吉村昭のレビュー一覧

  • 羆嵐

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    ネタバレ

    被害が起きるまではクマを甘く見ている。応援に来た者たちも最初は同じ。でも眼前にすると何もできなくなる理不尽さがリアル。クマ撃ち達が毎度不発に終わるとことか、銃の手入れもせず平和ボケしている感じが無力さを募らせて怖い。クマに襲われないためにすでに殺された人をエサにするところとか極限状況で選択肢が無くなる感じも好き。頼れるものが嫌われ者の銀四郎だけ。銀四郎が出てきた時の頼れるやつ感も半端ない。

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    2026年10月10日
  • 高熱隧道

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    かなりエネルギーを使う本だった。
    自然の脅威、特に雪崩の猛威に啞然とする。
    山を歩く人、特に黒部周辺をよく歩く人は一読しておくといいかも。
    裏剱の方に行ってみたい気持ちが強くなる。

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    2026年09月29日
  • 高熱隧道

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    始まりがあまりにも怪奇事件すぎて右園死児?→シンゴジラだこれ……→やっぱスティーヴンキング?→プロジェクトX始まったな→金閣寺→人が怖すぎる という様な感じで章ごとに味付けがかなり違って良かった すごいギュッとした濃縮工事記録を読み切って、疲労

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    2026年09月20日
  • 冬の鷹

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    解体新書成立の過程を再現した歴史小説
    杉田玄白と前野良沢の対比
    田沼意次から松平定信の時代の空気感が感じられる

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    2026年09月16日
  • 人生の観察

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    短文ベスト
     言ひ切り型文章で断定するのが小気味良い。ノンフィクション小説家としての得がたい経験や観察がふんだんに含まれてゐる。
     一方で物足りなく感じてしまふのは、実際の小説を読めといふことだらうか。刑務所で話をすると、「救急車」と発言したときに聴衆が下を向くといふエピソードもおもしろかった。

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    2026年09月13日
  • 歴史の街を歩く

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    没後20年。単行本未収録エッセイ、北海道の原野、沖縄戦の記憶、黒部の渓谷、宇和島、小豆島・・・。記録文学の巨匠が歩いた日本各地の風景と歴史。創作の源流をたどる、貴重な旅の記録!

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    2026年08月31日
  • 羆嵐

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    熊の痕跡だけでこれでもかというほどに恐怖心を煽られる文章。
    ただ銀四郎のキャラ付けをあんな風にする必要があったか疑問。あの性格のせいで気持ちのいい終わり方じゃないように感じた。

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    2026年08月26日
  • 羆嵐

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    羆、恐ろしい
    熊による事件の報道が増えているように感じるが、猟友会に対する「クマがかわいそう」という意見もあると聞く
    この本を読むと熊…滅びてしまえと思うが、クマかわいそう派の本もあるのならば読んでみたい
    この前小岩井農場に伺った時に熊はとても賢いが小心者、と説明があった
    あれは羆の説明ではなかったと思うので、羆も小心者なんだろうか…?
    九州には熊がいないと聞く
    安心していいはずなのに、トイレに行くのが怖かった

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    2026年08月23日
  • 三陸海岸大津波

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    淡々と史実を述べている感じ。報告書のよう。
    後書きに「三陸の人は津波に注意しているから今後は大事には至らないだろう」的な現地の言葉が書いてあったが、迷信や過信は人を怠惰にするの言葉通り3.11では甚大な被害が出た。この本に出てきた地名は3.11で壊滅的な被害を受けている。この本が活かされなかったことが悔やまれる。

    死体の多くは、芥や土砂の中に埋れていた。掘り起しても死体の発見されない場合が多い。
    死体からは、脂肪分が滲み出ているので、それに着目した作業員たちは地上に一面に水を流す。そして、ぎらぎらと油の湧く個所があるとその部分を掘り起し、埋没した死体を発見できるようになったのだ。

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    2026年08月14日
  • 蚤と爆弾

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    ネタバレ

    いわゆる731部隊の話です
    別名にしてありますが、石井四郎が主人公です
    細菌兵器は非人道的で許されはしませんが、原爆だって一緒です

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    2026年08月12日
  • 羆嵐

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    実際にあった事件ゆえ、リアルなヒグマに対して引き起こされる恐怖心やその凶暴性・残忍性がひしひしと伝わってきた。

    2.7m、約340kgの羆って生で見たらどんだけ圧倒的な存在感なんだろう…立った時の高さが下手な成人男性2人分って…
    国が新地開拓したところだったらしいから、どちらかというとヒグマの生活圏に突如として人間がやってきた、ってのが正しいよう。
    「腹、破らんでくれ」ってところが生々しくて1番印象に残った。人間にとっての一般論とかルールなんて羆には関係ないから、尚更想像し得ない襲いかかり方で鳥肌が立った。

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    2026年07月26日
  • 破船

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    実際にあった事がベースで書かれているので、興味深くて、天然痘の恐ろしさがすごく伝わった

    ただ内容が内容なだけに、暗く、ストーリーが単調で、何度も寝落ちしそうになった
    最後だけ面白くなったけど、そこで終わってしまい残念

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    2026年07月14日
  • 星への旅

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     30年以上前に買ったのだが、当時は買った本はほとんど1年以内には読んでいたが、表題作は途中で「若者が無為に自殺する」筋立てに読むのを止めたらしい。結末の衝撃的シーンの記憶がない。
     文芸として成立するということは、集団自殺とか少年の自殺が当時は珍しかったのだろう。自殺は若年の死因の第一位だが自殺でなくても若者の自殺的無謀行為は止められない。それを大目的たとえば国家のためと言ってしまうと白けるが、やはりナショナリズム以外の何か生きる意義を思春期のうちに見つけてほしい。自殺の場所として選んだ辺鄙な漁村の人々に「自殺することを考えたことはないのだろうかと思った」浪人学生は贅沢だと思う、漁業事故は多い。

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    2026年07月12日
  • 羆嵐

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    実際にあった事件の場所とわりと近い所に住んでいるので、一度見に行った事があります。
    実物大の大きなクマの作り物がありました。
    デカかったですね。

    作家の吉村昭さんは初読み。これだけだと、良さが分からないので別な作品も読んでみたい。
    倉本聰さんが書いたラジオドラマが有名ですね。
    26/07/07 33冊目

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    2026年07月09日
  • 長英逃亡(上)

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    高野長英、大河ドラマの主役でいけるんじゃないかと思ってたんだけど現代のコンプライアンス的にどうか?
    彼の家族を含めて最後は,,,,,
    史実はどうかだが、勝海舟らに蘭学のバトンを渡したのが光といえば光。

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    2026年06月21日
  • 人生の観察

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    ご存命ならば百歳に近い作家の随筆集にこんなことを言ってもしょうがないのかもしれないが、居酒屋で働く長髪の若者を「水商売に従事する者としての律義さに欠けている(後略)」(p28)と断じたり、身体を売って生活している女性について「終戦後、パンパンが逮捕されると、パンパンは、『私が悪いのじゃない。社会が悪いのだ』と、反発したものだが、それ以後、物事すべてを社会のせいにするようになったらしい」(p115)と決めつけたり、頑固なお爺さんの嘆きやお説教がだらだら続いてうんざり。この人、小説は読み応えあるんだけどなあ。

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    2026年06月15日
  • 戦艦武蔵

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    前半はあたかもプロジェクトXのように、世界最大級の戦艦建造プロセスが描かれる。突然の工期短縮や機密保持のための無理難題、図面紛失等様々な事件事故を踏み越えて、無事進水に至るとき、リーダー達の頬に熱いものが流れる〜という一連の流れは、まさにプロジェクトX的で、昔から日本の企業人には好まれるタイプの物語だろう。
    そこから一転し、後ろ三分の一は実戦に配備された以降の武蔵の物語である。吉村の筆は前半と変わらず、数字や人事、無惨な兵士の死に様を克明に記すことで、即物的なリアリティの壁を構築していく。吉田満が『戦艦大和ノ最期』で文語調の短文により臨場感を惹起した手法と対照的に、当事者ではない吉村は確固とした事実と客観性の上に物語を構築する意図があったのだろうか。
    本書には軍令部と現場の司令官・艦長らとの齟齬もいくらか示されるが、力点はこの戦争の無謀さに置かれてはいない。戦争という奔流に人々が巻き込まれる時の意識の高揚とその結末を淡々と記すのみである。

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    2026年06月12日
  • 死顔

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    吉村昭の遺作を含む短編集、エッセイや短編小説などだが、[二人]と[死顔]は内容がダブっている。妻の津村節子が原稿を添えたらしい。

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    2026年06月04日
  • 海の祭礼

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    ネタバレ

    長崎の通詞から幕末には外国奉行支配調役まで取り立てられた森山栄之助だが、彼は外国公使からこそ注目を受けていた、英国公使オールコックは「官職名よりもはるかに重要な人物」と評されて、外国へ赴いての交渉団に推薦されるほどアノ時の日本に欠かせられない人物、国内事情でオランダ語しか知り得ていないので英語の通訳が未熟だと思い知らされた森山、当時密入国で日本に囚われていたラナルド・マクドナルドの牢に押しかけて学ばなければどうなっただろうか?
    作品中にあった中川五郎治の種痘の話、見た事あるなだとおもっていたら北海道神宮の開拓神社の祭神のひとりだった

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    2026年05月29日
  • 大黒屋光太夫(下)

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    上巻で感じた井上靖との違いは底本なのかぁ、非常に納得。
    作家の見方が様々で非常に興味深かった、これは連続して読んだ甲斐あり。
    おそらく本作の方がドラマ性があると思う一方、ラックスマンの描写は井上版の方が良いと個人的には感じます。
    ただ両者とも強国のしたたかさというか獰猛さの描写が物足りないかも。これは司馬遼視点かな。
    まぁ読者サイドからするとこういう競争はどんどんやってください、というところです。

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    2026年05月15日