阿部暁子のレビュー一覧

  • 金環日蝕

    Posted by ブクログ

    気になっていた作家さんだったので読んでみた。題名もなんか思わせぶりでミステリーとは思わなかった。
    詐欺が重くのしかかる。序盤は春風と錬の探偵風で明るく進んでいくが、理緒のパートに入ると一気に暗く重くなる。
    が、カガヤの謎や2つの話が絡み始めると一気にのめり込んでしまった。

    錬と春風の背景も深く、特に最後春風の足掻き振りは刺さる。
    そんな簡単に人は変わらない。劇的な出来事があろうとも。ペンを持ち続ける春風に納得できる。それでも変わろうとする姿勢は共感できた。ゆっくりでいい。

    最後まで謎だったカガヤもすごく魅力的だ。

    0
    2025年09月25日
  • 金環日蝕

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    たまたま引ったくりの現場に居合わせ、犯人を追うことになった春風と錬のパートと、家族を支えるために悪の道へと引き込まれる里緒のパートが交互に展開されていく。春風の方が軽妙な分、絶望感漂う里緒の方は胸が痛くなる。その対比が物語により深みを与えている。
    二つのパートの温度差と、これがどのように繋がっていくのかが気になりどんどん引き込まれていく。錬の秘密を知るあたりからは特に一気読み。

    0
    2025年09月12日
  • カラフル

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     阿部さんのは安心して読めるね。中高生たちに印象に残ったところや言葉を言い合うような読書会をしてほしいね。
     自分が最も注目したのは田所が清彦をイジメようとした空気を伊澄がかき消す場面です。うまいねえ。まあ、伊澄の場合は俊足という特技があったからアレですけど、なんか変だなと思ったときにすぐ行動することが大切だと思います。
     読書離れの一つの要因はあまりに身近ではなくなったことではないかな。阿部さんのように、自分たちのことを書いてくれる作家さんにはこれからも期待しています。

    0
    2025年09月09日
  • どこよりも遠い場所にいる君へ

    Posted by ブクログ

    カフネで知った阿部暁子さん。彼女の紡ぐお話を読んでみたくなり手に取った一冊。
    オブラートに包まれた過去が次第に明らかになっていく様と七緒と和希の心模様は丁寧に描かれていて苦しかった。登場人生たちの絡みも伏線回収なようでいて最後まで目が離せなかった。
    そして続編というか、「天国へ続く道」。これを読むことで悲しいけれど物語が完結するようで。七緒の深い想いがつまっていて感動した。webスペシャル短編とは思えないほどに切ない。

    0
    2025年09月09日
  • カフネ

    Posted by ブクログ

    弟の不審死 ミステリーなのかと思い読み続けていると、気づけば美味しそうな料理の数々エピソード。いや、弟の事は??って思った時には、想像を裏切らないストーリー。けど、ミステリーじゃなかったのは良かった。
    自分も思い当たる親の嫌な言動。
    頑張りが足りないと感じて、自分放ったらかし気味になってる人がこれを読んでなにかの気づきになればいいな。とは思う。

    0
    2025年12月02日
  • カラフル

    Posted by ブクログ

    高校生 伊澄と六花のクラスの話、ハンディのある人が身近にいた時、どのように考え,サポートできるかを問題提起している。
    読みやすい文章で、250ページをほぼ一気に読んだ。

    0
    2025年09月03日
  • パラ・スター <Side 百花>

    Posted by ブクログ

    百花にとっても宝良は特別で大切な人だけど、宝良にとってもそうなのだろうなと。
    百花は真面目だし、着実に力をつけて成長していくだろうから良い車椅子エンジニアになるでしょう。

    Side宝良も近日中に読みたい。

    0
    2025年08月31日
  • 金環日蝕

    Posted by ブクログ

    面白い作品見つけたー!!!!

    ばらばらに散らばっていたピースが
    嵐のような激しさで繋がっていく…

    白と信じていたものが 次々とひっくり返り
    見る間に黒く染まっていく…



    じつは命や人生というものは
    綱渡りのような偶然の上に成り立って
    いるのかもしれない…

    人は孤独で そばに誰がいようと…
    誰にも頼れないことはたくさんある
    むしろ…そんなことばかりだ!

    自分の痛みと…誰かの痛みを
    互いに分け合うことができないように…



    人が欲望を捨てられない限り
    誰かを信じようとする限り…
    人が騙し騙されることは
    きっと永久になくなることは
    ないのかもしれない

    それでも…

    ___『 信じ

    0
    2025年08月27日
  • 金環日蝕

    Posted by ブクログ

    知人の老女がひったくりに遭う場面に遭遇。
    大学生の春風は犯人を追うがもう一歩で逃してしまう。
    わずかな手がかりから犯人を捜すが、
    事件は全く違う貌を見せて……。

    内容のわりには余韻が少なかった作品。
    登場人物たちがそれぞれ「良面」「悪面」を
    持っていて、それが伝聞でもなく実際の出来事として
    作中にしっかり描かれている。
    完全な善人も完全な悪人もいない、といった
    メッセージだろうとは思うのだけれど、
    ちょっと克明に描かれ過ぎている。
    サイコロの1の面と6の面だけを見せられている感覚。

    個人的には作品内で描かれる「よくないこと」に対しては、
    自分なりの立ち位置を考えながら読みたいのだけれど、

    0
    2025年08月26日
  • 金環日蝕

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    闇バイト・詐欺事件が溢れる昨今で、そのリアルな世界を垣間見れる作品。
    真面目な普通の人が、どんな動機でその世界に足を踏み入れ、そして抜け出せなくなっていくのか…。
    これだけ詐欺事件の報道があっても騙される人が絶えない。これまでは、「楽して金が手に入るから」「騙される対象(金があって、認知機能が低下)の人が多いから」が主な理由だと漠然と思っていたが、この作品を読んで、『人を騙すのが楽しくて、面白くて、止められない人がいるから』という想いの方が強くなった。

    阿部暁子さん、まだ書きたいことが多すぎて、若干空回りしているところも感じたが、洗練されてくると好きな作家さんになりそうで楽しみだ。

    0
    2025年08月24日
  • どこよりも遠い場所にいる君へ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     阿部さんはいいねえ。多くの若者たちに読んでほしい物語です。
     タイムスリップという設定ながら、人物の心情をきめ細やかに描いていて、登場人物たちにエールを送りたくなります。
     まあ、できればまだSNSがなかったころとの対比をもう少し描いてほしかったところですが、ラストの種明かしも納得できるものでした。

    0
    2025年08月17日
  • 鎌倉香房メモリーズ2

    Posted by ブクログ

    「鎌倉香房メモリーズ」の2冊目。

    ■第1話 星の川を渡って
    ちょうどこの季節にふさわしい旧暦の七夕にまつわる、かつて短冊の飾りの作り方を教えてくれた老婦人の記憶。
    彼女の身辺を心配するうちに、そこに秘められた過去が明かされていくが、そこに描かれた、戦時中だけでなく戦争が終わった後も続く悲劇に胸が締めつけられる思いがした。
    図らずも先の戦争を描いた話を続けて読むことになったが、終戦を知らずに潜伏を続けた旧日本兵の姿や映画「ひまわり」を思い出させる戦争に引き裂かれた夫婦の話は、これもまたこの夏に出会った話として改めて覚えておくべき話だと思った。

    ■第2話 あなたとずっと
    「香会」の様子がつぶさ

    0
    2025年08月12日
  • 鎌倉香房メモリーズ

    Posted by ブクログ

    特殊なの機能?能力?を持ち合わせている設定だなぁ、これが後々何かの力を発揮して物語が展開されて行くのかなあ。。。
    こういう能力に合わせた物語の展開になるのか?などなど、雑念が入りまくりの読書時間を過ごした。
    奥手な2人にヤキモキしつつも、読み終えた時には、次の2巻を読むのが楽しみになっている自分に気づく。

    0
    2025年08月11日
  • パラ・スター <Side 宝良>

    Posted by ブクログ

    不調に苦しんでいる君島宝良が復調し、東京パラリンピックの代表選考に重要な意味を持つジャパンオープンに挑む姿を描く。
    車椅子での生活の大変さや、車椅子スポーツの現状など感じられ、ストーリーも良かったが、文字だけでスポーツの試合を表現することの難しいんだなと改めて感じた。漫画の方が熱さとか伝わるなと。

    0
    2025年08月09日
  • どこよりも遠い場所にいる君へ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    面白かった
    どこよりも遠い場所というのが
    過去というのがすごくしっくりきた
    本を読んでいる時はあまり考えていなかったが
    不思議な数ヶ月過ごしたことを何十年も過ごしていくと自分は気のせいかもと思ってしまう。

    0
    2025年08月03日
  • カラフル

    Posted by ブクログ

    障がいに向き合う当事者の気持ちと、その周りの人たちの本音がリアルでした。と同時に、誰もが不自由なく暮らせる社会の実現はまだまだ果てしなく遠いものだと感じました。まずは、私たち自身の意識を変えることから始めないといけないと感じました。

    0
    2025年07月21日
  • また君と出会う未来のために

    Posted by ブクログ

    『どこよりも遠い場所にいる君へ』の続編。
    前作の登場人物と東日本大震災の影響を受けた爽太を中心とした物語。
    前作は切なくも、終盤を中心にジーンとするシーンもありましたが、今作は自分ならどんな決断をするのかなと考えながら読み進めるような物語かと思いました。
    前作に比べると結末がやや軽い感じもしましたが、前向きであるとも捉えられます。純粋に楽しく読み進めることができました。
    高津さんの無愛想もなんかほっとしました。

    0
    2025年07月18日
  • 鎌倉香房メモリーズ

    Posted by ブクログ

    鎌倉を舞台に『香り』にまつわるお話。
    人の心を香りで感じ取る不思議な力を持つ高校女子と、探偵のような細心な注意深さと頭脳を持つ大学男子が、『香り』で解き明かす、ほっこりと温かなミステリー作品です。彼女はとても可愛らしくて、彼はカッコいい。ティーンじゃなくてもキュンキュンしました。

    0
    2025年07月17日
  • どこよりも遠い場所にいる君へ

    Posted by ブクログ

    表紙からシンプルなほのぼのラブストーリーかと思っていました。しかし、後半からはミステリー要素もあり、シリアスな展開もありといった、予想していたものとは違う物語でした。しかし、最後は爽やかな独語感とじんわりと伝わる感動があり、楽しめました!

    0
    2025年07月12日
  • パラ・スター <Side 宝良>

    Posted by ブクログ

    後編はより車イステニスの試合をリアルに感じられました。スポーツって素晴らしいですね。また、それに携わる裏方の人たちの支えがあって、素敵な大会になるのだと思いました。とても爽やかな物語でした!

    0
    2025年07月05日