阿部暁子のレビュー一覧
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「春風」と書いて「ハルカ」という名前が素敵だなと思ったのが最初の感想だった。
春風を見ているとよく自分の言われる「正論と正解は違う」と言われる理由が何となくわかるが、春風が言ったように最初からしていたら、こんなことにはならなかったのではないかという気持ちもずっと抱えながら読んだ。
この人は救われて、この人は救われないという不平等も気になったが、何も無くなってしまった時でさえ、この人は寄り添ってくれるという事実に早いうちに気づけた人がいたのは幸いだった。
最初から何もかもが繋がっていたのに、途中でようやくわかるというのは見事だった。
最後の写真のことはちょっと不完全燃焼だったが、全体的に優し -
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2026/05/17
不妊治療を諦め、夫と離婚した薫子。
その上、愛する弟が亡くなってしまった。
自暴自棄になっていた彼女を救ったのは、「カフネ」で働く、弟の元恋人せつなの作る料理だった。
この物語を読んで心に残ったことは、誰かのためにしたことが巡り巡って自分をも救ってくれる、ということ。
薫子が人から感謝されることで、少しずつ自分の幸せを取り戻していく姿に、とても共感した。
日々真摯に仕事に向き合うせつなだが、彼女もまた深い悲しみを抱えている。
せつなが必死に働く姿は痛々しくて胸に刺さった。
彼女に救われた薫子が、せつなのためにできることは何か。
おいしそうな料理と人の優しさが、温か -
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ネタバレ心が温まる本だった。
せつなは味覚がない薫子の弟に対してどうやったら食べることを楽しいと思って貰えるのかを考えて料理を作ってあげてた。
味覚があるということは本当に素晴らしいことで、食べることが楽しいってことは生きることが楽しいことに繋がるなと感じた。
最初の遅刻も伏線だったことにびっくりした。
せつなは元恋人じゃないんじゃないかなと途中で予想はしていたが、まさかの出来事にびっくりした。
助けてほしい人が助けてと言えない世界で、春彦は、ただただ優しい男の子だったんだなあと感じる。
自分の気持ちよりも誰かへの役に立ちたいだとか助けになってあげることを選んで生きていたし、そんな子が自らの命を絶って -
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疲弊した人と人の繋がりを軸に、他人の心中の複雑さ、関りの難解さ、家族の在り方を描写した一冊。
傷付いた主人公が癒されるまでという主軸がありつつも、弟の死の真相や主人公の離婚の理由やせつなの過去といった複数の疑問を秘めたミステリチックな作品でもありました。そのおかげで、作中に出てくる食材や調味料の五割を知らないほど料理に一切興味が無い私でも料理描写尽くしの中盤を読み通せました。
特に家族という概念への哲学が主軸の作品と感じました。出産という行為の是非、親としての責任、配偶者の心意気……それらに対する著者の意見が力強く描かれていたと思います。勿論左記の話題は軽率に結論付けることが出来るほど簡 -
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ネタバレ思わずヨダレが出る。心も身体も健康的な生活をしていきたいと実感させられる本。
流されがちな私だから、登場人物の信念を持つということのかっこよさに惚れ惚れした。
生きる希望があるってこういうことなんだなって、薫子の変わりっぷりから学んだ。
自分のことは自分にしか分からない、寧ろ自分のことを理解することすら難しい。だからこそ、お互いに分かり合うために努力をするし、思いやりというものも生まれる。それがとっても尊いことであり、そうして生きていきたいと自分で思うことが、今後生き続けることにも繋がるんだと思う。
タイトル回収もキレイで微笑みが生まれるほど穏やかな気持ちになれた。 -
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阿部暁子さんの文章は、時に本筋を追い越してしまうほど人物描写に重きが置かれる。前作『カフネ』でも感じたその独特の筆致は、本作においても健在だ。
登場する大人の女性の描き方に自分なりの違和感を覚える部分はありつつも、読み進めるうちに物語の世界へ深く没頭させられていた。
人を傷つけようとする者もいれば、助けようとする者もいる。「人間という生き物のわからなさ」を描き出す著者の視点に、静かに引き込まれていく感覚がある。
そんな混沌とした人間模様の果てに待っていた結末は、意外にもスッキリとしたものだった。
随所に散りばめられていた種明かしには、それぞれの場面で驚かされた。重苦しさが漂う物語の中で、 -
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登場人物の背景がちらつき、余韻を残しながらストーリーが展開される。
薫子は沢山の苦しみや不安、悲しみを抱えていた。とあるきっかけで、弟の過ごした時間に触れようとカフネのボランティア活動に参加する。
薫子は出会う人にフラストレーションを感じながらも、逆に関わりを通して心の深いところにあるわだかまりが癒されていく。孤独とどう向き合ってどう生きるか、登場人物を通して勇気と決心のようなものを感じた。感動シーンが波のように止めどなく続き、ページをめくる手が止まらなかった。
現代社会の課題や、人の背景、成長が詳細に描かれているところも見所だった。
突然1人になったらと想像しながら、読み進めた。そういう時こ