ
まさに入門という感じの良書だと思います。
めずらしくじっくり読みました。
リーダーシップは、家庭・仕事・地域社会などあらゆる側面で必要。
人生通じての勉強ですね。
・自分の持論を持つこと・作っていくこと
・シンプルな2軸(課題関連行動・人間関連行動)のものさしを持つこと
・次世代の育成が使命
Posted by ブクログ
これまでのリーダーシップ理論を俯瞰するだけでなく、むしろそれよりも現場での実体験を言語化することの重要性を示し、その両輪によって読者自らのリーダーシップ持論を作り上げることを推奨している実務者向けの本。これを読んでリーダーシップが身につくわけではもちろん無い。あくまでもリーダーシップを身につけるのは実務経験を通じてであり、そのようなリーダーシップ経験を実践していくなかで、折に触れて内省する際の指針とすべき本。この本はワークブックとして、いかに使いこなすかが重要。
Posted by ブクログ
入門書だけど難しい。。。
最初は内容がなかなか頭に入ってこず苦労した。
PM理論のマネジメント論のコアでもあり、激しく同意。
もう少し知識経験を積んでから再度読みたい。
Posted by ブクログ
本来、途中に出てくるエクササイズをやりながら読んで真価を発揮するんだろうと思う。サボってすみません。。。
代表的な経営者の持論+学問的なリーダーシップ論を学べます。
あくまで入門書なので、だからどうというものではないと思います。
基本は、部下をフォローしながらマネジメントしていく能力と、部下を率いて課題を解決していく能力、これだな。
Posted by ブクログ
大学時代のリーダーシップの教科書を今更読んだ。実践を意識して、著者としては読みやすく書いたようだけれども、学者の文章とあって自分の頭ではかなり読み応えがあった。task志向とhuman志向の二軸を重視した考え方は勉強になったし、この二軸の両立が大切だという考え方には共感する。あとは、「学者の言うことは役に立たないのではなく、役に立てる視点で学ぶことが大切」だそうで、ここにも共感するところがあったけれど、同じものを目指していれば、結局はそういうところに行き着くんだな、というのも感じた。まあ、字は違うけど、名前が同じだしな。。
Posted by ブクログ
■概要
リーダーシップを身につけるために、理論と実例を紹介している。
また、理解を深めるためのエクササイズが豊富に掲載されている。
■仕事に活かせる点
ワークショップ等の企画の際に、ネタとして参考になる。
自身のリーダーシップ向上の教科書となる。
(山)
Posted by ブクログ
一見すると精神論とか才能とかに走りがちなリーダーシップに対して合理的な理解を促してくれる本。英雄の数ほど持論があると思われるリーダーシップを研究者の立場から整理している。
文庫本にしてはやや多めの300ページで得られる理論は実にシンプルで頑健なものである。多くのリーダーシップ論を読み漁る前に、本書で初歩的な理解の枠組みを築いておけば、実践に向けての糧がより多く得られると思う。
Posted by ブクログ
作者曰く、「リーダーシップは、理論と持論から成り立つ」。理論と持論の関係は、「純粋スーパークラスと、その派生クラスのインスタンス」のような関係 (オブジェクトオリエンティッドな人にしか理解できない説明で申し訳ありません)。つまり、所詮理論は、そのままでは役に立つわけもなく、実践を見据えて(もしくは、実践の中で)、理論を元に持論を構築すべきと説く。参考にすべき点も多く、新任マネージャーにお勧めする。ただし、副題に「こうすれば部下はついてくる」とありますが、そんな方法はありません。
Posted by ブクログ
金井先生の本はよく読む。好きなのだけれども、この本は、少しくどい感じで読みにくい。
先生ご自身に、リーダーシップについて語りたいことが多すぎて、収拾がついていない感じ。
Posted by ブクログ
リーダーシップを学ぶためにエクササイズを入れた構成となっている。
リーダーとはフォロワーが自然とついてゆく者のことです。
自分ならどうするかを常に考えて、リーダーシップの持論を作り、言語化しておくことが大切。
持論を原理原則として、状況を判断して行動するのがリーダー。
Posted by ブクログ
日本のリーダーシップ研究における第一人者、金井壽宏先生(神戸大学大学院 経営学研究科)によるリーダーシップ論とのことです。金井先生が本書で扱うリーダーシップは、ある特定のいわゆる「リーダーが持つ」リーダーシップではなく、誰もが持つことが可能なリーダーシップを扱っています。リーダーシップの定義は、1) それを支えるフォロワーがいること、2) 実践的に言語化されていることとしています。特に 2) 実践的に言語化されていることを強調しており、次のように解説しています。
誰もが、何かを達成すると言う実践上に得た「持論」がある筈で、そのノウハウを言語として抽象化した概念化すること(例えば、「即決」とか)がリーダーシップについて、内省面、外部コミュニケーション面で有効としています。逆に、そのようにして出てきた他者の「持論」が、抽象化されているが故に、そのまま鵜呑みにしてはならず、その人の職種や状況などに依存しているため、自分の中に取り込む際には、自分の環境を重ね合わせて咀嚼する必要を説く。
また、そのような持論が、一般に、組織の目指すべき課題軸 - Performance と組織を担保するための人間軸 - Maintenance の2軸で展開できるとしています。そのことは、現存の全てのリーダーシップ論の基礎となる考え方である、と位置づけ、PM理論を展開しています。
Posted by ブクログ
リーダーシップをアカデミックに学ぶための入門書。研究者たちの理論がコンパクトにまとめられている。しかし、エッセンスが濃縮されているがゆえに、この本を読んで理論と実践をブリッジするのはなかなか難しいと感じた。迷ったり悩んだりしたときに、理論を確認するために使いたい本。
リーダーシップとはなんぞや、を学ぶには、共著になるが「リーダーシップの旅」をおすすめしたい。
Posted by ブクログ
リーダーシップってどういうものなのか考え、あえて理論的な本を読んでみた。
だいぶ研究色が強く、自分には少し難しかった。
本書では、研究者による理論と実践家リーダーシップ持論から自分なりの持論を作りあげることが重要とある。
リーダーシップ理論は色々とあるが、簡単に言ってしまうとPM理論のほぼ2軸で説明ができる(あまり深い理解ができていないのかも・・・)。
実践家については、R・エンリコ、J・ウェルチ、小倉昌男、松下幸之助らの例を挙げているが、単に真似ることはNGで、彼らから自分が納得のいく良い部分を学び、持論とするよう薦めている。
リーダーシップに必要な要素が詰まっていて、多くの気づきはあったものの、身につけるのは時間がかかりそう。またいつか改めて読んでみようと思う。
Posted by ブクログ
リーダーシップ:大きな絵を描いてそれに向かって人を巻き込むこと。実践から理論へと抽象化していく構成。実践の重要性を繰り返し説いており、エクササイズ多数収録されている。課題軸と人間軸でリーダーシップを分析する。この単純化されたモデルは汎用性が高いと思われる。あとがきにあった『数年後にリーダーシップのコツ(持論)をもてるように』を実現すべく、一人ブレーン・ストーミングをしてみよう。
Posted by ブクログ
ー
理論と実践に重きをおいているが、「で結局?」という感想。
啓発書として読むべきである。
けして学者が書いたものとして読まないほうがいい。
金井先生はこの本を多くの自己矛盾に満ちた中で書いたのだと思う。〈学者としての立場と結局はその学者としての定義を捨てなければいけないという意味で〉
Posted by ブクログ
開始:20070806、終了:20070806
リーダーシップ入門というよりは、リーダーシップの定義づけ、というような内容の本だ。実際のリーダーと各研究者のリーダーシップの捉え方を改めて著者が捉えなおしたような感じだ。決して読みやすくはないが、参考になる点は多々あるし、エクササイズを本気でやってみると自分のリーダーシップ度を自分で実感することもできる。リーダーシップを身につける上で大切なことは、?自分がリーダーシップを直接経験すること、?すごいリーダーと思える人といっしょに仕事をして、その人の言動を観察すること、?それらの経験と観察からの教訓を言語化し、自分なりの持論を構築すること、?学者の理論やすぐれた実践家の持論は干渉するように読むのではなく、自分の持論を創出し肉付けするために活用する。小倉昌男氏を例に出し、「身銭を切ること」の重要性も示している。また、三隅二不二氏のPM理論(Performance,Maintainance)は面白い。リーダーをPM型、P型、M型pm型と捉えている。いずれにしてもリーダーとは気付いたら喜んでついてくる人がいる人のことをいうのだ。