【感想・ネタバレ】大本営が震えた日のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2021年06月29日

まだあの戦争から100年も経っていないんだ。
太平洋戦争の末期じゃなく今から始めるって時ですら、こんなに薄氷を踏むような浅はかな戦略だったんだ

いかにあの時代が人命より国家を重視してた証左だ

それは、無理やり五輪を開催しようとしている今の日本と重なる

こんなに人名を軽視していた時代から、
まだ...続きを読む100年すら経ってないんだな。

ファクトフルネスじゃないけど、いろいろあるけど世の中は少しずつ良くなってるんじゃないかと信じたい

0

Posted by ブクログ 2019年12月28日

「開戦」という、絶対的な時間指定がある巨大プロジェクトを進めるために、広大な領域に広がる巨大な組織の隅々に機密情報を行き渡らせるのは困難な課題だが、いくつか失敗はあったものの我が国がそういった力を持っていたのは、いまだに陰に埋もれたままの無数の英雄がいたからなのだろう。

0

Posted by ブクログ 2016年01月19日

この小説は、1941年12月1日の御前会議から12月8日の米英蘭に対する奇襲作戦を行うに至るまでの話である。秘密裏に準備が進められたこの一週間の間に起こった予期せぬ事態に軍部がどのように動いたかを細い取材の元に綴られた史実なのである。それは、墜落する上海号という双発機に暗号書と開戦指令書を持ち込んだ...続きを読む兵士の命をかけた逃走と人間を虫ケラのように扱う軍部の動きを対象にして描かれていく。吉村昭が描く戦史小説に一貫して通じるテーマがそこにある。小説の結びには、陸海軍人230万人、一般人80万人のおびただしい死者を飲み込んだ恐るべき太平洋戦争は、こんなふうにしてはじまった。しかも、それは、庶民の知らぬうちに密かに企画され、そして、発生したのだ。と締め括られている。

0

Posted by ブクログ 2012年07月14日

大本営。よく聞くようで、よく知らない言葉。調べると、天皇直属の最高機関のことで、陸軍や海軍もその下部組織になるとのこと。

昭和16年12月8日、日本はアメリカと開戦を決意する。その始まりの真珠湾奇襲のために、日本大本営は多くの極秘工作をすすめていた。

まだ戦争をしないことをアピールするために、開...続きを読む戦直前に豪華客船「竜田丸」をアメリカに向けて出発させたり、日本艦隊が未だ日本にあるようなニセ無線を流す。軍隊がタイ国を通過する許可を開戦日前日の23時に交渉する。真珠湾へ向かう艦隊が発見されないような航路の開拓。等々。それらの作戦は綿密で、12月8日に向けて必須な積み上げだ。でも、細部については運任せ、現場任せな部分が多い。しかも、個々の作戦はどれも成功するという前提。深刻な立案のようで、かなり楽観的。さらに、開戦という大目標が極秘なので、これら小作戦の目的や目標を全員にはっきりと示すことができない。現代のビジネス本なら意思統一のできていない最悪の組織だとバッサリ切り捨てるだろう。でも、これが世界戦争を直前に控えた日本大本営なのだ。

なんとなく、暗闇で般若心経を米粒に書いている職人をイメージする。吹けば飛ぶような米粒に必死の形相で情熱を込めていたニッポン。いかにも緻密な作業好きな日本人らしい。でも、悲しいかな世界戦争は芸術ではなく、物量が焦点なんだよな・・・。

0

Posted by ブクログ 2011年01月02日

おもしろい!読み応えありました!!
真珠湾攻撃前夜の物語。
海軍・陸軍・諜報部その全てが危ない綱渡りをした上での奇跡のような成功だったことがよく分かる。暗号解読が遅れて宣戦布告が間に合わなかったその1点だけが失敗だったんだなと。
戦争を賛美するわけではなく、日本人が世界相手に凄いことやったのはよくわ...続きを読むかる。(つか今の日本も政治家がこんだけ死ぬ気でやればもっとましな国になるんでね?)
どの章もスリルとサスペンスで全編山場です。
というかほんと吉村先生凄すぎる!!

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年03月03日

開戦日に向かって、当時の日本の中枢が、右往左往し不安に駆られながら目的達成のために進めていく様が、なんともすごいリアルな感じで、当時の雰囲気を感じ取れた。
でも、結果、ものすごい犠牲が出てしまうのだが、、
その犠牲の上に今の日本があることは、忘れてはいけないと思った。

0

Posted by ブクログ 2022年08月24日

「吉村昭」が太平洋戦争開戦前夜を描いたドキュメント作品『大本営が震えた日』を読みました。

『戦史の証言者たち』に続き「吉村昭」作品です。

-----story-------------
開戦を指令した極秘命令書の敵中紛失、南下輸送船団の隠密作戦。
太平洋戦争開戦前夜に大本営を震撼させた恐るべき事...続きを読む件の全容――。

昭和16年12月1日午後5時すぎ、大本営はDC3型旅客機「上海号」が行方不明になったとの報告を受けて、大恐慌に陥った。
機内には12月8日開戦を指令した極秘命令書が積まれており、空路から判断して敵地中国に不時着遭難した可能性が強い。
もし、その命令書が敵軍に渡れば、国運を賭した一大奇襲作戦が水泡に帰する。
太平洋戦争開戦前夜、大本営を震撼させた、緊迫のドキュメント。
-----------------------

昭和16年11月から12月8日までの太平洋戦争開戦に関するエピソードを集め以下の構成でドキュメントした作品です。

 ■上海号に乗っていたもの
 ■開戦司令書は敵地に
 ■杉坂少佐の生死
 ■墜落機の中の生存者
 ■意外な友軍の行動
 ■敵地をさまよう二人
 ■斬首された杉坂少佐
 ■イギリス司令部一電文の衝撃
 ■郵船「竜田丸」の非常航海
 ■南方派遣作戦の前夜
 ■開戦前夜の隠密船団
 ■宣戦布告前日の戦闘開始
 ■タイ進駐の賭け
 ■ピブン首相の失踪
 ■失敗した辻参謀の謀略
 ■北辺の隠密艦隊
 ■真珠湾情報蒐集
 ■「新高山登レ一二〇八」
 ■これは演習ではない
 ■あとがき
 ■解説 泉三太郎

中心となっているのは、昭和16年12月1日に発生した上海号不時着事件、、、

香港攻略や南方作戦に関する作戦命令書を持った「杉坂共之陸軍少佐」や暗号書を持った「久野寅平陸軍曹長」が搭乗した旅客機「上海号」が中国軍勢力範囲の山岳地帯に不時着し、作戦命令書や暗号書等の軍事機密書類が敵(中国)側に渡るのを恐れた日本軍の行動や「上海号」から脱出した「杉坂少佐」や「久野曹長」の逃避行が描かれています。

軍事機密書類が敵の手に渡れば、これまで極秘裏に準備を進め、既に後戻りできないところまできているマレー半島上陸作戦、真珠湾奇襲作戦が明らかとなり、緒戦での勝利は覚束なくなることから、大本営を始め、関係者が震撼した事件です。

ノンフィクションであることを忘れそうになるような冒険小説さながらの展開には驚かされましたね。


また、太平洋戦争の開戦って、真珠湾攻撃ばかりが注目されがちですが、、、

本作品では真珠湾に向かった聯合艦隊ばかりではなく、同時に行われた陸軍によるマレー半島への上陸作戦についても詳しく触れられており、

○12月7日には、既に戦闘(戦争)が始まっていたことや、
○マレー半島への上陸時、荒天により上陸用舟艇への乗り込みにおいて死者を出していたことや、
○事前にタイとの交渉によりタイ国内を通過できる予定が、「ピブン首相」の失踪により調整が遅れ、タイ国軍や警察との間に武力衝突が発生したこと 等

初めて知ったことも多かったですね。



マレー半島上陸作戦と真珠湾奇襲作戦を描いた名著だと思います。

決して戦争を美化することのない、

「庶民の驚きは大きかった。
 かれらは、だれ一人として戦争発生を知らなかった。
 知っていたのは、極くかぎられたわずかな作戦関係担当の高級軍人だけであった。
 陸海軍人230万、一般人80万のおびただしい死者をのみこんだ恐るべき太平洋戦争は、こんな風にしてはじまった。
 しかも、それは庶民の知らぬうちにひそかに企画され、そして発生したのだ。」

という著者の言葉が印象的だし、太平洋戦争の本質を表していると感じましたね。

決して忘れてはならない歴史だと思います。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年08月20日

昭和十六年十二月一日皇居内東一の間で開かれた御前会議において、十二月八日対英米蘭開戦の断を天皇が下してから戦端を開くに至るまでの一週間、陸海空軍第一線部隊の極秘行動のすべてを、事実に基づいて再現してみせた作品。

8月は意識して先の大戦に関する書籍を手にしてきましたが、そんな私の開戦のイメージは真珠...続きを読む湾への奇襲攻撃。

それはあくまでも日本が戦争を始めた瞬間であって、奇襲攻撃を仕掛けるにあたり作戦や準備も含め入念に計画され、準備を行なってきたという事実を改めて痛感させられました。

ハルノートによって開戦一択となったようなイメージをぼんやりと持っていましたが、それはまさに最後通牒でしか無く、軍部ではそれ以前から開戦に向けた準備を行なっていたということなんでしょう。

そして、無知故に私自身のイメージとして真珠湾(海軍)から始まったと思っていた認識は半分しか当たっておらず、同時並行でマレー半島への奇襲攻撃(陸軍)があったことを知りました。

真珠湾、ミッドウェイ、レイテ島、特攻、沖縄戦に本土空襲、原爆投下...

戦時中ではなく、日本が戦争をすると決めた時から開戦までの1週間。

そこで何が行われ、何を行っていたのか。

タイトルである「大本営が震えた日」とは、極秘にすすめられてきた開戦に向けた準備の証拠が敵側に渡ったかもしれないという緊張感。

一部の軍上層部の苦悩を描いた作品。

最前線で戦った多くの兵士には開戦の直前まで知らされなかった事実。

そして多くの国民は日本が戦争を始めたことを大本営発表のラジオにて知ることに。

軍人約230万、民間人約80万もの犠牲者を出した大戦はこのようにして始まった。



説明
内容紹介
開戦を指令した極秘命令書の敵中紛失、南下輸送船団の隠密作戦。太平洋戦争開戦前夜に大本営を震撼させた恐るべき事件の全容――。
内容(「BOOK」データベースより)
昭和16年12月1日午後5時すぎ、大本営はDC3型旅客機「上海号」が行方不明になったとの報告を受けて、大恐慌に陥った。機内には12月8日開戦を指令した極秘命令書が積まれており、空路から判断して敵地中国に不時着遭難した可能性が強い。もし、その命令書が敵軍に渡れば、国運を賭した一大奇襲作戦が水泡に帰する。太平洋戦争開戦前夜、大本営を震撼させた、緊迫のドキュメント。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
吉村/昭
1927(昭和2)年、東京日暮里生れ。学習院大学中退。’66年『星への旅』で太宰治賞を受賞。その後、ドキュメント作品に新境地を拓き、『戦艦武蔵』等で菊池寛賞を受賞。以来、多彩な長編小説を次々に発表。周到な取材と緻密な構成には定評がある。芸術院会員。主な作品に、『破獄』(読売文学賞)、『冷い夏、熱い夏』(毎日芸術賞)、『天狗争乱』(大仏次郎賞)等がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

0

Posted by ブクログ 2022年02月12日

航空機「上海号」が中華民国軍支配地域に不時着。そこには対米英開戦に関わる作戦命令書を携行した日本軍参謀が乗り合わせており、もし命令書が敵に渡っていたら綿密な奇襲作戦がすべて水泡に帰してしまう。
真珠湾攻撃やマレー攻略作戦の直前まで不測の事態に直面していた日本軍の実態を記録した作品。不確実性はつきもの...続きを読むとはいえ、ここまでギリギリだったとは知らなかった。
軍首脳部の狼狽ぶりと最前線将兵の任務に対する実直さの差異が印象的。

0

Posted by ブクログ 2021年07月19日

太平洋戦争前夜の日本軍の隠密の準備行動を描く。

真珠湾攻撃や南部侵攻など、日本の奇襲で始まった太平洋戦争だったが、その準備活動はかなり危なっかしいものだったということが分かる。
一歩誤れば、作戦は実行前に露呈し、戦争はもっと早く終わっていたのかもしれない。

タイと一歩誤れば戦争状態になっていたこ...続きを読むとなど、知らなかったことも多く、勉強になった。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年08月22日


吉村昭作品に、どハマりした常連さんから
とても良かったと熱弁されたので、早速


太平洋戦争開戦直前

12月8日開戦を指令した
極秘命令書を積んだ旅客機「上海号」が行方不明になった

空路から、敵地である
中国に不時着した可能性が考えられる

絶対に、敵軍に漏れてはならない命令書を巡って、大本...続きを読む営に激震が走る

と、いう記録小説



昭和16年に入ってから
ドイツ、イタリアと三国同盟を結ぶ日本に対して
米英両国から、在外資産凍結令をはじめとして、重要物資の対日輸出禁止まで発展する

野村駐米大使による、日米交渉が始められるも、外交交渉は難航し
遂に、ハル国務長官から
「ハルノート」を提示された事で
日本側は、一気に開戦に踏み切る事となった


海軍は、ハワイ州オワフ島真珠湾にある
アメリカ海軍の太平洋艦隊と基地を

陸軍は、シンガポール島攻略を最終目的とした、マレー半島上陸を
同時に奇襲する作戦を計画した


12月1日の御前会議で、開戦日に選ばれたのは12月8日だった

主な理由は、月齢と曜日

航空作戦の第一撃を加えるためには
夜半から日の出頃まで月のある
月齢20日付近が望ましく
8日は月齢19日で、極めて好都合

また、日曜日は
アメリカ海軍の休息日で
主力戦艦の大半が、真珠湾に投錨、集結される

同時に奇襲する、南方作戦予定地の気象についても
11月下旬から、長期判断を始めた結果
8日は、最も気象状況が良いと判定された

関係各所では、連日の諸準備に忙殺されていた

南京の支那派遣軍総司令部から
既に、香港攻略作戦に伴う
広東第23軍に、暗号電報で指示が与えられていたが
慣習に従って、作戦命令書を23軍司令官宛に
直接手交することになった

その作戦命令書が、搭乗機と共に行方不明になったのだ

命令書には、近日中に
香港へ日本軍が攻撃を開始することや
マレー上陸作戦も明記されており
近々のうちに、大々的な軍事行動に移ることを明らかにするものだった

既に、海軍では
真珠湾奇襲作戦準備に着手
陸軍の南方作戦に対する準備も
密かに進行している

大本営陸海軍が、綿密に組み立てた
史上稀な大作戦計画で
奇襲という性格上、厳重な機密秘匿の上に成り立っていた

その為、その書類は
絶対に敵手に落ちてはならなかったのだ

12月2日から始まった、隠密捜索は
翌日3日、中国軍が発信した暗号電報を受信を元に
敵地に墜落している地点の確認に成功した

が、

平時では、全く考えられない指令が下る

総司令部からの命令は
「上海号を粉々に爆砕せよ」だった

上海号は、軍専用機ではない為
民間人も搭乗していた、にも関わらずだ

戦争の恐ろしさとは、細部にまで狂気が行き渡っているところなのではないか

鉢の穴に糸を通すような
一点の狂いも許されないような奇襲作戦を
当時の、優秀な頭脳が寄り集まって作り上げたとは…

厳重に張り巡らされていた企図秘匿は
一般国民はもちろんのこと
一部の上層部を除き、移動中の軍人ですら
「ニイタカヤマノボレ1208」まで
演習だと思わされていたと言うのは
驚き以外の何物でもない


いくつかの偽装工作が綴られる中で
最も滑稽だったのが
海軍水雷学校や、砲術学校の生徒3000人に
横須賀、佐世保、舞鶴、呉の各海兵団に扮して
東京見物をさせた事

実際の艦艇群は
ハワイ方面、南方方面に出動中のため
東京湾内には、修理中の艦艇しか存在せず
大艦隊が湾内にいると見せかけ、開戦決意を偽装させるためだった

何も知らされていない学生達は
朝日新聞社の見学や、銀ブラを楽しんだという…

大本営の緻密な奇襲作戦とのギャップがハンパない


陸海軍人230万人
一般人80万人

途方もない人々が犠牲になった太平洋戦争の陰には、いろんなドラマが隠されている




#大本営が震えた日
#吉村昭
#太平洋戦争
#優秀な頭脳が集まると
#一周回って短絡的な結果になる
#歴史に学ぶことの多さよ
#吉村作品にハズレなし

0

Posted by ブクログ 2020年08月17日

吉村昭作品を読むのは、戦艦武蔵についで2作品目になる。
開戦に至るまでの様々な出来事が緻密かつ丹念な取材で書かれている記録文学の良書。
作戦の全容は少数の首脳部しか承知していなかったにも関わらず、ここまでの大規模な国家プロジェクトが徹底した企図秘匿の基にすすめられたことは只々驚いた。
択捉島単冠湾か...続きを読むらハワイまで航行し大艦隊で奇襲攻撃するという一か八かの作戦を立てたこと自体、日本が追い込まれていたんだと思う。歴史にタラレバは無意味かもしれないが、奇襲戦法が成功したことは奇跡と言えるが、もし成功してなければ原爆の犠牲者も出なかったかもしれないと思うと複雑。いずれにせよ、戦争ほど悲惨なものはない。

0

Posted by ブクログ 2019年11月18日

太平洋戦争勃発前の数日間を詳細な調査によって描き出した著者得意の記録文学。情報秘匿のためには人の死も厭わない軍部の闇、一握りの軍人により企図された奇襲計画...。
「トラ、トラ、トラ」との高揚感、達成感とは真逆な感情が溢れ出す...。読後の疲労感が半端ない。

0

Posted by ブクログ 2015年09月06日

開戦直前の1ヶ月。秘密裡に戦争へ突入した。ほんの一握りの人が決断し、大きなリスクを負って奇襲作戦を進めた。成功しても英雄とは言えない。2015.9.6

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2013年08月25日

昭和16年12月。戦争を決意してから、ハワイ、マレー作戦を秘密裏に進める日本軍。中国に墜落した飛行機の「作戦計画」回収物語。真珠湾に向かう秘密部隊。マレー半島への輸送船。奇襲に全てを賭けた日本の手に汗を握る緊迫の日々。大本営が震える危機の連続だったようです。日本軍部の薄氷を踏む思いでの開戦を迎える様...続きを読む子がよく分かります。実に詳細な調査の成果です。

0

Posted by ブクログ 2012年04月13日

昭和16年12月1日、台北から飛び立った旅客機(上海号)が仙頭上空で通信を絶つ。これには開戦の指示書が持ち込まれており、敵に渡れば今後の戦局に大きく揺るがすものとなる。大本営は必死に捜索するが敵に渡ったかどうか判明しない。同時にハワイ奇襲攻撃の艦隊も千島列島の択捉島、単冠湾に大艦隊が集結。これも秘密...続きを読む裏にハワイ、真珠湾を目指す。またマレー半島を落とすべく陸上舞台はも秘密裏にマレー半島を目指す。いずれも薄氷を履むが如く進んでいく。日本に先に手を出させるべく、アメリカも日本を追い詰めてくる。

0

Posted by ブクログ 2023年08月15日

八月は日本の戦争の本を読む。

昭和16年12月1日の御前会議でアメリカ、イギリス、オランダとの開戦が決定され、奇襲に向けての準備が秘かに開始された。
12月8日の宣戦布告と同時に真珠湾奇襲とマレー半島上陸を成功に導くためにはそれまでの一週間の軍事行動を絶対に察知されてはならず完璧な秘匿が命ぜられた...続きを読む
そんな中で作戦を伝達する極秘命令書を持った将校が乗る飛行機が中国領内で行方不明に・・・。

最初はミステリー仕立ての小説のようにハラハラドキドキの展開だが、すべては緊迫の一週間における日本軍に起こった事実の記録。
エトロフ島単冠湾に集結した連合艦隊が秘かにハワイを目指すその緊迫感や、タイ国境マレー半島に上陸する陸軍の緊張感。
開戦までの一週間を知ることができた日本人必読の一冊。

0

Posted by ブクログ 2017年06月29日

太平洋戦争開戦に際する、マレー上陸、タイ通過、真珠湾などの奇襲作戦の裏側。様々な要因で何とか発覚しないまま奇襲は成功裏におわると。

0

Posted by ブクログ 2016年02月26日

 太平洋戦争開戦前夜の緊張感が伝わる。真珠湾攻撃に際し敵軍の発見を恐れ北上海路を取り進むのだが、敵軍に発見されれば奇襲攻撃は失敗する。同時に東南アジアに展開している日本軍がタイ国に侵攻、同国に協力を求めるが成立しない。はじめから薄氷を踏む作戦であったことが分かる。真珠湾奇襲作戦は成功するが、この戦争...続きを読むの破綻は目にめいていた。

0

Posted by ブクログ 2015年08月30日

youtubeで真珠湾攻撃のラジオを聞いたことがあったのがだ、いかに当時情報が隠され、驚いたかがわかった。
開戦の内容をアメリカに渡すというのが私が見たのとは違う。どっちが本当だろうか。

0

Posted by ブクログ 2015年07月27日

難解。でも読み応えのある一冊。

70年も前のことだし、戦争なんて勢いで始まって勢いで終わるものだと思っていた。でも違ったようだ。
衛星中継もインターネットもない時代でも、人と人との化かし合い、情報戦から戦いは始まっている。それがよく分かる。

ミッドウェーを境に転落を続け、貧すれば鈍するで精神論が...続きを読む先行して破滅の一途を辿ったことは周知のとおりだが、少なくとも開戦に至るまでの過程は多分に運に依拠する部分もあれど緻密に練り上げた一大作戦が実を結んだ戦史上でも空前の出来事だということは伝わった。

ついでに、解説で引用されていた一文にも妙に納得。
「日本の一般市民はそれまで戦争を特に悪いことと考えていなかった。維新以来日清戦争を始めとして絶えず戦っていたし、負けたことがなかったから」と。
たしかに、戦後に生まれた世代とは置かれた環境が違いすぎる。良い悪いの問題ではなく、価値観の相違も当然なのかもしれない。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2013年09月20日

 12月8日、太平洋戦争開始時の米英への奇襲攻撃までの日本の苦闘。奇襲を記した作戦命令書を乗せた旅客機が中国国内に墜落したことを背景に、マレー作戦、真珠湾攻撃までの道のりを描く。実際の奇襲当日の描写がほとんどないのが、非常に印象的。
 もし、この時、奇襲攻撃が他国に知れていたら、と考えると不思議な感...続きを読む覚を受ける。それにしても、かなり博打的要素で戦争が始まったことがよくわかり、寒くなった。

0

Posted by ブクログ 2012年02月01日

本当に真珠湾作戦が連合国側に傍受されていなかったのか?
本書にもハル長官の「最初に日本から軍事行動を起こさせたい」という発言がある。
日本〜ハワイの超長距離を大船団が発見されずに辿り着いたというのも奇跡以上のものが。
事実はどちらか?

0

Posted by ブクログ 2010年11月23日

親父から貰った本。
「太平洋戦争のことって、よく知らないんだよな~。」という思いが、
手に取った動機です。

本書にて描かれている時期は、
奇襲作戦等の機密情報を載せた日本民間機、「上海号」の失踪から、
マレー半島上陸/真珠湾攻撃に至るまで。
内容は、情報収集/作戦隠蔽に関わる人々の行動...続きを読むと事実、といったところでしょうか。

作戦隠蔽に苦心した、大本営の苦慮がヒシヒシと伝わる作品です。

「上海号」にて見つかった大量の中国政府の偽札。
「タイ軍人に変装して奇襲する」といった作戦。
それぞれのエピソードからは、なりふり構わず戦争に勝とうとする、
日本軍の必死さが伝わってきます。

敗戦という結末を知っているからでしょうか。
読んだ後には、虚しさだけが残りました。

0

「学術・語学」ランキング