阿部暁子のレビュー一覧

  • 室町繚乱 義満と世阿弥と吉野の姫君

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    『なんて素敵にジャパネスク』を愛読した者としては似たテイストの作品で、ある種の懐かしさを感じながら読み進めた。
    背後の歴史的背景を踏まえつつ北朝・南朝方の登場人物がそれぞれ丁寧に描かれており、彼らの信念や想いもきちんと伝わってくるため、皇女が吉野を抜け出して敵地の都に単身乗り込むというラノベ展開ではあるけれど、大人でもエンタテイメントとしてそれなりに楽しく読み進められると思う。

    どちらかが絶対的な悪というわけではなく、北朝・南朝共にそれぞれの立場・信念・事情があり、その中でそれぞれが精一杯己の信じるものに従って行く。その過程で多くの人が争い、そしてそれが生み出す悲劇を主人公の皇女は目の当たり

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    2019年01月28日
  • 鎌倉香房メモリーズ

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    お香、香りにまつわるミステリーというところに惹かれて読んでみましたー。雪弥さんが素敵。ヒロイン香乃ちゃんとの関係も気になります。続刊があるのでぜひ読みたい☺️

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    2018年11月07日
  • 鎌倉香房メモリーズ

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    華やかな描写の本ってすき。お香が興味深かったし、金木犀の香りの練り香水とかときめいた。柚子も良いな。

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    2018年10月19日
  • 鎌倉香房メモリーズ2

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    香乃の、実際にだけでなく自然と涙が溢れるような瑞々しい感性がとても良い。雪弥との可愛いやり取りにも、微かな切なさを含んだ、でもとても幸せな気持ちになる。安定した素敵さに徐々に飲み込まれて、最後の「亡き人に捧げる香り」は特に良かった。死にたいと思っている人に何が正しいのかと迷ってしまう香乃が胸に迫る。前の章の自分がそもそも醜くて汚いと言い切る、だから人のそれを香りで知っても嫌だとは思わないというのも後からじわじわ効いて来た。雪弥氏とか言い出すあたふたした独白も可愛くてすき。切なさと和みで満たされた。

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    2018年10月19日
  • 鎌倉香房メモリーズ3

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    雪弥の自称親友に実母から届いた文香だけの手紙、香乃の高校の文化祭の優しいシーツおばけ、老舗旅館での香乃と両親の溝。両親への反発に見られるただの良い子でない香乃の人間らしさと、もつれても根っ子が真っ直ぐで捻くれない所が魅力的で引き寄せられる。全編の一つ一つ丁寧にしたためるような香乃目線の描写も良い。

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    2018年10月10日
  • 室町繚乱 義満と世阿弥と吉野の姫君

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    ネタバレ

    冒頭の数頁までは室町時代に舞台を借りたライトノベル調の内容が展開されるのかと思ったが、いい意味で予感が外れた。特に中盤以降、犬夜叉(世阿弥)や義満、楠木正儀などの登場人物たちが主人公のおてんば皇女・透子に対して語る内容は、南北朝末期の二朝の対立や陰謀渦巻く幕府の内情、民衆文化の盛り上がりなど、当時の世相を踏まえよく練られているように思う。

    北方謙三の楠木正成、北畠顕家(破軍の星)、懐良親王(武王の門)を読んだ後に本作を読んだことで、南北朝時代のおおまかな展開を最初からほぼ最後まで追うことができ、1本の糸がつながったような印象。そして南朝びいきになった(笑)

    カバーの可愛いイラストからライト

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    2018年09月23日
  • 鎌倉香房メモリーズ5

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    ネタバレ

    1香木に秘められた切ない恋。厳しい言葉をかけながらも花野さんを一番大切に思っている桜子さんの愛情。2シベリア抑留。この犠牲のもとに平和に暮らしている私たち。3大人になってからの仲違いは修復が難しい。でも生命の誕生はすべてを乗り越える。4雪弥さんの父母問題はこれで一応の決着かな。各務さんに本当のことを教えてあげてほしい気もするけど。和馬さんが各務さんに噛みついていたのは嫉妬心だったのか。今更「私たち付き合ってるの?」には雪弥さんびっくりのニブチン香乃。シリーズ完結。

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    2018年09月06日
  • 鎌倉香房メモリーズ2

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    ネタバレ

    1タマ子さんのようなことは戦後たくさんあったのだろう。平和の有難さ。2三春さんの実家、美春さんの過去の話。子供が壊しても大人が壊しても元に戻らないのは一緒、おっしゃる通り。イツキさんはどうなったのかな。3雪弥の叔父が登場。雪弥は彼の影響を多分に受けているなぁ。なんだかんだ言って数馬は雪弥の味方。4宮大工貞臣さんと娘茅子さんの切ない話。似た者同士の親子。

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    2018年09月02日
  • 鎌倉香房メモリーズ4

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    ネタバレ

    前巻最後の事件により香月香房から姿を消した雪弥。雪弥の隠された事情を知った香乃。雪弥の親族は優秀だけど不器用な人ばかり。上の叔父さんとも分かり合えるといいんだけど。和馬さんとみずきさんのコンビもいいなぁ。住職はすべてを知っているうえでふみ先生と一緒になったのね。お友達にしたことは許されないけど、それと彼女の死は関係ないと受け入れる日は来るのかな。香乃の家族も香凜がいい味出してるなぁ。

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    2018年09月02日
  • 鎌倉香房メモリーズ

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    鎌倉校外学習に行く中2のために、「ビブリア古書堂の事件手帖」に続く読みやすい鎌倉が舞台の小説を探して辿り着く。
    主人公香乃には、人の心の内を香りで感じとる特殊能力があり、その為に家族ともうまくいかず、鎌倉でお香を取り扱う店を取り仕切る祖母と暮らす。
    そこでアルバイトをする大学生雪弥に密かに思いを寄せるのだが、特殊能力のため、何かと事件に巻き込まれて、その雪弥と共に奔走する。
    読みやすく、鎌倉エリアのこともそこそこ出てくる。もどかしい感じが少女マンガのようで、男子には向かないかもしれない。2017

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    2018年08月12日
  • 鎌倉香房メモリーズ5

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    最終巻なの?表紙の通り二人の仲もいい感じになって良かった。相変わらず高橋君や和馬との会話のテンポが抜群で楽しかった~。

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    2018年05月20日
  • 室町繚乱 義満と世阿弥と吉野の姫君

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    面白かった。個人的には、殆どの登場人物の矜恃が描かれていたこともあるし、主人公の兄についてももっと描写が欲しかったかも。

    鬼夜叉(世阿弥)のことばは至言。
    「生きることが苦しくて、かなしくて、それでも愛しくて、大切で、そんな心をどうにか伝えたいと思うから詞にして、謡って、どうしても言葉にならない心を舞うんだ」(p226)

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    2018年05月13日
  • 鎌倉香房メモリーズ

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    鎌倉の香坊の孫娘、香乃。高2なのに中学生と見られるほど小柄。だが人の心を嗅ぎとる能力があり、そのために悩んでいた。バイトの雪弥と二人で色々な問題に巻き込まれていく。気弱だけど頑固な主人公。少女漫画みたいなお話です。

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    2018年04月14日
  • 鎌倉香房メモリーズ

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    「香り」で謎解き、というのが面白い。
    鎌倉を舞台に、香りに鋭敏な少女が身近な謎に関わっていくシリーズ、1作目です。

    高校生の咲楽香乃は、香り専門店『花月香房』の店主の孫で、土日は店にも出ています。
    香乃には、香りで人の感情を感じとる不思議な能力があるのですが、そのためにいろいろあって親元を離れ、祖母と暮らしていました。
    大学生の雪弥は、土日はバイトに来ている大学生。
    二人は子供の頃からの付き合いで、香乃の想いは伝えられないまま、静かに時を育んでいます。

    店に来た人のために尽力していると、特殊な能力を生かすことが出来る場合もあります。
    感情がわかるだけで、すべてが見えるわけではないのですが。

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    2018年03月20日
  • 室町繚乱 義満と世阿弥と吉野の姫君

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    うーん、とても良かったし楽しめたのだけどちょっと評価に迷うなぁ。
    著者の前作のシリーズが良かったので読んでみた。
    ラノベっぽいから読みやすいというのもあり、すいすいと読み進められるけど、ところどころわかりにくく微妙だった。
    透子がいかにも宮様で、世間知らずな皇女さまという設定や義満の他の登場人物の設定も細やかで良かった。
    前半とても良かったのに、単体で終わってしまうせいか後半がやけに尻つぼみでちょっと残念だったなぁ。

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    2018年03月09日
  • 鎌倉香房メモリーズ2

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    前回より少し落ち着いた、じんとする話が多かったかな。雪弥の叔父さんが出てきた辺りはなんだか、騒がしかったけど…
    ますます香りに興味が湧いてきた。印香とか買ってみようかなぁ。

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    2018年02月14日
  • 鎌倉香房メモリーズ5

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    シリーズ最終巻。
    和馬推しです。和馬で番外編をお願いします。
    ゆるゆると読めるシリーズでした。
    お香、買いに行こうかな。

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    2018年02月08日
  • 鎌倉香房メモリーズ4

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    やっぱり高橋さんがすき。高橋さんが雪弥さんの友達で良かったなあと心から思います!雪弥さんの周りにはたくさんの友人や家族がいるし自分は孤独だと思っていても知らないところで多くのひとが居てくれるんだなあと心があったかくなりました。
    間違いは誰にだってあるからそのせいで未来を狭めるんじゃなくて、その間違いをどう受け止めて生きていくかの方が大事、みたいな台詞が心に残りました。

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    2018年01月03日
  • 鎌倉香房メモリーズ3

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    高橋さんの話が本当に良かった!いつもにこにこ笑っているけどその裏にはいろんな事情を抱えていて、でも周りの家族や友達がいたから笑ってられるんだと思いました。それと同時に雪弥さんが高橋さんのことを誤解というか、こういう人だと知らず知らずのうちに決めつけてしまっていたことで受けるショックも大きかったんだろうなと思います。それでも雪弥さんが高橋さんの友人でいたことは大きかったと思います。いつも笑っていられる人は強い人。
    それと文化祭の染師の方の話がぐっときました。花はまだ咲かなくても茎にはその色が詰まっていることは初めて知ったし、希望ある言葉だと思います。

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    2017年12月18日
  • 鎌倉香房メモリーズ2

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    雪弥さん兄がすごくインパクト強かった…!完璧でクールに見える雪弥さんだけど、いろいろな事情があったり弱い部分もあるんだなあとちょっとせつなくなりました。そんな部分を香乃ちゃんが無意識に救ってあげてるんだろうなあと思います。それと同時に高橋くんが雪弥さんの友達で良かったなあと!高橋くんの人懐っこさと明るさがすきです。

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    2017年12月11日