吉村昭のレビュー一覧

  • 冷い夏、熱い夏

    Posted by ブクログ

    心にズシンと突き刺さる話だった。もしも近しい人が同じ病に倒れたら・・と思うと恐ろしい気持ちになった。

    0
    2014年07月01日
  • 深海の使者

    Posted by ブクログ

    第二次世界大戦の際、日本とドイツ占領地区を往復した(或いは、往復しようとした)日本海軍の潜水艦の話。

    最終的に往復に成功したのは、2艦。その他は、途中で撃沈されたり、事故によって失われたりしている。

    制海権を失った下で、アジアからヨーロッパに行くのは何とも過酷。片道約二ヶ月ほどにもなり、その間、敵の攻撃に神経の休まる間もない。水も当然のことながら少なく、最後の方には体から異臭を放つほどである。

    チャンドラ・ボーズが、ドイツから日本にやって来たのも、遣独潜水艦に便乗してのもの。それはそれで、中々凄い。

    0
    2014年06月20日
  • 吉村昭の平家物語

    Posted by ブクログ

    前に誰かの(司馬さん?)平家物語1巻だけ読んで
    ちょう面白かったけど
    1巻でとまってて気持ち悪かったから
    読めてよかった~

    現代語訳
    すっきりしてて読みやすいー!

    すごい首はねたり引き回したりものすごいな
    すごい時代だ

    那須与一とかね、名前しか知らなかったし
    もりもりした平家一族も誰が誰やらだったけど
    イケメンあつもりとかね
    重盛いいひとだし
    これもりかわいそうだし

    けっこうさらっとよくわかった
    読んでよかったー

    0
    2014年05月26日
  • ポーツマスの旗

    Posted by ブクログ

    坂の上の雲に見るような戦争の功労者を英雄視するのは容易いけれど、本当の英雄とは、自らの覚悟と知恵を武器に国の平和と未来を勝ち取った小村寿太郎のような人だと思った。

    0
    2014年05月03日
  • アメリカ彦蔵

    Posted by ブクログ

    江戸時代、鎖国政策により外洋航海用の船作りを禁止させた日本の商船は、台風等により膨大な漂流民を生み出した。それまでは餓死していた漂流民も幕末頃になると鯨の油を求めて日本近海に来るようになっていた米国捕鯨船に助けられることが増え、そこから日本漂流民と米国人との様々なドラマが生まれたわけだが、このアメリカ彦蔵がそのドラマの最大のもののような気がする。

    10代で漂流民として米国に行き、クリスチャンとなり、米国に帰化し、清国に渡り、ついに日本に帰り、日本で初の新聞を創刊しつつも、幕末の動乱の中で長州への砲撃をアメリカ船から見つけ、尊皇攘夷の志士達に命をつけねらわれる日々。。とにかく数奇すぎて、こんな

    0
    2014年04月20日
  • 密会

    Posted by ブクログ

    チャンネルneco。SD画質。
    中平康監督「密会」を鑑賞。

    不倫、殺人、目撃、苦悩、驚愕のラスト。

    0
    2014年05月24日
  • 帽子

    Posted by ブクログ

    歴史から離れたジャンル。吉村昭の品位のある市井の日本人。この懐かしさを覚える、知的な情緒と狡さと平和を併せ持った隣人のお話でした。男にだけ見ることのできるおとぎ話です。

    0
    2014年04月03日
  • 星への旅

    Posted by ブクログ

    『少女架刑』『透明標本』はどうも好きになれず、これはハズレだったかとおもったが、表題作、『星への旅』がとてつもなくすばらしい。

    私の言葉で言い表せない。感動でもなく、なんだろう、共感?なのか。いや共感してはいけないんだろうけど。

    0
    2014年03月30日
  • 新装版 白い航跡(下)

    Posted by ブクログ

     明治期の軍隊での大きな問題であった脚気の対策予防に成功した高木兼寛の物語というか伝記である。宮崎の大工の子だが医師を志し、戊辰戦争に従軍したものの満足に医師の役目が果たせなかったことにショックを受け、さらに努力し海軍軍医トップに上り詰める。
     この時期の人に見られる尋常ではない努力と客観的な洞察力で脚気という大きな問題を解決に導く。また、慈恵医大を創立し、看護婦の養成にも取り組んだ。それでも晩年は評価されなかったことで鬱屈していたようだが、現在でもまだまだ評価が不十分であろう。
     それにしても、敵役の陸軍と東大医学閥と森鴎外の厭らしさは何だろう。今に至るもその残滓が感じられるのは、高木の業績

    0
    2014年03月16日
  • ふぉん・しいほるとの娘(下)

    Posted by ブクログ

    難しい時代に、女性として、しかもハーフとして生きたイネ。子どもができたくだり以外は、それほど大きな「事件」は起きないが、時代背景やシーボルトとの関係を見るに、壮大な人生という形容が似合う。史実に忠実な小説なのかもしれないが、実際にはいろいろな男性との恋愛関係もあったのでは?あってほしい、と願う。たとえフィクションであっても、そういう記述も欲しかったかな。

    0
    2014年03月09日
  • 仮釈放

    Posted by ブクログ

     無期懲役の刑を受け、16年間刑務所で過ごした菊谷。彼の仮出所が決定してからの生活を描いた小説。

     刑務所での習慣が抜けない菊谷の様子や、仮釈放後も自らの過去が発覚することを恐れる、元受刑者たちの心情や行動が非常にリアルでした。それだけでなく、出所後菊谷が就くことになる、養鶏場の仕事の描写までもがリアルで、吉村さんらしい綿密な取材と丁寧な描写力が光った作品だと思います。吉村さんの記録文学以外の作品を読むのは初めてだったのですが、綿密で丁寧な描写は吉村作品全般に通じるものがあるように思います。


     罪と罰についても考えさせられます。菊谷は本当に更生していたのか? 本人の心情が分からないままに

    0
    2014年02月17日
  • 総員起シ

    Posted by ブクログ

     吉村氏の本2冊目。氏のおかげで戦中、戦後史に俄然興味がわいている。この作は、戦後8年ほどを経て引き上げられた潜水艦の様子の記述に、とにかく度肝を抜かれた。おそらくこの艦だけでなく、他の場所でも多くの沈没艦があるはずで、それらの記録も一部には残っているのだろう。しかし、氏の綿密な調査により、ここまで詳らかになったものはほとんどないのでは?
     30年以上も前の本の新装版ということで、さすがに当時小学生の自分はこの本を知る由もなかったが、とにかくインパクトがあった(その後、自分の生まれた年に発刊された書籍に、この沈没艦から9年ぶりに現れた軍人の姿を収めた写真も見た。本書をさらに記憶づけるに十分なも

    0
    2014年02月09日
  • 新装版 海も暮れきる

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    久しぶりに本を読みました。
    尾崎放哉の、死に向かって一直線に向かう姿を、そして矛盾して抗う姿を、淡々と描いています。
    生きることは、とてもかなしい。

    0
    2014年02月02日
  • ポーツマスの旗

    Posted by ブクログ

    日本が開国列強国へと進む中強烈な自制心をもって国に尽くした男の物語。私生活は幸せとは言えずも信念の人、もっと評価されてもいい人だと思う。韓国から見ると暗殺された伊藤博文と並ぶ憎むべき対象だったはず。伊藤は暗殺、小村は壮絶な病死…国に命を捧げた男達だ。安重根も韓国から見れば命を捧げた人物、が、日本には列強に比べてもまったく引けを取らない優秀な人物が多く排出した。一体この小国にどうしてこんな多くのエネルギーが隠されていたのだろう。

    0
    2014年02月02日
  • ポーツマスの旗

    Posted by ブクログ

    日露戦争の後片付けだとおもったら どうしてどうして、面白いですね。剣を持たない戦争。
    小村寿太郎は食えない感じでした。それがいい。
    条約締結後の日比谷騒動、伊藤博文暗殺、日韓併合などが流れるようで興味はつきません。
    日露から大平洋戦争までの知識をバチっと埋めたいです。

    0
    2015年05月11日
  • 味を追う旅

    Posted by ブクログ

    【梅干しにカツオ】P15

    升酒の端に塩をひとつまみ

    梅肉のたたき+鰹節少々+醤油少々+海苔をもんだ奴 に酒

    0
    2014年01月21日
  • 星への旅

    Posted by ブクログ

    常に流れる死の匂い。
    生きることへの疲労感、徒労感が半端ないのだが、かといって何かを批判するでもないのだ。
    だから居心地良く感じるのかも、吉村昭の作品は。

    0
    2013年12月15日
  • 新装版 間宮林蔵

    Posted by ブクログ

    史実をベースに、間宮林蔵の生涯を丁寧に追った作品。
    困難を極めた極寒の地・樺太探査は勿論の事、シーボルト事件との関わりや幕府の隠密として全国を駆け巡った晩年の様子に興味を惹かれた。

    0
    2013年11月10日
  • 零式戦闘機

    Posted by ブクログ

    「永遠のゼロ」を読み終えて、この小説を知りました。記録小説と言うものがあるとすればこの小説のことでしょう。この作家の作品は初めて読みましたが、読み応えのあるものでした。ゼロ戦は本当に凄い戦闘機だったのが分かります。ゼロ戦の高水準の性能を背景に太平洋戦争に突入して行ったように感じました。序盤では向かうところ敵無しの状況で、圧倒的な勝ち方でした。格段の性能に海軍が妄信して更なる戦争拡大に突き進んでしまったようです。戦争末期まで性能の優位性は保たれていましたが、残念ながら後続機を開発する余力がなかったのが残念でした。また出だしに詳細に書かれていますが、組立て前の戦闘機パーツの国内移動手段がまさか牛車

    0
    2013年11月06日
  • 零式戦闘機

    Posted by ブクログ

    〜13.10.22
    日本の航空技術が世界を超えたことを零戦によって示された。それまで日本は海外の技術の真似でそれが最善だと考えてた。九六艦戦で追いつき、零戦で抜いたという印象を持った。
    その零戦の質に賭けて日本があの大戦に突入していったようにも思える。

    アリューシャン海戦でその質の神秘性が薄らぎ、日本全体の神秘性も失われアメリカの物量による押しに負けたように思う。

    また、その戦争の裏でどのように製造されていたかもしっかりと描いている。戦場の側面と実際の製造現場の2つの側面からより客観的に零戦について知ることが出来た。
    また牛車の輸送からも日本自体の未熟さも感じさせ、逆に零戦という世界水準を

    0
    2013年10月23日