吉村昭のレビュー一覧
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ネタバレ日本史の授業ではさらっと出てくるだけで、ほぼ忘却の彼方にあったシーボルト事件。長崎へ旅行へ行くついでに、購入してみました(ただし到着したのは旅行中で、本作は旅行中に読みました泣)。
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シーボルト事件とは、平たく言えば、オランダ人に成りすましたドイツ人医師シーボルトが出島で名声を広め、例外的取り扱いを受けつつ、国法に触れる日本地図等の国家機密を持ち出そうとしたことがお上に露見し、彼自身は国外追放、その他関連したものが処罰を受けたというものでした。
で、本作。上巻では、題名にある「娘」より、むしろシーボルト自身とその妾である其扇(そのぎ)とのロマンス?や、シーボルトが密命を帯びて日本情報 -
Posted by ブクログ
2023年の1冊目。明治から大正時代にかけての北海道の開拓の歴史が学べる本。
明治時代、囚人たちが未開の地だった北海道に送り込まれ、過酷な状況下で労働を強いられる様子が淡々と描写されている。タイトルの「赤い人」は囚人の着ていた赤い獄衣のこと。労役、脱獄、死、の繰り返しで、囚人と看守が徐々に敵対するようになり、終盤は囚人と看守の報復合戦のようになっていって怖ろしかった。囚人の中には何度も脱獄を繰り返す猛者や恩赦で釈放されてもまた舞い戻ってくる人なんかもいて、一人一人にスポットを当ててもドラマチックな物語ができそう。
ゴールデンカムイ好きな人はより楽しめると思う。 -
Posted by ブクログ
吉村昭氏を初めて知りました。
あの有名な平家物語をこんな読みやすい現代語訳にしちゃうなんてすごい。
祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響あり...
って冒頭部分は中学生の頃だったか暗記させられた記憶しかなく、読んでみたいっていう好奇心だけではどうにもならない高いハードルがありますからね。
大河ドラマで見た『平清盛』と今放送中の『鎌倉殿の13人』の理解を深めるのにいいと思う。
こんな読みやすいのに、正直言って清盛の孫たちの名前を把握してるわけじゃないから、途中で飽きてくる。あはは。
でも読み切りましたよ〜
終盤の平家没落の物悲しさが痛々しい。
身内を信じない頼朝の哀れも痛々しい。 -
Posted by ブクログ
短大生のとき、造形の授業の講師に
おすすめされた一冊。
いや、なんでおすすめしてくれたんだ…?と
思いつつやっと読んだ。
というか、やっと読みきった。
(去年の夏あたりから読んでる笑)
描写が本当にキツい。本当にあってもなくても
そういう考え方を持っている人が少なからずとも
いるんだよね。怖い。
どうしようもない気持ちになる。
腹立つし、悔しいし、悲しい。怒り。
私が4年生まで通っていた小学校は
戦争学習や人権学習に力が入っていて
毎年終戦記念日のあたりに合わせて、夏休みにもかかわらず戦争の授業(自由参加)が設けられていたなぁ。
なんか思い出しちゃった。
その時はまだ、可哀想だな戦争