吉村昭のレビュー一覧

  • 生麦事件(下)

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    生麦事件が冒頭に始まり、その余波を描いていくストーリー。
    途中タイトルは薩英戦争のほうがいいのではと思ったが、発端は生麦事件にあるだろうなと。
    教科書では字面しか出てこないが、重要であった。
    薩摩の徹底的な抵抗姿勢がなければ日本は中国のようになり、植民地になっていたのはたしか。
    賛否両論はあるが、日本に薩摩のような藩があってよかった。

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    2018年03月17日
  • 彰義隊

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    黒船の来航してからというもの、どうも弱腰を隠せない徳川幕府は
    鎖国にこだわる朝廷をなだめるのでずっと手一杯だった
    その間
    新しい日本の主導権を握ろうと、野望を燃やす薩摩・長州は
    勝手にイギリスと組み、近代的な軍事力を得て
    大政奉還・王政復古を成し遂げたあとにも飽きたらず
    旧幕府殲滅計画を着々とすすめていた
    そんな薩長を、朝廷も支持したというのは要するに
    強いものになびいただけの話
    …というのでもなくて
    婚約者を将軍に奪われた人の私怨が大きく絡んでいたらしいのだが
    いずれにせよ朝廷が
    現実の武力に対してなすすべのなかったことに変わりはなかった
    しかしそれでも…いや、だからこそ
    旧幕府派の志士たち

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    2018年02月11日
  • 海軍乙事件

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    太平洋戦争などにまつわる事件や逸話を作者が丹念に取材し、まるで論文のように書いていく作品。
    海軍Z作品が米軍の手に渡り、そのことをさとられないように、潜水艦で日本軍に返し・・・というところで、もしやと思ったが、この話が栄光なき凱旋の元ネタかと繋がった。
    さらっと書いてあるが史実としては実際にあの日系人二人が返したのだろうか。ちょっと調べてみる必要がありそうである。
    読書は続けているとぱっと繋がる瞬間がたまに訪れるのである。

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    2017年11月26日
  • 東京の戦争

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    戦時戦後の人々の様子がわかる。作者は比較的裕福な家庭だったからか本人の性格もあるのか戦争というものにをどこか達観しているように思う。それは彼の兄弟、親が次々に亡くなっていき死が生きるなかで自然なこととして受け入れていたからなのだろうか。

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    2017年11月24日
  • 彰義隊

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    上野合戦をメインにおくと思いきや、彰義隊が出て来たのは冒頭及び中盤辺りまでで、ほとんどが輪王寺宮の話という予想外の展開になっていた。史実に基づいているため淡々としていて面白みはないが、勉強にはなる。

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    2017年11月24日
  • 新装版 海も暮れきる

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    「咳をしてもひとり」「いれものがない両手でうける」が中学校の国語の教科書(三省堂)に掲載されている。それらは自由律俳句の代表作として所収されているが、そを作った俳人尾崎放哉(おざきほうさい)の晩年を、吉村昭が描いた伝記文学。
    放哉は、東京大学を卒業したエリートで、俳人としても認められている存在だった。しかし、酒癖の悪さが原因で仕事を追われ、妻とも別れて、俳句同人の、井上を頼って小豆島に渡る。そこで、 寺の離れの庵守りとして暮らし始める。
    放哉は、生活力がないので、島の名士の井上や寺の住職、島の外の俳句仲間に無心をする。相手のちょっとした態度にすぐに怒ったり、同じ相手にちょっと親切にされると、感

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    2017年11月10日
  • 大本営が震えた日

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    太平洋戦争開戦に際する、マレー上陸、タイ通過、真珠湾などの奇襲作戦の裏側。様々な要因で何とか発覚しないまま奇襲は成功裏におわると。

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    2017年06月29日
  • アメリカ彦蔵

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    時代の変化に偶然にも最先端を生きた彦蔵から見た幕末の日本史が面白い。アメリカを良く描きすぎてませんか。

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    2017年05月28日
  • 深海の使者

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    第二次大戦下、遥かヨーロッパまでの航海に挑み続けた旧日本軍の潜水艦群の奮闘を、娯楽作品として盛り上げようなどという意図は皆無、ただただ状況説明に徹して綴り上げたほぼノンフィクション。
    決して読み易くはないが、自分の中で読み方が定まってくればグッと入り込むことができる。

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    2017年05月16日
  • 海の祭礼

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    幕末に英語通辞として活躍した蘭語通辞と、英語を教えた米国人漂流者の物語を通して、幕末の開国の騒乱を描き出す。

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    2017年04月12日
  • 海の祭礼

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    外国語を学習するモチベーションにつながる話。淡々と時系列で事実の羅列が続き、登場人物の心の描写はあまり多くない。感情を抑えた筆致。

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    2017年04月01日
  • 新装版 白い航跡(下)

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    ネタバレ

    若い時期の高木兼寛が本人の才能、実直さと周囲の人間のサポートとを得て活躍の場を広げていく様を描いた上巻とは異なり、下巻では、明治期の海軍、陸軍を襲った脚気の惨禍に対する関わりを中心に、兼寛の事績や関連する森林太郎(森鴎外)などの人物との葛藤などが話の中心となっている。記録が多く残る近代の実在人物を描くと読者が求めるような魅力あるストーリーにはならないことは仕方ないが、やや記録文学の側面に偏り過ぎていて面白みに欠けたため下巻は5段階中3の評価に。

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    2017年03月27日
  • プリズンの満月

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    へえー、巣鴨プリズンの話かあと思って読んでみたら、「羆嵐」の吉村昭さんでしたか。

    巣鴨プリズンって名前は聞いたことあるけど、どんなところだったのかとかは全く知らなかったので、とてもためになりました。
    サンシャインシティって、その跡地に建ったんだ……、それすら知りませんでした。
    後半はほとんど刑務所の用をなさない感じだったんだなあ。
    戦犯に対する思いは複雑。戦争になったのはお前のせいじゃ!と言いたくなるような人もいただろうし、罪もないのに一方的に犯罪者扱いされた人もいただろうし。
    勝った側が一方的に負けた方を裁くっていうのもねえ……。本文にもあったけど、原爆落とした国にお咎めなしってどうよ。

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    2017年03月21日
  • 星への旅

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    死が漂う6編の小説。雨に濡れた蜘蛛の巣など細部の描写がとても美しい。作品を通して何を言いたいのかはさっぱり掴めなかった。

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    2017年02月26日
  • 死顔

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    新潮文庫 吉村昭 「死顔」

    「理想の死」をテーマとした遺作短編集。実際の著者の死(点滴とカテーテルを自ら抜いた死)が、正常な意思の中で行われた「理想の死」だったことがわかる


    多くの家族や友人の死を看取り、多くの人間の生を描いてきた小説家の「理想の死」が、尊厳死と呼べるのか?生の放棄なのか ?考えさせられる


    死顔を家族以外に見せないよう すぐ焼骨せよ、という願いも、人の死を知りすぎたゆえの配慮なのだろうか


    著者にとって「理想の死」
    *限界ぎりぎりまで 生きても苦しいだけだが、生きる努力を放棄すべきではない
    *死期を自ら悟ったのなら、延命措置はせず、薬服用と食の拒否により自ら死を

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    2017年02月16日
  • アメリカ彦蔵

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    江戸時代末期の実話を基にした小説。
    漂流物けっこう好きかも。漂民宇三郎、おろしや国酔夢譚、ジョン万次郎漂流記などなど。

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    2016年12月18日
  • アメリカ彦蔵

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    漂流し、アメリカ船に助けられ、温かさに触れる。日本との交渉に使うというのもあるが、下僕として遇するという選択肢もあった。キリスト教を信心するところから出る行動なのか。彦蔵が年少で可愛かったからか。彦蔵が故郷に戻った際に予想外に貧困で惨めな村の様子を見た時、「村人の存在がわずらわしく、怒声を浴びせて追い払いたかった。」とある。漂流に遭わなければ、彼らの中に交じっているはずなのによくそんな気持ちになれたもんだ。村に寄付ぐらいすれば良かったのに。自分は、多くの人に助けてもらってるのに他人には思いやりに欠ける。2016.7.24

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    2016年07月24日
  • 光る壁画

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    胃カメラの開発の苦労に主人公の私生活が絡んで、生々しい展開が広がる。辛くとも打ち込めることがあれば、幸せである。2016.7.6

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    2016年07月06日
  • 背中の勲章

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    特設監視艇長渡丸の乗員は、敵機発見の報告とともに敵艦に突撃を食らわせる予定だったが惜しくも船が沈没して捕虜となり、アメリカ各地の収容所での長い勾留生活が始まった…。
    「生きて虜囚の辱めを受くることなかれ」
    戦中の異常な思考回路に現代を生きる私は必死で理解しよう、ついていこうとするものの何度も振り落とされそうになりながら読み進めた。

    敵機発見は特攻と死を意味するのに、そうなるよう祈る船員。国のために死ぬ名誉、捕虜となった屈辱や、日本は勝てると馬鹿正直に信じて疑わない姿勢。
    今のアメリカナイズされたザ・民主主義ワールドに生きる甘ちゃんな現代っ子には、「なんでこの人達こんなに盲信できるんだろ」とい

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    2016年06月16日
  • 熊撃ち

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    北海道に住んでいたことがあるので、他人事とは思えない。羆の対処法を聞いた時に、助かるかどうかは運しかないんだ、と思ったことを思い出した。

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    2016年05月24日