高田崇史のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
読書録「QED東照宮の怨」3
著者 高田崇史
出版 講談社文庫
p246より引用
“ 色々な知識は、持っているに越したこと
はないが、持っているからといって、それ以
上先に進まなければ、何の意味もない。自分
が、辞典やCD-ROMになるのではなく、それを
活用してこそ、その人間にも資料にも、初め
て価値が出てくるのだから。”
目次より抜粋引用
“阿形
其の市
其の爾
其の惨
其の死”
博学な変人薬剤師とその後輩を主人公とし
た、長編ミステリ小説。同社刊行作文庫版。
シリーズ第四弾。
忙しい夏場を乗り切り、少し落ち着いて薬
局の仕事に励む主人公・棚旗奈々。次に来る
風邪のシーズンに備え、気持ちを整えている
時期のはずが、人の入れ換わりが起こり…。
上記の引用は、日光東照宮についての主人
公・桑原の説明を受けた、棚橋奈々の胸の内。
活用できる知識を持って何かを成すのは、大
事な事なのでしょう。しかし、何の役にも立
たない知識が増えることに喜びを覚えるのも
人の営みらしいですから、隣に居たら便利な
辞書のような人になるのも、面白いかもしれ
ません。ネットで検索する時代になって、も
う必要ともされないのかもしれませんが。
歴史上の出来事とそこに隠された人の思惑、
それが回り巡って現代で事件となる。ミステ
リ好きでなくても面白いシリーズではないで
しょうか。
ーーーーー -
Posted by ブクログ
読書録「QED百人一首の呪」3
著者 高田崇史
出版 講談社文庫
p239より引用
“「いいか、呪というのは『言葉』のことだ。
まさかお前は、言葉も存在しない、とまでは
言わないだろうな」
「馬鹿を言うな。実際こうして使って話して
るじゃねえか」
「それならば、同時に呪も存在する。言葉と
呪は同一のものだ。どちらも相手の脳に向け
て発信される信号だからな。ウイルスのこと
だよ」”
目次より抜粋引用
“うきよのたみに
ゆくすゑまでは
ものをこそおもへ
やどをたちいでて
たまそちりける”
博学な変人薬剤師とその後輩を主人公とし
た、長編ミステリ小説。同社刊行作文庫版。
第9回メフィスト賞受賞作。
年に一度だけ家族全員が集まる大邸宅、そ
この家事を一人で受け持つ女性が一日の後始
末をしているその時、屋敷の主人が切迫した
声で人を呼んだ…。
上記の引用は、主人公・桑原崇と同級生で
ジャーナリストの会話。
面白くも恐ろしくもある説ではないでしょう
か。言葉の使い方一つで、相手に害を思うよ
うに与えられるなんて、使う人の思うがまま
にされてしまいそうです。世界中に自分の言
葉が伝わる世の中ですので、相手に対して害
を与えるような物言いには気を付けたいもの
ですね。人を呪わば穴二つといいますし、自
分のためにも、使う言葉は選びたいものです。
百人一首の謎解きというのが、一つのジャ
ンルとして存在しているそうです。巻末に参
考文献が紹介されているので、興味を持たれ
たらそちらからあたると、より深く楽しめる
のではないでしょうか。
巻末あたりに謎解きの答えの一部がついて
いて、うっかり開いてしまいそうになりまし
た。読まれる時は気を付けてください。
ーーーーー -
購入済み
考古学ミステリーというよりも
作者の考古学ミステリーが好きで、ストーリー同一時間帯のスピンオフという事で購入。ただ、後半に行けば行くほど考え方が伝奇ものよりになっていくので注意しといた方がいい。別段、ファンタジー的要素は無いけれど、だんだん鼻についてくる。
-
Posted by ブクログ
館に関する謎のアンソロジー。
自分だけが知っているらしい館。
隔離された島にある学校。
神社という隔離された空間。
逆行すると噂される宿泊施設。
雪に閉ざされた館。
高速バスで交通事故にあった人達が避難した場所。
もうわけが分からなくなってきたのは、修学旅行。
話の運び方に、不思議な状態にのめりこみましたが
驚きの結末。
これは教えられたという事?
気が付いたという事??
落ち…というか、人物に対しての驚きは雪の館。
断言されてしまうと、人間の脳はそれでインプットされ
考える事を止めてしまう、というのは確かなようです。
完全に騙されました。 -
Posted by ブクログ
特に館モノが好きとかではなく、手っ取り早く読んだことのない作家さんの小説を読みたい!と思い、手に取りました。
■はやみね先生といえば児童書というイメージが強いのですが、掲載作は大人が読んでも充分に楽しめるし、青少年が読んでも楽しめる話だと思いました。ガッチガチのミステリーを期待している方には物足りないかもしれませんが、1作はこういった話があってもいいのではないかと思います。
■恩田先生の作品はタイトルでわかるように『麦の海に沈む果実』のスピンオフで、私も楽しみにしていました…が、いかんせん話が短い!勿論、このページ数で恩田陸の世界を見事に作り上げる力量は流石ですが、『麦の海に沈む果実』のスピンオフとしては肩透かし感が否めず、他の作品とのバランス的にも恩田先生だけを目当にこの本を読む必要はないかな、と思いました。
■高田先生の作品はこれが初めてです。
QEDシリーズがお好きな方には登場人物の新たな一面が楽しめる作品なのかもしれません。私も短いページ数でふんだんに語られる薀蓄をおおいに楽しめました。でもこれ…館じゃないよね!?
■綾崎先生も初めてです。これもまたシリーズものの主要人物が登場しているようですが、キャラ付けがなんともラノベっぽい!ミステリーとして読むとうーん…と思いましたが、館だからいっかな!とも思えました。(掲載順の妙)
■白崎先生も初です。
こちらはなんとも個性的というか、読む人を選ぶ作風だと思いました。でもミステリーとしては面白いと思いますし、はじめはギョッとするしほりんのことも段々と好感を抱いてすまうんですよ。これは純粋に凄いなと思いました。でも本当にグロい!し、品性に欠ける!ので、はやみね先生の作品目当てでこの本を読んじゃった青少年がいたらどうすんだよ!と思いました。とはいえ、責任は編集部にあるので、先生は別に悪くないのではないかな…。
■井上先生の作品も初読みです。
首無し館の後に読むと、この作品だけ取り出して読む時よりも、ものすごく正統派なミステリーに思えてしまうという。そこへきてあのオチ。作品の魅力を最大限に生かした掲載順の妙だと思いました。、ラストを飾るに相応しいしんみりとさせられる話でしたね。本格かというと本格ではないような気がしますが。
1作ずつ取り出すと、どれもちょっっぴり物足りないところがあるのですが、1冊として捉えると、それぞれバラエティに富んでいて、バランスのいいアンソロジーだと思いました。