司馬遼太郎のレビュー一覧

  • 司馬遼太郎短篇全集 第十二巻

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    「重庵の転々」収録

    「秩序の安定期に幸福な日常をおくろうとすれな、事なかれの処世以外にない。」

    「最大の不幸は有能にうまれつくことであった。
    有能であれば、その能力の表現をもとめて新規のことをおこそうとし、おこせばかならず秩序の埒(らち)をふみこえることになり、結局は身をやぶるもとになる。」

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    2013年03月09日
  • 胡蝶の夢(四)

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    幕末の身分制の崩壊を蘭方医学の側面から描いているのが面白かった。
    どうしてもっと早く読まなかったんだろう、と後悔するくらい私の中でベストに入る司馬遼太郎の名作になった。
    この作品を読んで改めて思ったのは、幕末小説の面白さは「封建制度、身分制度の崩壊」ってところだな、ということ。
    幕末テーマはやめられんわ、しばらく。

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    2013年03月04日
  • 新装版 歳月(下)

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    下巻は江藤VS大久保の様相を呈してくる。
    江藤は征韓論を軸に明治政府の転覆を狙うが、欧州帰りの大久保に阻まれる。この、明治政府の二大頭脳が凄まじい戦いを展開する・・・というより、大久保があまりにも老獪で、江藤がだんだん可哀想になってくる。江藤は正義や論理、法律を何よりも重視し、正義は勝つのだと純粋に信じていたようだ。しかし大久保は正義を曲げても、非情な手段を取ってでも自分の信念を通す男だった。その大久保の前では江藤は子供のようであり、下野し佐賀の乱を起こし戦いに敗れる。
    僕がこの小説ですごいと思ったのは、江藤が佐賀の乱で敗れ鹿児島や高知に逃げていた時も、正義を通す男としての誇りを失わなかった事

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    2013年02月13日
  • 新装版 箱根の坂(下)

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     日本史で北条早雲の名前は知ってはいたが、それ以上はいったいどういう人物なのかまったく知らなかったので興味深く読むことができた。
     北条早雲はその前半生に関して資料が少なく、どうやら本書でも伊勢新九郎と名乗っていた北条早雲の前半生はこうであったろうという司馬遼太郎氏の創作になっているようである。
     本書を読んで、北条早雲は中年以降になってやっと歴史に登場してきた大器晩成型の人物だということがわかった。婚姻も遅い。城持ちとなっても驕ることがなかったことや、これまでにないほど租税を減免し領国経営に手腕を発揮したことなどその先駆性に驚かされた。
     そのため、日本史上最初の戦国大名と呼べる人物が北条早

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    2013年02月10日
  • 義経(上)

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    大河ドラマの平清盛を見終わった後だし、登場人物を頭に思い浮かべながら読めてよかった。鞍馬にいる時は辛かったんだな。

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    2013年02月10日
  • 翔ぶが如く(十)

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    木戸孝允病死、西郷隆盛戦死、大久保利通暗殺…維新の志士3人が時を同じくして逝去。武士の時代の鬱積されたエネルギーを西南戦争という日本の歴史上最大の内戦で終わらすことで、日本はようやく明治という近代を迎えることとなります。全十巻完。

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    2013年02月09日
  • 胡蝶の夢(四)

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     最終巻で荘子の胡蝶の夢が出てくる。日本画三山の一人加山又造のカバー絵と内容の取り合わせが、とても贅沢に思う。
     明治に入ってからは良順ら蘭学が古いものに変り、常に社会からは浮いてしまっていた伊之助は縛られることなく、アメリカからドイツにと医学の翻訳言語を変えていく。
     大きな時代の変化のなかで、ただ舞うしかない蝶。舞って後世の人の目に留まるだけでも私は凄いと思う。 
     エタ、非人が江戸時代無税だったことや、大名並みの非人がいたこと、良順の努力で平民になったことをしった。前巻に続き江川太郎左衛門と江原素六、もっと調べたくなった。

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    2013年02月03日
  • 胡蝶の夢(三)

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     本筋から離れるが、良順つかえる将軍一橋慶喜は、無能な人物と思っていたが、朝廷、薩長との駆け引き、さらには腹を据えた人が垣間見られ、もっともっと知りたい人物となった。関寛斉もそう。
     他国の価値観が蘭学を通じて入り、今までの階級や社会制度の崩壊。興味深いのが良順の父、佐藤泰然。実子をすべて養子にし、順天堂は弟子に継がしている。晩年は横浜でさらに新しく渡来する事物を吸収しようとするような親の影響は計り知れなかったと思う。

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    2013年02月03日
  • 新装版 俄 浪華遊侠伝(下)

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    自分の命を粗末にする主人公に次々とやってくる難解なミッション。今度こそ死ぬんじゃないかと心配でたまらない。読んでいる自分が本の残ページの厚みに命の安心を求めてしまうという・・・こんなことは初めてだw

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    2013年01月20日
  • 胡蝶の夢(二)

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    一巻に続き、面白すぎてやめられません。
    伊之助という今でいうコミュ障の若者を、身分制度の中の異物、いや、現代にあっても異物でしかない若者を、いろんな人の目線で描いてるのが面白い。
    本題とは離れるけど、読書のいいところは、伊之助みたいに極端な人物だけでなく、いろんな個性のある人たちを自分が想像してなかった目線や角度で描かれるのを読めるところなんだろうなと。
    伊之助の存在がこの小説のこれからの展開にどう影響してくるのか、三巻が楽しみですじゃ。

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    2013年01月14日
  • 胡蝶の夢(二)

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     オランダの医師ボンベから見た日本が、当時の日本を多角的に見せてくれている。写生ずきな日本人の指摘を後に、カメラぶら下げて歩くところまで司馬さんらしい観察眼を加えているあたり、楽しい。ボンベが賭けた大仕事の階級性を取っ払った病院建設が、明治から進む開明の奔りになったり事は忘れがちだった。当時の世界情勢の中で、オランダは影を薄めていくが、江戸期においていかに大切な国であったかも改めて思う。良順そして語学の天才的な伊之助が、どうなっていくのか・・・
     当時流行していて伊之助がかぶった韮山笠を検索してしまうほど、読んでいてあれこれ知識が放り込まれてくる。

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    2013年01月14日
  • 豊臣家の人々 新装版

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    ネタバレ

    教科書ではわからないことが詳しく書かれていて面白かった。
    それにしても政権を徳川に取られるのが自分の養子や妻、側室のせいだとは・・・人を大事にしないといつかは痛い目に合うということね。

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    2013年01月10日
  • 胡蝶の夢(一)

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     奥医師良順と弟子の伊之助。江戸幕府が揺るぎなく続いた形ばかりの上下関係、それに波風たてまいとほどほどに身を置く良順と、才能ありながらも商人、武士といった身分になんの縛り、というより社会のルールを解さない伊之助。この二人を通して、社会制度などが実感できる。周囲に不快な気にさせつ伊之助を庇う良順の人柄に惹かれる。幕末の怱怱たる志士たちの名が時折現れ、江川太郎左衛門が何度とも出来てきて、感激です。 司馬遼太郎さんの豊富な知識、ご本人は本当はもっと作品のなかに投げ込みたいところを、寄り道にならない程度に抑えながら解説しているあたり、とても楽しい。

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    2013年01月06日
  • 胡蝶の夢(一)

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    あっという間に一巻読んでしまった。直前まで読んでいた高村薫の本の10倍の速さで。とにかく面白い。どんどん司馬遼太郎の世界に没入。さ、二巻目に突入♪

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    2013年01月05日
  • 故郷忘じがたく候

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    ネタバレ

    久しぶりに面白く読んだ本。
    今も過去とつながる陶工の話はおもしろい。
    伝統工芸やArts & Craftの観点ではなく、著者との出会いから始まるというのがいい。
    そしてそれは歴史であり他国で民族をまもった一族の生き方であった。


    そして短編2作目は空回りして解決方法を1つしか知らず、それしか信じられない男のはなし。
    3作目は細川ガラシャ夫人の話。
    歴史物は著者の観点により話が違って見えたりすることもあり、
    それがとても面白い。
    そこが歴史で人物を見ることの面白さだとおもう。

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    2013年01月02日
  • 殉死

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    司馬さんは乃木さんの事を冷めた視点で辛口で綴っていたけど、乃木希典という人はやはり凄い人物に思えた。
    自決当日の写真は、衝撃的。
    薄い本だけど、とっても中身の濃い一冊。

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    2012年12月06日
  • 花神(中)

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    ネタバレ

    大村益次郎の物語。

    中巻は、長州の雇士から、桂小五郎の強い推薦により長州軍務大臣となり、第2次長州征伐で大村氏自ら指揮をとり、ことごとく勝つところまで。

    大村氏が時代に必要とされ表舞台に出るまで、長州の狂騒とその維新における役割など、面白い。

    特に士農工商の封建社会の崩壊が、システムではなく、ソフトの面で、しかも思想が世に出たのち、遍く社会に浸透していく長州藩の様子、それを日本社会から見たときの歴史上担う役割が興味深い。
    革命とはこのように起こるのだな、と。

    戦闘部分は、戦争とはこういうものか、となるほどと思いながら読んだ。大村氏の言う戦略と戦術の違い、いかに少数で長州が幕軍に勝ってい

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    2012年11月28日
  • 新装版 俄 浪華遊侠伝(下)

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    浪華遊侠伝 幕末から大正を生き抜いた大侠客、明石家万吉(小林佐兵衛)の生涯。銭取屋、どつかれ屋、市中警備、賭博元締、相場妨害、幕軍傭兵、相場師、消防、病院、養老院、少年院、選挙妨害、実社会との接点は様々な形知変わるが、一貫した狭義心と、人社会の底辺に、それでも何物にも囚われずに独り立ちすると言う徹底した覚悟で、幕末から維新の激動の時代を生き抜いた人。生き様が侠客という言葉そのものの定義。

    後の完成された作品に多い武士の視点とは異なり、一般市井の底から幕末維新を眺める事で、同時代がより立体的に浮か上がる。蛤御門の変、鳥羽伏見の戦い、新政府による旧幕時代権威の粛清、堺でのフランス人打ち払い事件と

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    2012年11月23日
  • 歴史と視点―私の雑記帖―

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    司馬遼太郎による表に出てこなかった歴史の数々を彼独自の視点で描く。なにより、彼自身が所属した戦車第十九連隊のことを描く「戦車・この憂鬱な乗物」は興味深く、実体のない戦略や兵站を直視せず、空気の支配による幻想を作り上げた日本陸軍についての考察は、今の僕らの活動にも非常に参考になった。気合いとマネジメント。このどちらも必要である。

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    2012年11月11日
  • 新装版 戦雲の夢

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    長曾我部盛親の物語です。平凡な気質の好人物が、長曾我部の世子としてのあるべき姿に逡巡し、ついには天に己のうつわを賭けようと決意する過程が描かれます。大阪夏の陣で見せる藤堂高虎戦での采配は、今や敵味方となった旧臣下の見守る中で輝きを見せていきます。盛親の高笑いとともに清々しい余韻を残すすばらしい作品ですね。

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    2012年10月28日