阿部暁子のレビュー一覧

  • カフネ

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    登場人物それぞれの姿に自分と重ね合わせてしまう部分があり、過去に飲み込んだ言葉を拾い上げてもらった気がして涙が出た。
    自分の足で立とうと、日々に懸命な人たちの姿に引き込まれると同時に、大人も上手に生きられないことを肯定してもらったような気分になった。
    思う通りに生きられないけれど、誰かを大事にしたいと思う時にまた読みたい。

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    2026年04月05日
  • カフネ

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    「星を掬う」に近い刺さり方をした。
    人との距離感は現実に則していて、家族であっても分かり合えないことがあるという前提が一貫しているのが印象に残る。
    心の再生も劇的なものではなく、会話の内容や話し方の変化といった細部からじわじわと伝わってくる。
    優しさについても、ただ相手に寄り添うだけではなく、自分を蔑ろにしないことや本心を伝えることの難しさが描かれていた。
    思いやろうとするほどすれ違ってしまう関係も多く、簡単には救われないまま残るものがある。その不器用さごと含めて、人と向き合うことの重さを感じた。

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    2026年04月05日
  • カフネ

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    ひょんなことから出会った二人の女性が、お互い人生でなくてはならない存在になっていく過程が、とても良かった。やっぱり弟引き合わせてくれたのかな。
    表面的には幸せそうに見える人でも、その人それぞれ、内に抱えているものがあり、みんな必死で生きている、その中で支えあえる人がいる、というのは奇跡なんだなと改めて思った。
    せつなの作る料理がどれも美味しそうで、やっぱり食は人間の基本よねと。
    2人のこれからの人生も見てみたいと思った(なんやかんや喧嘩しながら絆を深めていくんだろうな)。
    あと、装丁が好き。

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    2026年04月04日
  • カラフル

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    とても読みやすくて面白かったです。
    今まで深く考えてこなかった車椅子ユーザーの気持ちを理解しようとするきっかけになると思います。
    伊澄が六花と出会って気持ちが変化していくところ、二人が打ち解けていくところが良かった。

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    2026年04月04日
  • カフネ

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    亡くなった弟の元恋人との待ち合わせ、しかもその元恋人が大遅刻するところから始まる。なぜ弟は亡くなったのか、なぜこんな愛想のない女性に惹かれたのか、しかも結局は別れたのに遺言書まで残して。この女性とともに家事のボランティア活動を重ねながら弟の死の真相に迫る。シングルマザー、LGBTQ、肉親の自死など、多くの社会問題を織り込みながら最後に全てをきれいに解きほぐす。全体的に重いストーリーではあるが読後感はよい。

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    2026年04月03日
  • カフネ

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    凪良ゆうさんの「私の美しい庭」を彷彿とさせる、心が温まるお話でした。
    壮絶な人生を歩み、自暴自棄になっているにも関わらず、困っている人を見過ごせない不器用な性格のセツナに対して、庇護欲や愛しさに近しい感情が芽生えていきました。

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    2026年04月03日
  • カフネ

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    “弟を亡くした姉と元恋人の再生の物語”という端的なあらすじから想像するものとは全然違った物語だった。

    悲しみに沈む〈静〉というより、そこから立ち上がろうとする〈動〉を強く感じる。
    「死」を通して「生」を描いた、生命の躍動感のある物語で、笑ったり泣いたりと忙しかった。

    不屈という言葉が何度も出てきて、逞しく本来の自分を取り戻す薫子に笑ってしまい、こっちまで元気づけられてしまった。

    自分を認められず、価値を感じられずに生きるのは辛い。
    そんなときにかけられる「ありがとう」はどれほど枯れた心を潤すだろう。

    助けることで助けられることがある。
    人を頼ることで心に余裕ができ、人に頼られることで心

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    2026年04月03日
  • カフネ

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    ネタバレ

    非常に好きな作品だった。ラストの場面では涙腺を刺激され泣きそうになった。読後感がとにかく良い。

    インターネットやSNSが発達し、対面での人間関係が希薄になりつつある現代において、本作が描いているのは、人と人との深い交流である。相手の内面に踏み込み、時に拒絶されるリスクを引き受けながらも関係を築こうとする姿が描かれている。そうした関わりの根底には、「失いたくない」という思いがあり、その感情は決して利他的なものだけではなく、自分のためでもあるのだと感じた。一方で、向き合われる側もまた、心のガードを張りながらも、その奥底では自分を必要としてくれる存在を求めているのではないかとも思う。だからこそ、そ

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    2026年04月02日
  • どこよりも遠い場所にいる君へ

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    とても面白かった。
    正直、ドラマ仕立て、映画チックなストーリーでしたが
    いろいろ伏線がはられてなかなか読み応えがありました。
    良かったです。

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    2026年04月01日
  • 金環日蝕

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    あらすじを読む限りではあまり面白そうに感じなかったけど、実際に読んでみたら凄く面白かった。春風と理緒の物語はどう関係してるんだろうと思いながら読み進めていたら、繋がった瞬間から面白さが加速度的にアップしてそこからは一気に読んでしまった。
    小説としての面白さはもちろんのこと、特殊詐欺の一例も物語には出てくるので、啓蒙の意味も含めていろんな人に読んでみてもらいたい。

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    2026年03月31日
  • カフネ

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    人の抱える苦しみを完全になくすことはできないけどそっと寄り添ってくれるお話
    どれだけ打ちのめされても立ち上がれる強さがあるから
    だから自分を諦めてしまわないでと言われているような気がした

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    2026年03月31日
  • どこよりも遠い場所にいる君へ

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    ネタバレ

    感動した。このひとことに尽きる。
    個人的に修治のくまさん感がすごく良かった。本当に社長の息子だったのはびっくり笑

    心に残った言葉は
    P213“本当に笑えるかどうかではなく、思いやりを向けてくれる人にそうやって思う応えたかった。”
    P315
    “大好きでした。
    ありがとう。
    どうか世界一しあわせになって。
    あなたが笑っていてくれたら、もう、ほかに望むものはない。”

    本当に遠い場所は過去。どれほど手を伸ばしても届くことはない。伝えたい言葉があっても届けることができない。それを強く感じていた和希に残してくれた七緒言葉はどれほどのものだっただろう。

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    2026年03月30日
  • カフネ

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    初めての作者。話題だったので読んでみた。
    新幹線の中で読んだ。めちゃくちゃ泣いた。
    人生で大切にしたいフレーズが何個もあった。
    それぞれのキャラが、本当に生きているようだった。相手によって見せる顔は違うが、一貫していた。
    文体も読みやすいが、あっさりしすぎないところも好きだった。
    人に薦めたい本。
    同じ作者の本を他にも読んでみたい。

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    2026年03月29日
  • カフネ

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    後半は涙が止まらなかった。
    春彦と関わるそれぞれが、どん底から立ち上がり、生まれ変わり、再生していく過程を描く言葉と文章が、胸に刺さ去りました。
    路傍の小さな雑草の花に、生きる心を取り戻したような気持ちになる、あたたかく、感動の場面がラスト1ページに綴られます。
    心が疲れていることに気が付かないほど、自分を抑えて生きている人が読んだらきっと救われるし、毎日が緩慢と過ぎているように思える人にも読んでほしい。

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    2026年03月29日
  • カフネ

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    とても心が暖かくなるような元気をもらえるような話だった。食事の描写も美味しそうで誰かとご飯を囲んで「おいしい」と食べることがどれだけ大切か、幸せかを感じられた。題名の意味もこの小説を通して初めて知ることができたし、めっちゃ感動してうるうるなりながら読んだ。

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    2026年03月27日
  • カフネ

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    じんわりと広がる暖かく優しい湯気が立ち上がるような空気をはらんだ本だった、大切な一冊になった

    薫子さんが変わっていく様子が本当にリアルに描かれていて、食は人の人生を救うのだなと、気付いたらのめり込んで読んでいた

    そしてサンタクロースみたいな生き方をする天然記念物みたいな春彦の笑顔が目の奥に滲むね、暖かく優しい終わりで、なぜか清々しい気持ちで満ちています

    おにぎりを作れるようになると、人生の戦闘能力が上がるらしい。

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    2026年03月27日
  • カラフル

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    車椅子ユーザーの六花、クラスメイトの伊澄の会話がとても切なかった。ハンディがある六花の苦労、2人が出会ったことで伊澄が理解できたその気持ち。

    そんな前向きな六花に惹かれた伊澄、2人の未来はカラフルなものになるんだろうな。

    青春の高校生活のはじまり。読み始めたら、とまらなくなりました。

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    2026年03月25日
  • カフネ

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    二日で読み終わりました。はじめは、、せつなって何者?と思いながら読みました。ダイバーシティを扱ったすごいお話だと思います。伏線の回収が完璧です。

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    2026年03月29日
  • カフネ

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    ネタバレ

    食べたくなる描写ランキング

    第3位 スーパーで買った菓子パン


    p132
    サクサクのデニッシュ生地にこれでもかと盛られた生クリームはミルクの匂いがして、
    チョコレートと一緒に舌の上で溶ける。
    チョコレートの上にまぶされたクランチのザクザクした食感も快感だ。
    だが何よりも甘い。
    脳がぐずぐずになるくらい甘くて、快楽物質がものすごい勢いで脳内に分泌されていく。
    「これ悪魔の食べ物ね」


    第2位 せつながアレンジした苺パフェ

    p66
    グラスの底にはスライスされた赤い苺、次に真っ白なクリームと、サイコロ状にカットされた淡い黄色のスポンジケーキが交互に重ねられている。
    その上層には、

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    2026年03月22日
  • 金環日蝕

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    話題になっていたので手に取りましたが、納得です。
    春風と錬コンビの第一章から一転、第二章は色んな事情で詐欺に加担してしまう理緒の話に。春風と錬の話が明るい探偵小説のような雰囲気もあってか、理緒サイドになるととても辛くて苦しい…。ミステリーなので、きっとどこかで繋がるんだろうなぁとは思っていましたが、予想外の展開に最後まで驚かされっぱなしでした!
    誰しも皆、何かしらの事情があり、明るい部分もあれば暗い部分も併せ持っている。いつだって闇に堕ちることは簡単にできてしまう。だからこそ、自分を戒めながらも前を向いて歩き続ける。勇気づけてもらえる素敵な作品に出会えました。

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    2026年03月17日