楠木建のレビュー一覧
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この著者の本は全般的に好きなように生きなさいと言われている感じがして、読んでて心地よい。実は、身も蓋もない結構厳しいことを言ってたりもするのだけども。
この人の好き嫌いが大事と言う本は前も読んだことがあるのだが、この本は、ビジネスを中心にスポーツ、学問、芸術の各分野で有名な方々への、好き嫌いと生き方をテーマにしたインタビューの形式をとっていて、非常に読みやすかった。
好き嫌いや考え方はもちろん人それぞれだけど、
著者の質問による誘導で、それぞれの人の芯にある軸みたいなものがあぶり出され、そして多くの場合それは好き嫌いに基づいていたりするので面白い。
物事ってもっと好き嫌いで決めていって良いんだ。
という主張はどこまで出来るかは自問自答しつつ。
色々と勇気づけられる。
人の評価や選考は好き嫌いで決める。
と言い切る経営者やマネージャーの話はなかなか目からウロコ。でも人間そういう人の方が信頼できるよね。
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Posted by ブクログ
まず、日経ビジネス(だけでなくビジネス誌全般)が産業界に対して仕掛けて来た「トラップ」を切り口とした平成史として読めば、この上なく面白い読み物である。それらを著者は「飛び道具トラップ」(主にIT戦略)、「激動期トラップ」(”今は激動期だ”という尽きない煽り)、「遠近歪曲トラップ」(シリコンバレーや海外はなんでもよく見える)にカテゴライズし、実例と当時の記事画像も使ってストーリー見事に語り掛ける。
トラップというからには、ここに載っているビジネス誌がやってきたことはほとんど悪事ということになる。日本のサラリーマンは先進国比較において読書量が非常に少ない(それは大学生もしかり)と言われるが、そこを穴埋めしているのはだいたいがビジネス誌で(私の知る限り”できる”先輩はビジネス誌をほとんど読まないか、読んでも眉に唾をつけながら読んでいる)、大方の経営も人事も営業も、いつの時代もキラーワードに乗せら続けて来た。読書不足に加えて日本人は英語ができないという最大の弱みに漬け込み、海外からの翻訳ネタを輸入しつつ、日本産業界への煽りという味付けをして、「同時代性」を生成し、数々のサプライヤーと共に企業とサラリーマンを食い物にしてきたのだ。(…言い過ぎた。著者はそこまでは言っていない)。ビジネス誌だからダメで日経新聞だから良いというわけでもない。(私が知る限り”できない”本部長クラスのバイブルは日経新聞であった「日経新聞が言うことはすべて正しい」)。
ただ一方で別の読み方もできる。特に企業がIT黎明期から今に至るまで”漬け込まれ”続けて来た「飛び道具トラップ」であるが、SIS、ERP、ブームに乗り遅れまいと莫大な時間とコストの投資をしながらも、結局成功した企業は一部であると著者は説くが、長期的視点でみれば、それらの「無駄」は、サラリーマン人類の進化の過程で避けて通れない無駄(つまり長い目で見れば無駄ではない)であったという考え方もできないか。ITという手段が目的化していた2000年代初頭、そもそもITを道具として使いこなせる人はほとんどいなかった。ITがなんだか、パソコンが何をしてくれるか、ヒトにとってシステムとは何かということが、我々は、そもそも分からなかったのだ。しかし「トラップにかかり」、莫大なコストと時間を投じた経験学習を経て、ITの要件定義が人の業務そのものを定義するという(アフォーダンス的な)必要なことに経営者から担当者レベル、ユーザレベルまで広く気づき学び、今や多くの企業はITが経営や業務の中軸に置き換わり、20年軸で振り返るなら、IT革命は多くの企業の生産性と成長に貢献してきたというのは疑う余地もない。トラップに乗せられやすい(著者曰く、情報感度が高く、考えが浅く、せっかちで、行き詰っている)人は、企業のIT化を結果的には牽引してきたと思うのだ。思うに、乗せられやすい経営者と慎重で優秀な周囲のブレーンという組み合わせは最善だ。(あ、それはうちの会社か)。
確かにサイゼリヤのように、トラップに敢えてかからず、電子マネーのブームと一線を引き、様子見を貫く姿勢もありである。(いっぽうでミラノ風ドリアとコーヒー一杯の昼食をさっと済ませて、店を早く出たいのにレジ前で客に小銭をジャラジャラ出させることは最善のサービスか)。
サイゼリヤの賢さは、土用丑の日にウナギを食うのは愚か者(ウナギが最も痩せてて値段だけ高い・売れない日のマーケティング戦術だという持論から…江戸時代に平賀源内先生が仕掛けたトラップらしいが)という、うちの亡父の教訓のレベルぐらいの話かもしれない。ただ亡母は、「親父が何と言おうが、みんながウナギを食べている丑の日に食べるウナギはうまい」と子供たちをこっそりにうなぎ屋に連れて行ってくれたものだった。丑の日に食べるウナギは確かに旨かったし、スタミナが付いたのだ。 -
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痛快で小気味良い書評。著書に共通するキーワードを他の著作でもひたすら繰り返す。
でも、なんか読んでしまう。
口癖は経営センス云々、抽象と具体の往復運動、因果論理の束、ストーリー、ことほど左様に、ありていに言えば、など。
特に柳井正氏の、当たり前ですけど、当然ですけど。を気に入ってか頻発するあたりはもはやオヤジギャグ的。
特に、最終章のおっさんの食の嗜好や服の着回しの下りなど、普通は読んで何の役にも立たないし気色悪ささえ覚えるはずなのだが。
このおっさんの小気味良さそうなパーソナリティに触れているうちに、まあいいかと思えてくる。これこそ筆者のいう文脈とストーリーなのかな。
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Posted by ブクログ
一貫して楠木節must「良し悪し」→want「好き嫌い」
幼く見える好き嫌いを前面に、人間の本性に向き合う
文明より文化をより本質とする問題提起はルネサンス
1.経営者①三角形②矢印 本質論!
Position 位置エネルギー 地位 経歴 権威 管理
Action 運動エネルギー 行為 実績 リード
⇒「顧客に対する価値提供」企業・組織の本質
2.戦略の時間軸=ストーリー
施策の「順列」が重要
因果関係≠相関関係 ストーリー≠シナジー
一貫した論理
ex エベレスト登頂 VISION 戦略アプローチ 達成感
ウサギ跳び10周 思い付き 疲労感だけ
3.言語化 思考に必須 具体⇔抽象往復運動
4.ゲームよりストーリー プラスサム
5.経験>想像 百聞は一見に如かず
6.「入金があるかないか」決定的違い→ビジネス
7.プライドが邪魔 失敗を回避
8.破壊が先、創造は後 明治維新・敗戦
蓄えがあるとこれができない
9.統合→多様性 好き嫌いインクルージョン
10.社会の統治原理 ①伝統②王様③民主主義
資本主義→金融資本主義
社会主義へ[理念] -
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ネタバレ会社のパーパス策定にあたり、チームワークが課題であったために読んでみた。
非常に読みやすい上に、気づきが多い!
最強のチーム作りのためには、心理的安全性、弱さの開示、共通の目標という3つの要素で構成される
第三部の共通の目標の部分だけがパーパス関係しているところ(読み物としても面白い)
パーパスありきの話ではなく、強いチームを作ることをベースに書かれているので非常に理解しやすい。
強さの根源は、日々のちょっとした行動の積み重ね。なにも大それたことをしなくても良い。
信条をもっていれば意思決定が早くなり、間違いも少なくなる
ここが自分の行きたい場所、だと思わせる
理想を物語にして何度も繰り返し伝える
物語に触発されて、行動を引き起こし、理想が実現する
小さなシグナルを常に送り合う(p.327)
(p.344)実務に即した理想の態度やあり方を繰り返すことで日々の問題に適切に対処できるようになる。言葉で発することの重要性。
P.378優先順位をはっきりさせる
キャッチフレーズはシンプルでわかりやすく、行動志向であるべき -
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ネタバレ好きなようにしてください 2016/2/4
経営に法則はないけれども論理はある
2016年12月25日
楠木建氏による著作。
一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授。
1964年東京都目黒区生まれ。南アフリカ共和国ヨハネスブルグで子供時代を過ごす。
1987年一橋大学商学部卒業。1992年同大学院商学研究科博士課程単位修得退学。
一橋大学商学部専任講師、同助教授、一橋大学イノベーション研究センター助教授、
ボッコーニ大学ビジネススクール(ミラノ)客員教授、
一橋大学大学院国際企業戦略研究科助教授、准教授を経て、2010年より現職。
ストーリーとしての競争戦略が最も有名であろう。
本作はnewspicksでの連載(キャリア相談)をまとめたものである。
一見分厚い本になっているけれども意外にすいすい読める感じである。
基本は全て「好きなようにして下さい」としかコメントしていない。
しかしなかなかどうして・・参考になる文章を引用してみたい。
人生はトレードオフ。
その本質は何をやらないかを決めること。
環境の選択は無意味。
最適な環境は存在しない。
趣味と仕事は違う。
自分以外の誰かの為にやるのが仕事。
繰り返し出て来るのだが、仕事と趣味を区分けすること。
他人からお金を貰う以上、決定的な差がそこにはある。
仕事の自己評価は意味がない。仕事を評価するのはあくまでお客さん(もしくは周り)
営業力はレジュメだけでは測れない総合芸術的な能力です。
仕事における総合格闘技、それが営業といってもいいでしょう。
日本だろうがアメリカだろうが人間社会であれば仲良しグループというものは必ず存在します。
ビジネスには儲けるという客観的な目標があります。派閥がどうあろうと商売がうまくいかないと会社としてはどうしようもありません。
好きなことをして下さい=嫌いなことをしないで下さい
自分が嫌なこと、イヤなことは若い人であってもわりと確信をもって認識できるのではないか。
部下の評価は上司の仕事の中核です。
部下を評価できての上司。
評価無くして育成なしです。
ビジネスで一番大切なのは人間に対する洞察。
人間を観察して私が最も感銘を受けたのは、首尾一貫性の欠如していることである。
首尾一貫している人など私は一度も見たことがない。同じ人間の中にとうてい相容れないような諸性質が共存していて、それにも拘らず、それらがもっともらしい調和を生み出している事実に私はいつも驚いてきた(サマセット・モーム)
人間は勢いで結婚するものです。
お互い見つめ合っている期間なんていうのはほんのわずか。
結婚に重要なことは3つしかない。
第一に我慢。
第二に忍耐。
第三に耐え忍ぶ心。(楠木建)
経営に法則はないけれども論理はある。
変わらない何かとしての論理が大切になる。
この数十年間、新聞紙上で激動期で無かった時代などない。
newspicksのコメントの読みすぎはしない。
変に意識だけが高いのは駄目。
実際の毎日のしごとは小さいことの積み重ねに他ならない。
ビジネス、商売である以上、本当に仕事が出来るということは、
商売丸ごと全部を動かして、稼いでこれられるということです。
稼いでくる奴が一番偉い。
一番頼りになる。
これが古今東西変わらないビジネスの現実。
稼げる人=商売まるごと全体を構想して動かせる人のことを意味している。
世界一は頑張りますと同義。
夢ではなく地に足のついた目標であるべき。
ジョブローテーションで足し算、引き算、そして掛け算。
掛け算をすればするほど視点が経営者のそれに近づいていきます。
担当がないのが経営。
あらゆることに手をつっこみ、あらゆる可能性をとらえて売上を上げるかコストを下げるか、その両方を行う。 -
Posted by ブクログ
普通の人がビジネスや日々の生活の中でオリジナリティを実践するために書かれた実用書。オリジナリティとは、天才と称される人たちからイメージする素晴らしいアイデアや突飛な発想が重要なのではなく、むしろ真っ当な物の見方を持って、現実に置かれる状況下で他の人ではできないことを実現していくにあたり必要な力とマインド、と理解した。
世界的に成功したと言われる人たちも、瞬発的な閃きで道を切り開いたというより、むしろ長い下積みを経て才能が開花したり、世に認められたケースの方が多い。組織の中で、信用を勝ち得ていない人が突飛なことを主張したら、既存の習慣を是とする人からつまはじきに合うし、実績を重ねた人が素晴らしいと思うアイデアに同調する人ばかりで周りを固めたら最終的には失敗する。読後に思い返すと、成功するために必要な要素としては当たり前かもしれないけど、著者の経験則や感覚ではなく、過去の実例や科学的アプローチを踏まえているので説得力がある。
多くの示唆と気づきがあるため、全てを血肉にするには繰り返し読むことが求められると思うけど、ますます専門性・特殊性を求められるビジネスの世界で生き抜くにあたり、それだけの価値が十分にあると思わされた一冊だった。
以下、参考になった点のメモ。
・「既存のもの」を疑いより良い選択をすること。
・「ブ・ジャ・デ」:既存のものを目の前にしながら、新たな視点でそれを見つめ、古い問題から新たな洞察を得ること。
※「デ・ジャ・ブ」の反対
・リスクを嫌い、アイデアの実現可能性に疑問を持った人の会社の方が存続する可能性が高い。
・上と下に向かって発言し、中間に訴えかける時間をできるだけ省くのが効率的。
・なんでもパイオニアになるのも考えもの。現に過去のビジネスでも後発企業の方が市場で優位に立つケースが散見。オリジナル≠先発者、=他より異なる、優れているということ。 -
Posted by ブクログ
・サブスクリプションとは昔から数ある課金形態の一つに過ぎない。新聞というメディアは情報を高頻度で継続的に提供するという美辞根うsの構造上、昔からサブスクリプションという形態が最適でした。PhotoshopやIllustratorも、ユーザーの業務にとって不可欠のツールであり、インフラなのでそう簡単に「卒業」できません。ユーザーにとっての価値が使用経験とともに増大することを意味しています
・競争戦略論:Operation ExcellenceとStrategic Positioningを明確に区別している。前者は他社に対して”Better”であるのに対して、後者は他社に対して”different”であることを意味しています。競合他社との違いを作るのが戦略であり、それは他社とdifferentな活動を選択することによって生まれる。他社よりもbetterであってもそれは戦略ではない
・稼ぐための戦略ストーリーをはっきりさせることが先決で、戦略の中に位置づけて初めてDXは意味を持つ。「目的→手段」の筋を通すことに経営の一義的な役割と責任がある
・物件価値はストーリー全体の論理的な文脈の中に置かなければ決してわからない。戦略にせよ経営にせよ、その本質は様々な打ち手が因果関係の論理でつながった「ストーリー」にあります。様々な打ち手がつながって、全体として長期利益に向かって無理なく動いていく、これが優れた戦略の条件です。
・サイゼリヤは家族や友人との「日常的かつ健康的な食事」を提供価値とするレストランチェーンです。一人でしーんとした静かなところで食べるのではなく、適度なざわつきのある中で手軽に食べて飲む楽しさを与えられるかどうかが勝負となります。したがってその価値を台無しにしてしまうようなデリバリーには手を出さない。これもまた、「戦略が先、施策は後」の好例です。
・要素がシステムに先行する:システムの会にある要素技術の開発が先に進み、上位システムの開発や整備は後からついていくのが現実です(車社会が実現したのも、馬車のために舗装された道路という要素が成り立っていたため)
・中国のデジタル化のように、破壊しなければいけない過去が希薄なほど「革命」は起こりやすい
・既存の手段によってすでに解決されてしまっている問題を解決するサービスは「押し売り」になりやすい
・シェア:所有権を利用権に転換し、それを時間的に分割し小口化する
・特定の技術や製品それ自体がたちまちに世の中を大きく変えるということはありません。それが置かれている文脈を考えれば、どこかにボトルネックがあります。インベンションとイノベーションの間には一定のタイムラグがあります
・行動経済学のプロスペクト理論が明らかにしたように、人間は自分に近く自分にかかわることについてはポジティブな側面よりもネガティブな面により強く反応するものです。近いものの粗が「見える」だけではなく、あらばかりを見ようとする
・日本は世界に先駆けて「高齢者の絶対数の増大が止まる国」でもある
・「日本的経営」という言葉はあれど、日米の実務家の行うことはさほど変わらないはずだ -
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独創的な人って特別な人だと思っていたけれど、そもそも人はみんな独創的なんだと。
なかでも一番驚いたのは、コンフォーミティという同調圧力的なものはどの国にも存在するのだということ。
日本特有と思っていたけれど、そんなことなくて、人間の特性なのだ。だからこそ、諦めずに上手に向き合ってオリジナリティを出していく方法があるのだろう。
以下に心に止まったことを箇条書きでメモしておく。
・独創性は質ではなく量が大事
・過度な独創性でなく、適度な独創性であること
・急がず先延ばしにすることもときには必要
・ソフトな過激派がうまくいく
・その独創性を出せる環境にあること
・独創性を育てるには、子どもも1人の人として尊重することが大切
・身近に独創性のお手本があれば視野が広がる可能性がある(架空の話でもいい)