楠木建のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ「正解」よりも「自分解」――内田和成『リーダーの戦い方』
本書のメッセージを一言で言うと「人にはできることとできないことがある」――これには二重の意味があります。まずは「環境」と「打ち手」(戦略)との区別。ようするに自分の力でコントロールできることとコントロールできないことの線引きです。ここにその人のセンスが表れます。コントロールできないことをコントロールしようとする。逆に、コントロールできることを所与の動かせない条件だと思い込んでしまう。間違いの多くは、環境と戦略を混同することにあります。
本書の議論の中心は、もうひとつの「できることとできないこと」にあります。すなわち、その人の得意と不 -
Posted by ブクログ
ネタバレ過去の経済誌などを振り返りつつ、いかにバズワード化した言葉/概念が取り上げられてきたか、そしてそれらが現在どのように帰結しているのかを淡々と振り返った一冊。著者曰く、所謂バズワードに惑わされてしまう背景には、「飛び道具トラップ」「激動期トラップ」「遠近歪曲トラップ」の3種のトラップがあるとのこと。
経営コンサルとして働き、いかに言葉が曖昧に使われているか(DX、リーン、アジャイル・・・)を痛感している中で、この本の主張には納得感がある。一言で言ってしまうと、どれだけ新たな概念を提示しそれが世の中に流布しようとも、経営の本質を構築する太い論理には勝てない、ということなのだと思う。個人的に興味深か -
Posted by ブクログ
実業家との対話本で肩の力を抜いて読めるような内容。あなたの好き、嫌いは何、という切り口から、ビジネスとの本質的な関連性を探る。色んな人が色々言って、楠木建は恐らくは予めから持っていた結論にそれを結びつける。つまり、好き嫌いはモチベーション的に経営者に重要な観点だと。
感じた事を過剰書きして、考えてみる。おじさんでもおばさんでもそうだが、二人で「嫌い」な話で盛り上がるのは生理的に嫌な感じ。相手の「好き」を聞き出すのは逆に面白いが、それがビジネスに直結するという事は事例として多くないし、寧ろ、何かしらの「使命感」で動いていて、好き嫌いだけでは意思決定は出来ない。
人材も客も、嫌いだから避けると -
Posted by ブクログ
交渉の部分のみ。
——
交渉とは、騙し合いではなく、ダンスを踊ること。相手の動きに合わせて、自分も動く。
・他者の考え方を変えたい時、まずはオープンな姿勢を見せる
①自分の主張の問題点を認める
②相手の主張の一部を認める
・科学者のように真実に近づく
・相手の主張の最強部分を考察する。認める。合意点を認める。
・理由や根拠は、確信のある最強のものをひとつ。かつ、適度な謙虚さで述べる
①根拠が増えると猛攻だと受け取られる。圧が強すぎる。相手がガードに入る。
例 理由が一つだと寄付率が上がる。二つだと下がる。
②根拠が弱いものを突っ込まれる
・いづれ弱みや欠点を発見される。先に述べたほうが -
Posted by ブクログ
Think again つまり再思考とは、自分自身の考え方を再考することと、他人の考え方を再考させることである。
自分の考え方なんて簡単に再考できるよって思われるが、これが中々難しい。自信過剰でもいけないし、かと言って卑屈になってもいけない。自信に満ちた謙虚さが重要なんだ。そして、それは習得することができるものだ。その方法が解説されている。
他人の考えを変更させるのは、更に難しい。論理的に言い負かすのは逆効果である。真剣に相手の言うことを聞いて質問することが大事なのだ。合意枠を予想し、自分の論拠は抑え、反論することなく、質問するのだ。
そして、職場でも人生でも、今後1、2年で何を学びたいのか、 -
Posted by ブクログ
考えたことを考え直すのではなくて、考え直すという行為を考え直すのだという。
自分を振り返ると、かなり直感的に物事を決めるので、そこでまずあまり考えていない。そしてこうあって欲しいということがそうならなければ、諦めも早い、というより諦めることができずモヤモヤしているだけで、どうしてだろうはあまり考えない。
そして、たとえば読書にしても、読みなおすということをしない。読み終えたらすぐに次の本に行く。
まぁ、この本で言っているゴールを早くに決めないという考え方には少し共通するところがあるように思えるが、いかんせん、この本で言われていることの真逆をしてるのだろうな、自分はと思いながら読んでいた。
GI -
Posted by ブクログ
楠木建は別の著書で「読書は著者の論理を楽しむもの」と発言していて、妙に心に残った。恐らく自分もそうした読み方をしているからだろう。しかしそのためと言うか、楠木建の著書は、教授職でありながら、研究データに基づく解説や実験結果の引用は少ない。直観的かつ説得力のある論理を当てはめながら、持論を展開しているだけなのだ。それはとても自然体で、読書でインプットした論理展開を駆使して好きな事をやって飯を食うという感じだ。著者が言うように背伸びもせず。しかし、これで世の中悲観主義でいこう、つまり期待値下げていきまっしょいと言われても、自分はなんだ、特権階級の人じゃないかと。いや、私はこの脱力感が嫌いではないの
-
Posted by ブクログ
チームの文化は、メンバーが「誰」であるか決まるのではない。メンバーが「何」をするかで決まる。
・
メンバーの実力以上の結果が出せるチームもあれば、残念ながらメンバーの実力以下の結果しか出せないチームも存在する。
・
チーム力を醸成する文化は「安全な環境」「弱さの開示」「共通の目標」の3つのスキルに分類されるんだとか。
・
それぞれの意味するところとは何か?
なぜこの3つのスキルが最強のチーム作りに重要なのか?
他のメンバーへの浸透させるための具体的にはどのような行動をとるべきか?
・
“チーム作り“と一言で言っても、具体的な方法を理解していなかった自分にとって勉強になる一冊でした。