阿部暁子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
面白い作品見つけたー!!!!
ばらばらに散らばっていたピースが
嵐のような激しさで繋がっていく…
白と信じていたものが 次々とひっくり返り
見る間に黒く染まっていく…
じつは命や人生というものは
綱渡りのような偶然の上に成り立って
いるのかもしれない…
人は孤独で そばに誰がいようと…
誰にも頼れないことはたくさんある
むしろ…そんなことばかりだ!
自分の痛みと…誰かの痛みを
互いに分け合うことができないように…
人が欲望を捨てられない限り
誰かを信じようとする限り…
人が騙し騙されることは
きっと永久になくなることは
ないのかもしれない
それでも…
___『 信じ -
Posted by ブクログ
知人の老女がひったくりに遭う場面に遭遇。
大学生の春風は犯人を追うがもう一歩で逃してしまう。
わずかな手がかりから犯人を捜すが、
事件は全く違う貌を見せて……。
内容のわりには余韻が少なかった作品。
登場人物たちがそれぞれ「良面」「悪面」を
持っていて、それが伝聞でもなく実際の出来事として
作中にしっかり描かれている。
完全な善人も完全な悪人もいない、といった
メッセージだろうとは思うのだけれど、
ちょっと克明に描かれ過ぎている。
サイコロの1の面と6の面だけを見せられている感覚。
個人的には作品内で描かれる「よくないこと」に対しては、
自分なりの立ち位置を考えながら読みたいのだけれど、
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Posted by ブクログ
ネタバレ闇バイト・詐欺事件が溢れる昨今で、そのリアルな世界を垣間見れる作品。
真面目な普通の人が、どんな動機でその世界に足を踏み入れ、そして抜け出せなくなっていくのか…。
これだけ詐欺事件の報道があっても騙される人が絶えない。これまでは、「楽して金が手に入るから」「騙される対象(金があって、認知機能が低下)の人が多いから」が主な理由だと漠然と思っていたが、この作品を読んで、『人を騙すのが楽しくて、面白くて、止められない人がいるから』という想いの方が強くなった。
阿部暁子さん、まだ書きたいことが多すぎて、若干空回りしているところも感じたが、洗練されてくると好きな作家さんになりそうで楽しみだ。 -
Posted by ブクログ
「鎌倉香房メモリーズ」の2冊目。
■第1話 星の川を渡って
ちょうどこの季節にふさわしい旧暦の七夕にまつわる、かつて短冊の飾りの作り方を教えてくれた老婦人の記憶。
彼女の身辺を心配するうちに、そこに秘められた過去が明かされていくが、そこに描かれた、戦時中だけでなく戦争が終わった後も続く悲劇に胸が締めつけられる思いがした。
図らずも先の戦争を描いた話を続けて読むことになったが、終戦を知らずに潜伏を続けた旧日本兵の姿や映画「ひまわり」を思い出させる戦争に引き裂かれた夫婦の話は、これもまたこの夏に出会った話として改めて覚えておくべき話だと思った。
■第2話 あなたとずっと
「香会」の様子がつぶさ