楠木建のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
普通の人がビジネスや日々の生活の中でオリジナリティを実践するために書かれた実用書。オリジナリティとは、天才と称される人たちからイメージする素晴らしいアイデアや突飛な発想が重要なのではなく、むしろ真っ当な物の見方を持って、現実に置かれる状況下で他の人ではできないことを実現していくにあたり必要な力とマインド、と理解した。
世界的に成功したと言われる人たちも、瞬発的な閃きで道を切り開いたというより、むしろ長い下積みを経て才能が開花したり、世に認められたケースの方が多い。組織の中で、信用を勝ち得ていない人が突飛なことを主張したら、既存の習慣を是とする人からつまはじきに合うし、実績を重ねた人が素晴らし -
Posted by ブクログ
・サブスクリプションとは昔から数ある課金形態の一つに過ぎない。新聞というメディアは情報を高頻度で継続的に提供するという美辞根うsの構造上、昔からサブスクリプションという形態が最適でした。PhotoshopやIllustratorも、ユーザーの業務にとって不可欠のツールであり、インフラなのでそう簡単に「卒業」できません。ユーザーにとっての価値が使用経験とともに増大することを意味しています
・競争戦略論:Operation ExcellenceとStrategic Positioningを明確に区別している。前者は他社に対して”Better”であるのに対して、後者は他社に対して”different -
Posted by ブクログ
独創的な人って特別な人だと思っていたけれど、そもそも人はみんな独創的なんだと。
なかでも一番驚いたのは、コンフォーミティという同調圧力的なものはどの国にも存在するのだということ。
日本特有と思っていたけれど、そんなことなくて、人間の特性なのだ。だからこそ、諦めずに上手に向き合ってオリジナリティを出していく方法があるのだろう。
以下に心に止まったことを箇条書きでメモしておく。
・独創性は質ではなく量が大事
・過度な独創性でなく、適度な独創性であること
・急がず先延ばしにすることもときには必要
・ソフトな過激派がうまくいく
・その独創性を出せる環境にあること
・独創性を育てるには、子どもも1人 -
Posted by ブクログ
「オリジナル」の概念を覆す書。
読前は、オリジナル=既存には無いアイデア、
オリジナルな人=既存のルールを壊す行動力の並外れた人のイメージがあった。
しかし本書には、眼鏡通販の「ワービー・パーカー」が、筆者に出資を求めてきた際、余りにも慎重過ぎて出資を断った事例など、
オリジナルな人=リスクマネジメントをし、二番煎じを恐れ無い、先延ばしグセのある慎重な人の多くの興味深い事例が載っています。
読後は、オリジナル=他とは違う、優位なもの視点で、自分もオリジナルな人になれるかもしれない!とこれからの時代を生きる上で希望を持てるようになれる書です。
また筆者は、組織心理学者であり、その知見からも自分の -
Posted by ブクログ
ネタバレタイムマシン経営 :未来を実現しているエリアの手法を持ってくる。
逆・タイムマシン経営:過去の新聞雑誌記事から浮き彫りになる本質
思考の型、センス、知的作法
バスワード:ステレオタイプ的な見方 同時代性の罠
本質の一義的な特徴はそう簡単には変わらない
サブスク 「卒業」できないインフラ的商品に向く 古くから存在
ERP、DX 手段の目的化
POS セブンイレブン1982年 SISブームとは別の世界初のマーケティングツール
戦略が先、ITは後。
事例文脈を理解。
抽象化し、論理で本質をつかむ。
優れた戦略は特殊解。一般解はない。
導入判断。ベネフィット、コスト -
Posted by ブクログ
厳しいが温かい、何度か読みたい、一冊。
かなり良かった。深いのかどうかはよくわからないが、バカかお前はと罵ってくれる本。嬉しい。
「好きなようにしていいんだ、悩んでるの馬鹿みたい」と感じる。仕事を辞めるか(あるいはいつ辞めるか)、自分の夢を追求するか、転職するか、大学を辞めるか、部下や上司とどう付き合うか、などのキャリアの悩みは、相談者自身が大体答えをもう持っている。それに対して自分の選択によってどんな「損」があるかわからないから怖がっているけど、本質的には戦争と疾病以外にそんなに怖いものはなく、また環境の平均的な特徴によって自分の本質に損得が関わってくることはまずないから、とにかく直感的に -
Posted by ブクログ
まずまず面白かった。
飛び道具トラップ、激動期トラップ、遠近歪曲トラップなど、人が時代のはやり言葉や空気に流され、「隣の芝生は青く見える」に陥るさまを具体例を交えて軽妙なタッチで鋭く指摘している。これらのトラップは、経営論にのみあてはまるものではなく、ほかの領域でも気をつけるべきことだと思う。
もっとも、著者自らも言っているように、本書の~トラップも飛び道具トラップとして疑いの目を向けることも必要だろう。また、最後は、少しだけ説教くさくなり、やや読み切るのに苦労した。
それでも、本書を読んで、コロナ禍で新しい生活様式がいたるところで求められている今こそ、正しいものを見定める目を養いたい -