阿部暁子のレビュー一覧
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ネタバレ【あらすじ】
「香り」で謎解き。思い出は切なくて、やさしい…。人の心の動きを香りとして感じとる力を持つ、高校二年生の香乃は祖母が営む香り専門店『花月香房』に暮らしている。香乃のよき理解者、大学生の雪弥さんと共に『花月香房』は今日もゆるり営業中。そんなある日、店を訪れた老婦人の“消えた手紙”を一緒に探すことになって!? 鎌倉を舞台に、あの日の匂いと、想いも……よみがえる。ほっこり、あったか香りミステリー。
【感想】
自分が知っている場所が舞台になってるという理由で手に取った本だった。でも、それよりも何よりも内容にすごく惹き込まれ、一気読みした。すごくあたたかな人間関係を感じて、優しい気持ちにな -
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試し読み
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Posted by ブクログ
食が人を繋ぐをという所から、自分に対する生き方まで振り返るきっかけとなった作品。登場人物である春彦と自分を重ねてしまう部分が多々あった。それは自分が春彦と同じような考えで生きていることが主な理由である。この本の中で自分自身が一番心に響いた言葉は、薫子や公隆、せつなでもなく家事代行サービスを行った老夫婦の言葉である。自分の人生は自分だけが使い道を決めれる。という言葉だ。幾ら他人に迷惑をかけずに育った、自分の意見を消してまで他人に合わせてきた人でも最後は自分で自分の人生の使い方を決めなければならない。当たり前のことではあるが、他人と共存している中では人生の決定が当たり前にできないことも当たり前であ
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Posted by ブクログ
ネタバレ2025年本屋大賞受賞作品ということで、楽しみに読みました。
阿部暁子さんの本は初めて手に取りましたが、
「色鉛筆の箱の中ほど多岐にわたる」
「やさしい水色の空に粉砂糖を振りまいて、そっと刷毛で広げたような雲」
など、素敵な表現が特に印象に残りました。
小説に出てくる食べ物の描写が個人的には大好きで、この小説もありとあらゆる食べ物が非常に繊細に美味しそうに描かれていて好きでした。特に、薫子が誕生日に買い込んだスーパーの食材を活用したパフェは、まさに魔法のように作られていく様が描かれていて素敵でした。
夫との離婚と、弟の死とで荒れていた主人公の薫子は、弟の遺書による相続の相談のため元恋人の -
Posted by ブクログ
ネタバレ最近読む本にはよくLGBTQを盛りこんであるので、何となくそんな気がしていた。
ただ、よくある理解して貰えないと自ら死を選ぶ話かと思いきや、そうではなかったところに希望が見えてくる。
きちんと暮らしを整えることで、人生を見直し、構築し直し、歩き始める人々に、断捨離に燃えていたあの頃を思い出した。
ダイエットと断捨離のマイブームが終わり、すっかりリバウンドして物が溢れてきたが、1度成功したもんだから、またいつかやれば出来ると自分を甘やかしてもう何年になるだろう、、、
そろそろ始めなきゃ、人生はそんなに長くない。
せめて、家事が得意だったら良かったのになーとカフネに勤める人たちを羨ましく思う。