阿部暁子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ何度も泣いてしまった
薫子の家庭環境や、両親への思い、そしてその乗り越え方が自分のものと重なって、胸が締め付けられるようだった。
実際、春彦のような弟がいたら…と想像すると、自分の不甲斐なさに、弟の死後、改めて直面してうちひしがれる。春彦は、周りの幸せを願って生きたけど、それは、自分の気持ちや願いすら押し殺してすることなのか?そうすることでかえって周りは苦しむこともあるのでは?と思った。私は、春彦にはもっと自分の人生を生きる選択をしてほしかった。それが周りの人間、特に家族や大切な人を幸せにするんだって気づいてほしかった。
せつなの、どうしようもなく愛しい人間の、その心の中がいじらしくて、、た -
Posted by ブクログ
「本屋大賞だから面白いだろうな」と思いながら読み始め、読んでる途中は「さすが本屋大賞だな、面白い」と思いながら読んで、「先入観なしで読みたかったな」と少し残念に思ったけれど、読み終わった今はそんなふうに思っていたことを忘れてしまうぐらい深い深い感動の中にいます
読み終わった1日経った今もずっと考えてる
すっっっごく良かった!
素晴らしい読書体験だった!
ーーー
綺麗にまとめるのが逆に勿体無い気がするので、読みながら思ったことを新鮮なうちに箇条書き↓
・最初の方、薫子の語り口がキツさを「こういう作風の作家さんなのね」と捉えていたけど、そんなことなかった。そういうことだったのね
・不妊、毒 -
Posted by ブクログ
さすがの本屋大賞受賞作品、読んで良かったと思える素敵な作品でした。
自分の内も理解しきれないのだから、なおさらどんなに親しい間柄でも、他者の全てを真に理解することはできないのだろうな。
だからといってただ諦めるのではなく、自分の心と向き合い言語化して伝えること、他者を先入観や思い込みで理解した気にならないこと、寄り添う気持ちをもつことが大切なのかなと思った。
でも全てを伝えれば確実に状況好転するわけではなくタイミングや条件が影響するし、どんなに想像力を働かせようと思っても、当事者の立場を経験しないと気持ちを理解しきることはできないから難しいよね。
そして誰とでも関わり続けるのが正ではなく、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ途中、「美味しいごはんは正義!」という言葉が頭に浮かんできました。食べることは生きること、生きることは食べること。そんなことばも。
これから何か辛くて落ち込むことがあった時に、
「よし、まずは美味しいものを食べよう!(でもお酒は控えめに…)」と、この本のことを思い出すような気がします。
さすが「本屋大賞」と思うようなヒューマンドラマでした。
(ここからネタバレあり)
主人公の薫子が、亡くなった弟の恋人のせつなに会うところから物語は始まります。
前半はいろいろ謎があります。
・春彦は自殺なのか?
・せつなと春彦の関係(別れの理由)
・春彦が遺言書を作った理由
・春彦から送られてきたプレゼ -
Posted by ブクログ
日々の仕事、子育て、介護、家事、人間関係に追われて心も身体も疲弊してしまい、自分の気づかぬうちにセルフネグレクトに陥って、自暴自棄になったり生きるのをやめたくなってしまっているときに誰かがそっと手を差し伸べてくれたり、誰かの血の通った温かい食事を食べるだけで救われる事って本当にあるし、相手がそのつもりがなくても当事者からするとそれらの経験はその後の人生に大きな影響を与えると思う。
私はせつなというキャラクターが好きでした。
大切な人たちが周りからいなくなっていってしまうたびに傷つき、そのたびに心が弱っていってしまう。それなら傷つかないように人との距離を詰めないようにするところとか自分の心を守る