【感想・ネタバレ】「好き嫌い」と経営のレビュー

あらすじ

企業の戦略ストーリーの創造は、経営者の直観やセンスに大きく依存している。その根底には、その人を内部から突き動かす「好き嫌い」がある。14人の経営者との「好き嫌い」についての対話を通じて、経営や戦略の淵源に迫る。登場する経営者:石黒不二代(ネットイヤーグループ)、江幡哲也(オールアバウト)、大前研一(ビジネスブレークスルー、経営コンサルタント)、佐山展生(インテグラル)、重松理(ユナイテッドアローズ)、出口治明(ライフネット生命保険)、永守重信(日本電産)、新浪剛史(ローソン)、原田泳幸(日本マクドナルド)、藤田晋(サイバーエージェント)、星野佳路(星野リゾート)、前澤友作(スタートトゥデイ)、松本大(マネックス)、柳井正(ファーストリテイリング)。巻末には著者自身へのインタビュー「なぜ、『好き嫌い』なのか?」を収録。

【主な内容】
01 永守重信 「何でも一番」が好き
02 柳井正 「デカい商売」が好き
03 原田泳幸 「雷と大雨とクライシス」が好き
04 新浪剛史 「嫌いなやつに嫌われる」のが好き
05 佐山展生 「偉そうにする」のが嫌い
06 松本大 「小トルク・高回転」が好き
07 藤田晋 「今に見てろよ!」が好き
08 重松理 「一番好きなことを最初にやる」のが好き
09 出口治明 「活字と歴史」が好き
10 石黒不二代 「理系のギーク」が好き
11 江幡哲也 「図面引き」が好き
12 前澤友作 「人との競争」が嫌い
13 星野佳路 「スキーと目標設定」が好き
14 大前研一 「実質を伴わないもの」が嫌い
15 楠木建 なぜ「好き嫌い」なのか?

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Posted by ブクログ

楠木さんが日々提唱している、「好き嫌い」について理解を深めることができた。
特に印象に残った点としては、良し悪しはユニバーサルなもので好き嫌いはその対極にあるというもの。
あと、市場は海、組織は島というのも。

やっぱり、楠木さんの考えには共感できる。
面白かった。

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2020年05月04日

Posted by ブクログ

楠木建にハマり出してここまで来た。そして今回著名な経営者たちの好き嫌いを抉り出すというコンセプトで対談集になっている。彼らの胸に響く言葉は以下に引用したが、その中でも出口治明の言葉に意表を突かれ、その深い言葉に感銘を受けた。
【原田泳幸】
複雑なことを簡単に理解させる。これで初めて相手が行動するわけです。常に簡単に考える。非常にシンプルに考える。
【佐山展生】
自分のことは人に相談をしないことですね。
自分のことは自分が一番わかっていますし、私はみんなが行かない道ばかりを歩んできていて、だから面白いのです。みんなと違う道を歩いてこそ誰も知らない発見や喜びがあるのです。みんなにそんなことできないでしょうと言われたことが、やってみたらできたりしますしね。
人生というのは自作自演のドラマ。自演というのは変えられないが、自作の部分、シナリオは自分で変えられます。人生が面白くないなら自分でシナリオを面白く作り替えればいい。
悩みは案外ちっぽけなものでしかないことがわかることや、また今ある世界がすべてではない。
結局人間は自分が一番自分のことをわかっている。自分が好きなことをやって力を発揮する。
【藤田晋】
本当に好きなことだったらパワーが出るし、好きじゃなかったら出ない。結局そういうところで自分自身が勝負する土俵が決まっていくのだろうと思う。
【出口治明】
一番つまらない生き方は何か。それは人生の目的のために一心不乱になること。川の流れのように自然に流れていくのが、一番素晴らしいですから。
楽しければいいと思います。僕は価値観の押しつけが一番嫌いなので。
みんな失敗するんだから、失敗しても何も怖くない。成功したら儲けもの、という認識がわかったら、気軽にチャレンジできるようになります。
仕事なんかどうでもいいと思っているんですよ。
人間にとって大事なのは、良いパートナーを見つけて楽しい生活を送ることで、仕事なんて価値がない。価値がないものだったら、何でそんなもののために上司にごまをするとか、人からどう思われるとか、そんなしょうもないことを考えるんだと。どうでもいいことだったら好きにやればいいじゃないか。思うとおりやって、チャレンジして、いやだったらチェンジすればいい。
仕事で落ち込んだり悩んだりしている人は、人生における仕事の位置づけが間違っている。
人間と人間が作る社会に対する洞察力が欠けている。
小説、飲み、遊び、世界旅行が大事で、仕事なんかどうでもいい。
【前澤友作】
反省して悪いところを改めるだけじゃなく、自分本来のスタイルや考え方まで変えてしまうと元も子もなくなる。
【楠木建】
仕事がきついかどうかなどということは、そもそも良し悪しというよりその人の好き嫌いで決まる。
向いてなかったら次行ってみよう!というのが正しい姿勢。

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2019年02月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

P143 強いものが嫌いだという人が挑戦の対象を選ぶ場合、往々にしてメジャーな方向に行かず、マイナーへマイナーへと行く人がいる。強者へのチャレンジというものがまるでない。自分の心地よい場所に引きこもる。アンチ巨人タイプの人は、単純にマイナー志向というか、世の中のメインストリームから意図的に外れていこうとする面がある。(楠木建)

P357 単純にスキルや良い悪いで人を採るだけでは強い組織にはならない。根底のところで好きなことがかぶっている人たちが自然に集まっている組織が強い会社。

P364 仕事がきつかどうかなどということは、そもそも良し悪しというよりその人の好き嫌いで決まる。(中略)世にいう「ブラック企業、ホワイト企業」は、良し悪しを基準にした話だが、「ピンク企業、ブルー企業」という好き嫌いの色分けのほうが大切。法律違反を別とすれば、ブラック企業だという批判は、そもそも好き嫌いのはずのピンク・ブルー企業問題をあまりにも安易に良し悪しのブラック・ホワイト問題にすり替えている。

P374 経営というのは、インセンティブ(誘因)でどうにかなるほど安直な仕事ではない。大切なのはドライブ(動員)であり、その根底にはその人の好き嫌いとしかいいようのないものが広がっている。経営は客観的な良し悪しだけではなく、好き嫌いが大切。(中略)経営というのは、自分の好き嫌いがわりとストレートに世に問える仕事で、それが商売の醍醐味。

     

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2016年05月05日

Posted by ブクログ

自分自身も好き嫌いにかなり左右される性格かもしれない。
そのため今の仕事のスタイルがあり、生活がある。
好き嫌いを選択できる環境にするためにどうしたらいいか。
好き嫌いを原点にすると決断がしやすくなる。

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2015年12月24日

Posted by ブクログ

「好き嫌い=譲れない信念や価値観」
経営者にとっての好き嫌いとは、信念や価値観に近いだろう。これは決断を迫られるときのベースになり、我々が何かに直面するときに初めに持つ直感的な感覚といえます。
本作は、日本でも有数の経営者であるユニクロの柳井正や、サイバーエージェントの藤田晋など総勢14人が登場し、良し悪しも含めた好き嫌いを自由に語るインタビュー本になっています。
どこか皆さんに共通してある感覚に、ずるく正しくないことや偉そうにすることなどを嫌い、現状に満足せずに新しいことへ挑戦するのが好きでした。
これを端的にすると、誠実さ、好奇心、そしてそれらを実行へと向かわせ、継続させる精神力が重要だといえます。
今あなたが持っている好きと嫌いを徹底し、それを伸ばしていくことが個人のアイデンティティ、文化となって人間としての深みを有むんだろうなと。

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2025年03月09日

Posted by ブクログ

日本の一流の契約者の価値観や人生観が伝わってくる。その人のビジネスの特徴と重ね合わせるととても興味深い。

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2022年02月14日

Posted by ブクログ

おもしろい。様々な著名なら経営者へ著者がインタビュー形式での対談を通して好き嫌いを聞くという流れ。
好き嫌いなので各経営者の本質が見える。

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2022年02月06日

Posted by ブクログ

経営者とは組織の人々を『心酔』させて率いるもの

好き嫌いや経営スタイルはいろいろだったけど、言葉の端々に自分自身に対する絶対的な自信が感じられた。

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2022年01月29日

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「全ては好き嫌いで始まる」、、、大物経営者ってぶれずに好き嫌いをベースに意思決定をするんだね。決断力のない私たちは、判断材料として情報を集めすぎると結局は重要な事を決断できずにいる。

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2021年02月02日

Posted by ブクログ

好き嫌いに着目して経営トップにインタビューをする。

好き嫌いがどれだけ経営に結びついているか事例を紹介するのかと思っていたのだけど、どちらかというと、好き嫌いという観点で、経営者の実像(キャラクター)を浮き出させている。

なので、好き嫌いによる経営判断を学べるわけではない。
でも、好き嫌いでインタビューすることでキャラクターが分かりやすくなり、経営者のファンブックとして読むのであればなかなか楽しい。

対象者はやはり1代で成し遂げた世代の経営者が多い。

サラリーマン社長のような人たちは、好き嫌いでジャッジするよりも、会社内政治力学や、バランス、どれだけ会社に尽くせるかなどの点も評価されてきているはずで、話が面白くならないんだろうな。

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2020年08月11日

Posted by ブクログ

面白かった。職業は皆さん同じ経営者だけど、一括りにしてしまうのは全くもって間違っている。みなさんそれぞれ哲学と信念を持って経営している。真剣に生きている。

特に面白かったのは大前研一さんとライフネットの人かな。二人の主張や哲学は全然違う。けれど、それぞれ二人のなかではそれぞれが心底正しい。自分と完全にフィットしてるんだと思う。そこが凄いし、だからこそ人を惹きつけるのだと思った。

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2019年08月03日

Posted by ブクログ

★本書のメッセージ
経営は「正しいか」だけでなく「好き嫌い」で決まっていることが多い。その好き嫌いを自覚することが、ハッピーにとって重要

★読んだきっかけ
自分にフィットする企業、職場はどんなものかをよくよく考えるため

★本の概要
楠木教授が、日本の名だたる経営陣に対して、ひたすら好き嫌いを問うインタビューを行っていく。柳井正さんから大前研一まで、非常に豪華な経営陣ばかり

★本の面白かった点、学びになった点
*この世にはオポチュニティ企業と、クオリティ企業が存在する
・経済成長や事業成長の機会をとらえ、ガンガン成長をしていくのがオポチュニティ企業。鴻海とか
・クオリティ企業は、世の中の流れ、外部環境に目を向けるのではなく、内部環境から価値を生み出す企業。たとえば、哺乳瓶のピジョン、マクロミル、ゾゾ、ユナイテッドアロウズ等はクオリティ企業。M3や、一休などもクオリティ企業と言える
・クオリティ企業かオポチュニティ企業は、事業利益を、どういう時間軸で追っているか、ということが大きい規模の大小にかかわらず、独自の戦略コンセプトがあるのが、クオリティ企業
・クオリティ企業はコンセプトが重要。コンセプトを大切にしていること、本質的な、顧客価値を考えていることが起業

*「正しい選択」VS「正しい選択」がぶつかったとき、「好き嫌い」が現れる
・社会的通念でいえば、正しい選択同士がぶつかる
・その時、本人の好き嫌いが現れる
・自分の好きを自覚して、行動を起こしてこそ、楽しいし、ハッピーになるし、うまくいく

*ブラック企業VSホワイト企業ではなく、ピンク企業VSブルー企業が実態
・世の中の一般的基準だけで評価するのが、ブラック企業かホワイト企業か、という議論
・良し悪しではなく、キャリアという個人的問題は、もっと個人個人の価値観によって形成されるもののはず
・だから、ある人にとっては良くないと思えることが、他の人にとっては良いということはざらにある
・しがって、正しいかどうか、という観点で、ブラックか、ホワイトか、という整理をするのはそんなに簡単ではない
・実際は、ブルーか、ピンクか、というように、かなり個人個人の問題に立脚することになる

*柳井さんや永森さんはわりと近い気質
・二人とも、結構モーレツ系、というか
・年がら年中経営のことしか頭にないです、という感じ
・できる限り経営をし続けたい、というようなイメージ
→できる限り自分たちに若い世代の方が経営する企業で働きたいと思った
→仕事上の価値観は、わりと、

*永井さん「虚業はやりたくない」と言い切る。すごい人であっても、やりたくない仕事は山ほどある。むしろ、すごい人ほど、自分の行う仕事を選ぶのかも
・スーパービジネスパーソンである永井さん、虚業である金融やITなどは絶対にやりたくない、と言い切っていた
・そこに、別に社会的な正しい理由はなく、個人的な好き嫌いの問題
・やはり、仕事や職業は自分の好みで選んでいいんだ、と再認識した

*楠木先生「よく考えるためには、入ってくる情報を少なくすることが重要dだ。入ってくる情報が多ければ多いほど、自分は注意散漫になる」

●学んだことをどうアクションに生かすか
*オポチュニティ企業より、クオリティ企業が俺は好き
・外部環境を見て、ガンガン儲かることや追い風になることをやっていこうぜ、というよりも、その企業の独自のコンセプトを大切にしている、クオリティ企業がいい

*「世の中の正しい基準」よりも前に「自分の好きな基準」を考えだす
・いわゆる、成長産業だからいいとか、スキルアップになるからとか、そういった観点で仕事を選んでも何も面白くない
・自分が好きと思えるか、わくわくするか、時間とエネルギーを投下したいと思えるか、そういった職であることが何より重要なのではないだろうか

*自分は、企業や事業を成長することを、無条件で面白がれるようなタイプではない
→事業のコンセプトありき。自分にとって、「こkれいいじゃんけ!」って思えるストーリーやコンセプトがあるならば、その事業の拡大のため、走れると思う

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2019年06月11日

Posted by ブクログ

ストーリーとしての競争戦略が面白かったので興味を持つ。

いろいろな経営者の考え方を垣間見ることができた。
実務に役立つかは微妙だが面白い書籍ではありました。

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2019年05月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

日本の有名起業家、コンサルタントと著者のインタビュー形式で
好き嫌いなものを聴きながら、その人の真髄に迫ってくれる
多種多様な価値観と考えがあり、自分ならどう思うとか
自分はこの人に似てるなとか考えながら読めるので
非常に読みやすい本になっている
こういった方にインタビューできるのは著者の凄さだと思
個人的にはバダラッコのケーススタディは短文だったが印象的だった

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2019年05月29日

Posted by ブクログ

科学的に見える「経営」を「好き嫌い」という感情という視点から見てみようという本。よく考えてみたらその会社が持っている考え方というのは,経営者の頭の中とイコールでないとしても同期が取られているはずである。対談形式で書かれており,分厚い本であるが,難しいこと無しに読み進めることができる。

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2019年01月27日

Posted by ブクログ

・事業コンセプトの創造は論理的なプロセスというよりも、その経営者の直観やセンスとしか言いようがないものにかかっている、その元をたどれば、その人の好き嫌いに突き当たる。
(原田泳幸)
・練習してもできない状態が続いても、ある日ストンとできるようになる。あとはもう自転車に乗っているような感じです。
(新浪剛史)
・パッションとリスクテイキングが合わされば大体のことはやれるものだ。
(出口治明)
・この世界を理解し、どこを変えたいと思うのか、それは世界を経営するということ。でも世界は広いので自分はその一部分を受け持つしか無い。それがサブシステムです。置かれた状況の中で常に世界を理解し、何を変えたいと思い、何をして生きるのかということ、つまり、世界経営計画のサブシステムを生きることが、人間にとって一番大事だと思い、言い続けています、
・生命保険という商品はジェームズ・ドットソンというイギリス人が生み出した理論に基いて250年前に作られたものですが、彼が今、日本の生命保険を見たら驚愕する「こんな複雑で高いものを俺は作ったんじゃない」と嘆くと思う。

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2018年12月09日

Posted by ブクログ

有名経営者の好き嫌いが激しくてすごく面白かった。"それぞれに異なった好き嫌いを持つ人々が、それを仕事や生活のなかでできるだけ前面に出していく。なおかつ、好き嫌いを異にする人々の間で対立もない。お互いに尊重し合い、共有しあって、世の中が回っていく。これが僕の考える成熟した良い社会です"

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2017年06月20日

Posted by ブクログ

楠木教授が著名な経営者14名へインタビュー。その経営者が「好き」なことと「嫌い」なことに焦点を当てる。経営というと「良い」「悪い」に二分されそうだが、この書籍ではそれを省く。
面白いのは経営者Aが好きなことは、経営者Bは嫌いだったるすることが大いにあること。この対談から見えてきたことを著者は、経営者を動かすエンジンはインセンティブではなく、その人の中から湧き上がる動因、動因とはすなわち好き嫌い、と説く。
他社の方法を、好きでもないのになぞることは必ずしも正しくない。このことは会社組織ではなく個人にも当てはまると個人的には思う。「すべては『好き嫌い』で始まる」の一文は頷ける。

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2017年01月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

”リクルートという幻想(常見陽平)”の参考文献になっていたことから見つけた。最近プロフェッショナルをyoutubeで見ることが趣味であり、日常会話での言葉の言い回しにこそ、そのひとの個性が表れると考え興味を持った。

「まとめ」
コンプライアンスの重要性が叫ばれ、社会的に「良いか悪いか」で議論されることが多い中、経営者自身の「好き嫌い」に焦点を当てて個人の考え方の本質に迫っている。

個人的にハマったのはユニクロの柳井正さん。常に自分を斜め上45度から客観視しているイメージを持った。どのような仕事でも”なぜそれをする必要があるのか”という合理的な根拠があった上で動くことを大切にしている。仕事の成果=時間×集中力(生産性)で決まると本気で思い、それを体現するために行動するあたりが(それに対する批判があることも承知な上で)共感できる部分だった。

他、自分とタイプが違いながらも、興味深いと感じたのは(当時)ローソンの新浪剛史さんとオールアバウトの江幡哲也さん。

新浪さんは、体育会系の清々しい部分だけを切り取ったような人物。相手の事をリスペクトしつつ、(リスペクトしてるからこそ)上下関係なく言いたいことはいう。集団としてのビジョンを大声で言う一方で、一人一人まで気を使うザ体育会系リーダーという感じ。

江幡さんは、バランスの良さが印象に残った。自分で現場を見にいく事を大切にしながら、そこでの思考回路は”相手とのどの部分を抽出できるか”という抽象的な部分。どちらの思考回路も持っているからこそ、成功の再現性が保てるのではないかと感じた。

「感想」
・好き嫌いの軸でひとの話を聞くと、仕事内外含めて個人の特徴が滲み出てくることがわかりそれ自体興味深かった。確かに考えてみれば良し悪しというのは個人の所属している社会によって規定されてしまうため、良し悪しだけの判断では個人の付加価値は出ない。そういった意味で「良し悪しは文明、好き嫌いは文化」という表現はうまい表現だと感じた。

・痴がましい事を承知で書けば自分はこの15人の中では柳井さんの思考回路が最も自分に近いと感じた。自分の意思決定についてなぜという根拠を持って行動する合理主義者。世間の”なんとなく”ということに流されない挑戦のためのストイックな感覚(おそらく人から見ればずれていると思われる事もあるだろうが)ももっと研ぎ澄ませられる自信を持たなくては。


「学び」
・感想部分とは違い、学びが多かったのは江幡さん。顧客視点を持つことは組織内、クライアントとの関係共に大切だと感じる。自分の中で合理性が取れていればいい、というだけではなくそれを常に抽象化して置く意識である。これはイチローからも感じる「成功した要因を自分で説明できるようにする」ことで、自分の中での再現性、組織への再現性、クライアントとの関係の再現性を保ち次のステップに行くことができる。
今まで”常に生産性のある日々を”と将来の合理的な意思決定を大切にしていたが、これを”常に再現性のある日々を”とすることで、着実にステップのある日々を過ごしたい。

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2016年11月14日

Posted by ブクログ

経営者の好きと嫌いを聞くインタビュー集。
ライフネット生命会長は10人以上いればどこへでも話に行ってくれる。
株主総会で文句を言うなら買わなくてよいという永守。
第一印象でだめな人はだめ。
肩書にこだわる人はかつて浴びていた注目の光を浴び続けたいと思うから。
経営者に大切なのは人間に対する洞察。

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2016年06月29日

Posted by ブクログ

経営者の好き嫌いとパーソナリティの関係から、その人が成功した要員を読み解く。面白い切り口でここの経営者のインタビューから、人柄がにじみ出ている。成功する人間は全員苦労しているし、人引っ張る魅力にあふれている事がよく分かる良書。

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2016年02月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「ストーリーとしての競争戦略」で有名な楠本先生が著名経営者を「好き嫌い」という切り口でインタビューした本。著名経営者達は「好き嫌い」が明確ですね。基本、この手の人たちは、自立した強力な自我とその自我に伴う強力な主張をもっているので、成功したとも言えると思うのですが、当然その傾向のご本人達の「好き嫌い」の明確さにも繋がっているということでしょう。

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2015年06月10日

Posted by ブクログ

僕はよく、これ面白そうじゃんとか、これ出来たら気持ちいいだろうなぁとか、言ったり思ったりして仕事を進めちゃってる。
これも好き嫌いって事なんだよなぁ。
だから、とっても共感出来るし、勇気付けられる本です。

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2015年06月02日

Posted by ブクログ

「ストーリーとしての競争戦略」著者の楠木建氏の本。14人の経営者との対談をまとめたもので、分厚いが読みやすい。永守、柳井、原田、新浪、佐山、松本、藤田、重松、出口、石黒、江幡、前澤、星野、大前氏の、良い悪いではなく、好き嫌いについて記しており、社風や経営哲学につながっており興味深い。そしてさすがの大前節。

以下メモ
⚫︎組織のポジションには位置エネルギーのようなものがあり、なってしまうと、状態のリーダーになりさがり、行動のリーダーではなくなることが多い。
⚫︎誘因インセンティブと動因ドライバーは異なり、動因というのはその人の内側から自然と湧き上がってくるもの。外的な誘因がなくとも、自分の中に強い動因があれば人は動く。
⚫︎松下幸之助の、道をひらく、は仕上げ段階の本。きれいごと。
⚫︎ユニクロの初期は売場の半分が雑貨。しかしそれでは積み重ねにならない。シーズンが終わるたびに新しい品物に入れ替えたりして全部やり直しになる。雑貨とはバッグや帽子などの様々な商品。帽子専門店の帽子よりも優れたものを揃える。それが評価されて次のシーズンもこの店の帽子を買おうと思ってもらえるのがビジネスの本質。非常に高いハードル。服が売れないから雑貨を売りましょうは逃げ。
⚫︎教科書どおり、で意見をけなす。ケーススタディーはあくまでも一例。純粋培養的な理論が適用出来るようなら現状はない。
⚫︎知識を使わなくちゃという気持ちが前面に出ているようでは駄目。もっとビジネスを考えろ。
⚫︎理不尽なことを理不尽なスケジュールとコストでやれ、と言われるのが開発の仕事。無理なことを考え、やらざるを得ない時、とんでもない発想が出てくる。
⚫︎ダイバーシティには3つある。外国人、女性、異業種。
⚫︎公私混同というより、公私一体。どこからどこまでがプライベートのような線引きはなく、常に仕事。次から次へと浮かんだことをすぐやりたくなる。指示した報告が来る前にあれどうなってますか?と聞くのはレスポンスが来る前にまた別のアイデアがすでに浮かんでいるから。
⚫︎人生は自作自演のドラマ。
⚫︎エンジニアはこの製品のことを10割以上知ってくれ、とか開発に至った経緯とか、延々と話し続ける
⚫︎事業化は構想として持っておいて、待つことが重要。
⚫︎フランスのモンブラン近くのシャモニーでやるパラグライダー。
⚫︎営業は、一種の総合芸術。プレゼンテーションや交渉など、個別のスキルに落とし込めないような力。会社を代表して営業先の会社と対峙する。商売全体を見渡すというセンスが必要。
⚫︎フラットに議論するには、制度的に取り入れてもダメ。文化。
⚫︎仕事をやっている自分と、死の直前の自分。その間の15年くらいの自分。この3つについてどう生きたいかを考えないといけない。
⚫︎管理するのではなく統率する。組織の人を心酔させて率いる。

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2015年02月26日

Posted by ブクログ

著名経営者14名との対談集。

マネジメントスタイルの違いとして、作中何回も出てくる、「位置エネルギー」と「運動エネルギー」の対比的な例えは、一見分かりやすいけど、ミスリードな気がする。

自然と出世はしないので、出世は常に「エントロピーの法則」に反してエネルギーを必要とする活動だ。その結果、高い位置にいる経営者は、エネルギーが高い状態にある。その高い位置を維持したまま、経営者同士でハイレベルの交渉を行い、運動エネルギーも高い状態が理想型、と理解するのが、正しい気がする。(高い位置から降りるときに運動エネルギーに転換されるのでは、持続性のない“しくじり先生”になってしまう。)

登場人物の中では、筆頭の永守重信さんの章が1番おもしろい。

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2022年08月11日

Posted by ブクログ

著者の過去作が面白かったので、本書も購入。現代の代表的な経営者への、好き嫌いを中心としたインタビュー。競争戦略優位な会社は独自の文化を持っており、独自の文化は経営者の好き嫌いからきているという仮説のもと、このアプローチを行っていた。この内容の分析し、現在のポートフォリオや利益に結びつける等を行なって欲しかった。

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2021年01月11日

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優れた経営者がどういう人物でどんな思考をするのか、ということを「好き嫌い」を問うことで明らかにしていく
「好き嫌い」という身近な切り口によって、読者も肩ひじ張らずに経営者と向かいあうことが出来る

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2016年11月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

日本を代表する14人の経営者へ「好き嫌い」を軸にインタビューが繰り広げられる。自分も仕事をするうえで何よりも「好き嫌い」を判断基準にしてきたので、「間違ってなかった」と安心する反面、「まだまだ足りない」と焦る。ちなみに「好き嫌い」を仕事の判断基準として考えれば、ブラック企業問題など鼻くそですぞ。

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2016年07月11日

Posted by ブクログ

著名な経営者の好き嫌いをインタビュー形式でまとめた本。経営は、良い悪いではなく好き嫌いにより独自性が生れ、成長を促すと著者はまとめている。ただ、インタビューはそれぞれの経営者の人間性がわかる内容で、共通して言えることは、権力にしがみつく人間は嫌い、現場にでない人間は嫌い、人によって違うのは、常に自分をギリギリまでに追い込む人もいれば、余裕をもって仕事をする人もいる。著名な経営者の共通項と個性が良くわかる1冊。

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2015年11月08日

Posted by ブクログ

有名経営者へのインタビュー形式。
印象に残ったのは、正しい・正しくないという選択でなく、好き・嫌いという視点での選択。
確かに正しい、正しくないとの選択はしがち。
もっと自由に好き・嫌いという観点で見直してみたい。

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2015年03月08日

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