阿部暁子のレビュー一覧

  • カフネ

    Posted by ブクログ

    本屋で大量に平積みされており、推されていたため購入。

    評判に違わない物語であり、魅力的なキャラクターが多く、重たい内容の話でも安心して読み進めることができました。

    0
    2026年11月02日
  • カフネ

    Posted by ブクログ

     薫子と私は誕生日が一緒だ。なので、食料品売り場に乗り込んで食料を買い込み『こっちは誕生日なんだから最強だ。』の一文は爽快だった。以下は、気に入った箇所を備忘として少し端折って記した。

     今日は薄曇りだ。やさしい水色に、粉砂糖を振りまいて、そっと刷毛で広げたような雲がかかっている。

     もう何ヶ月も、いや何年も、自分に価値を感じられずに生きてきた。今、私はあの人を助けたのではなくて、助けてもらったのだ。

     今日は朝から雨が降り続いており、フロントガラスを濡らす水滴が、スピードに煽られて流星のように散っていく。

     自分のためだけに揚げ物をするのって面倒でしょう。

     仕事があり、家があり、いつか自分のもとに生まれてくる子のために貯めていたお金もあり、きっとこれからも生きていくことはできる。だけど、私はそれだけでは心をたもてない。

     わりと嫌いじゃないというぶっきらぼうな一言で、今、命をつないだ。

     まだまだあるのだけど後半はメモすることさえ忘れた。本の両端から手が伸びてきて私の顔を固定する。トイレに行こう、飲み物を取りに行こう、それすら許さない。んー違うか。のめり込んだと伝えたいだけなのだけれど。それはそうと、料理がしたくなったので、スーパーに行こうと思う。卵味噌食べたいので。

    0
    2026年11月01日
  • カフネ

    Posted by ブクログ

    先行きに目が離せなくなる、不思議な引力を持つ一冊だった。この世界で生きることは必ずしもいいこととは言えないけれど、共にいることで、力になってもらうことで、少し前を向けるようになる。食事を作るということを通じて、彼女が人々を救ってきたのと同じように。

    0
    2026年11月01日
  • カフネ

    Posted by ブクログ

    本屋大賞1位、あの本読みました?大賞も1位でした。料理で人の心を癒すだけの本か?と思ったらやはり違って、そこには人には言えない心の痛み、悩み、誰にも届かない叫びがありました。ワンオペてわフラフラになりながら子育てする若い奥さんや介護に疲れた人、ギリギリのところで生活をしている人々をカフネのボランティア団体がそっとフォローする。思わずサイコパスかと思われたカフネで働く小野寺せつ、そして弟を亡くした主人公の薫子との関係も興味深い。

    0
    2026年11月01日
  • カフネ

    Posted by ブクログ

    文庫化とききすぐ読みました。
    文庫化まで待っていたことに後悔するようなさすが大賞作!といった感じでした。
    料理を通じてたくさんの人の人生の裏側やしんどい部分を感じましたが、これも人生だよなーとか人って孤独じゃないと頑張れるんだよなーとか、適当な感想ですいません笑。
    人はいいところばかり見せたがりますが、本質の部分はみんな孤独だし弱いし、泣きたい時もある。頑張り方がわからないときもあるし、どうして自分ばっかりて思います。そんな人たちにどうしたら寄り添えるか真剣に考え、行動するカフネの人たちに泣けました。

    0
    2026年10月31日
  • カフネ

    Posted by ブクログ

    流石本屋大賞ですよね という作品です
    人に優しくなりたいと心から感じました
    映像化されるのかな 誰がこの役をやるのだろうかと考えながら読後感に浸っています

    0
    2026年10月31日
  • カフネ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    他の方も書いている「ネグレクト、毒親、LGBTQ、自死家族など、テーマ盛り沢山でお腹いっぱい」というコメントには同意する。

    が、それでも素晴らしく大好きな作品。

    0
    2026年10月31日
  • カフネ

    Posted by ブクログ

    読み終えたあとも、この2人のこれからをいろいろと想像してしまう。物語のその先まで思いを巡らせたくなる、読後感のとても良い作品。文句なしの星5つ!

    0
    2026年10月30日
  • カフネ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    あらすじ
     仕事熱心なキャリアウーマンの薫子は、急死した弟の婚約者・せつなと対面する。12歳年下で無愛想なせつなに戸惑う薫子だったが、体調を崩した自身を介抱されたことを機に、彼女の卓越した家事と料理の腕前を知る。弟の死の真相を探るため、ふたりは家事代行サービス「カフネ」のペアとして働き始める。様々な家庭の事情や弟の親友との出会いを通じて、互いの抱える孤独や病、隠された過去と向き合い、新たな絆を紡ぎ出していく。

    感想
     亡き弟の婚約者であるせつなと薫子が喫茶店で会う導入から、一気に物語の世界へ引き込まれた。12歳も年下で、遅刻しても謝らず作業服姿でぶっきらぼうなせつなと、バリバリ働く薫子。対照的なふたりの出会いから、薫子の卒倒をきっかけに立場が逆転し、荒れ果てた部屋を手際よく整え絶品料理を振る舞うせつなの姿が明かされる展開は実に鮮やかだった。
     弟の死の真相を追うため、家事代行「カフネ」でペアを組んだふたりが、訪問先の人々と関わりながら変わっていく姿が丁寧に描かれている。弟の親友宅での代行を通じて自らの知らなかった弟の真実を知り、料理のプロでありながら自宅では料理ができず病を抱えるせつなの過酷な人生を知るにつれ、薫子は不器用ながらも豊かな人間味を取り戻していく。別れた夫とのさっぱりとしたやり取りも心地よいアクセントになっていた。

     ラストで薫子がせつなと「家族」になろうと手を差し伸べ、頑なに拒んでいたせつながそれを受け入れる結末は、情景の描写も含めて実に美しく、胸に深く沁み入った。

     希薄になりがちな現代の人間関係において、人と人との絆を本当に深めるためには、薫子が見せたような、少し「昭和的」とも言える泥臭いおせっかいさや踏み込む勇気こそが必要なのだろう。家族の形や人との繋がりの尊さを、温かい食事の湯気とともに思い出させてくれる心揺さぶられる一冊だった。

    0
    2026年10月30日
  • カフネ

    Posted by ブクログ

    最初、神経質で堅そうな主人公の薫子を、あまり好きになれないかも…と思いながら読んでいたが、物語が進むにつれて、努力家でまっすぐなところ、情が深いところがどんどん描かれていって、中年女性の成長の物語、大人の友情物語としてとても楽しめた。そして何より食べ物を作る描写、食べる描写が美味しそうすぎて、生きていく上で自分が好きなもの、相手が好きなものを作れるのって、一番欲しい能力だなぁと思った。

    0
    2026年10月30日
  • 金環日蝕

    Posted by ブクログ

    ひったくり犯を取り逃した女子大生の春風(はるか)。
    被害に遭った昔馴染みの老婆に、このことはもう忘れてと春風は言われるも、つらそうな老婆を放って置けず、ひったくりを一緒に追いかけた謎の男子高校生・錬とともに、犯人捜しを始める。
    犯人に目星が付いて終わるかと思いきや、事態と各人の目論見は複雑に絡まっており…

    正義感の強い主人公春風と、只者ではなさそうな男子高校生錬のバディで進んでいく捜査の描写は、テンポが良く面白い。
    面白いなーと読み進めていくと、ひったくりの犯行の裏にあった、二重三重の事件の存在が明るみになり、それぞれの犯罪に手を染めた各々の切迫した状況、心情が明かされていく。
    ー中心は暗闇に沈んで何も見えないのに、その輪郭だけが強烈なかがやきを放つ。ー
    タイトルの意味を捉えるこの一文を本書で見た時、この金環日蝕が本書において何を表現しているのか、いろいろ浮かび上がり、考えてしまう。
    犯罪に関わってしまった様々な人たちは、どのような闇に呑まれてしまうのか。闇に呑まれてしまうと、もう逃れることはできないのだろうか?変わることは、できないのだろうか?
    本書は、否、とこたえる。
    以下は本書からの引用である。

    私は弱い。私は囚われている。私はそれを認める。
    けれど弱く脆い人間が、その弱さと脆さによって、立ち上がることができると私は信じる。
    私は学び、努力し、時にゆらぎ、それを克服しようとあがきながら、私が変われるということを証明する。証明すると決意する時、私の未来はどんな鎖からも自由になり、無限の可能性をもって広がる。

    0
    2026年10月29日
  • カフネ

    Posted by ブクログ

    最愛の弟を亡くし、失意の中にいた薫子は弟の元恋人せつなと家事代行のボランティアを共にすることになる。
    しかしせつなはある秘密を抱えていた。
    色々な事情を抱えた人たちがいて、悪い人なんか一人も出ていなくて、ただ真面目で誠実に生きている人たちの前を向いていこうとする物語だった。
    食べることは生きることって本当にそうだと思う。
    この人たちの真面目さに、もっと甘えていいんだよと思いながらも一気に読んだ。
    出てくる料理はどれも美味しそうで、薫子のそうじの描写も気持ちがスッキリした。
    日々の生活の大切さを感じながら最後はあったかい気持ちになった。
    久しぶりに読書して泣きました

    0
    2026年10月29日
  • カフネ

    Posted by ブクログ

    温かい
    最初は、面白いけどよくあるハートフルな話と同じように感じていたが中盤から一気に引き込まれた。
    自分だけが苦しいと思って人に気持ちをぶつけてしまう。その人にも苦しみはあるのに。そんな自分に嫌悪してしまう。周りの人を大切にしたい。自分の生活を見直したいと思えた一作でした。

    余談ですが、人が自棄になるシーンを見るのが苦手だと自覚。

    0
    2026年10月29日
  • カフネ

    Posted by ブクログ

    文庫を待った甲斐がありました!
    いやぁ、楽しかった! その空間に居るかのような没入感を味わいました久々に。(倒置法ね)

    女性には一層刺さる物語かもしれないですが、おっさんにも見事に刺さりました。

    ドストエフスキーと併読していたから、余計に読みやすかった(変な意味は無いです)

    0
    2026年10月28日
  • カフネ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    切なくて苦しくて、それでも前を向いて生きていく人達から目を逸らせなかった。辛い時に美味しいものを食べて心がすっきり、みたいな物語を想像してたけど、生き方を縛り付けてしまうほどの重い愛や喪失、そして再生の物語に心を打たれた。
    「人間は、こんなに打ちのめされている時でさえ、おいしいと感じてしまうのだ。」(p.96)
    一人で生きていく選択も、誰かと生きていく選択も、簡単ではない。けれど、誰かと食べるご飯は美味しいし、単に栄養を摂取するという目的以外のところから力をもらえる。救いたいと願っても、必ずしも受け入れてもらえるとは限らない。本当に救いたいと思うなら、長い目が必要なのかもしれない。

    「生まれてくることも、生きていくことも、苦しいことだと思う。すべての子供は親の欲望から生まれて、生まれたあとも親に虐げられる子供がたくさんいる。(中略)僕にはどうしても、子供を持つということは、またひとり不幸な思いをする人間をこの世に生み出すことに思えてしまう」(p.358)
    という公隆と、
    「あなたの意思なく生まれさせる罪をつぐなうために、用意していたものがたくさんあった。」(p.342)
    という薫子。

    人が生まれるということは、もちろんその分だけ辛さや悲しさも生まれる。どれだけ親が降りかかる障害から子を守ろうとも。子を生む罪深さを自覚しながらも、それでも子どもが欲しい気持ちを持つ薫子、子を持つことに懐疑的な公隆。どちらも当たり前の感覚で、でもどちらも同じく懸命に子どもを救おうとしていて、真っ当な大人だなと思った。
    もちろん無責任に子を持つべきではないが、子どもが欲しいという気持ちに理由はいらない。理由が必要なら、人類はここまで進化しなかった。すべての子は親のエゴで生まれる。エゴで生んだのだから、その罪を償うように、それ以上に愛さなければいけない。そしてその愛で縛りすぎてもいけない。難しいけれど、考えることを放棄したくないなと思った。

    薫子とせつなの印象が最初と最後でガラリと変わる。同じ場所でも、最初は曇り空みたいだったのが、最後は雲間から光や青空が見えてきたようだった。

    0
    2026年10月28日
  • カフネ

    Posted by ブクログ

    「カフネ=愛する人の髪にそっと指を通すしぐさ」 それを素直に受け止めるのか、戸惑うのか、拒絶するのか。
    様々な立場や年齢の登場人物を通して、愛情と人間の業、めんどくささ、そして愛おしさと強さがギュッと詰まっていて、少しずつ共感しながら読めた。
    誰かと生きるって簡単じゃない。 心落ち着くこともあれば、一人になりたいときもある。 でも、誰かと一緒にご飯を食べる時間は私は案外嫌いじゃないんだな、と気づかされた。
    ちょっと意見が分かれるラストも、私はすごく好きだった。

    0
    2026年10月28日
  • カフネ

    Posted by ブクログ

    人間、どうにも身動きできないくらい大変な時ってある。本人の努力とか、年齢とか、家族構成とか関係なく。そんなときに、とにかく暮らしをととのえて、息をつけるように。
    カフネのチケットをあの人にも、この人にも、いつかの私にも届けたい。
    チケットはなくても、応援しているよ、一緒にいるよ、の気持ちを届けたい。だいぶ勇気はいるだろうけど、今というときに躊躇わずに届けたい、と思った。

    0
    2026年10月27日
  • カフネ

    Posted by ブクログ

    すごく賛否が分かれそうな話だったけど、私はすごく面白くて、途中から手が止まらなかった。
    はじめは話に入り込めなかったが、それぞれの人物の内面を丁寧に描いていて、彼女たちの気持ちが相手に届き、それぞれの人たちが変わっていくのがよかった。不器用な人、めんどくさい人、そういう人たちが健気にも頑張っているところに心が温かめられた。

    なんとなく本屋大賞にありそうな作品だなと思った。

    0
    2026年10月27日
  • まだいない君に星の舟を

    Posted by ブクログ

    シリーズのスピンオフでしょうか
    ともかく高津さんの生き様がシブい!、仁科先生の若い頃が⋯⋯
    これまでの伏線回収もあってこれを読んでシリーズ完結となる1冊です

    【どこきみ】の映画での見所シーン⋯こんな描写あったかな?と思ったら、ここにありました

    0
    2026年10月24日
  • また君と出会う未来のために

    Posted by ブクログ

    【どこよりも遠い場所にいる君へ】の続編、前作と同様に伏線回収がいろいろとあってハラハラしながら楽しめました、和樹と幹也が少し大人になっていた気がします、爽太はがんばった!

    前作の映画を見てからの読み出しでしたので、世界観や人物などがイメージしやすく、すんなりと物語の世界に入っていけました

    0
    2026年10月24日