阿部暁子のレビュー一覧

  • どこよりも遠い場所にいる君へ

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    ネタバレ

    最初は、淡々と物語が進んでいく感じでしたが、物語の中盤で、主人公の月ヶ瀬和希の秘密が明らかになるところから、夢中になって、読んでおりました。

    和希の父親が犯罪を犯してしまったということから、犯罪者の息子というレッテルが貼られ、和希は、転校していたという秘密は、苦しくも切なかったです。

    犯罪も、相手を死亡させてしまうほどの事故ではありましたが、正当防衛なところもあり、和希が完全に父親を糾弾することができないところも、苦しいものでした。

    そんな秘密を抱えた和希は、離島の学校に転校し、あの事件のことを誰も知らない学校に行きたかったのですが、噂は広まってしまいます。そのなかでも、和希を信じてくれ

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    2026年06月10日
  • 鎌倉香房メモリーズ

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    香り専門店「花月香房」に暮らす人の心の動きを香りとして感じる力を持つ高校2年生の香乃。どことなく某作品を彷彿とさせるけど、こちらはちょっとした事件や謎を解決したり大学生の雪弥との恋愛含め柔らかい雰囲気。でも2人共の背負ってるものや抱えてるものが悲しく、親が絡むだけに重たくもある。色んな面で想像以上に好みで楽しめて嬉しい。人の心の動きが匂いでわかってしまうなんてどれだけ苦痛だったり負担なんだろう。親に疎まれたり、早く自立したいと必死だったり、切なくなる。お香や匂い袋など好きで集めたりしてるので参考にもなる。

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    2026年06月03日
  • 金環日蝕

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    世話になっている老女がひったくりに遭う場面に、ひとりの大学生が偶然行き合わせる。居合わせた高校生とともに犯人を追うが、取り逃がしてしまう。犯人が落とした物を手がかりに正体を探りはじめる、その偶然から物語は動き出す。

    ところが読み進めるうちに、その偶然が偶然ではなかったと分かってくる。別々に流れていた出来事がやがて交わり、避けがたい必然として一本の線に結ばれていく。
    本作の核心は謎解き以上に、事件に巻き込まれた人々の心の陰影にある。家族を守りたい切実さ、貧しさゆえに犯罪へ引き寄せられる弱さ、過去に負った傷。登場人物が背負うものが的確に描かれ、善悪を単純に割り切れない領域へ読者を導いていく。

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    2026年06月03日
  • 金環日蝕

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    ネタバレ

     未成年の学生たちが特殊詐欺に切り込んでいくところが上手く描かれていて面白いミステリー作品でした。
     初めの章で「春風」と「練」がタッグを組んでひったくり犯を捕まえようとするのですが、第2章から経済的な事情で特殊詐欺に手を出さざるを得ない女性を書いてました。
     また、この本の解説がわかりやすく書いてました。タイトルの「金環日蝕」はまさにふさわしいと思います。円の円周にあたる被害は明らかになるのですが、円の中心であるの犯人は暗くて判明しないということを表現しているのでしょう。
     最近は自分の周りでも特殊詐欺のニュースを見たり聞いたりするので、より気をつけなければ、と思いました。また知らず知らずの

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    2026年05月29日
  • 短編小説新人賞アンソロジー

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    ネタバレ

    まず冊子に挟まってた栞が可愛かった(笑)
    知っている作家さんは半分もいなかったのですが、オレンジ文庫さん何気に好きなので購入して読んでみました。

    最初は題材もよく分からないので、ピンと来ないまま何編か読んでいましたが、「サカナ日和」を読んで私の好みな感じだったのと、そこからもう一度振り返って読んでみたらみんな素敵な作品じゃないか!と改めて思えて、そこからは一気に読めました。もちろん好みの問題なので、しっくりくるものもあれば、そうでないものもあり。個人的には「傾城の美女呂姫」「水恋花」「ままならないきみに」「二位の君」が良かったです!水恋花は私好みの嫌ぁーな終わり方だったし、ままならないきみに

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    2026年05月29日
  • 金環日蝕

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    「春風」と書いて「ハルカ」という名前が素敵だなと思ったのが最初の感想だった。
    春風を見ているとよく自分の言われる「正論と正解は違う」と言われる理由が何となくわかるが、春風が言ったように最初からしていたら、こんなことにはならなかったのではないかという気持ちもずっと抱えながら読んだ。

    この人は救われて、この人は救われないという不平等も気になったが、何も無くなってしまった時でさえ、この人は寄り添ってくれるという事実に早いうちに気づけた人がいたのは幸いだった。

    最初から何もかもが繋がっていたのに、途中でようやくわかるというのは見事だった。
    最後の写真のことはちょっと不完全燃焼だったが、全体的に優し

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    2026年05月24日
  • 金環日蝕

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    ある偶然な出来事が登場人物の思惑から必然的に起きていたと後から種明かしされていくものが好きだと気づいた。少しの出来心から詐欺に吸引されていきながら、振り回されていく物語。現実感がものすごく強いわけでもないが、人物達の思惑は綺麗に抽出されていて、みんなで1つの物語を作っていることを見せられた気がした。とにかく後から必然性が出てくるミステリーが好き。

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    2026年05月18日
  • 鎌倉香房メモリーズ2

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    相変わらず内気オタク女子の冗長かつ大袈裟な独り言的口調に並行しつつも、第二巻は「人が人を想う」尊さに触れた物語で思わず涙したシーンもあり。
    香乃ちゃん、もう少し語りがさっぱりしていればかなり好きなタイプなんだけど。

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    2026年05月14日
  • 金環日蝕

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    阿部暁子さんの文章は、時に本筋を追い越してしまうほど人物描写に重きが置かれる。前作『カフネ』でも感じたその独特の筆致は、本作においても健在だ。

    登場する大人の女性の描き方に自分なりの違和感を覚える部分はありつつも、読み進めるうちに物語の世界へ深く没頭させられていた。
    人を傷つけようとする者もいれば、助けようとする者もいる。「人間という生き物のわからなさ」を描き出す著者の視点に、静かに引き込まれていく感覚がある。

    そんな混沌とした人間模様の果てに待っていた結末は、意外にもスッキリとしたものだった。

    随所に散りばめられていた種明かしには、それぞれの場面で驚かされた。重苦しさが漂う物語の中で、

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    2026年05月13日
  • カラフル

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    車いすユーザーの女子高生と、本気で走るのをやめた男子高生。
    なりたくてなったわけじゃない、障がい者。当人の気持ちやどうしたらいいかわからない周りの声。戸惑う学校。
    正しいのは何かわからないけど、私も知らないことを知れたのが良かった。

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    2026年04月26日
  • また君と出会う未来のために

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    先日読み終えた「どこよりも遠い場所にいる君へ」とセットで買ってあった続編。個人的にはこちらのほうが好みでした。
    前作は限りなく一人称に近い三人称視点で書かれてたんですが、こっちは一人称に振り切ってたので読みやすく感じた…というのも、前作の和希という人間の本人目線で語られる文章が得意じゃなかっただけなのかもしれないと思いました。爽太の目を通して見る和希は魅力的に感じたので、人間って不思議なもんですね。

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    2026年04月23日
  • 金環日蝕

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    引ったくり犯を捕まえるだけの日常系ライトミステリかと思って読み始めたが、犯罪の規模も家族の話も大きくなって驚いた。一番驚いたのはフジサキの正体かな。叙述トリックが随所に仕込まれていて種明かしの頻度が高く、終始おもしろかった。金環日蝕の比喩も秀逸。カガヤと錬が実写で見たい。カフネも読みたくなった。

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    2026年04月21日
  • どこよりも遠い場所にいる君へ

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    「カフネ」が面白かったので手に取りました。時空を超えたファンタジーと聞くと滑稽なストーリーを思い浮かべますが、想像していたのとは異なり、少年少女の思いの機微が散りばめられた作品で圧倒されました。

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    2026年04月19日
  • 金環日蝕

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    カフネがとても刺さったのでもう一冊。

    やっぱり会話の掛け合いのリズム感がとっても良く春風と錬、陽と翠がぽんぽん進むのが本当に心地よい。
    重めの題材なのにその会話に合わせてスラスラ読めた。

    決め台詞は北海道万歳!

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    2026年04月12日
  • 金環日蝕

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    ネタバレ

    地元が舞台ということもあり、情景を鮮明に思い描きながら読めた。探偵パートではラノベみたいな大学生がどんどん出てきて、こんな作風なのか…?と思ったら詐欺パートからどんどん話が転がっていくので引き込まれた。二人の背景が重すぎる。
    人類で最初の仕事は詐欺師って、あながち間違ってなさそうでこわい。この時代でもどんどん手法を変えて永遠になくならない。

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    2026年04月10日
  • また君と出会う未来のために

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    「どこよりも遠い〜」の続編。前作の和希くんたちも出る。今回は小学生の時に未来に行ったことがあるという大学生の男の子が主人公。
    そりゃ和希くんは理解してあげれるし、大切な人に会いたいという気持ちが1番分かるよなぁ…と切なくなった。
    泣ける。
    タイムリープもの多いけど、この作品はキャラもいいからなんかその物語に入りやすいし好き。

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    2026年04月09日
  • 短編小説新人賞アンソロジー

    購入済み

    推しの

    作家さん目当てで拝読
    気付かず推しが隠れていて得下気分

    読書が日常で読む本がなくて困ってる方に
    新たな推し探しに最適

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    2026年04月03日
  • カラフル

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    『私は車いすじゃなくて人間です』
    車いすユーザーの六花が伊澄に言った言葉。
    相手を気遣ったつもりの言動でも、受け手にとっては迷惑だったり、傷ついたりもする。

    障害者と特別扱いすると差別になるし、
    かといって手助けをしなければ無視になるし、
    手を貸すのもユーザーの気持ちを確認しなければいけない。…人付き合いは難しい。

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    物語は表紙のイメージ通りの青春物語。

    中学時代に挫折経験をした主人公二人が
    高校スタートで出会い、さまざまな問題にぶつかり成長していくストーリー。

    他の登場人物もそれぞれ個性的で、根っからの腹黒が1人もいないので綺麗にまとまっている。
    よく

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    2026年04月02日
  • カラフル

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    ネタバレ

    短距離走の選手だったがある事情から走るのをやめて、無気力無感動で生きようと思っていた少年と、夢を持ちそのために努力してきたのに病気で下半身不随になった少女。
    少年は、少女に出会ったことで、世界がカラフルだと気づく。
    ボーイミーツガールであり、多様性に気づき認め合う柔軟な感性への希望が描かれた物語である。

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    2026年03月19日
  • 金環日蝕

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    阿部暁子さんの文章は綺麗でスッと入ってきます。物語の展開も秀逸。終盤の伏線回収がテンポよく、小気味よく、飽きません。

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    2026年03月19日