阿部暁子のレビュー一覧

  • カラフル

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    阿部暁子さんの『カラフル』を読んだ。差別とは何かとか大切な問いも織り込みつつストレートに届くのは鮮やかに輝く若さのきらめき。そしてメチャクチャ刺さった一節があった。「大人というのは…」。いつか娘に呆れられた時に言おう。「いいかい、どこかの小説で読んだのだけれど、大人というのは…」

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    2026年07月12日
  • カラフル

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    ネタバレ

    病気で車いすユーザーになった少女と怪我でスプリンターを挫折した少年の爽やかボーイミーツガールな話
    高校でのイベントを中心に、”障害”についての周囲の生々しい言葉や当人から発せられる言葉にハッとさせられる場面が多い
    ある時から障碍者であることを受け入れるしかなかった少女と、娘の辛い思いを一身に受け止め続けて壊れてしまった母親との修復不可能に思われた関係も、物語終盤では少し改善に向けて前進してホッとした
    障碍者に対応する際の”正解”があるわけではなく(健常者と同じように)、各個人に寄り添って接していく必要があるのだと、当たり前のことに気付かされた

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    2026年07月10日
  • カフネ

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    『カフネ』を読んで感じたのは、人は苦しみを抱えていても、それを誰かに打ち明けられず、一人で抱え込んでしまうことがあるということです。

    春彦もそうでしたし、薫子や刹那も、それぞれに苦しみや後悔を抱えながら生きています。だからこの作品は、「正しいことを言って誰かを救う物語」ではなく、苦しんでいる人に寄り添うことの大切さを描いた物語なのだと感じました。

    印象的だったのは、その「寄り添う」という行為が、特別なものではなかったことです。一緒に食事をすること、温かい料理を作ること、相手を気にかけること。そんな何気ない行動が、人の心を少しずつ支え、生きる力につながっていくのだと思いました。

    この作品を

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    2026年07月05日
  • カフネ

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    家事代行サービスで働く小野寺せつなと、最近弟の春彦を亡くした野宮薫子が出会うお話。
    人と繋がって生きることの温かさが伝わってきた。生きることは苦しいことも多いけど、だれかを想ってしたことは、その人を生かす力になって、やがて想いが繋がっていって、自分も救われたりする。何回か泣いた。ただ登場人物のキャラクターにあまり現実味がなく、入り込めないところもあった。文体は読みやすかった。

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    2026年07月04日
  • 金環日蝕

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    カフネを描いた阿部暁子さんによる小説.ひょんなことから,青年と知り合った春香が謎を追っていくたびにだんだんと全貌が明らかになっていくミステリー小説.カフネと同様に,少しずつ謎が解明されていく感じはサクサクと次が気になる構造になっており,最後まで飽きなく楽しむことができる.人が死なないミステリーであり,人とのつながりを大事にしようと思える形式は阿部さんの得意ジャンルなのかもしれない.ほのぼのとしたミステリーを読みたい人にとっておすすめです.

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    2026年06月01日
  • どこよりも遠い場所にいる君へ

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    阿部曉子さんは『カフネ』で知ったので、こういうYA向けの作品も書いているのは知らなかった。終盤にいろいろ明らかに。

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    2026年05月25日
  • 鎌倉香房メモリーズ5

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    「鎌倉香房メモリーズ」の5冊目、にして最終巻。
    前巻でなんとか雪弥が工房に戻ってきたこともあってからまたゆるゆると日常の謎を絡めながら香乃の顔の困った機能が発動されるお約束の展開に。

    第1話は贈り物の香木を題材に進むお話。
    語られる茶事の段取りは面白く、香木に無傷で健康だった木はないというのも興味深い。

    第2話は行方不明の仏像を発端に深められたチヨちゃんとその兄・理久、曽祖父・伊助さんのちょっといい関係。
    2巻に“戦時中だけでなく戦争が終わった後も続く悲劇”の話があったが、今回も伊助さんがシベリアで抑留されていた際の辛い話が出てきて、この作者さんの反戦に対する強い思いを改めて知る。

    第3

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    2026年05月15日
  • 金環日蝕

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    ネタバレ

    どんな事情があれ、犯罪は犯罪だと思う。
    たしかに、自分自身が同じ境遇にあれば、同様の行動をしてしまうかもしれない。他人の幸不幸を考えられず、生きるために、家族を救うために行動してしまうと思う。ただ、理緒は認められたいために犯罪に加担していた。これはいかがなものかと思う。最後までお咎めなしで終わった。確実に被害にあった人はいたはず。なんか、モヤモヤは溜まった。

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    2026年05月04日
  • また君と出会う未来のために

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     「どこよりも遠い場所にいる君へ」の続編。続編というより2冊でひとつの作品といっても良いのでは?

     今回は、9歳の時に震災に遭い両親を亡くし未来へ迷い込んだ経験を持つ支倉爽太を中心に物語が展開していく。
     前作の和希や幹也も成長して登場し、爽太を支えていく姿が温かかった。
     泣き虫爽太が五鈴に会うため情熱を注ぐシーンは少しハラハラもした。
     ぶっきらぼうだけど頼りになる高津さんも前作に続き、いい存在感だった。

     和希の「もう会うことはできないなら、おれたちができるのは、今ここで生きることだと思う。今ここに自分がいることで何ができるのかって、一生懸命考えることだと思うよ」の言葉が心に残った。

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    2026年04月29日
  • カラフル

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    ネタバレ

    出だしから、この二人は恋仲になるんだろうな、と思わせてそのままでした。10代とかには面白い話なのかもしれない。

    おまえ車だから酒のむなよ、と言われて、自分は人間で車ではありません、とか答えたら、ちょっと頭がずれている人と一般的な日本人は思うのだけど…

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    2026年04月25日
  • どこよりも遠い場所にいる君へ

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     過疎化に悩む島の高校に入学した和哉が出会った、過去からきたという七緒。
     時空を超えた恋物語かと思っていたら、もっと深くて熱い話だった。
     
    島に昔から言い伝えられてきた「神隠し」「マレビト」。
     辛い過去を背負った和哉と幹也の心情に胸が苦しくなったが、
    クラスメイトたち、高津や仁科先生の温かさが良かった。
     ラストの華やかな文化祭の光景はとても眩しく、タイムカプセルの手紙でじ〜んとしてしまった。

     ファンタジー系ではあるものの、人と人との繋がりを大切に思える作品だった。

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    2026年04月17日
  • 金環日蝕

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    大学での人探し編、レンの家にお邪魔編では記号的なキャラクターが賑々しく、おまけにレンが品行方正でイケメンで人望い人格者と持ち上げられ過ぎており、作者の偏愛と寵愛を感じるようで、更にオーディブルの効果も相まって、キャラクター小説が読みたかったわけじゃないんだけどな、正直失敗したかなと思った。リオ編との温度差にも風邪引くわとも思った。
    たが目的が変わってからレンへの印象が変わった。捻くれた生意気さも年相応の危うさもちゃんと持ち合わせていた。しっかり手綱を握ってくれたハルカが頼もしくて好感が持てた。
    ストーリーはトクリュウを思わせる電話詐欺を軸に指令役に迫る運びになっており、この指令役の冷徹になりき

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    2026年04月08日
  • 鎌倉香房メモリーズ

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    「内気で思うことを伝えられない女の子」の少々オタク気味なモノローグと友達とのトークにちょっと抵抗感があったけれども、まあまあ面白かった。
    「カフネ」がすごく良かったので期待値も高かったかな。
    まだシリーズ一作目なので、次の作品も読んでみたい。

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    2026年04月05日
  • どこよりも遠い場所にいる君へ

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    いわゆるジャケ買い。作品の舞台や雰囲気感は好みだけど、内容は瑞々しい中学生や高校生向けという感じで自分にはちょっと合わなかったかな…。
    読者を裏切るための「まさか…!?」を狙った展開が後半にあるんですが、そんな素振りをおくびにも出していなかったので驚きというより困惑が勝ってしまったのと、ネタバレを避けつつも感想として吐き出しておきたいのは最後に出てくる小道具。この手の展開は自分も大好きなんですが、伝えたい想いがたくさんあるからこそ、大事な言葉は短ければ短いほどグッとくるシーンになると思ってます。募る想いをある程度文字にして伝えようとすること自体はいいとしても、後半の大事なところ、作品を通じて届

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    2026年04月04日
  • 金環日蝕

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    老人が家から出てきてすぐ、若者に手にした荷物を引ったくられ突き倒された。
    たまたまその瞬間を目にした、近所の大学生がすかさずその男の後を追いかける。
    そんなありふれたひったくり事件から始まる。
    2025年本屋大賞受賞作「カフネ」の作者が物した犯罪小説。

    カフネの優しい雰囲気とは全く異なる、現実の特殊詐欺の姿をリアルに描く。犯罪小説ではあるが、犯罪は本書の主題ではない。
    全ての登場人物の背景を克明に描き、なぜそのストーリーが書かれ、紡がれていくかという理由が明確に綴られていく。

    いくつかに別れて描かれていくストーリーが、織りこまれ、結末に向かって伏線が丹念に回収されていく。
    カフネとは全く違

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    2026年04月03日
  • どこよりも遠い場所にいる君へ

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    登場人物の会話がアニメっぽいというか、現実世界ではこんな会話しないし、不自然で自分には合わなかったなぁ。
    小説を読んでるのにアニメを見させられてる気分だった。

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    2026年03月25日
  • 金環日蝕

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    最初のひったくり犯を追う展開から、最後まで何度も反転され、何度も驚かされ、あっという間。
    わかっていながらお金が欲しいからと詐欺の片棒を担ぐ若者たち。
    こういうのが特殊詐欺がなくならない要因なのかなとか色々と考えさせられる。
    自分もいつどんな犯罪に巻き込まれるかわからないから、一層と身を引き締めて生きていこうと思った。

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    2026年03月25日
  • 鎌倉香房メモリーズ4

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    「鎌倉香房メモリーズ」の4冊目。
    前巻の残り10頁くらいになってからの急展開にとても驚かされ、『次の巻、気になる』と書いてから3カ月、やっと手にする。

    いやあ、どうなることかと思っていたが、雪弥と連絡が取れずにイジイジイライラする香乃の話が続き、あの急展開から再びまったりとした通常運転の展開に、思っていたのと違いちょっと肩透かしを喰らう。
    並行して、同級生の殿岡くんの母で学校の茶道部を指導してくれているふみ先生のちょっとした変調や殿岡家であるお寺で催されるクリスマス会の様子が描かれては、こちらも、まあいつもの調子。
    雪弥と香乃の関係は前巻の距離の縮まり方から振出しに戻った感じで、再びどうにも

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    2026年03月05日
  • 短編小説新人賞アンソロジー

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    いちばん最初の一編も やっぱりステキで 持ってる人は持ってるんだなぁ、と改めて思った。原石にもなれそうもないから 読む側でいようって 今さらだけど。宮島未奈さんの「二位の君」から 「成瀬」につながるんだなぁ。「陸の魚」から「カフネ」へ〜。原石って最初から 光ってたんだなぁ。うらやましいなぁ〜。ほんとに。

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    2026年03月02日
  • 短編小説新人賞アンソロジー

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    ネタバレ

    オレンジ文庫の短編の受賞者のアンソロジー。
    自分も描けそうと思いつつ、まとめるの難しいなと思いつつ。設定が良いものだけじゃなくて、そんな薄い設定でも書けるものなんだなって思えるものもあった。難しいなあ

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    2026年03月01日