あらすじ
経営学の必須科目「組織行動」の考え方を、ビジネスマンのために9つのキーコンセプトに絞ってわかりやすく論じた書。
【主な内容】
第1部 組織行動という分野への招待
第1章 経営学と組織行動の間柄
第2部 組織の中の個人
第2章 コンピテンシーとは何なのか
第3章 モティベーション論のミッシング・リンク
第4章 「キャリア・デザイン」のデザイン
第3部 成果と評価の問題
第5章 成果を意識した組織行動を目指して
第6章 人事評価をめぐる根本問題
第7章 360度全方角からのフィードバック
第4部 個を活かし組織の力を高める
第8章 変革の時代におけるリーダーシップの求心力
第9章 職務満足と組織コミットメントから見る職場の幸福論
第10章 現実を変えることから生まれる知識創造のパワー
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Posted by ブクログ
2004年発刊の書籍で、おそらく2010年ころに読みたい本リストに入れ、実際に購入したのは2020年1月。そんな本をさらに一年寝かせてやっと 2021年1月に読み終わった...
が、むしろこのタイミングで読むことで得られる気づきが大きかったと思う。本書の言葉を借りれば、読み手としての自分のレディネスも整った状態、というか。
この本に挙げられている個々のキーコンセプトのそれぞれは、たぶん組織で仕事する上ではこれからも重要だと思う。
人と議論してみたいと思って、自分の組織で読書会を呼びかけてみたよ。どうなるか楽しみ。
Posted by ブクログ
組織行動について古典的な理論から実践まで、俯瞰して学ぶことができた。普段実践の中に生きていると、ともするとこう言った理論面からの考察が疎かになる。こう言った書籍で自分のやっていることを一般化することも大切だと思った。
Posted by ブクログ
前回のコメが08年1月でした。そこからHRMを専門にするようになって1年半。
この本に書かれている組織における個人、評価、力の活かし方を体系的に学べるところ、最新の理論とその構築される過程が丁寧に書かれている本です。
現場で働いていて組織のそもそも。。。を知りたくなった人、HRMを中心にMBAや経営学を専攻したい人の足がかりにおすすめ!
Posted by ブクログ
組織を動かしていくのは人で、それを支えるための仕組みがある。もはや人事部署だけではなく(そんなことは幻想だと思っているので)、自分がどうしたいのかを考える上で参考になる一冊。とても分かりやすい言葉で書かれているのも、専門家に向けてかかれているわけではなくて、働く人一人ひとりに向けたものだからなんだと思う。
Posted by ブクログ
一橋ビジネスレビューブックのシリーズの他の本はなかなか面白かった。
金井さんが書いているので、これも「組織行動」の全貌がうまくまとまっているのかな。
が、取り扱っているトピックが、コンピタンス、モチベーションとか、人事考課とか、「組織の中の個人」に関係があるものが多くて、私の関心事とはやや違うかな?
自分は、組織開発、組織文化、変化マネジメント、組織学習みたいなのが、好きで、それとの関係でリーダーシップみたいなのが好きなんだな〜、と改めて思った。
でも、あまり興味のない様々な人事制度的なものも、まあまあ分かりやすく頭に入ったかな。
Posted by ブクログ
組織行動(Organizational Behavior)とは、組織のなかで起こるさまざまな人間の行動を科学的に理解しようとする学問分野で、
モチベーション、パーソナリティ、職務満足、処遇の公平性、学習、キャリア発達、意思決定、グループダイナミクス、コンフリクト、対人コミュニケーション、リーダーシップ、職場ストレス、組織文化、組織変革等を研究テーマに持つそうです。
組織内で人が育つ、人を育てるというのも組織行動のひとつであり、領域はほぼ同じようですが、言葉として「人材育成」より大きな概念といえそうです。
コンピテンシー、モチベーション、評価、リーダーシップ等のカテゴリごとに
様々な学説を網羅していて、読み応えがあります。
いささか難解になりそうな内容を、比喩を多用して噛み砕いて説明していて好感。
特に、
・評価についての実例として、フィギュアスケートと「オールスターものまね王座決定戦」が並んで語られていたこと
・組織コミットメントの3次元「情緒的」「継続的(功利的)」「規範的」と結婚生活の例え
には笑いました。奥深いです。
また、
「職務満足の3割は遺伝子によって支配され、残り7割が遺伝以外の要因による」というのが初耳でした。
安心して7割の環境づくりに励んでいけます。
(さわ)
■仕事に活かせる点
・コンピテンシー定義の際、Boyatzisの「コンピテンシー・モデル」、Spencer and Spencerの「コンピテンシー・ディクショナリー」を参考にするとよい。
・コンピテンシーは評価することに目が行きがちだが、その前段のプロセス「経験による学習」「モデリングによる学習」「概念化による学習」に沿った育成体系を構築できないか。
・動機付けは目標設定理論だけでは限界がある。「夢」をもつことが重要。各社員の「夢」を共有する機会を作れないか。
・企業によるキャリア・マネジメント(メタデザイン)と個人によるキャリア・プランニングのうち、メタデザイン上の課題としての幹部候補育成、組織フラット化による管理職のポスト減少、管理者のコーチング・メンタリングスキル向上、専門職の設置等の解決支援も踏まえたうえでの、キャリア開発施策が提案できないか。
(山)