阿部暁子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ大好きな1冊になった。
長い時を超えて届いた願い。
やさしいということは、強いのです。それは敵を打ち負かす強さとは違う、どんなに傷を負っても人の心にかがやくものを見失わずに生きていける力のことです。
人間は醜い。この世界は冷たい。あたりを見まわせば嘘と悪意ばかりが目について、敵だらけのような生きづらい場所で、ときどき無性に消えてしまいたくなる。
でも同じ人間が肩を貸してくれることもかれば、世界がふいにほほえんでくれることだってある。
それは百回苦しんでやっと一回報われるような、ささやかすぎるものではあるけれど、私たちが生きる場所はそこまで捨てたものじゃない。 -
Posted by ブクログ
読み始め 2021.8.7
読み終わり 2021.8.21
パラ•スター(Side 百花)の続きで読んだ。宝良の視点メインで描かれている。高2の時に事故で下半身不随となった宝良が東京五輪に出場するまでの、軌跡を書いたスポーツ小説。テニスの試合の描写が事細かに書かれていて、リアルだったし、幼馴染2人の会話や宝良とコーチとのやり取りは感動する場面もあった。お気に入りのシーンは、雪代コーチと宝良がコンビを解消する場面。雪代コーチの病気をきっかけに雪代から志摩コーチに代わるところ。宝良は幼い頃から雪代の元で教わってきたから、すごく辛い別れだったのだと思う。しかし、雪代とは別の視点から教えてくれる志摩 -
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読み始め 2021.7.21
読み終わり 2021.8.5
この本、めちゃ面白くてあっという間に読んでしまった。車椅子メーカーである藤沢製作所で働く百花と宝良(中学生の時に事故で脚が動かなくなった)の車椅子テニスを題材にした青春小説。百花は小学校の時から、スポーツ万能で強気な女の子宝良に憧れを抱いていた。テニスは先輩たちからも恨まれるくらいの実力者。ある日自動車事故に遭い、下半身不随となってしまったが、百花と観戦に出かけた国際大会をきっかけに車椅子テニスに打ち込むようになった。一方、百花はそんなに宝良を応援、サポートしようと専門学校卒業後、車椅子メーカーである藤沢製作所に入社。
指導社員でも -
Posted by ブクログ
まず、車いすのこと、競技用車いすのことをほとんど知らなくて全てが新鮮でした。
エンジニアの百花が未熟な自分に焦って悩んで自己嫌悪に陥ったりしながらも、一生懸命夢に向かって突き進む姿が眩しい。
ユーザーに真摯に向き合い、とことん寄り添って車いすを作りあげる先輩エンジニアの小田切さんも本当にすごい。
小田切さんの言葉には何度も胸がいっぱいになり目頭が熱くなりました。
全編を通してすごく気持ちを揺さぶられる作品。それに心に響く言葉もたくさん!
温かくて清々しい読後感でした。
『テニスをしても、しなくても、自分の足で走っても、車いすで走っても、宝良は宝良だ。宝良が宝良であってくれればそれでいい -
Posted by ブクログ
序盤の雪代コーチと車いす選手 宝良とのくだりで、早くも作品に引き込まれました。
無愛想でクールと言われる宝良と表情豊かな親友の百花。エンジニアの小田切さん他、登場人物がみんなすごく魅力的。
宝良と百花の関係も素敵♪
面白くてページをめくる手が止まりませんでした。
宝良の一途に夢を追う姿に圧倒される。
感情移入するあまり何度も涙したし、読後は感動と爽快感でいっぱい!
お薦めの作品です♪
『強いって、悩まないことでも、傷つかないことでもないんだと思う。それは、何度でも自分の弱さから立ち上がるってことなんだと思う』
『学校に行くことそのものが一番大事なわけじゃない。一番大事なのは、どうしたらあ -
購入済み
離島にある有名校に通う少年が、『神隠しの入り江』と呼ばれる場所で海に浮かぶ少女を助ける所から始まる物語。入り江は『マレビト』と呼ばれる違う時代からの客人が訪れたり、神隠しにあい後に戻ってきた人・戻ってこない人が居ると言う…要はタイムスリップしてしまう場所。主人公が抱える事情は重た過ぎて胸が痛くなりましたが、それだけに最後の手紙が心に沁みました。そう、あの状況で他者を思い遣れる彼は本当に素敵な人です。姉妹作【また君と出会う未来のために】と合わせて、大好きな作品です^^❤
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購入済み
大切なモノ
沢山の出来事がある思春期のなかで、一人一人の事情や背景が物語を興味深くしていき時間さえあれば一気に読んでしまいたい作品でした!
大人になってしまった人達に読んでなりました。