吉村昭のレビュー一覧

  • 陸奥爆沈

    Posted by ブクログ

    吉村氏にしては珍しく、筆者目線で過去の出来事に迫り、調査の経緯が描かれている。

    日本軍の下の階級の者の中には、前科がある者もいたことを初めて知った。
    規律正しく思える軍隊にも、実は色々いて、人間臭い世界があったらしい。

    0
    2022年09月04日
  • 花火 吉村昭後期短篇集

    Posted by ブクログ

    著者後期の短編16本を収めたもの。淡々とした筆致で死を扱ったものが多い。ストーリーに目新しさはないものの、場面の描写が冴えている。

    0
    2022年08月28日
  • 吉村昭の平家物語

    Posted by ブクログ

    吉村昭氏を初めて知りました。
    あの有名な平家物語をこんな読みやすい現代語訳にしちゃうなんてすごい。
     祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響あり...
    って冒頭部分は中学生の頃だったか暗記させられた記憶しかなく、読んでみたいっていう好奇心だけではどうにもならない高いハードルがありますからね。
    大河ドラマで見た『平清盛』と今放送中の『鎌倉殿の13人』の理解を深めるのにいいと思う。

    こんな読みやすいのに、正直言って清盛の孫たちの名前を把握してるわけじゃないから、途中で飽きてくる。あはは。
    でも読み切りましたよ〜
    終盤の平家没落の物悲しさが痛々しい。

    身内を信じない頼朝の哀れも痛々しい。

    0
    2022年08月18日
  • 三陸海岸大津波

    Posted by ブクログ

    明治、昭和と三陸海岸には幾度となく津波が襲っている。地震が起こらないケースもあるそうで、津波警報のない昔は、いきなり襲ってきた津波にのまれた被害者が少なくない。
    本自体のボリュームは少ないが、中身は濃かった。

    0
    2022年08月14日
  • 脱出

    Posted by ブクログ

    終戦前後の脱出に関する短編5編。樺太から、沖縄から、サイパンからの脱出。架空の主人公だろうが、まるでノンフィクションのよう。

    0
    2022年08月01日
  • 蚤と爆弾

    Posted by ブクログ

    短大生のとき、造形の授業の講師に
    おすすめされた一冊。

    いや、なんでおすすめしてくれたんだ…?と
    思いつつやっと読んだ。
    というか、やっと読みきった。
    (去年の夏あたりから読んでる笑)
    描写が本当にキツい。本当にあってもなくても
    そういう考え方を持っている人が少なからずとも
    いるんだよね。怖い。
    どうしようもない気持ちになる。
    腹立つし、悔しいし、悲しい。怒り。



    私が4年生まで通っていた小学校は
    戦争学習や人権学習に力が入っていて
    毎年終戦記念日のあたりに合わせて、夏休みにもかかわらず戦争の授業(自由参加)が設けられていたなぁ。
    なんか思い出しちゃった。 
    その時はまだ、可哀想だな戦争

    0
    2022年07月18日
  • 桜田門外ノ変(下)

    Posted by ブクログ

    名作には違いないが、下巻は関鉄之助を中心とする生き残りメンバーの逃避行だけなので、途中でちょっと飽きてきた。ただ、緊張感が伝わってくる描写はさすが。

    0
    2022年07月13日
  • 雪の花

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    種痘の普及に努めた福井の町医者。
    京都から福井へ接種済みの幼児を連れて、家族も連れて1日35キロの強行移動。2メートルの積雪の中でも休まず、相当な信念を感じた。
    米原長浜を越えて木之本にはいると急に北国という印象を受ける。好きな土地。雪中の峠越えの恐ろしさをやたらおどろおどろしく描写していないところが気に入った。しかしそれでも十分に恐怖は伝わってき、好きな文体。

    0
    2022年06月26日
  • 新装版 赤い人

    Posted by ブクログ

    小説であるが吉村昭先生の取材が緻密で、明治史を北海道監獄視線で読み解くことが出来る
    囚人達は常に脱獄を虎視眈々と狙うが、時代状況に合わせて動機や心情の描き方を変えてくるのはさすが
    英照皇太后崩御の時の恩赦が監獄囚人の希望で連綿と語り継がれ、明治大帝御不例の噂を耳にした囚人が外役の時に住民に聞いたり、崩御後は『脱獄』がハタと止むのがリアルだった

    0
    2022年06月10日
  • 暁の旅人

    Posted by ブクログ

    幕末の医師・松本良順。
    司馬遼太郎の『胡蝶の夢』が好きで、吉村昭氏の小説も好きで読んだ。
    司馬氏の場合、言わずもがな、長編なので、様々な主人公が奮起しどのように近代医療を輸入したか、激動のこの時代をどのように生きたのかが具に表現されていた。
    一方、吉村氏のこの作品は、淡々とではあるが、松本良順が、その仲間や親族たちとどの時期の時点でどう行動し活躍したのかをくまなく述べている。

    どちらも読んだからこそ、どちらの良さも実感。

    だからこそ、感銘を受けた小説こそ解説までも楽しみなのに、解説には少々ガッカリ。
    本作とあとがきだけで十分。

    0
    2022年05月30日
  • ポーツマスの旗

    Posted by ブクログ

    日露戦争の講和条約締結に尽力した小村寿太郎の話。
    日露戦争の海戦を描いた海の史劇の後に読んだ。

    前半は出来事の羅列が多く、若干読みづらいが、後半のロシア全権ウィッテとの緊迫した交渉は、息詰まるものがあった。

    また、当時のロシアのマスコミ(新聞)操作も印象的で、時代は違えど、戦争におけるマスコミ、民衆の印象操作が重要なのは、今も昔も変わらないことが分かる。

    日露戦争後の民衆の暴動、軍部の権力拡大など、このあたりから日本の外交はおかしな方向へと進んでいくことになり、あとがきにあるように、小村の行った外交は、全然日本の最後の英知といえるそうだ。

    0
    2022年05月01日
  • 桜田門外ノ変(上)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    作者のいつもの作品らしく、時系列で淡々と進んでいくが、それでも水戸藩の差し迫った状況が浮かんでくる。
    幕末は何度も何度も小説で読んでいますが、意外と水戸藩の状況って知らなかったのだなぁとの感想です。

    0
    2022年04月10日
  • 破獄

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    監獄の話は「海峡の光」に続き、2作目
    食糧難で囚人の生活を羨む看守、囚人よりも少ない人数で絶えず緊張感を持って立つ看守など、看守と囚人の立場の逆転していく様は震える

    戦後、好景気へ移りゆく社会の中ころりと死ぬ佐久間。仮出所してからの姿は涙が出そうになる

    0
    2022年03月19日
  • 大黒屋光太夫(下)

    Posted by ブクログ

    井上靖のおろしや国酔夢譚では、帰国後の光太夫と磯吉は良い扱いがされていないように書かれていた。しかし、新史料をもとに書かれた本書は全く違う。とても恵まれた余生を送っていたらしい。少しほっとした。それよりも気になるのがイルクーツクに残された庄蔵と新蔵だ。どんな思いで極寒の異国で生きていたのだろう。

    0
    2022年03月08日
  • 冬の鷹

    Posted by ブクログ

    ★★★
    今月1冊目
    解体新書を出した、杉田玄白と前野良沢の本。
    世の中では杉田玄白がという感じだが実際は前野良沢が翻訳。杉田玄白は弟子。
    が、人生の明暗を分けたのは考え方。
    おもろかった

    0
    2022年03月01日
  • 大黒屋光太夫(上)

    Posted by ブクログ

    1985年にTBSのシベリア大紀行と言う番組で椎名誠が大黒屋光太夫の足跡を辿ってるのを観た。その番組が印象深く、その影響で井上靖のおろしや国酔夢譚を読み、後に映画化されたものも観た。でもなぜか椎名誠のシベリア追跡やTBS取材班のシベリア大紀行は読んでいない。その後、2003年に吉村昭の大黒屋光太夫が発行されたので読みたいと思っていたのだが、ようやく読み始めた。

    0
    2022年02月22日
  • 吉村昭の平家物語

    Posted by ブクログ

    読んだことがなかった平家物語。1冊にまとまっているので読みやすい。その分、ダイジェスト感が強くていまいちのめり込めないところがあるけれど、終盤に向けて平家の人びとが大人はもちろん子どもも罪人としてはりつけになったり河原に首がさらされたりする様子はなかなか凄惨。そういう風習が明治初期まで続いていたかと思うと日本もなかなか野蛮だったなと思う。

    0
    2022年01月27日
  • 三陸海岸大津波

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    明治29年、昭和8年の大津波と、昭和35年チリ地震による津波が三陸沿岸にもたらした被害の記録と体験者の証言。
    特に明治29年は大災害だったんだなあ…と言葉もない。
    東日本大震災まで吉村さんが存命だったら、どんな言葉を残してくれたんだろう、と思わずにはいられなかった。
    津波をあらわす方言の「よだ」の意味に、地域差が出たり時代を経て異なってくるのも興味深い。

    0
    2022年01月20日
  • アメリカ彦蔵

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    嵐にあって漂流し、アメリカで数年過ごしたが、キリスト教に改宗していたため、日本国籍での帰国が叶わず、アメリカ国籍を取って帰国した男の話。

    英語と日本語を話す優秀な人材であったが、帰国してから、幕末、明治の時代に翻弄され、職や立場、住む場所は目まぐるしく変わる。

    自分の居場所を見つけることがてきず、仕事を辞め、病気がちになって過ごした晩年の過ごし方も印象的。
    大黒屋光太夫もそうであったが、漂流民は帰国が人生最大の目標になり、それが叶ってからは何を成し遂げるともなく過ごすということも多いのかもしれない。

    0
    2022年01月09日
  • 戦艦武蔵

    Posted by ブクログ

    武蔵の造船、進水が長崎造船所を舞台にしており、長崎を最近旅した事もあるので、この本はとても身近に感じました。事実を淡々と描く作風で「熊嵐」「漂流」「破獄」がかなり好きな作品、戦争について読みたいので、他の戦争について書かれた作品も今後読みたいです。

    0
    2022年01月08日