【before】この本を読む前の私は、これらのことを知りませんでした。
・「安全な環境・弱さの開示・共通の目標」の3つがチーム力を醸成する。
・強いチームを作るカギは、優秀なメンバーや、迅速な意思決定や実行ではない。
・成功したのはメンバーが優秀だったからではなく、安全な環境を提供したから。
・人間
...続きを読むはシグナルを出すコミュニケーション方法を無意識のうちに使っている。
・言葉以外に「帰属のシグナル」を送る。これは「集団内で安全な繋がりを構築するような態度」のこと。物理的な距離の近さ、アイコンタクト、相手と同じ動作、順番に話す、相手を気にかける、ボディランゲージ、声の高さ、価値観にブレがない、全てのメンバー間で会話がある、等。
・同じ内容を一貫して出し続けることが大切。
・偏桃体は関係性を敏感に感じ取る。帰属のシグナルはそこへ「危険の心配は無い」というメッセージを送り、脳を「繋がりモード」にシフトさせる。
・繋がりモードではメンバー(価値のある存在)を詳細に観察する。脳は「私たちは仲間・この場所は安全・私たちは運命共同体」と認識するようになる。
・Google の職場環境は「帰属のシグナル」で溢れている。お互いに近い距離で働き、誰もが安心して自分の仕事に没頭できる。
・繰り返し帰属のシグナルを送ることで「あなたはこのチームの一員、このチームは特別、あなたにはそのレベルに到達する力がある」というメッセージが浸透する。
・安心できる環境構築に必要なのは、兆候を見逃さない注意力と、正しい時に正しいシグナルを正しい相手に送る能力。1スキルなので、学習曲線に沿って上達する。
・人間の脳は新しい集団に入ると、即座に「繋がりを作るかどうか」を判断する。そのため成功しているチームは、最初の瞬間を特に大切にしている。
・短い言葉が矢継ぎ早に飛び交うコミュニケーション→「通知」気づいたことを相手に伝え、お互いの状況理解をより深めるのが目的。命令ではない。
・「自分には弱点があり助けが必要だ」これがチーム内で当然の態度になれば、不安や恐怖を忘れ、お互いに信頼し協力して働くことができる。
・反対にリーダーが弱さを隠すと、他のメンバーも同じようにする。
【スパゲティとマシュマロの話】
・幼稚園児は、無言で材料を掴むと何の計画や戦略もないまま組み立て始める。分析も経験の共有も質問も提案も、アイディアを洗練させることもない。
・大人は、ステータス・マネジメント状態(心理学用語)になる。チーム内での自分の立ち位置(ステータス)を探る。リーダーは誰? 他のメンバーのアイディアを批判しても大丈夫かな? この場のルールを解読しないと!等。
・余計なことを考え誠に非効率。目前の課題に集中せず、空気を読む方に意識が向く。立ち位置探しにフォーカスするあまり本当の問題へ頭が回らない。
・幼稚園児チームの勝因はメンバーが賢かったからではない。彼らは賢く協力した。
【大陸間弾道ミサイル発射担当チームの話】
・「失敗し続けるチームの原因は構成員の性質」と考えると、彼らは本質的に怠け者で利己的で人格に問題があるという結論になる。空軍トップもそう考えたからこそ厳しく指導することで問題を解決しようとした。
・視点を「帰属のシグナル」という切り口に変えてみる。人格や規律は関係ない。「私たちは繋がっているか、未来を共有しているか、ここは安全な場所か」にどう答えるか。
・冷戦の終わりに関わらず延々と繰り返されるテストや検査。小さなミスも大統領の発射命令に違反したような扱い。褒められることはなく、正しくやるのが当たり前、できなければ厳しい罰。間違いを認める、助けを求めることもできない。
・問題が起こると上層部は大騒ぎしてさらに厳しいテストと規律を課す。その結果、隊員の士気がますます下がり、さらにミスを繰り返す悪循環。
・帰属のシグナルが全く存在しない環境が出来上がった。繋がりもなく、明るい未来もなく、安心感もない。ミサイラーの問題は人格や規律が欠けていることではなく、繋がりを壊すような環境を作ってしまったことだ。
【ネイビーシールズの話】
・弱さを見せられるチームになる過程は筋トレに似ている。時間がかかり、繰り返しが必要で、痛みが伴う覚悟がいる。それにまず計画を立てることから始める。
・丸太(3m、100キロ)を6人で持ち上げ、運ぶ合間に腕立て伏せ、頭上に掲げ長時間立つ。丸太エクササイズは丸太を通し無言のコミュニケーションを行う。正しいタイミングで適切な力を出すため、メンバーの動向に気を配り息を合わせる。
・厳しい訓練はチームは強い絆で結ぶ。崖からぶら下がる、濡れて寒い経験など。
【ハロルドの話】
・ハロルドの出演者は、他の7人と一緒に40分の即興劇のシーンをその場で考える。
・ルールは、全ての出演者が脇役、衝動的に行動しない、自分が必要とされないシーンに絶対に出て行かない、常に共演者を助ける、作品は二の次だ。
・一番大切な役割は、共演者を助けることだ。そして共演者を信頼する。
・演技の良し悪しを評価しない。自分の助けが必要か、どう繋ぐかだけを考える。
・ハロルドは脳みそのワークアウトであり、その中で「弱さと協力」という要素を純粋な形で何度も経験する。コメディー版の丸太エクササイズだ。
【ハーバード式突発性学習能力予測テスト(全く無意味なテスト)の話】
・目標達成のメリットと障害を想像するテクニックは、心理対比と呼ばれる。
・理想の未来とネガティブな現実を思い描くと、心理的には両方に同時にアクセスできる。結果、実現を妨げるモノの正体もはっきり見ることができる。
・物語を聞くときの脳は、まるで夜のラスベガスのように明るく発光する。
・「この子達の能力は平凡」を「この子達は特別で、将来の成功が約束されている」という物語に置き換えると教師の態度に変化が起き、児童に送られる様々な小さなシグナルとなって結果的に児童の成績が上がった。
・物語の真偽は関係ない。「知性の発達において並外れた潜在能力を持っている」という物語が、教師のモチベーション・態度・気づきに変化を与えた。
1.暖かさ。教師はより優しく、丁寧に指導するようになる。
2.インプット。児童の学習効果を高めるために、より多くのことを教える。
3.応答機会。教師は児童により目をかけ、よく話を聞くようになる。
4.フィードバック。特に児童が間違えた時に、フィードバックの量が増える。
・特別な児童と接するたび、教師の脳内で「現在と未来をつなぐ回路」が活性化。
・児童の間違いを好意的に解釈し「教え方の問題」と丁寧にフィードバックした。
【低侵襲心臓手術 MICS 習得の話】
・チームの能力を測る基準として、学習の速さ、スキル向上曲線、幸福度を挙げる。
・16のチームは優秀なチームとそうでないチームに分かれた。
・メンバー同士で送り合うシグナルがそのような結果をもたらした。
1.違う考え方。学習の機会と捉え、習熟は患者と病院双方の利益と考える。
2.個人&チームのスキル向上、チームワークの重要性をリーダーが説明した。
3.細部まで準備、手順を説明し、重要事項の確認、綿密なリハーサルを行った。
4.全員に発言権があり、何か問題に気づいたら発言するよう促されている。
5.積極的にフィードバックを与えることで、常にコーチングを行っている。
6.ヘッドカメラを装着して手術を撮影し、映像を見ながら反省会を行った。
(経験・医師のステータス・組織のサポート、の項目がリストにないことに注意)
【ダニー・マイヤーの話】
・10回助けを求めたら、それはいい1日だ。しかし、誰にも助けを求めず全てを自分で抱え込もうとするなら…。
・全ての労働者は基本的にボランティアだ。一番大きな役割を果たす。
・問題解決のためにつながる時、エネルギーレベルは上がるか、下がるか。事業が成功しているなら彼らのエネルギーレベルは上がる。仕事の内容とは関係ない。
・行動で手本を示せばスタッフも見て学ぶと思った。しかしそのやり方は通用せず。
・2店に同時に居ることは不可能、であれば価値観を全スタッフに浸透させる。
・店の優先順位は、1同僚、2客、3コミュニティ、4取引先、5投資家。
・悪い交流の2例、相手にも仕事にも興味がなく、仕事だからやっているだけ。相手、または起きたことに対して怒っている。→背後にはもっと深い問題がある。
・一番大切な仕事は、お互いを思いやること。
・「好き」の種を「好き」の庭に蒔く。
・キャッチフレーズはヒューリスティクス(もしこうなったら、こう動くというシナリオ)の役割を、シンプルで覚えやすい言葉で表現したもの。
例「もし失礼な態度を取られたら、相手の事情を好意的に解釈する」
・状況を明確にする働きと、迷った時のガイドになる働きがある。
・成功への道は、正しく対処した失敗で舗装されている。
【ピクサーとシールズの話】
・ピクサー映画はどれも最初は駄作だが、ブレイントラストで理由を解明し傑作に変える方法を探る。シールズではアフターアクションレビュー、AAR 会議という。
・気まずい空気が流れ、あえて言いにくいことも口にする。難題に直面し、緊張感が高まる。しかしこれは偶然ではなく、あらかじめ起こるようにデザインされている。
・AAR がなければ、行動を客観的に評価、改善法を考えることもできない。
・シールズとピクサーは、気まずい瞬間を持つことをシステムとして確立させた。
【ピクサー(キャットマル)の話】
・ブレイントラストでは提案をしない。問題の指摘に留め、リーダーの権限を守る。
・創造性や革新性を目指すチームの進む道は、目的地がはっきりしない道なき道。
・最悪の初期バージョンは、創造には欠かせないプロセスだ。
・創造的なチームに必要なのは、正しい選択に到達できるようなシステム。
・彼らは、自分で失敗と成功の判断ができるようになる必要がある。
・チームの成功は、大抵は部屋の雰囲気で分かる。上手くいっていないチームでは、誰もが責任を逃れようとしているのが態度でわかる。
・ピクサーのキャッチフレーズは、どれも平凡で当たり前のことばかり。この違いこそが「安定のチーム」と「創造的なチーム」の違いになる。
・安定のチームは、目指しているものを全てのスタッフに徹底させる必要がある。
・創造的チームは、大切なものをメンバーが自分で見つけなければならない。
・ダニー・マイヤーが灯台なら、キャットマルは船の機関士、舵は握らない。船内を巡回しエンジンの調子を確認、ピストンを交換し油をさす(問題解決)。
・キャットマルはディズニーの映画制作過程に大鉈を振るい、幹部は創作に口出しできないようにした。創作面での決定権は全て監督にある。
・幹部の仕事は何かを決めることではなく、アイデアを形にするという苦しい作業を実際に行う監督とチームのサポートだ。
・ディズニーのスタッフはほぼ変わっていない。失敗作を作ったのと同じ人たち。
・創造的なチーム作りに必要なのは創造的な人たちをサポートすること。作品を彼らの手に戻し、創造という苦しい作業を協力して乗り切るシステムを確立する。
・創造的チームに目的意識を持たせるには、力関係に細心の注意を払い、自主性をはっきり定義し何があっても守り抜く。失敗を恐れない環境を作り、フィードバックを与え、チームの自主的な行動を盛大に祝う。
【インクドットの話】
・600社の幹部を対象に「会社の優先事項トップ3を知っている社員は、全体の何パーセントと思うか?」という質問をした。答えの平均は64%。
・同じ会社の従業員で優先事項トップ3を知っていたのは全体のわずか2%だった。
・これが普通だ。リーダーは得てして部下たちに「自分の気持ちは通じている」と考えがちだが、実は全く通じていない。つまりチームの優先順位をメンバーに知っておいてもらいたいなら、しつこいぐらい伝えなければならない。
【気づき】この本を読んで、これらについて気づきを得ました。
・人の能力には可変性があり、チームともなれば可変性は掛け算で増幅する。
・チームの目的は、それぞれが長所を発揮しお互いに不足する能力を補完すること。
・大切なのは、メンバーの誰もが分かる形で優先順位をはっきりさせること。
・メンバーとの交流を大切にし、独自の存在と尊重し、関係はこの先も続くというシグナルを出すと最終的に「あなたはここにいて安全だ」というメッセージになる。
・「自分のことを気にかけてくれる人」の存在はモチベーションを高め、課題を楽しむ度合いも格段に高くする。
・脳の一番の仕事は心配すること。→取り憑かれたように危険のシグナルを探す。
・人間にとって危険を察知するのは本能。察知すると扁桃体はストレスホルモンを放出、すると「生き残るためにはどうするか?」しか考えられなくなる。
・最初の交流で「ここは自分らしくいられる場所、ここの未来を作る過程に貢献できる」と感じてもらうことができれば、かなりの効果が期待できる。
・成功しているチームでは感謝の言葉がよく飛び交っている。大切なのは、感謝そのものではなく「私たちはチームだ」という確認行為。
・メンバーの誰かが弱さを見せるとチーム全体がリラックスした雰囲気になる。
・「このチームでは強がらなくてもいい」と安心でき、思いやり、助け合う。
・自分の力が増したような経験をした人は、他人への協力度が激減する。
・脳は常に周囲をスキャンし、そこにいる人が信頼できるかどうか判断している。
・本能的に弱さは隠そうとするが、科学は正反対のことをいう。協力関係を築きたいのであれば、弱さはリスクではなくむしろ無くてはならない要素。
・コミュニケーション術はダンスに通じるものがある。どちらも音楽を見つけ、パートナーをサポートし、リズムに従う。
・相手の話を本当に聞き、相手に全神経を集中させると関係が劇的に進展する。
・部屋の装飾や、繰り返されるキャッチフレーズやモットーがシグナルの役割を果たし、チーム全体が確固とした目的意識を共有するようになる。
・シグナルが本当に伝えるのは「この仕事とメンバーが大切」という言外の意味。
・成長したいなら、優先順位とそれを守るために必要な行動も言葉で表現する。
・成功しているチームが他と違うのは、失敗を生かして自分たちの目標や価値観をより明確にしていること。
【TODO】今後、これらを実行していこうと思います。
・人の話を熱心に聞き、遮らない。質問をたくさんする。ユーモアと笑いを織り交ぜる。ちょっとした礼儀や親切を忘れない(これらの実行に特段のスキルは必要ない)
・笑顔を心がける。パフォーマンスを低下させる人に対抗しようとしない。
・穏やかな態度で場の緊張を和らげ、その場にいる人々を安心させる。
・簡単な質問をして他の人の発言を促し、相手の答えを熱心に聞く。
・精神的な深い繋がりを生じさせ、会社に残る率が250%高くなる質問。「あなたはどんな時に一番幸せを感じますか?どんな仕事に一番やりがいを感じますか?海で溺れた時に、自分のどんなスキルを活用すれば助かるか?」
↑社員を個人として尊重、扁桃体(帰属意識)に訴え、共創する未来を想像させる。
・「あなたの話を聞いている」というシグナルを送る。
・相手に安心感を与えているかどうか、やり取りの間ずっとモニターする。変化や緊張を感じ取ったら、少し相手から離れて脅威を与えないようにする。
・悪い知らせを持ってきた使者を抱きしめ「知らせてくれてありがとう」と伝える。
・サンドイッチフィードバックを避け、正直で率直で謙虚な意見を伝える。
・ネガティブな内容は、相手との対話を重視する。まず相手がフィードバックを求めていることを確認し、次に問題点を「どうすれば改善できるか」話し合う。
・ポジティブな内容なら形式にこだわらず、とにかく分かりやすく徹底的に褒める。
・メンバーの長所や貢献を決して見逃さず、喜びと称賛を全身で表現する。
・通知、ノーティフィケーションを使用して不安や疑問をどんどん口にする。
・自分の限界を認め、メンバーの力がなければ目的を達成できないと深く理解する。
・「あなたには役割がある。あなたの力が必要だ」というメッセージを伝える。
・自分の行動の厳格な振り返りを習慣にする。→全体像が見えるようになる。
・自分の経験や失敗を話す。自分の行動の影響が分かり、チーム精神が育つ。
・全く違う分野の人々と交流し、お互いの分野に刺激を与え合う。
・相手の話をきちんと理解するために質問をする。
・自分の思考を完全に止め、相手の話と質問、そこからの展開に集中する。
・このまま行い続けて欲しいこと、今あまりしていないが多く実行して欲しいこと、部下の生産性を上げるためにできること、をそれぞれ1つ答えてもらう。
・チームワークの生成を偶然に任せない。メンバーに期待することを明確に伝える。
・相手が「ここは安全だ、私はサポートされている」と感じられる対応をする。
・助けたい、協力したいという姿勢を見せる。
・優しい質問で、相手の思い込みに気付いてもらう。
・提案を挟み、別の可能性に目を向けさせる。
・主役は自分ではない。簡単に解決できると思っても、何も提案せず黙っている。
・「率直さを目指し、残酷さを避ける」問題点だけを具体的に指摘し、相手の性格や人間性にまで話を広げない。欠点の指摘ではなく「解決策をプラスする」
・言葉は少なく、行動は多く。アイディオ
・本当に大切なことを計測する。
・大きな机を作りその周りに生徒全員と教師が座る。質問をし、さらに尋ねる。
・まず15分間で物語を書き、全員が自分の物語を朗読して、全員が感想を言う。
・まず良かったところを指摘し「こうすればもっと良くなる」という提案をする。
・チームのサポートに徹し、何も言わずグータッチで生徒を称える。
・空気のような存在になるまでキャッチフレーズを何度も繰り返す。