高田崇史のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読書録「QED百人一首の呪」3
著者 高田崇史
出版 講談社文庫
p239より引用
“「いいか、呪というのは『言葉』のことだ。
まさかお前は、言葉も存在しない、とまでは
言わないだろうな」
「馬鹿を言うな。実際こうして使って話して
るじゃねえか」
「それならば、同時に呪も存在する。言葉と
呪は同一のものだ。どちらも相手の脳に向け
て発信される信号だからな。ウイルスのこと
だよ」”
目次より抜粋引用
“うきよのたみに
ゆくすゑまでは
ものをこそおもへ
やどをたちいでて
たまそちりける”
博学な変人薬剤師とその後輩を主人公とし
た、長編ミステリ小説。同社刊行作文庫版。
第9回メフィスト賞受賞作。
年に一度だけ家族全員が集まる大邸宅、そ
この家事を一人で受け持つ女性が一日の後始
末をしているその時、屋敷の主人が切迫した
声で人を呼んだ…。
上記の引用は、主人公・桑原崇と同級生で
ジャーナリストの会話。
面白くも恐ろしくもある説ではないでしょう
か。言葉の使い方一つで、相手に害を思うよ
うに与えられるなんて、使う人の思うがまま
にされてしまいそうです。世界中に自分の言
葉が伝わる世の中ですので、相手に対して害
を与えるような物言いには気を付けたいもの
ですね。人を呪わば穴二つといいますし、自
分のためにも、使う言葉は選びたいものです。
百人一首の謎解きというのが、一つのジャ
ンルとして存在しているそうです。巻末に参
考文献が紹介されているので、興味を持たれ
たらそちらからあたると、より深く楽しめる
のではないでしょうか。
巻末あたりに謎解きの答えの一部がついて
いて、うっかり開いてしまいそうになりまし
た。読まれる時は気を付けてください。
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Posted by ブクログ
ネタバレひさしぶりの百人一首の謎モノ。楽しかった。
ミステリー仕立てになっているけど、実は、それはどうでも良かった。いや、物語構成としては、有りだと思う。ミステリーのカラクリや種明かしだけだと、なんとも普通の、どうでも良さそうな話なので(苦笑)。 かといって、百人一首の謎を解き明かす過程と、その解が、ミステリーの解明に寄与したのか、その関連性は、はなはだ希薄とも言える。
ので、これがミステリーとして面白いのかはさておき、ということになる。
とはいえ、百人一首の謎解きとして信憑性があるのかというものフィクション(ミステリー小説のネタ)としての扱いとなり、結局は中途半端な内容ではあるのだけど、百人一首ファンとしては楽しく読める。
著者の作品は源平の物語を扱った『源平の怨霊』が先であった。その作品とも相通じるように、日本は古来より怨霊(慰撫)信仰に篤かったということと、あらゆることが当時は「呪い」(あるいは”呪い除け“)の発想で成っていたという著者の揺るがない思いが一本の筋となって通っているので、良しとしよう。
改めて、過去に読んだ林直道氏の本や(本書の中でもたびたび触れられる)、織田正吉氏の著作(未読)、十次魔法陣説を唱えた太田明氏の本などを読み返してみたい。
本書の唱える「曼陀羅」説も出来上がりは実に美しいな、と思う。 -
購入済み
考古学ミステリーというよりも
作者の考古学ミステリーが好きで、ストーリー同一時間帯のスピンオフという事で購入。ただ、後半に行けば行くほど考え方が伝奇ものよりになっていくので注意しといた方がいい。別段、ファンタジー的要素は無いけれど、だんだん鼻についてくる。
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Posted by ブクログ
百人一首コレクターとして有名な会社社長が、自宅で殺された。
一枚の札を握りしめていたため、ダイイングメッセージではないかと捜査していく中で、藤原定家が百人一首に隠した謎が解明されていく。
色んな学者により、百人一首の謎は研究されてきた。
それぞれの時代の代表歌人の代表歌と思われているが、はっきり言ってなぜこの歌を?という歌もある。
そして、さらにもっと有名な歌人がいるにも関わらず、その人が選ばれていないことから、定家は百人一首に何を隠したのだろうと研究されている。
この本で述べられている結論はとても納得できるもので、かなり壮大なスケールのもの。
札を並べてみたくなった。 -
Posted by ブクログ
館に関する謎のアンソロジー。
自分だけが知っているらしい館。
隔離された島にある学校。
神社という隔離された空間。
逆行すると噂される宿泊施設。
雪に閉ざされた館。
高速バスで交通事故にあった人達が避難した場所。
もうわけが分からなくなってきたのは、修学旅行。
話の運び方に、不思議な状態にのめりこみましたが
驚きの結末。
これは教えられたという事?
気が付いたという事??
落ち…というか、人物に対しての驚きは雪の館。
断言されてしまうと、人間の脳はそれでインプットされ
考える事を止めてしまう、というのは確かなようです。
完全に騙されました。 -
Posted by ブクログ
特に館モノが好きとかではなく、手っ取り早く読んだことのない作家さんの小説を読みたい!と思い、手に取りました。
■はやみね先生といえば児童書というイメージが強いのですが、掲載作は大人が読んでも充分に楽しめるし、青少年が読んでも楽しめる話だと思いました。ガッチガチのミステリーを期待している方には物足りないかもしれませんが、1作はこういった話があってもいいのではないかと思います。
■恩田先生の作品はタイトルでわかるように『麦の海に沈む果実』のスピンオフで、私も楽しみにしていました…が、いかんせん話が短い!勿論、このページ数で恩田陸の世界を見事に作り上げる力量は流石ですが、『麦の海に沈む果実』のスピンオフとしては肩透かし感が否めず、他の作品とのバランス的にも恩田先生だけを目当にこの本を読む必要はないかな、と思いました。
■高田先生の作品はこれが初めてです。
QEDシリーズがお好きな方には登場人物の新たな一面が楽しめる作品なのかもしれません。私も短いページ数でふんだんに語られる薀蓄をおおいに楽しめました。でもこれ…館じゃないよね!?
■綾崎先生も初めてです。これもまたシリーズものの主要人物が登場しているようですが、キャラ付けがなんともラノベっぽい!ミステリーとして読むとうーん…と思いましたが、館だからいっかな!とも思えました。(掲載順の妙)
■白崎先生も初です。
こちらはなんとも個性的というか、読む人を選ぶ作風だと思いました。でもミステリーとしては面白いと思いますし、はじめはギョッとするしほりんのことも段々と好感を抱いてすまうんですよ。これは純粋に凄いなと思いました。でも本当にグロい!し、品性に欠ける!ので、はやみね先生の作品目当てでこの本を読んじゃった青少年がいたらどうすんだよ!と思いました。とはいえ、責任は編集部にあるので、先生は別に悪くないのではないかな…。
■井上先生の作品も初読みです。
首無し館の後に読むと、この作品だけ取り出して読む時よりも、ものすごく正統派なミステリーに思えてしまうという。そこへきてあのオチ。作品の魅力を最大限に生かした掲載順の妙だと思いました。、ラストを飾るに相応しいしんみりとさせられる話でしたね。本格かというと本格ではないような気がしますが。
1作ずつ取り出すと、どれもちょっっぴり物足りないところがあるのですが、1冊として捉えると、それぞれバラエティに富んでいて、バランスのいいアンソロジーだと思いました。