金井壽宏のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
1.自分の行っていることがしっかりと人の役に立っているのかを科学的視点から分析したくなったので読みました。
2.本書は組織心理学の祖として活躍している著者が「人を助けること」についてどのような考えなのかを述べています。
人を助ける=支援というキーワードを紐解きながら、日常でのシーンを事例にして役に立っているケースと経っていないケースを比較しています。
役に立っている状態には必ず7つの原則が守られており、それを保つために4つの問いかけの順番を守っています。本書ではその原理原則とともになぜ役に立たない支援が出てしまうのかも述べています。
3.日常を振り返ると「問いかけの数」が少ないことに気づきました。ほんの少しの質問で分かった気になる。事前調査であらかた理解した気になるということが往々にしてありました。調べることは当たり前ですが、当事者に直接話を聞いて検証するという行為をしっかり踏んでいかないといけないのだと感じました。
大切なのは自分が何を話すかではなく「何を問うか」だと思いました。 -
Posted by ブクログ
タイトルの通り、問いかけることについて深く掘り下げた一冊。
問いかける(質問する)ことが相手よりも下の立場に降りることになる、だから多くの人は自分が話をする方にまわろうとする…という価値観がベースになっているのだけど、そこはあまり共感できなかった。けれども、確かに質問をしているふりをして自分の考えを主張しようとしたり、相手の間違いを指摘しようとしたりしていることは、確かにあるなと思った。
謙虚に問いかけること、純粋に相手に興味を持ち、相手との関係性や相手自身の学び・気づきを促すために行うことはかなり難しく訓練が必要。そのために今、ここに意識を向ける、というマインドフルネスや、問いかけることで生まれる心理的安全性など、この本が出版された2014年当時にはあまり言われていなかった要素が含まれていて流石はシャイン先生、と思った。 -
Posted by ブクログ
リーダーシップ研修の課題図書だったため、読みました。
グローバル企業の人事トップである著者と自分の所属している小さな組織とは余りにかけ離れていて、参考にはならないと思ったのが最初の感想ですが、コミュニケーションの考え方に、なるほどと思うところがありました。
コミュニケーションは相手に動いて貰えて初めて伝わったと言えるという考え方が、そのとおりだと思いました。チームを動かす、組織を動かすことの難しさに日々直面していますが、どうすればよいのか、ひとつのロールモデルを知ることが出来ましたので、読んで良かったです。身近にメンター的な存在がいない女性リーダーには一読を勧めます。 -
Posted by ブクログ
人事とはという話から、どんどん話が深まり会社を変えるにはどうすればいいか真のリーダーとは何かという話にまで行き着く熱い本。
人事とは人のやる気を最大化すること
公平性はコミュニケーションの取り方やチャンスの与え方にもとめるべき
チェンジを起こしたかったら、賛成してくれる人を増やすより、反対する人を減らせ
シャイン先生の言葉
リーダーとはビジョンを描き、コミュニケーションによって人々を巻き込み、フォロワーとともに、ビジョンの達成に向けさまざまなことを実行できる人。その過程では、フォロワーとの間に信頼を築きあげなくてはならない。そして、自ら問題を発見して、自ら意思決定をして、自らチャレンジしていかなければならない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ聖書の一節に「受けるよりは与える方が幸いである」とある。与えられることよりも与えること、愛されるより愛すること、尽くされるより尽くすこと。ここにサーバント(奉仕)の心を基盤にした「サーバント・リーダーシップ」の精神を見いだすことができる。
サーバント(奉仕者)リーダーにとって大事なことは「①ミッションの名のもとに(共通の目的に向かって)、②フォロワーが自発的についてくる風土作り。そのためリーダーは③「大きな夢やビジョナリーなコンセプトをもち、④「信頼性」(credibility)を得つつ、⑤フォロワーが話しやすい状況を作り積極的に傾聴する」ことである。
サーバントリーダーシップは、キリスト教的な発想が根底にあるとはいえ、「他の人の役に立つ」とか「まわりの人たちのため」という考え方はどの宗教にもある(黄金律)。
特に大組織においては「前線にいる人達を元気づける(現場をエンパワーする)」ことが重要。現場を巻き込まずに改革は実現しないからだ。
目指すべき方向が正しければ、現場の判断を尊重して、自律的に判断してアクションがとれるように、権限だけでなく、リソースの裏付けも与えて任せる。意見決定の際にも現場の責任者を関わらせることは、決定を形骸化・形式化させないためにも必要だ。 -
Posted by ブクログ
こういう素晴らしい経歴の人もいるのかと感じた。
帰国子女でもない。
最初から海外で働いた訳ではない。
大学を卒業し、新卒でリコーに入社。
ここから社会人生活がスタートして、どういう運命の巡り合わせでこのようなキャリアにつながっていったのか。
一瞬羨ましいと思いながら、ただの運だけで掴んだ訳ではないことは当然に想像できる。
本書では「自然体」という言葉だが、相当な努力を重ねたに違いない。
よくもこのキャリアをつかみ取ったものだと感心してしまう。
本人はあくまでも謙遜しているようだが、先々での出会いの中で、彼女の魅力に引き込まれた人々が彼女を必要としていったのだろう。
本書はリーダーシップ論であるが、究極言えば話をしていることは単純なことだ。
・構想する
・実行する
・人間関係を大切にする
当たり前のことだから「自然体」という言葉で表現しているのだろう。
「当たり前のことをやってきただけなのだ」と。
しかしこの当たり前のことが出来ないから、日本でリーダーが育たない要因でもある訳なのだ。
本書内で出てくる例だが、子供の頃に公園で遊ぶ時に、その日の遊びを何にするか自然発生的に決まる。
自然発生的と言いつつも、誰かが「今日はこれで遊ぼう」と言い出す訳で、皆がそれに付いていく。
それこそがリーダーシップなのだという。
つまりリーダーの一丁目一番地は「これをやろう」と構想することなのだ。
どうしても「組織運営」がリーダーとして必要なことと思われてしまうが、それは「マネジメント」であって、リーダーシップの本質とは違う。
どんな立場だろうが、何歳だろうが、「こういうことをやってみたい」という構想なしには、リーダーになることはあり得ないのだ。
著者はそういう意味で、元々これら資質を持っていたのだろう。
リコーに入社後も当時若手社員でありながら、上司に様々な提案をしている。
日本ではいまだに「みんな仲良く。和を乱さず」的なところがあるので、今までと異なる提案をすることには抵抗を感じてしまう。
しかし、それらの認識は今後変えていかなければいけない。
彼女のような存在は非常に貴重で、大切なのは、そういう資質を持つ若手社員を潰さないことだ。
彼女は上手に潰されずに社会人人生を歩めた訳であるが、それは人間関係を大切にしたからに他ならない。
リコーとAT&T合弁会社への出向。リーバイスへの転職。ナイキへの転職。
運をつかんだと言えばそれまでであるが、その時々の出会いに対して、本当に真摯に誠実に相対したことが結果として表れている。
本書を読んで感じたのだが、リーバイス社が世界規模でリーダー育成、人材育成に取り組んだというのが意外だった。
日本企業でここまで本気で取り組んでいる会社があるのだろうか。
他社の状況は分からないところだが、私の会社でいうと、まったく無い。
(それこそ、これから作成していかなくてはいけない)
そもそも入社時プログラムすらも確立されていない。
企業の歴史と文化、ミッション・ビジョンを、最初の入社時に説明しなくてどうするのか。
「リーバイスのリーダーとしてこうあるべき」
これも含めてきちんと教育していこうという姿勢はさすがだ。
この分野の日本企業の遅れは10年どころではないだろう。
この時リーバイスは、アジア新興国の成長で、経営的にも好調で安泰。
アメリカ本社から形だけの現地社長を送り込むだけでも、十分に会社としては成長していけたはずだ。
それなのに、会社は現地社員の成長が重要と位置付けた。
そのリーダーとしての白羽の矢が著者に向いた。
当然、アメリカ本社での要職についた日本人は彼女が最初だ。
アジア小国の日本。さらに女性。英語も決して堪能ではない。
それを偏見の目で見るのではなく、逆に可能性を見出せる点が強い。
リーバイスは後からグローバル企業になっただけで、始まりは小さな家族経営の衣料店だった。
(ゴールドラッシュ時に、ジーンズを売り出したのが始まりという話は本当だ)
やはり経営者の器というか、将来へのビジョンを見通せる力が日本企業はまだまだ弱い。
とにかくこの分野については追い着くところから始めないとと思う。
自分でももっと勉強していきたいところだ。
(2021/7/16) -
Posted by ブクログ
支援者の役割には3種類あり、支援者は、その時々の状況に応じて、それらの役割を選択しないといけない。
1) 専門家の役割; 必要に応じて専門的な情報やスキルを提供する
2) 医師の役割; 患者の状態を診断し、診断結果に応じた処方箋をつくる
3) プロセス・コンサルタント; プロセスに着目し、プロセスに働きかけることにより、クライアントが問題を解決していくことを支援する
専門家の役割がうまく機能するのは、クライアントの側が、どのような支援が必要なのかが分かっている場合。
医師の役割がうまくいくのは、クライアント、すなわち患者が診断結果に信頼を置いている場合。
そのような場合ではなく、例えば、クライアントが、何かがうまくいっていないと感じているが、それが何か分からないし、どのように問題をクリアにしていけば良いのかも分からないようなケースに、プロセス・コンサルタントが活躍する余地がある。
少し分かりにくいが、プロセス・コンサルタントというものについての私の理解は以下の通り。
■組織や職場で起きていることのうち、見えるのは氷山の一角であり、それを起こしているもの、起きていることの原因になっていることが水面下の見えない部分にある
■水面下にも多くのものがある。例えば、構成員一人一人の考え方や、構成員の間の関係性や、無意識のうちに従っている組織の規範や組織文化。これらを総称してプロセスと呼ぶ
■水面上に出ているものは、水面下にあるものの結果であり、水面上にあるものにいくら働きかけても問題の解決にはならない。問題は水面下に、すなわち、プロセスの中にあるので、プロセスに働きかけない限り問題の解決には至らない
■逆に言えば、水面下に働きかける人をプロセス・コンサルタントと呼ぶ
これでも分かりにくいけれども、今のところの理解はこういったところ -
Posted by ブクログ
組織変革に関わる様々な要素(個人のモチベーション、コミュニケーションや人間関係、リーダーのあり方、ビジョンの描き方や伝え方、実行の仕方など)について、理論や実例が紹介されています。唯一の正解があるというスタンスではなく複数の考えとそれぞれの利点と欠点が紹介されるので信頼できるし参考にしやすいです。
特に印象的だったのは(強調もされてたと思います)、↓です。
・組織変革において重要なのは組織図に限らないネットワークづくりであること(時に、弱連結という弱いつながりが刺激を与えてくれることも含め)
・自分の価値観に根付いたビジョンや、それを誰と巻き込みどのように実現するかの道筋(アジェンダ)を描いておき日々の仕事の中で前進させていくこと
本書では組織変革はスムーズにすすむこととはとらえておらず、たとえば変革に挑むミドル(世代)こそ、うまくはすすまない現状の中で無力感に陥ることがあるとも書かれています。また変革は軋轢や反対を生むこともあり恐怖の対象でもあることも認めています。それでもなお変革をすすめよう、というとき、上記の2点が恐怖を乗り越えることを助けてくれる、ということも書かれていました。