阿部暁子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
誰しもが何か一つのことを必死に追い続けている。登場人物はみんな何かに夢中だ。テニスの頂点を目指したり、最高の車イスを作ることを目指したり。性格は全く違うのに。
主人公の宝良は、とてもクール。試合前日に親友から応援メールが届いても「早く寝ろ」と返すくらいだ。でも、勝利に対する貪欲さは誰にも負けない。大切な人の笑顔を見たいがために、血の滲むような努力をする。誰よりも冷たいのに、誰よりも熱い。そんな人間らしい「温度差」が心を震わせる。
そんな「夢への貪欲さ」と「望みを叶えたい人の欲求」を存分に味わうことができる一冊。
誰しもが夢を追いかける世界で、自分が勇気を与え、与えられながら走り続ける人生を送りたい。そう思いながら、本書を閉じることができた。好き。 -
Posted by ブクログ
これはヤバイ。。猫番館の小湊さんも書いているアンソロジーを読友さんに教えてもらって購入。二本目の阿部暁子さんの話が良すぎて泣けてしょうがないです。。母とはたくさん共読したりして、仲良くしていたけど、父は仕事であまり家にいなかったこともあり、、、反省しました。一年以上会いにいけないけど、夏には会いにいきたいなと思いました。ラストのところがパタリロっぽく(イメージです。読んだことないけどなんとなく。。ちょっとコミカル過ぎw)なって,、あれ?って感じたったけど、本当によかった。弟くんも偉いな。。
小湊さんのは猫番館のスピンアウトで嬉しいし、他の作品も登場人物が魅力的で、それぞれ一冊ものとして仕上げてほしい! -
Posted by ブクログ
『なんて素敵にジャパネスク』を愛読した者としては似たテイストの作品で、ある種の懐かしさを感じながら読み進めた。
背後の歴史的背景を踏まえつつ北朝・南朝方の登場人物がそれぞれ丁寧に描かれており、彼らの信念や想いもきちんと伝わってくるため、皇女が吉野を抜け出して敵地の都に単身乗り込むというラノベ展開ではあるけれど、大人でもエンタテイメントとしてそれなりに楽しく読み進められると思う。
どちらかが絶対的な悪というわけではなく、北朝・南朝共にそれぞれの立場・信念・事情があり、その中でそれぞれが精一杯己の信じるものに従って行く。その過程で多くの人が争い、そしてそれが生み出す悲劇を主人公の皇女は目の当たりにして心を痛めるのだけれど、それってこの世界が正に今もって直面し続ける問題なわけで、そういう意味でこの綺麗事なラストも簡単に批判してはいけない時代になってきているのではないかとなんとなく感じてみた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ冒頭の数頁までは室町時代に舞台を借りたライトノベル調の内容が展開されるのかと思ったが、いい意味で予感が外れた。特に中盤以降、犬夜叉(世阿弥)や義満、楠木正儀などの登場人物たちが主人公のおてんば皇女・透子に対して語る内容は、南北朝末期の二朝の対立や陰謀渦巻く幕府の内情、民衆文化の盛り上がりなど、当時の世相を踏まえよく練られているように思う。
北方謙三の楠木正成、北畠顕家(破軍の星)、懐良親王(武王の門)を読んだ後に本作を読んだことで、南北朝時代のおおまかな展開を最初からほぼ最後まで追うことができ、1本の糸がつながったような印象。そして南朝びいきになった(笑)
カバーの可愛いイラストからライトな内容を期待した人は、逆に歴史面でディープすぎて読みづらい部分があるかも。