無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで202万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
※期間限定無料版、予約作品はカートに入りません
Posted by ブクログ
高木兼寛は海軍に脚気が多いことを気に病み調査をしたところ白米中心の食事が原因であると推察した。食事の因果をはっきりさせるために軍に麦飯を導入し比較するよう進言するも白米という贅沢品をやめることに抵抗があった海軍はなかなか承諾しない。兼寛は明治天皇にまで提言し艦艇筑波にて実験を行うことができ白米が脚気の原因であることを突き止める。しかし森林太郎を中心とする帝国大学医学部界隈はドイツ医学の流れをくみ脚気は細菌によるものであると説を立て兼寛の説と対立する。帝国大学医学部出身者が多かった陸軍では依然白米が食事の中心としており、日清戦争・日露戦争では多くの脚気患者を出す一方で兼寛の説を受け入れた海軍では脚気患者はほとんど出なくなった。以上のような功績を上げたものの帝国大学医学部の学閥と説が対立したことから日本ではそこまで評価されることがなく陸軍軍医の方が賞をもらっていることを憂いた兼寛は明治天皇崩御をきっかけに一般人に向けての講演や禊などを多く行うこととなる。その後鈴木梅太郎がビタミンを発見し世界でも脚気はビタミンBの欠乏によるもので兼寛の説は正しかったことが証明されていく。南極大陸に高木という場所があり脚気の原因究明に貢献したことから名付けられたらしく世界ではしっかりと評価されててよかった。
僕もこの小説を読むまで高木兼寛という人物について全然知らなかったしこんな功績があったんだと勉強になった。兼寛がイギリスで見た貧困者にも医療を届ける医療体制に感銘し東京慈恵会医大を設立したのも意外だった
Posted by ブクログ
複数巻の長編を平行に読破しよう月間消化期間。残してるのはあと2作くらいかな?
イギリス留学から帰ってきた高木兼寛。海軍の医師となり、最も直面すべき課題としての「脚気」の撲滅に向け、仮説を立て、食事療法によって現実に発症者を激減させるのだが…。
科学的な衝突が出てきて、俄然面白くなってきた下巻。個人的に最も面白いのが、森鴎外(林太郎)と東大が、科学的根拠をはっきり示した脚気の原因と療法について長年批判と黙殺を続け、何万人もの日本兵を見殺しにした悪役として描かれている所。北里柴三郎も同じ穴の狢。森鴎外が好きでないので。
現在の科学と違い、即日的に評価が広がらないことで、結局30年して退職しても、功績が認められないことや、海外での非常に高い評価が全く日本に伝わってこないという点がもどかしい。
途中に日清日露戦争や、明治天皇崩御他、様々な歴史的イベントが起こっていたり、その中で政府が陸軍(東大閥)寄りに偏っていく話も面白いのだが、やはり職業柄、研究に関した所を面白く読んでしまう。逆に人事だの戦艦の名前だの、他の人が注目しそうなところは流してます。
正しいことが、政治的に潰されてしまうという読み方もできようが、その中で陸軍と海軍で全く別の思考が出来るということが、この時代の魅力なのではないだろうか。
また、当時は「天皇は絶対であった」と教科書的には習うものの、天皇が何を選ぶのかは天皇次第であったり、天皇が高木の主張を納得して取り入れていても、政府や陸軍は東大のことしか聞かなかったりする。さらに、政府がどう言おうと現場からの意見が多ければ認められたりするわけで。
教訓としては
「歴史とは学校で習うとおりではない」
で締めさせていただきたい。
Posted by ブクログ
明治期の軍隊での大きな問題であった脚気の対策予防に成功した高木兼寛の物語というか伝記である。宮崎の大工の子だが医師を志し、戊辰戦争に従軍したものの満足に医師の役目が果たせなかったことにショックを受け、さらに努力し海軍軍医トップに上り詰める。
この時期の人に見られる尋常ではない努力と客観的な洞察力で脚気という大きな問題を解決に導く。また、慈恵医大を創立し、看護婦の養成にも取り組んだ。それでも晩年は評価されなかったことで鬱屈していたようだが、現在でもまだまだ評価が不十分であろう。
それにしても、敵役の陸軍と東大医学閥と森鴎外の厭らしさは何だろう。今に至るもその残滓が感じられるのは、高木の業績があまり知られていないことにも現れていると思う。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。