楠木建のレビュー一覧
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ストーリーとしての競争戦略の著者の新書です。日経新聞広告をみて購入。一言で経営学に関するエッセイというところでしょうか。巻末に、ダイヤモンド社のオンラインサイト「ハーバード・ビジネス・レビュー」の連載の集約・編集の記載あり。
前書でも感じましたが、競争戦略論の専門家でありながらも、著者のセンス・主観を重んじる主張に頷きながら読み進めることができました。
最終章の「思考の論理」における、「抽象」と「具体」の往復運動と振れ幅の大きさとスピード感があるのが、「地アタマが良い」であるという主張に、大いに共感!
これからも素晴らしい研究にご期待したいです。 -
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著者は「すぐによく効く新しいスキル」をもとめている人が多いと書いてあるが
それは正しいと感じた。
人は皆失敗する事を恐れ、模本解答を求める。
そしてそれは社会人になってからも同様であらゆる物事をケースで対処しようとする。
その方が楽で安心だからだ。
だが、これから新しいイノベーションを起こすには非連続性の中から生み出さなければならない。
そのために自分は様々な企業の戦略(木)をしっかり読み取り、経営者の方々の経験談からヒントを見つけ活用できる棚を作っていきたい。
そのために日経新聞の「私の履歴書」の著者の書籍を月2回読み、纏める。
企業戦略はポーター賞を読み解き纏める。 -
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・ストーリーとしての競争戦略
・元祖テレビ屋大奮戦
・一勝九敗
・バカなとなるほど
模倣障壁
・日本の半導体40年
mentaltemperature
ソニーのトランジスタラジオ
・スパークする思考
・最終戦争論
・日本の経営をつくる
アーリーウィン
・おそめ
・HotPepperミラクルストーリー
・ストラテジストにさよならを
・レコーディングダイエット
・プロフェッショナルマネジャー
・成功はゴミ箱の中に
・映画はヤクザなり
・市場と企業組織
SECIモデル:流れを経営する
イノベーターのジレンマ
非合理の合理性
取引コスト(限定合理性、機会主義、複雑性、少数性、雰囲気、技術的分離可能性)
・生産システムの進化論
・日本永代蔵
・10宅論
・直球勝負の会社
・クアトロラガッツィ
・日本の喜劇人 -
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楠木教授が著名な経営者14名へインタビュー。その経営者が「好き」なことと「嫌い」なことに焦点を当てる。経営というと「良い」「悪い」に二分されそうだが、この書籍ではそれを省く。
面白いのは経営者Aが好きなことは、経営者Bは嫌いだったるすることが大いにあること。この対談から見えてきたことを著者は、経営者を動かすエンジンはインセンティブではなく、その人の中から湧き上がる動因、動因とはすなわち好き嫌い、と説く。
他社の方法を、好きでもないのになぞることは必ずしも正しくない。このことは会社組織ではなく個人にも当てはまると個人的には思う。「すべては『好き嫌い』で始まる」の一文は頷ける。 -
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ネタバレ○引用
「私は、可能な限り仕事本来の目的だけを考えようと努めました。それに、どんな小さな仕事であっても、純粋にその仕事の目的だけを考えて工夫すれば、達成感があり、とても楽しいということもわかりました。」
「川の流れに身を任せて淡々と生きているように見えて、江口さんのように素晴らしい見識と人格を持った人がこの世の中にはまだまだたくさんいる、ということだ」
「自己の芸風を確立するえでは、誰もが注目する成功事例の存在は時として障害となる。成功の巨大さゆえに、その背後にあるストーリーの時間的な奥行きを無視して、表面をなぞりたくなる誘惑に駆られる。見える部分だけ真似をすれば、自身の芸風に破綻をきたす。」
「人間の成熟は生活ルーティンの錬成にある」
「知識や対象そのものよりも、その背後にある論理にむしろ関心がある」
「世の中に生きている人間が織りなしているロジックみないなものを、追っていくのが好き」 -
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ネタバレ”リクルートという幻想(常見陽平)”の参考文献になっていたことから見つけた。最近プロフェッショナルをyoutubeで見ることが趣味であり、日常会話での言葉の言い回しにこそ、そのひとの個性が表れると考え興味を持った。
「まとめ」
コンプライアンスの重要性が叫ばれ、社会的に「良いか悪いか」で議論されることが多い中、経営者自身の「好き嫌い」に焦点を当てて個人の考え方の本質に迫っている。
個人的にハマったのはユニクロの柳井正さん。常に自分を斜め上45度から客観視しているイメージを持った。どのような仕事でも”なぜそれをする必要があるのか”という合理的な根拠があった上で動くことを大切にしている。仕事の成果=時間×集中力(生産性)で決まると本気で思い、それを体現するために行動するあたりが(それに対する批判があることも承知な上で)共感できる部分だった。
他、自分とタイプが違いながらも、興味深いと感じたのは(当時)ローソンの新浪剛史さんとオールアバウトの江幡哲也さん。
新浪さんは、体育会系の清々しい部分だけを切り取ったような人物。相手の事をリスペクトしつつ、(リスペクトしてるからこそ)上下関係なく言いたいことはいう。集団としてのビジョンを大声で言う一方で、一人一人まで気を使うザ体育会系リーダーという感じ。
江幡さんは、バランスの良さが印象に残った。自分で現場を見にいく事を大切にしながら、そこでの思考回路は”相手とのどの部分を抽出できるか”という抽象的な部分。どちらの思考回路も持っているからこそ、成功の再現性が保てるのではないかと感じた。
「感想」
・好き嫌いの軸でひとの話を聞くと、仕事内外含めて個人の特徴が滲み出てくることがわかりそれ自体興味深かった。確かに考えてみれば良し悪しというのは個人の所属している社会によって規定されてしまうため、良し悪しだけの判断では個人の付加価値は出ない。そういった意味で「良し悪しは文明、好き嫌いは文化」という表現はうまい表現だと感じた。
・痴がましい事を承知で書けば自分はこの15人の中では柳井さんの思考回路が最も自分に近いと感じた。自分の意思決定についてなぜという根拠を持って行動する合理主義者。世間の”なんとなく”ということに流されない挑戦のためのストイックな感覚(おそらく人から見ればずれていると思われる事もあるだろうが)ももっと研ぎ澄ませられる自信を持たなくては。
「学び」
・感想部分とは違い、学びが多かったのは江幡さん。顧客視点を持つことは組織内、クライアントとの関係共に大切だと感じる。自分の中で合理性が取れていればいい、というだけではなくそれを常に抽象化して置く意識である。これはイチローからも感じる「成功した要因を自分で説明できるようにする」ことで、自分の中での再現性、組織への再現性、クライアントとの関係の再現性を保ち次のステップに行くことができる。
今まで”常に生産性のある日々を”と将来の合理的な意思決定を大切にしていたが、これを”常に再現性のある日々を”とすることで、着実にステップのある日々を過ごしたい。 -
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「Punk IPA」、「Hardcore IPA」等、ロックマナーに照らした独自のクラフトビールで知られるBrewDogの創業者が語る独自の経営哲学。
Brewdogのビールが強烈に名前に残っているのは、アルコール16.5%の「Tokyo」を飲んだことがあったからである。それまで、「Punk IPA」や「Hardcore IPA」も好きで飲んでいたが、ビールの平均的なアルコール度数を軽く超えたこれを飲んだときに、クラフトビールの面白さを実感したものだった。
本書はUK伝統のパンクスのマナーに則るBrewdogの破天荒な経営哲学、マーケティング論、組織論、アカウンティング論等がまとめられており、どれもこれもその破天荒さが大変心地よい。大量生産の不味いビールを世にはびこらせた伝統的な大企業ブリュワリー、胡散臭い「モチベーター講演家」などが、又吉イエスの如く「魔女のように火あぶりにすべき」とターゲットに挙げられる。
そういえば、六本木にはBrewdogの直営バーがあるのに、まだ行ったことがなかった。早いうちに行ってみないと。 -
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刺激的な対談の本である。
一流の経営者(知らない人が多かったけど)に対して 好き嫌いを問う。
時代を騒がしている経営者も ゆったりと意見を言っている。
何方かと言えば 楠木健の 自分評価が ゆるゆる で だらだらで
机上の空論 をこね回している というポジショニングが
対談相手の エネルギッシュさを 浮き彫りにする。
良し悪しは文明、好き嫌いは文化である。
「良い悪い。正しい正しくない。」と言う範疇の論議ではなく
「好きか 嫌いか」を聞く。
これだけ 素直に 好き嫌いだけを といかけるのも
最初は 抵抗があったが、対談がすすむにつれて 快感になるのは不思議だ。
抵抗感が うまれるのは 人間くささ にあるのかもしれない。
嫌いなものは
「偉そうにする」「人との競争」「実質を伴わないもの」である。
大前研一の 実質を伴わないものと言う判断基準は 全てに及んでいる。
結婚式は 実質が伴わずといって断り
葬儀は 過去にふれると言って積極的に参加する。
94歳まで生きるというのが スケジュールでできているのが面白い。
まぁ。そうじて 偉そうにするのは 嫌いなようだ。
一方 好きなものは 多様である。
好きなものに 邁進できれば意味がある。
そう言う好きというものが 人生の中にあることは楽しいのだ。
「なんでも一番」「でかい商売」「雷と大雨とクライシス」
「嫌いなヤツに嫌われる」「小トルク高回転」「今に見てろよ」
「好きなことを最初に」「活字と歴史」「理系ギーク」
「図面を引く」「スキーと目標設定」
と 好きなものは いろいろあるなぁ。
蓼喰ふ虫も好き好き。というが やはり そう言うのがあるから
一生懸命がんばれるのだろうね。
好きであれば 集中でき 継続的となる。それが 結果を生み出す。 -
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本の紹介を通じて、
著者の考え方と紹介された本の考え方が
両方得られて、興味深くよんだ
しかも、文体が読みやすく
話を聞いているようにすらすら入ってきた
著者は、
知的活動を「抽象と具体の往復」
と考えているが、そう考えてこの本を
読むと、納得することが多々あった
特に、隈研吾さんの10宅論についての
書評がすばらしい
著者自身が、「抽象と具体の往復」を
しながら隈氏のすごさの本質を見抜いて
いるところが、特に印象に残った
柳井氏の「当然ですけど、当たり前ですけど」と、出口氏の「当たり前大作戦」も、
頭の良い人ほど、
シンプルな考え方をされていることが
よくわかり、興味深かった -
Posted by ブクログ
・誰でもいいので、まずは自分の周囲のひとでセンスがよさそうな人をよく見る。そして見破る。「見破る」というのは、その背後にある論理をつかむということだ。
→著者曰く、経営は「女にもてる」と同じようなセンスであり、それぞれの方法は個性的なものであって、資格のように学んで取得できるものではない。
多数の著書からその個性と論理を抽出していて、とても面白い。
―元祖テレビ屋大奮戦! 井原高忠
・ここにも彼の戦略家としてのスタンスがみてとれる。「自分が丸ごと全部を動かせるという感覚が戦略を構想するリーダーには不可欠だ。戦略家は常に「全体」の「綜合」をする人でなければならない。
・早くスタジオに入れと言われたタレントが、入ってみたら10分もぼーっと待たされているような状況がしばしばある。「今VTRの頭出しが流れています」とか、「あと何分です」という情報がリアルタイムでわかれば、そこにいる全員が自分がなにをすべきか分かる。小道具が、次に草履を揃えなきゃとか、刀を二本用意しとかなきゃ、といった具合に、それぞれの持ち場で判断して自律的に動ける。
戦略ストーリーとは全体の「動き」「流れ」についての構想である。分業は仕方ないにしても、戦略の実行局面では「分業しているけれども分断されていない状態」を保つ。ここにリーダーの本領がある。サブ・コンからトークバックを全開にして全員に指示を飛ばすというスタイルにはまことに味がある。理想的なリーダーの構えだ。
―一勝九敗 柳井正
・話が具体的な案件になると、具体のレベルで思考がひたすら横滑りする人が多いものだが、柳井さんにはそうしたことがない。どんなに具体的な問題であっても、柳井さんは必ず原理原則の抽象レベルにまで問題を引き上げ、ことの本質を突き詰める。そのうえでもう一度具体的な問題に降りてきて、意見や判断を述べる。急降下爆撃だ。
柳井さんの思考は目の前で起こっている具体的な物事と抽象的な原理原則の体系と常時いったりきたりしている。この具体と抽象の振幅の幅がとんでもなく大きい。振幅の頻度が高く、脳内往復のスピードがきわめて速い。
戦略ストーリーを構築する経営者の能力は、どれだけ大きな幅で、どれだけ高頻度で、どれだけ早いスピードで具体と抽象を行き来できるかで決まる。
・柳井さんの議論のスタイルを観察していると、口癖のように「当然ですけど」という言葉が頻発する。たとえば「われわれの商売は売場でお客様に商品を買ってもらわなければ何も始まらない。だから、つくることよりも売ることのほうが何倍も大切になる。当然ですけど」という調子である。場合によってはその後に「当たり前ですけど」と続いて念押しする。「商売は売場で完結しなければならない。あらゆる仕事が最高の売り場をつくるということに直結していなければならない。当然ですけど。当たり前ですけど」。
→一勝九敗は有名な著なのでどうかと思ったら、著者が柳井さんと一緒に仕事をした実例から切り取られていて新たな発見が多かった。特にその「23条の経営理念」はとても当たり前のことなのだが、「わかる人には万能薬、わからない人にはただの水」で、例えば第一条は「顧客の要望に応え、顧客を創造する経営」なのだが、柳井さんはこれについて何時間でも「つまりこういうことである」という具体論を話すことができるそうだ。
―『バカな』と『なるほど』 吉原英樹
・いつぞやも僕の仕事場にわざわざいらして、唐突に「キミはこういうところがダメだ。このまま行くとダメになる」と割と本質的な批判をして、すーっと帰ってしまった。
・馬車を何台つなげても、蒸気機関車にならない。―シュンペーター
―スパークする思考 内田和成
・内田さん自身は、常に20くらいの引き出しを持っているのだという。引き出しにはそれぞれのテーマがあり、テーマはときどき入れ替わる。20ある「脳内引き出し」にはそれぞれ見出しがついている。これが内田さんの「注意」のフィルターになっている。このフィルターをもって情報のなかに身をおいていると、引っかかる情報は自然と引っかかって引き出しに仕分けされる。引っかからない情報はさしあたって自分には意味のない情報だからどうでもいい。無視するに限る。
―最終戦争論 石原莞爾
・石原という人が面白いのは、何かを考えるときに、必ずそれが「何ではないか」を考えているということだ。
・もしも石原莞爾が失脚せず、戦争指導していたらどうなったのか。石原を失脚させた東条英機は、石原よりはるかに格下であり、「担当者」の器量しかない人物だった。冷徹なリアリズムと歴史から抽出された骨太のロジックを併せ持った石原であれば、あのタイミングでは開戦しなかっただろう。開戦を余儀なくされても、機をとらえてすぐに引いただろう。いずれにしても、多くの人が言っているように、東条が石原だったら、歴史は大きく変わっていたはずである。
ただし、それで彼の戦略ストーリーどおりに事が運び、予測したとおりに1970年ぐらいに世界最終戦争が起きていたら、それはそれで最悪ではある。
―『日本の経営』を創る 三枝匡
・経営人材は「育てられない」。だから「育つ」土壌を耕す。
―Hot Pepper ミラクルストーリー 平尾勇司
・ホットペッパーの本質は「特定の狭い地域に限定された消費情報を、今までにない形で流通させ、その地域の消費を喚起する」ことにあると定義された。ひいては「地元の消費を活性化し、地域を元気にする」。これがホットペッパーの目的となった。言葉としては素っ気ないが、「狭域情報ビジネス」は大義をとらえた志の高いコンセプトであった。
面白いことに、このコンセプトはそれまでのリクルートの「勝利の方程式」のことごとく逆をいくものだった。
・「綜合」というとすぐに「シナジー」とか「組み合わせ」という言葉が出てきがちだ。しかし、ストーリーという戦略思考の真髄は、組み合わせよりも「順列」にある。物事の時間的な順番に焦点を合わせるからこそ、因果論理が明確になり、戦略に「動き」が出てくる。「流れ」を持ったストーリーになる。
・僕がもっとも感銘を受けたのは、平尾さんが構想したストーリーがその実行にかかわる人々の気持ちに火をつけ、人々を実行に向けて自然とやる気にさせるものになっているということだ。
―映画はやくざなり 笠原和夫
・データを頭に叩き込むと、「コンセプト」と「テーマ」が一層リアリティを帯び、深みを増してくる。しかし、だからといって、調査や資料の読み込みがコンセプトづくりに先行してはならない。先にあるべきはあくまでも本質を荒括りにするコンセプトとテーマでなくてはならない。
僕が尊敬する経営者の一人に日本マクドナルドの原田泳幸さんがいる。原田さんがよく言う言葉に「リサーチから始まる戦略はモノにならない」というのがある。
・笠原は、「起・承・転・結」のそれぞれの区分のなかで、山場を「序・破・急」のリズムで刻んでいくことを心がけていた。
・この本の最後で「だからといって、骨法などに捉われて、自分の『切実なもの』を衰弱させてはならない」と笠原はクギを刺している。いちばん大切なのは「体の内側から盛り上がってくる熱気と、そして心の奥底に沈んでいる黒い錘りである」。
―市場と企業組織 O・E・ウィリアムソン
・経済取引のガバナンスには二つのメカニズムがある。一つが「市場」、もう一つが「組織」だ。だからタイトルが『市場と企業組織』になっている。市場の反対は組織で、組織の反対が市場だというのがウィリアムソンの考え方だ。
・「満足を呼び起こすような交換関係」といった「雰囲気」は、市場メカニズムでは十分に扱えない。「1リットルいくらで買います」といった具合に血液を必要なときに必要なだけ市場から吸い上げるシステムは理にかなっていないのである。
こうした「雰囲気」にまつわる議論は、本書の中では付随的にしかなされていない。しかし、ここでウィリアムソンがぼんやりとモデルの中に入れている「雰囲気」こそが、僕はこれからの組織のよりどころではないかと考えている。
…ようするに、「濃い組織でなければ、組織として存在する意味がない」というのが僕の仮説だ。なぜ市場がパワーを持つこの時代に「会社」をやっているのか。この問いに明確に答えられる組織でなければ市場メカニズムに侵食されて、会社としての存在理由を失ってしまう。
・初対面で人を判断できないのは底の浅い人間だけである。―オスカー・ワイルド -
Posted by ブクログ
コンビニなどの冷蔵ケースでよく見かける、エナジードリンク「レッドブル」を世界に広めたオーストリア人実業家、ディートリッヒ・マテシッツ氏のお話。
伝記的な内容を期待したが、本人とレッドブル社が頑なに取材を拒否しているため、特にプライベートな情報は少ししか掲載されていない。あまりにも表舞台に出るのを徹底して避けるため、マテシッツ氏が実在する事を疑っている社員もいるそうだ。
ユニリーバ社で営業を担当していたマテシッツ氏が、東南アジアで出会った栄養ドリンクに目をつけて、ヨーロッパで販売しようと独立したのがレッドブル社の始まりらしい。なぜ栄養ドリンクだったのかというと、その裏にはリポビタンDの存在があったという逸話が面白い。
レッドブル社は、レッドブル以外にも様々な商品やサービスを販売しているが、他の事業はあまりパッとしないようだ。多分レッドブルが爆発的に売れたのは、マーケティング力だけではなく色々な意味でタイミングが良かったのだと思う。あのドリンクから一番強く大きな翼を授かったのは、ディートリッヒ・マテシッツ自身なのかもしれない。
当事者が取材に協力してないためビジネス書としての評価は低目だが、スポーツ業界の話題などは結構詳しく紹介されており、読み物としてはまあまあ面白い方だと自分は思った。少なくとも読む前よりは、あの青い缶とCMが身近になったような気がする、一回も飲んだことないけどね