阿部暁子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
大河ドラマと合わせて読みました。
歴史は勝者が作るとはよく聞く話ですが、正史はそうなのだろうなとつくづく思います。そして、それだけではなく、歴史とは解釈なのだなと深く思います。特に歴史小説を読んだ後には。そして、このようなアンソロジーを読むと、一編ごとに少しずつ変わっていく(あるいは観点を変えていく、ずれていく)解釈が実に面白いものです。
一冊の長編を読み通すのも面白いのですが、これはある観点からの物語を深くしていくことだと思います。アンソロジーには多観点から読み解いていく、そして、一編ずつを積み重ねて一冊の流れを読み解いていく楽しみがあります。
私は背表紙に「高田崇文ほか」とあったので購入しました。さすがに高田崇文、掉尾を飾るにふさわしい面白さです。しかし、そこに至るまでの一編一編が良い味を出していました。
「実朝の猫」(砂原浩太朗)が異色な感じでお気に入りになりそうです。
結構、はやく読み進めます。すいすい読みました。その中で、「実朝の猫」と「修善寺の鬼」はじっくりと読みました。
アンソロジーは誰が編んだのかが気になります。
雑誌に載ったものを文庫化したようなので、アンソロジーという見方をしないのかもしれません。しかし、編者の視点を意識しながら、この1冊を読みました。
今年が旬の本でしょう。 -
Posted by ブクログ
この本、北上次郎氏が推しているのを見て、新刊で出た少し後に中古本屋で見かけた時に買おうと思ったのだが、表紙を見て手を出すのをちょっと躊躇った。
「おすすめ文庫王国2021」の第1位だったので、改めて探し直して、今度は購入。普通なら絶対買わないな。
第1位の推しコメントの中に『途中から涙が止まらない』とあったが、まあ確かにウルウルするところは多かった。
歳を取って涙腺が弱くなるのは如何ともしがたいが、そういうところを刺激する場面が次々と配された、ツボを押さえた作りではある。
生きている間ずっと付き合い続けなければならない身体のハンデを負いながら、それを受け止めて生きる決意をした人々、本人だけでなく家族や友人や近しい人たち、に対する描き方も良い。
テニスに限らず車いすで競技する人って確かに凄いなと思う。車いすを動かすだけでも大変だろうに、それをしながら球を打ったり走ったりぶつかり合ったり。
そういう車いすスポーツの世界と、それを支える競技用車いすの製作の現場についても勉強になった。
親友の宝良と約束し最高の車いすを作ることを目指して老舗の車イスメーカー・藤沢製作所に入社した百花、のストーリーはまあそれなり。
社長や上司や先輩が全て良い人で良かったけれど、実社会ではなかなかそうはいかないぞ。
小田切が何度もくり返す『その人の本当の気持ちに向き合う』『その人のために何が最善かを考える』というのは、仕事をする上ではとても大事なことだな。
一度大きな失敗をしながらそれを糧にして変化成長し、そして今、後輩を指導する小田切の姿は、お仕事小説として良いところあり。