村山由佳のレビュー一覧

  • 遥かなる水の音

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    ネタバレ

    ざっくり表現すると、散骨の旅。でもその過程で亡くなった周の旅した道を辿って、それぞれ得るもの失うものがあって、新たな気持ちに気付いて。あたたかいけど、泣きたくなる一冊。

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    2017年09月11日
  • 放蕩記

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    自伝的小説とのこと。
    「的小説」と付きはしても、少なくとも心の部分では、向き合い確かめながら、できるだけありのままに書こうとされたんじゃないだろうか。

    毎日の生活の中で、固く積もり重なってゆく母親への嫌悪感。
    それはそのまま自分への否定感にもつながってゆく。

    ビクビクというかトゲトゲというか。
    母親という存在が、意識せずともあたりまえに愛情の対象である人が多い中、知識や情報は増えても、感覚的なところでどれくらいわかってもらえるだろうと思っていた。
    それでいいのだった。少なくとも私にはとても自然に、旧知の日常を見ているかのようにするすると入ってきた。

    書き上げられてから数年経って、何か変わ

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    2017年07月30日
  • 僕らの夏 おいしいコーヒーのいれ方 II

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    このシリーズを読むと恋愛がしたくなる。
    ただ相手を好きになる「恋」の次元ではなく、互いを想い合って、時に焦れったい気持ちにもなりながら…
    なんて、そんな時間を過ごしてみたくなる。

    個人的には、かれんが武井咲ちゃんで勝利が佐藤勝利くん(Sexy Zone)のイメージ。
    ショーリだけに…

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    2017年06月25日
  • ヘヴンリー・ブルー

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    8歳年上の姉、春妃が自分のボーイフレンドと恋に落ちた。精神科医として働く、美しく優しい姉と、やっと両思いになった同級生の歩太くんが。「嘘つき!一生恨んでやるから!」。口をついて出たとり返しのつかないあの言葉。あの日に戻りたい。あの日に戻れたら。お姉ちゃん、お姉ちゃん、私は…。夏姫の視点から描かれる『天使の卵』アナザーストーリー。

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    2017年05月01日
  • ダブル・ファンタジー(上)

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    ちょっとエロい小説が読みたいなぁと思ってネットを漁っていたところ、わりと評判が良かったので読んでみた一冊。しかし、期待以上にエロかった…。村山由佳は学生時代に何冊か読んだことがあって、みずみずしい青春路線だとばかり思い込んでいたら、いつの間にこういう作品を書くようになっていたのか…。

    前半、志澤とのメールのやりとりやセックス描写は、渡辺淳一かと見紛うような三流ポルノで、何度途中で読むのを止めようかと思ったか判らない。しかし、主人公の奈津が別居を始めたあたりから急速に面白くなり、後半は一気読みだった。特に奈津が男を誘うときのセリフはなかなか秀逸で印象深い。性に淡白な夫との関係、憧れと従属、日溜

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    2017年04月15日
  • 放蕩記

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    まるで僕自身の物語なのかと思うほど共感した。辛辣と言われる主人公の言動にも当然だと思えてしまう。何よりも強い絆であるがゆえに、その関係は繊細で難しいものなのだ。
    あらすじ(背表紙よる)
    厳しい母親を恐れながらも、幼い頃は誇りに思っていた。いつからだろう、母を愛せなくなってしまったのは―。小説家の夏帆は、母親への畏怖と反発を抱えながら生きてきた。反抗の果ての密かな放蕩、結婚と離婚。38歳になりあらためて母娘関係と向き合う夏帆に訪れた、衝撃の真実とは。愛と憎、最も近い女同士の、逃れられないつながり。母を持つすべての人に贈る、共感と感動の自伝的小説。

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    2017年03月27日
  • 天使の柩

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    ネタバレ

    「天使~」シリーズ完結編。「天使の卵」で最愛の人春妃を失って以来、沈んでいた歩太の心を動かしたのは、14歳の茉莉だった。二人の間がどんな関係であれ、歩太にも「救い」の時が来たのは良かったなと思う。また歩太のお母さんの「不幸は皆に平等にやってくる。その不幸に変に身構えたりしないで不幸が来たときにはその時に皆で考えればいい」という言葉は凄くグッときた。人間一人では生きてはいけないのだなと思わされる。読んでよかったなと思った。感想はこんなところです。

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    2017年03月09日
  • 天使の梯子

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    ネタバレ

    再読2回目。「天使の卵」の続編。夏姫の恋人古畑慎一から見た夏姫、歩太の再生と過去への訣別の物語と言える。本を読んで色々な事が頭に浮かんできて感想に表すのは難しいが、愛する人に置いていかれる寂しさを消化して前に進むというのは、とても苦しいことだと思う。残された人たちは現実に生きていて、どこかでその辛さを乗り越えていかなくてはいけない。「卵」であれだけ打ちのめされた歩太にも、その機会が訪れたことは良かったなと思った。同じ物語を夏姫の視点から見たヘブンリーブルーや続編の天使の柩も読んでいきたいと思う。

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    2017年02月04日
  • 天使の柩

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    人生は肉じゃが。

    卵、梯子、柩…
    1つ1つも本当に面白かったけど
    3部作のこの時の流れが本当に良かった。

    出逢うからこそ形成されていくのが人生だなと。

    作者が主人公達に痛々しい困難を浴びせても
    尚、もがき生き抜く強さを人は持っていること、
    受け入れる強さ、
    受け止めてもらう勇気を出すことの大切さを教え与えてもらいました。

    強さとは優しさ

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    2016年12月30日
  • 天使の柩

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    居場所のない少女と最愛の人を亡くした青年の話。

    『天使〜』シリーズ最終章。
    少女には遠くない将来
    いつかもしもじゃなくて
    同世代の優しい人と素敵な恋愛をして欲しい。

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    2016年12月12日
  • 花酔ひ

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    引き込まれて一気に読んじゃった。

    少なくとも11月22日に読む本じゃなかった…。
    いい夫婦の日にW不倫のお話し。

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    2016年11月22日
  • 放蕩記

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    初の村山由佳作品、おもしろかった。ストーリー展開は結構ウッてなってしんどいんだけど、無意識に読み進めてしまう。文才ってこういうことだと思う。

    しかしどこまでがリアルなんだろう。最後まで救いようのない悪役でしかない母親…、に思えてならなかった。これが全て現実だとしたら子どもは相当辛い(実際ありえない話ではないしこういう人いるよな…って感じ)。

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    2016年11月04日
  • 天使の柩

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    天使シリーズの完結巻
    ネグレクトを受けて育った中学生の少女が30過ぎの歩太くんに出会うお話し

    文庫の発売当初に買ってはあったんだけど、読み始めるのになかなか踏ん切りがつかず
    だって、あの天使シリーズの完結なんて、悲しいような嬉しいような複雑な気持ちで
    なので、一気読みできるときにと思ってなかなか読めずにいました


    黒村山を経たからなのか、暗くドロドロした部分が多い
    まぁ、世の中にはもっと黒い小説もあるけど、天使シリーズにしてはちょっと黒すぎるといったところ

    それでも、そんな黒い部分を乗り越えるからこそのハッピーエンドなんだけどね
    二人とも人生の再生、再開ができてよかった

    夏姫は天使の梯

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    2016年10月01日
  • 天使の柩

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    色々と昔を思い出させてくれるような作品でした。
    内容と言うよりも空気感がとても好きな一冊でまた天使の卵から読み直してみようと思います

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    2016年08月02日
  • 花酔ひ

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    文章がとても綺麗。描写が細かく美しく、読んでいてうっとりする。庭の花の描写、着物の刺繍の描写、着物のコーディネートの描写。

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    2016年07月17日
  • 天使の梯子

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    物語の語り手は夏姫の元教え子だったフルチンこと古幡慎一だけど、主人公は『天使の卵』の2人(歩太と夏姫)みたいだった。卵の方は少し少女漫画風で展開が唐突だったけど、こちらはフルチンの嫉妬やら、卵から10年経過してまだ傷が癒えない2人の再生だとか、丁寧に描かれていて個人的には卵よりも好き。正直、歩太と比べてしまうとフルチンの方に魅力は感じないんだけども……村山作品としては、実に爽やかな読後感でした。

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    2016年07月02日
  • 僕らの夏 おいしいコーヒーのいれ方 II

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     おいしいコーヒーのいれ方シリーズ第2巻。
     勝利は大学生となり、後々まで登場する星野りつ子が登場。
     佐恵子おばさんがロンドンから一時帰国し。

     色々とハードル要素が盛り込まれ始めた感じですね。
     勝利がいつまで経っても後一歩踏み込めない、第2巻(笑)

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    2016年04月17日
  • 遥かなる水の音

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    1度目に読もうとした時は途中で挫折。
    なんだか途方もなくファンタジーの要素がしたのだ。
    何ヶ月か経って再度読もうとした時には、
    ファンタジー嫌いなわたしにもすっと入ってきた。
    サハラ砂漠に向かって旅する人たちの話、
    というとあまりに薄っぺらすぎる。
    魂とか、愛とか、文化とか、宗教とか、
    そういういろいろなものに触れられるストーリー。
    最後ちょっと泣いた。

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    2016年04月08日
  • 野生の風

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    世の中にはこれほどたくさんの色の種類が存在するのかと目の覚めるような思いで読み進んだ。こんなに繊細に鮮やかにあらゆる色合いを表現した作品を他に読んだことがない。 文章だけで極彩色が目に浮かぶよう。色だけでなく、匂い、温度、動物たちの命と魅力的なキャラクターの生が迫ってきて飽きることなく一気に読めた。この人の作品の恋愛もの『星々の舟』もとても良かった。また他の作品も読みたい。

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    2016年04月06日
  • 天翔る

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    石狩の少女が馬と成長する話。

    良識のある大人に囲まれていれば
    苦しみながら学校なんて行かなくてもいいと思う。

    しかし少女にこんな過酷なレースができるんだろうか。
    TVで放送された後に騒ぎ立てられないことを願います。

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    2016年03月24日