阿部暁子のレビュー一覧
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「どこよりも遠い場所にいる君へ」の続編。続編というより2冊でひとつの作品といっても良いのでは?
今回は、9歳の時に震災に遭い両親を亡くし未来へ迷い込んだ経験を持つ支倉爽太を中心に物語が展開していく。
前作の和希や幹也も成長して登場し、爽太を支えていく姿が温かかった。
泣き虫爽太が五鈴に会うため情熱を注ぐシーンは少しハラハラもした。
ぶっきらぼうだけど頼りになる高津さんも前作に続き、いい存在感だった。
和希の「もう会うことはできないなら、おれたちができるのは、今ここで生きることだと思う。今ここに自分がいることで何ができるのかって、一生懸命考えることだと思うよ」の言葉が心に残った。 -
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大学での人探し編、レンの家にお邪魔編では記号的なキャラクターが賑々しく、おまけにレンが品行方正でイケメンで人望い人格者と持ち上げられ過ぎており、作者の偏愛と寵愛を感じるようで、更にオーディブルの効果も相まって、キャラクター小説が読みたかったわけじゃないんだけどな、正直失敗したかなと思った。リオ編との温度差にも風邪引くわとも思った。
たが目的が変わってからレンへの印象が変わった。捻くれた生意気さも年相応の危うさもちゃんと持ち合わせていた。しっかり手綱を握ってくれたハルカが頼もしくて好感が持てた。
ストーリーはトクリュウを思わせる電話詐欺を軸に指令役に迫る運びになっており、この指令役の冷徹になりき -
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いわゆるジャケ買い。作品の舞台や雰囲気感は好みだけど、内容は瑞々しい中学生や高校生向けという感じで自分にはちょっと合わなかったかな…。
読者を裏切るための「まさか…!?」を狙った展開が後半にあるんですが、そんな素振りをおくびにも出していなかったので驚きというより困惑が勝ってしまったのと、ネタバレを避けつつも感想として吐き出しておきたいのは最後に出てくる小道具。この手の展開は自分も大好きなんですが、伝えたい想いがたくさんあるからこそ、大事な言葉は短ければ短いほどグッとくるシーンになると思ってます。募る想いをある程度文字にして伝えようとすること自体はいいとしても、後半の大事なところ、作品を通じて届 -
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老人が家から出てきてすぐ、若者に手にした荷物を引ったくられ突き倒された。
たまたまその瞬間を目にした、近所の大学生がすかさずその男の後を追いかける。
そんなありふれたひったくり事件から始まる。
2025年本屋大賞受賞作「カフネ」の作者が物した犯罪小説。
カフネの優しい雰囲気とは全く異なる、現実の特殊詐欺の姿をリアルに描く。犯罪小説ではあるが、犯罪は本書の主題ではない。
全ての登場人物の背景を克明に描き、なぜそのストーリーが書かれ、紡がれていくかという理由が明確に綴られていく。
いくつかに別れて描かれていくストーリーが、織りこまれ、結末に向かって伏線が丹念に回収されていく。
カフネとは全く違 -
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「鎌倉香房メモリーズ」の4冊目。
前巻の残り10頁くらいになってからの急展開にとても驚かされ、『次の巻、気になる』と書いてから3カ月、やっと手にする。
いやあ、どうなることかと思っていたが、雪弥と連絡が取れずにイジイジイライラする香乃の話が続き、あの急展開から再びまったりとした通常運転の展開に、思っていたのと違いちょっと肩透かしを喰らう。
並行して、同級生の殿岡くんの母で学校の茶道部を指導してくれているふみ先生のちょっとした変調や殿岡家であるお寺で催されるクリスマス会の様子が描かれては、こちらも、まあいつもの調子。
雪弥と香乃の関係は前巻の距離の縮まり方から振出しに戻った感じで、再びどうにも -
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新人賞に通る作品って何だろうか。『はじめに』を書かれた三浦しをんさん(選考委員)の答えは「情熱の総量が決め手になることも多い」。「これが好きだ。これを書きたい」という気持ちが籠った作品のほうが、荒削りでちょっとわけがわからなくても、読むひとの胸を打つ。。。のだそう。個性的で「その人にしか書けない小説」。
コバルトという、少女小説というくくりのため、ほとんど読んだことのない、中華ファンタジーとか、王国とかが出てくる話もあった。が、どれも読みやすくて、感情の動きもよくわかり、この短さで、十分伝わるほどの世界観を作り上げていた。ライト文芸と呼ばれるもののほうが、凝った設定、凝った文体で、書くのがよ -
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ネタバレ「カフネ」と「金環日蝕」が面白かったので読みました。
夏に公開されるアニメ映画化っぽい…と思いました(七緒のCVはきっと花澤香菜)。
七緒とたまきの対決シーンが印象的でした。
「そんなの、好きって言わない」はちょっと言葉が強いのでは、と思いましたが
「自分のしたことに好きって言葉をつけ足して、まるで仕方なかったことみたいに話すのはやめて」って台詞は正論すぎてぐうの音も出ない…。ハッとしました。
主義主張がはっきりしててカッコいいです。
良い教師になっただろうなあと思います。
序盤から登場していた十六代校長が七緒だったとは。ミステリ要素が入ってくるのが楽しい作家さんだなと思います。
最後は -
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「鎌倉香房メモリーズ」の3冊目。
高橋クンに届いた文香だけが入れられている封書の謎解きに始まって、学園祭でいたずらをするシーツお化けの正体を突き止めたり、いつもの通りの流れに、雪弥や香乃の家庭の事情が挟まる3つのお話。
いつも通りと言いながら、なんとなく雪弥だけがいつもとちょっと違っていて、だけども、高橋クンを慮っての徹夜の影響とか叔父に対する屈折した思いとか何より香乃に対する感情の変化だと、違和感を抱きながらもまあそんなもんかと読み進む。
第3話が終わる頃には、香乃と雪弥の距離がこれまでより縮まった感じで、お約束の面倒くささも次のステップかねと思っていたが……、残りも10頁くらいになって、 -
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ネタバレ阿部暁子さんの作品。
仙台の大学に通う支倉 爽太は、人には言えない過去を抱えていました。小学校三年生のとき、溺れたことがきっかけとなり、なんと遠い未来――2070年の世界へ時間を超えて迷い込んでしまったのです。現代に戻った後も、その「未来で助けてくれた女性」のことを忘れられず、大学とアルバイトに明け暮れていました。
あるとき、爽太はアルバイトを通じて知り合った青年の八宮 和希と親しくなります。和希はある日、爽太にこう言います――「おれは、過去から来た人に会ったことがある」。この言葉をきっかけに、爽太の“過去/未来”という時間を超えた記憶と、和希と結びつく“今”の出来事が交錯し始めます。 -
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ネタバレ離島・采岐島高校に進学した和希。彼は知り合いがいない環境を選んでやって来たのには、自分にしか言えない事情がありました。高校生活を寮で始め、クラスメイトとの交流や島ならではの雰囲気に少しずつ慣れていきます。
初夏、島の“神隠しの入り江”と呼ばれる入り江のほとりで、和希は倒れている少女・七緒を発見します。黒髪の少女が波打ち際に倒れ、意識を取り戻すと「1974年」とつぶやきます。七緒は身元も記憶もはっきりせず、自分がなぜそこにいたのか、どうして倒れていたのかを語ることができません。和希は彼女を気にかけることになります。島での生活や寮生活、クラスメイトとのやりとりを通じて、七緒との距離を縮めていきま -
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高校入学式の朝の駅で荒谷伊澄は車椅子ユーザーの六花と偶然出会う
そして偶然にも同じ高校、同じクラス
六花は低めのアルトの声ではっきりと自分の意見を伝える事のできる人
伊澄は高校生活を何も期待せず当たり障りなくやり過ごすつもりだった
そんな伊澄の高校生活が六花と関わる事で色を帯び始める
この本で起こる事は入学式からGW明けの5月初旬の間の事なのだが、実に濃い
六花が車椅子ユーザーとゆう事で、今まで自分たちの周りにはいなかった人、起こらなかった事、どう関わればいいのか、不安だなわからないな、これは差別なのか、差別とは?
クラスの皆んなが色んな方向からの意見を言う時間がとてもよかった
どう関われ