吉村昭のレビュー一覧

  • 陸奥爆沈

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    興味があるジャンルなので。

    帝国海軍が誇る戦艦、長門級二番艦「陸奥」。
    呉沖で大爆発を起こし、爆沈した。

    この事実は最高機密となる。
    また、爆沈の原因は何か?

    など、作者は最初全く書くつもりはなかった。
    誘われて訪れた柱島で慰霊碑を見て、何かを感じ、困難な調査を行って本書にまとめた。

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    2023年02月13日
  • 新装版 赤い人

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    2023年の1冊目。明治から大正時代にかけての北海道の開拓の歴史が学べる本。
    明治時代、囚人たちが未開の地だった北海道に送り込まれ、過酷な状況下で労働を強いられる様子が淡々と描写されている。タイトルの「赤い人」は囚人の着ていた赤い獄衣のこと。労役、脱獄、死、の繰り返しで、囚人と看守が徐々に敵対するようになり、終盤は囚人と看守の報復合戦のようになっていって怖ろしかった。囚人の中には何度も脱獄を繰り返す猛者や恩赦で釈放されてもまた舞い戻ってくる人なんかもいて、一人一人にスポットを当ててもドラマチックな物語ができそう。
    ゴールデンカムイ好きな人はより楽しめると思う。

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    2023年01月12日
  • 深海の使者

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    第二次世界大戦での太平洋上でのミッドウェイ海戦、ラバウル、ガダルカナル等の島々での悲惨な戦いは知っていたのだが、日本からドイツまで潜水艦で往来していたなんて、本当にビックリしました。詳しく、詳細に描かれており感動しました。

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    2022年12月07日
  • 破船

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    ネタバレ

    はるか昔、僻地の貧しい漁村で行われていた、往来船を座礁に導き積荷を奪うという、ほかには言えない風習。
    それが巻き起こす悲劇を描く。
    そんな風習をもつコミュニティだからこその結束と、世帯ごとライバルのように漁を行う姿が印象的だった。
    淡々と重苦しい雰囲気で進む物語だが、読み辞めたくならない不思議な小説だ。

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    2023年09月25日
  • 秋の街

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    吉村昭作品を読む時は緊張する。一文字も読み落としてはならないと思うからだ。「秋の街」は7つの短編だが、どれも短編ながら長編を読み終えた後のような疲労感がある。死と向き合う人間の心理描写は隙がなく読後の虚しさと悲しさを伴う。
    『秋の街』は、死は出てこないが、仮釈放の受刑者を見る刑務官の視点から描かれている。逃亡というドラマが起こる不安感を読者も共有する。
    我々が日常生活の中で見ないようにしている死と向き合う職業や、大人の闇の部分を垣間見た少年の心理など、顔を覆いながら指の隙間から覗くようなドキドキ感がある。

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    2022年11月21日
  • 三陸海岸大津波

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    元々知っている内容ばかりだったので新たに知ることのできるものはほとんどなかったが、私が既にいろいろな媒体で知ることができたのは、そもそもこのルポルタージュを元にしてできた記事なり映像だったりするのではないだろうかと思った。それほど詳細に調べてあるということだろう。ルポルタージュということで社会情勢や被害数字もかなり分量的に多くて、新聞を読んでいるような感覚だった。

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    2022年11月05日
  • 関東大震災

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    著者の「三陸海岸大津波」と同様の感想になってしまうが、元々知っている内容ばかりだったので新たに知ることのできるものはほとんどなかったが、私が既にいろいろな媒体で知ることができたのは、そもそもこのルポルタージュを元にしてできた記事なり映像だったりするのではないだろうかと思った。それほど詳細に調べてあるということだろう。ルポルタージュということで社会情勢や被害数字もかなり分量的に多くて、新聞を読んでいるような感覚だった。

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    2022年11月05日
  • 帽子

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    吉村昭の小説を読む時はなぜか緊張する。これまで震え上がるようなリアルな記録小説を読んできたからかもしれない。
    今回の『帽子』は、材料が男女の些細な日常と心の機微を描いているが、その描写の細かさは吉村昭そのものだった。
    特に『帽子』は、主人公の夫は愛する妻の喜ぶ帽子を買い続けるが、筆致は冷静で客観的だ。死に向かう妻の様子もいつもの詳細な描写で、やはり怖い。妻との言葉少ない会話から夫の心理も描き、読者を吉村ワールドへ引き込んでいく手法には尊敬する。その他の短編は、いかにも昭和の男目線の作品に感じた。

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    2022年11月02日
  • 三陸海岸大津波

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    ネタバレ

    田老地区の話が出てきた。
    結局、東日本では防波堤を超えてきてしまった
    いま、さらに高い防波堤を作ってる
    厳しい自然にどこまで力勝負するのか、、、と思った。いや、でも、実際生活してるひとはそうするしかないのだけど

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    2022年10月31日
  • 長英逃亡(上)

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    幕府の政策を批判して収監された高野長英が脱走してからの逃走劇を描く。

    逃走生活は長年にわたるが、そのあいだに長英は色んな人を頼る。人は一人では生きていけないし、いざという時に頼れる人がいることの大切さが分かる。
    若干長くて、読むのに体力を要した。

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    2022年10月10日
  • 陸奥爆沈

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    吉村氏にしては珍しく、筆者目線で過去の出来事に迫り、調査の経緯が描かれている。

    日本軍の下の階級の者の中には、前科がある者もいたことを初めて知った。
    規律正しく思える軍隊にも、実は色々いて、人間臭い世界があったらしい。

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    2022年09月04日
  • 花火 吉村昭後期短篇集

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    著者後期の短編16本を収めたもの。淡々とした筆致で死を扱ったものが多い。ストーリーに目新しさはないものの、場面の描写が冴えている。

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    2022年08月28日
  • 吉村昭の平家物語

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    吉村昭氏を初めて知りました。
    あの有名な平家物語をこんな読みやすい現代語訳にしちゃうなんてすごい。
     祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響あり...
    って冒頭部分は中学生の頃だったか暗記させられた記憶しかなく、読んでみたいっていう好奇心だけではどうにもならない高いハードルがありますからね。
    大河ドラマで見た『平清盛』と今放送中の『鎌倉殿の13人』の理解を深めるのにいいと思う。

    こんな読みやすいのに、正直言って清盛の孫たちの名前を把握してるわけじゃないから、途中で飽きてくる。あはは。
    でも読み切りましたよ〜
    終盤の平家没落の物悲しさが痛々しい。

    身内を信じない頼朝の哀れも痛々しい。

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    2022年08月18日
  • 三陸海岸大津波

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    明治、昭和と三陸海岸には幾度となく津波が襲っている。地震が起こらないケースもあるそうで、津波警報のない昔は、いきなり襲ってきた津波にのまれた被害者が少なくない。
    本自体のボリュームは少ないが、中身は濃かった。

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    2022年08月14日
  • 脱出

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    終戦前後の脱出に関する短編5編。樺太から、沖縄から、サイパンからの脱出。架空の主人公だろうが、まるでノンフィクションのよう。

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    2022年08月01日
  • 蚤と爆弾

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    短大生のとき、造形の授業の講師に
    おすすめされた一冊。

    いや、なんでおすすめしてくれたんだ…?と
    思いつつやっと読んだ。
    というか、やっと読みきった。
    (去年の夏あたりから読んでる笑)
    描写が本当にキツい。本当にあってもなくても
    そういう考え方を持っている人が少なからずとも
    いるんだよね。怖い。
    どうしようもない気持ちになる。
    腹立つし、悔しいし、悲しい。怒り。



    私が4年生まで通っていた小学校は
    戦争学習や人権学習に力が入っていて
    毎年終戦記念日のあたりに合わせて、夏休みにもかかわらず戦争の授業(自由参加)が設けられていたなぁ。
    なんか思い出しちゃった。 
    その時はまだ、可哀想だな戦争

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    2022年07月18日
  • 桜田門外ノ変(下)

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    名作には違いないが、下巻は関鉄之助を中心とする生き残りメンバーの逃避行だけなので、途中でちょっと飽きてきた。ただ、緊張感が伝わってくる描写はさすが。

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    2022年07月13日
  • 雪の花

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    ネタバレ

    種痘の普及に努めた福井の町医者。
    京都から福井へ接種済みの幼児を連れて、家族も連れて1日35キロの強行移動。2メートルの積雪の中でも休まず、相当な信念を感じた。
    米原長浜を越えて木之本にはいると急に北国という印象を受ける。好きな土地。雪中の峠越えの恐ろしさをやたらおどろおどろしく描写していないところが気に入った。しかしそれでも十分に恐怖は伝わってき、好きな文体。

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    2022年06月26日
  • 新装版 赤い人

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    小説であるが吉村昭先生の取材が緻密で、明治史を北海道監獄視線で読み解くことが出来る
    囚人達は常に脱獄を虎視眈々と狙うが、時代状況に合わせて動機や心情の描き方を変えてくるのはさすが
    英照皇太后崩御の時の恩赦が監獄囚人の希望で連綿と語り継がれ、明治大帝御不例の噂を耳にした囚人が外役の時に住民に聞いたり、崩御後は『脱獄』がハタと止むのがリアルだった

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    2022年06月10日
  • 暁の旅人

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    幕末の医師・松本良順。
    司馬遼太郎の『胡蝶の夢』が好きで、吉村昭氏の小説も好きで読んだ。
    司馬氏の場合、言わずもがな、長編なので、様々な主人公が奮起しどのように近代医療を輸入したか、激動のこの時代をどのように生きたのかが具に表現されていた。
    一方、吉村氏のこの作品は、淡々とではあるが、松本良順が、その仲間や親族たちとどの時期の時点でどう行動し活躍したのかをくまなく述べている。

    どちらも読んだからこそ、どちらの良さも実感。

    だからこそ、感銘を受けた小説こそ解説までも楽しみなのに、解説には少々ガッカリ。
    本作とあとがきだけで十分。

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    2022年05月30日