阿部暁子のレビュー一覧
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お香に着物。和の趣に包まれた中で、人の心境を香りとして感じる力を持った女子高生の主人公が、ふれ合う人たちの葛藤やすれ違いを解消していく様がとても温かい。憧れの大学生、雪弥への想いも可愛らしくて読んでいて応援したくなる。
最近はハードな小説ばかり読んでいたからか、こういう作品に触れて年甲斐もなくほっこりした。
元々のターゲットは10代後半か?
40代の自分としては、若いころの気持ちを思い出しながら素直に楽しめた。
心地よかったのでまとめ買いせずに1ヶ月に1冊ペースで購入し、今日ついに最終巻を読み終えたが満足の内容。
余談だが、お香にも興味がわいて自宅の近くにお香を扱う店がないかネットで検索してし -
Posted by ブクログ
誰しもが何か一つのことを必死に追い続けている。登場人物はみんな何かに夢中だ。テニスの頂点を目指したり、最高の車イスを作ることを目指したり。性格は全く違うのに。
主人公の宝良は、とてもクール。試合前日に親友から応援メールが届いても「早く寝ろ」と返すくらいだ。でも、勝利に対する貪欲さは誰にも負けない。大切な人の笑顔を見たいがために、血の滲むような努力をする。誰よりも冷たいのに、誰よりも熱い。そんな人間らしい「温度差」が心を震わせる。
そんな「夢への貪欲さ」と「望みを叶えたい人の欲求」を存分に味わうことができる一冊。
誰しもが夢を追いかける世界で、自分が勇気を与え、与えられながら走り続ける人生 -
Posted by ブクログ
これはヤバイ。。猫番館の小湊さんも書いているアンソロジーを読友さんに教えてもらって購入。二本目の阿部暁子さんの話が良すぎて泣けてしょうがないです。。母とはたくさん共読したりして、仲良くしていたけど、父は仕事であまり家にいなかったこともあり、、、反省しました。一年以上会いにいけないけど、夏には会いにいきたいなと思いました。ラストのところがパタリロっぽく(イメージです。読んだことないけどなんとなく。。ちょっとコミカル過ぎw)なって,、あれ?って感じたったけど、本当によかった。弟くんも偉いな。。
小湊さんのは猫番館のスピンアウトで嬉しいし、他の作品も登場人物が魅力的で、それぞれ一冊ものとして仕上げて -
Posted by ブクログ
続いて宝良の話に入る。
宝良はSCCトレーディングという企業に所属するプロのテニスプレーヤーとなっているが、障がい者雇用率が来る3月に2.3%に上がる中、世の中の障がい者雇用の状況はまだまだ雇わなければならないから雇うという側面が多い現状。
ここに書かれている宝良の環境はかなり特殊な部類に入るが、とは言え、こういうところにもきちんと言及されているところは良いと思う。
みちるの話を通じて、障がい者もまた障がいがあるだけで同じ人間だということが分かる仕掛けだが、それぞれの人がそれぞれの特性に応じて活躍できる社会にしていこうという、この本のスタンスも好ましい。
物語は、スランプに陥った宝良が不調