池上彰のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
昔も今もセンスがないという一点において左派は一貫してるなーと思った。
政治的なものの見方で突拍子もないこといったり暴力を肯定して大衆に見放されたり。とにかく大衆意識との乖離を自覚しない点で常に地に足ついてない。
過去の左派では「エライ」の基準は獄中暦とか非転向とかだったそう。本書で描かれた時代にはこの基準が先鋭性に移り変わったと見える。現代では「正しさ」。より正しく誤謬のない理論や価値観を提示できた人がエライ。そうなってしまう理由が理論への過信にあるという佐藤の見方には同意する。
現代において見られるのは、理論に惹きつけられるのはエモーションの働きが弱い人、つまり性欲や金銭欲などの俗っぽい欲望が希薄な若者が左派に引き寄せられる傾向。欲望が希薄なので基本的に欲望に従って生きている大衆の気持ちがわからない。理論を学べば学んだ自分達が正しく学んでいない大衆が遅れているという意識になるので、平気で「保守化する若者は想像力が足りない」みたいなことを言い出す。誰がより正しいかという競争は大衆からどれだけ乖離できるかという競争でもあるのだけど、それと同じ構図の競争の到達点が浅間山荘だったことは他人事としか思ってないのかな?
現代の左派の人たちこそ読まなければならない本。 -
Posted by ブクログ
旧ソ連時代から現在までのロシアの歴史、世界情勢との関係、そして日本の北方領土問題までカバーし、ざっくり書かれている。2018年11月初版、クリミア後・ウクライナ前の出版。日本の一般人がロシア-ウクライナ問題を考えるにあたっては必要十分な内容で、ちょうどいい時期に出た本かと。
ロシアは、旧ソ崩壊後も、その体制を維持しようとし、周辺国に衛星国になることを要求する。拒めば軍事介入し暴力的に従わせようとする。結局ずっとその繰り返し。周辺国も親ロ派がそれなりにいるものだから、つけ入る隙もあり、ウクライナは典型例か。
日本人が知らないロシアとウクライナの関係についても、概略を知るにはちょうどいい。ウクライナ東部は親ロ派が決して少なくないとなると、現在の情勢も腑に落ちる。
資源大国なのはロシアの強みではあるが、暴力的なやり方で周辺国を従わせようとするだけでなく、国内でもその傾向がある。そのやり方が自国の消耗・弱体化につながっているのではないかと思うのだが。果たしてウクライナの件はどう決着するのか。 -
Posted by ブクログ
さすが池上さんと思えた本でした。
とりあえずわからないことや学んでみたいことがあったら池上さんの本を探して、読んで、知識の基礎をつけています。
今回は今話題のウクライナの戦争について知りたいと思い、購入。
ヨーロッパ・ロシア・ウクライナの歴史を何も知らない私でもすごく理解ができました。
また、遠い国の事柄や問題ではなく
日本も歴史的にヨーロッパとは関係してることもあるんだな、とも知ることができました。
ヨーロッパの国々の親日国家の理由
第一次・第二次世界大戦などについても
改めて考えさせられることがありました。
地政学・ヨーロッパについて知りたい方には本当におすすめです。
歴史を知ることができたので
ヨーロッパの国々に行ってみたい気持ちもできました。
旅行をするにしても、歴史を知っているか知らないかで色々変わってくると思います。
ヨーロッパに行く際は歴史を感じながら探索してみたいと思います。 -
Posted by ブクログ
2022/05/12
ロシアについての前作からさらに内容が充実し、ロシアだけじゃなく、ロシアと関係の深いヨーロッパの国々についても、ロシア(ソ連)とのつながりから、どうして現在のようになっているのか、今、東欧の地域では何が起こっているのか、それに起因するロシアとウクライナとの関係などについても、深く分かりやすく解説してくれている本です。
今まで何となく、あるいは全く知らなかったロシアと東欧の国々の分裂や併合などの歴史、宗教的な絡み、地政学的な考え方によるそれぞれの国のとるべき方針のぶつかり合いなど、現在の事象として表出している問題点にうまく理解が繋がるように解説してくれています。
一度読んだだけだと半分くらいしか理解できていない気がするくらいヨーロッパの歴史は複雑なので、何度も読み込みながら理解していきたいなと思いました。 -
Posted by ブクログ
「職業:ドイツ人」(引っかかるがちゃんと冒頭で解説してくれている)のマライ・メントラインさん、おなじみ池上彰氏と増田さんによる対談形式。初版が昨年の9月だからまぁまぁ情報は新しい。
マライさんの事は今回初耳だったけど、会話の端々から知性や有能さが滲み出ている…二度の日本留学に加え、15年の在日歴でも「毀誉褒貶(きよほうへん)」って言葉が出てくるか?
自分が対談の場にいたらドイツの話よりも先に、彼女について色々聞き出そうとするかも笑(他のお二方の手前、聞かずじまいになるのがオチなんだろうけど…)
ドイツ国内の土地柄から対談は始まる。各地方を日本の地方に当てはめ、特に「同じドイツ語圏のウィーンは京都に似通っている」ってくだりは、行ったことすらないのに納得できた。その感覚がまた刺激的で面白い!
池上氏は相変わらず会話が解説になっていた笑
全章要約したいけど自分の技量では…(以下略)恒例の、特に気になった箇所だけ抜粋↓
【労働】
バカンス好きとかノー残業のイメージは前からあったけど、仮に残業したら別の日から残業した時間分を差し引く「時間バンク」って制度まで備わっている。ノー残業然り、そうやって長所ばかりに目が行っちゃうんだよなー笑 でも「日本は全然なってない」とか言って優劣付けちゃうのは違う気がする。
あちらはあちらで即戦力第一主義だったりと、就活面はなかなかに厳しそうだし。
【教育】
「(日本の学生は)出来合いの正解を求めている」マライさん…手厳しいけど的を得ています。テスト形式一つを取ってもそう。マークシート形式が一般的な日本で論述問題を出そうものなら、「採点基準は先生の主観だ」といちゃもんを付けられる。今まで意識してこなかったけど、「平等/公平」へのこだわりはここにも表れていたのかと。
平等を唱えているわりに、教育格差が出ちゃうプロセスもまた嫌らしい。
【政治】
わが国の首相が短期間で変わる理由について、以前別の本の著者が「彼らも日本人でシャイだから、顔を覚えられる前に辞めたがるんだ」ってジョークを飛ばしていたのを何故か思い出した。実際、戦後-昨年9月時点でドイツでは8名が首相を務められたが、対して日本は34名。
ドイツでは周辺国からも支持されるから長期政権化し易い。日本側だって勿論シャイな訳じゃないけど、世襲制に近いから変な義務感に囚われて長続きしないのかなと思えてくる。
…読後はまぁまぁ息切れ状態。
この世の諸問題を一身に浴びたみたいなのもあるけど、途中何度も立ち止まって考えていた。それだけ思うところがあったり、或いは曖昧にしたまま生きてきたんだと痛感したり。
同時に「隣の芝生は青い」と言いますか、お国事情が違う他国を引き合いに出す思考にも陥りがちだったのかと。
何が正しいのかをまずは自分の頭で考えアウトプット出来るようになっておかねば…と言うのが、何もかもが主体的な御三方を見て導き出した答えである。 -
Posted by ブクログ
2022.6th
今作も非常に勉強になりました!
下に個人的に勉強になったことをまとめておきます。
「知らないと恥をかく」シリーズより因果関係が丁寧に説明されており、とても読みやすい(^^)
ありがとう!池上先生!
【勉強になったポイント!】
・なぜ温暖化で海面が上昇するのか?
→海水温度上昇による海水の膨張
・日本車が世界を席巻できた理由
→厳しい排ガス規制をクリアする企業努力によって、燃費が安く排ガスも少ない日本車ができた
・スペイン風邪が第二次
スペイン風邪で大量の死者が出て第一次大戦終了
→フランスがドイツに多額の賠償請求(アメリカのウィルソン大統領がスペイン風邪に感染して無茶な賠償請求を止められなかった)
→ドイツが紙幣を増刷し、ハイパーインフレ
→ヒトラーが政権を取り、第二次大戦に!
・DNAウィルスとRNAウィルス
→RNAウィルスの方が変異しやすい
・mRNAワクチン
→人工的にウィルスの遺伝子を作り、体内に注入
→抗体作りを促進(新型コロナワクチンはこれ!)
・ネット広告のオークション方式
→人気のキーワードで先頭に広告を出したい場合にはより高額な広告料を申請した企業が優先される
・GDPR(一般データ保護規則)
→プラットフォーマーのデータ濫用に歯止め
・米中新冷戦
→貿易戦争(関税課税の応酬)が一端
→ファーウェイ問題などのハイテク覇権争いが最大の要因
・トマ・ピケティの不等式
→r(資本収益率)>g(経済成長率)
・戦争は格差を縮め、平和な時代は資本主義によって格差が拡大する
・社会的共通資本の考え方 -
Posted by ブクログ
2022/04/17
いつも参考になることが多いので、池上彰さんの本は読むようにしてます。
今回は思考力ということがテーマだったので、改めて読んでみました。
思考力というのは一概に表現することはできないけど、立ち止まって考える力、別の角度から検証したり、従来のものを疑って考えてみたりすることも思考力なのだと思いました。
コロナ禍でその思考力を人間は試されて、ひとつの壁にぶち当たってるように思います。
特に日本は、応用力が効かないというか、やはり同調圧力を払拭することはできず、周りに従うことが良しとされる風潮があるのだなあと、この本から改めて感じ、自分自身がどうしていくか問題意識や主体性を持たないと、これからの人に持ってもらわないと、キツくなっていくんじゃないかなーと思います。
その為の考えさせる伝え方や、別角度の提示の仕方なども池上さんの実践も踏まえた上で書かれているので参考にしたいです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ断片的だった過去の歴史が池上さんの話のもと、繋げることができた。宗教のこと、戦争のルールのこと、歴史的協約や、指導者のこと。EUのこと、記憶に新しい同時多発テロのこと。太平洋戦争のこと。ベルリンの壁や朝鮮戦争、湾岸戦争。ノーベル平和賞の効果、そして戦争とビジネス。今も変わらない政府の在り方。巻末にはオバマ大統領の広島平和記念公園における2016年の演説が載せられており、盛り沢山な内容だった。
歴史はいまも続いている。悲惨な過去の再発、各国で続く惨劇の悪化をさせないよう、自身のできること、まずは自国の代表者をきちんと選ぶこと。そのために、今回のように歴史を知ること、他国の歴史・実情も知ること。誤った選択をしないよう、自身の知識を継続して深めたい。太平洋戦争で日本の占領下にあった地域のホテルの話など、何も知らずに観光で楽しむだけの自身に恥ずかしくもなった。歴史と共に歩むことを心に留め、その地を訪れたい。
外交は国の利益を考えた交渉であり「友だちだからいいじゃないか」というわけにはいかない。各国の交渉の場で最終的に決定を下すのは、国を代表する政府。政治家は国民によって選ばれている。政治家には冷静な判断が求められ、その政治家を選出するのは私たち国民の責任だ。
2019年、スウェーデンの高校生の国連温暖化サミットの話。たとえ小さな声でも世界に広がり、世界の人々を動かす。「私たちの力は微力だが無力ではない」微力でも積み重なれば大きな力になる。自分1人がどうこうしても意味がないではなく、1人でも大きな力とななる。
歴史は続いている。戦争の火種となった資源獲得の問題。その経済重視の姿勢による自然破壊。数々の環境問題。次の世代へ平和で安心・安全な未来を渡すために。人類すべてが滅亡しかねない。
「自国ファーストではなく地球ファーストの姿勢」。戦争は人が始める、それならば、人間がやめることができる。一人ひとりが自分の問題として考え歩むこと。
以上、池上彰さんからの学んだ多くのことを忘れずに、私自身、継続して世界に興味を持ち、学び続けたい。そして、冷静な判断ができ、行動に移せる人間になりたい。