金井壽宏のレビュー一覧
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ネタバレセオリーではなく、いすゞの実例を元にした会社の変革について、当事者が振り返ると言う形でまとめられていて、とてもわかり易かった。
何がうまく行ったのかだけでなく、何が失敗だったのかという実例を知ることができたのは、とても参考になった。
「やらせる改革」では会社は変わらないということは皆わかっていながらも、何かやらせなければ変わらないのではという焦りから起こすアクションが、変革を妨げているかもしれないと感じた。
また、TQCがうまくいく企業とうまくいかない企業についても触れられている部分、同じく推進者という立場にいる自分には非常に身につまされた。
以下気になった点抜粋
P27・彼は、日本の組織を -
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リーダーシップ論は、ビジネススクールで最もよく研究されたテーマの一つである。しかし、まだわかっていないことも多いという。リーダーシップを巡っては様々な理論が存在するが、「理論はリーダーシップをとろうとする人の持論に翻案され、それがその人の経験に根付くときに初めて大きなパワーをもたらす」。「リーダーシップ入門」と銘打った本書で、著者はことさらこのことを強調している。
それゆえ、前段に「リーダーシップの学び方」を詳しく述べ、その後で優れた実践家としてペプシコのR.エンリコや、GEのJ.ウェルチ、ヤマト運輸の小倉昌男などの実例を紹介し、最後にリーダーシップを巡るこれまでの理論を俯瞰する。
特徴的な -
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シナジーを促進するためのベースとなるマインドセット。
「いいことの量は限られている」と思うか?「いいことは相互に開くことで増える」と思うか?
前者で捉えているとどんどん視野が狭くなっていく。
語彙が豊富な人ほど学習能力が高まる。
世の中に対する認識を高められるから。
企業秘密は何もない。いい経営管理手法や製造法は継続的に改善が加えられている。他社が模倣しても完成した頃には自社はさらに先に行っている。
責任をもって与えられたミッションをやりきる、そのことには全身全霊で取り組む。
ミッションが達成される、とは何かを履き違えないこと。自分が納得するまで考え尽くす、自分の納得する答 -
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ネタバレマズローというと、「自己実現」という概念や「欲求5段階説」が
有名です。人間の欲求は、生理、安全、所属、承認、自己実現とい
う5段階からなっており、それらの欲求は低次から高次のものに進
化する、というものです。自己実現を頂点にしたピラミッドの図で
描かれ、色々な場面で引用されるので、聞いたことのある方も多い
ことでしょう。マズローがいなければ、「自己実現」という言葉は
これほどまでに広まらなかったと思います。
しかし、マズローその人の著書となるとほとんど知られていません。
広く名前が知られているのに、原典は読まれていない。古典と呼ば
れるものはたいがいそういうものですが、マズローの場合、その -
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「個々のセラピストの力ではどうすることもできないような問題でも、良き共同体、良き組織、良きチームが解決してくれるのである。(『完全なる経営』P6)」
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うーん、共同体はともかくとしてマズローは組織にそういうものを求めているのか。それは間違いな気がするな。組織は従業員の人格には関与しない。重要なのは成果をあげられるかどうか。企業は、慣れ合うために存在しているのではなく、成果をあげるために存在しているのであって、マズローが期待しているものを求めるのならそれはプライベートで求めるのが妥当のように思う。パーソナリティ障害は、よい組織によって少しは改善されるかもしれないが、それ以上に企業に -
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『リーダーシップの旅』という共著が意外によかった金井さんのリーダーシップ論。この人の文章には独特の「文体」があります。好き嫌いはあるかもしれませんが、その独特さも含めて私は割りと好きです。
目立つ論旨をいくつか挙げると、フォロワーの能動的な役割の強調している点や、多数の研究との比較を通して三隅二不二(じゅうじ、と読みますが読み仮名がなかったのは不親切)のPM理論に多かれ少なかれ集約できると主張している点が挙げられます。あとはTPOV (Teacheable Point of View)という言葉を通して、リーダーシップの言語化を促しているところでしょうか。この点については、優れた会社の社内 -
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ゲラを読んでくれた書店さんのコメントです。
「私はまさに今、人の心をひとつにまとめる必要に迫られているが、何故そんな状況になっているのか考えていなかった。ただ自分にその能力が無い、もっと能力を磨かなければと、まるで見当違いの問題を解こうとしていたのかもしれない。
本書は「リーダーシップを身につけるための本」ではなく、それを必要とする人間の性質がどんなものなのかを理解するための本だ。ピーター・センゲ氏の「多くの人はリーダーという言葉は上司をさすものだと思っていて、変革を起こせるのも上層部の人間のみだと思っている」という言葉は、私たちを鋭く貫いていると感じる。それは私たちが抱える、一番の問 -
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あなたが知っている(と思っている)「自己実現」は本当の「自己実現」とは違うかもしれません。
この本には、マズロー本人が本当に世の中に伝えたかった「自己実現」とはどういうものなのか、ということが詰まっています。
タイトルからもわかるように、経営に活かせることができる経営書でもありますが、人間のあり方を説き、よき人間が作る組織・社会がよき経営のあり方につながる事を人間性心理学の観点から、非常に重みを持って伝えてくれる良書です。
現在、私たちが生きる社会に「健康な人」は何人いるのでしょうか。
なぜ、「健康な人」として成長できないでいるのでしょうか。
このような問いについて考えるよいキッカケと -
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「謙虚に問いかける」ことがなぜ大切なのか、どう有効なのか具体的な場面ごとに丁寧に説明していました。
謙虚に問いかけることで相手の事情や思っていることを理解でき、それを元にどのように対処するかを決めることができるのはそのとおりだと思いました。
「謙虚な問いかけ」「診断的な問いかけ」「対決的な問いかけ」の例はとても参考になりました。謙虚に問いかけるつもりでいても、自分が心から謙虚になっていなければ、相手に寄り添わなければ、「謙虚な問いかけ」のつもりが「対決的な問いかけ」になりかねない。これは気を付けていきたいと思いました。
一方、この本はおそらくアメリカ人に向けて書かれたもののようで、冒頭からアメ