吉村昭のレビュー一覧
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城山三郎・平岩外四対談集「人生に二度読む本」に掲げられている一冊、興味を持って読んでみた。世界地図で、唯一日本人名が登録されている間宮海峡を発見した冒険家として知ってはいたが、本書によって幕府老中の信認によって隠密活動をしていたことを改めて知った。前半は、樺太調査に挑んだ林蔵の過酷な探検行、史料と作者の想像力の融合により、血沸き肉踊る冒険譚。後半は、その成功により幕府の信頼を得て、諸国を巡る隠密行。シーボルト事件を筆頭に幕末のさまざまな人物との邂逅があり、対談集の城山氏の言葉では、幕末のオールスターキャストが登場する。確かに、人生で少なくとも一度は読むべき名著である。
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やー長かった。やっと読み終えました。読み応え十分!
お滝の娘、お稲さんは宇和島の二宮敬作→石井宗謙と父の門下生に師事して産科医としての力をつけていく。
しかし何と石井宗謙に犯され娘タカを産む。タカもまた結婚した三瀬周三(諸淵)と死に別れ、片桐重明に犯され男の子を産む(周三と名づけた)。
お稲さんは東京に行って産科医として開業し最後は長崎へ。
その間、シーボルトが再び来日し再会したり、異父弟のアレクサンデルに助けられたり、江戸後期~明治初期までの激動の歴史を背景に、じつに起伏にとんだ人生が描かれます。
この辺の歴史って、どの藩が尊王なのか攘夷なのか、頭がごちゃごちゃになってくる。
攘夷、開 -
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1774年(安永3年)8月、 オランダの医学書の訳本「解体新書」が出来上がった。 しかし、この本には後に我々が常識のように知っている前野良沢の名前は無い。前野良沢が訳者に自らの名を出すのを拒否したからである。杉田玄白、中川淳庵、桂川甫周との共同作業の中で1番オランダ語に通じていたのは前野良沢だった。しかし彼は「未完訳稿ともいうべきものを出版すること自体が、私の意に反する」と云う。いや、不完全でも医学の進歩のために早く出版するべきだ、と云うのが杉田玄白の考えだった。つまり、2人はたまたま志を同じくして大事業を成したが、性格は正反対だったのである。
吉村昭はあとがきで、「良沢も玄白も同時代人とし -
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蛮社の獄で捕らえられた開国論者、という予備知識しかなかった。
この弾圧が理不尽なものだったのは理解できる。
高野長英というひとが、蘭学を本当に頑張って、その道の第一人者であったのもわかる。
頑張って勉強して一人前の学者になって国のために働くつもりがこんな目に遭って
逃げ出したかった気持ちは、わからないではない。
ただ、他に方法がなかったのかもしれないが
彼のやり方は事有るごとに誰かを巻き込みすぎる。
逃げろ、がんばれ、と思う気持ちの裏で
巻き込まれ多かれ少なかれ犠牲になった人々のことを思ってしまうと
彼の道行きを100%応援することがどうしてもできない。 -
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日本海海戦(日露戦争)を描いた歴史小説。「坂の上の雲」とは歴史の描写方法、スコープが異なるので重複感は全くないし、比較をしながら読むと却って興味深い。
吉村昭のアプローチは史実を淡々と描写する手法であり、それ故に生々しさがより迫ってくる。また、登場人物への私情もないので、より客観的な人物像を知ることができる。
日本海海戦がメインではあるが、それに深く関係することとして203高地攻略も登場する。
「坂の上の雲」と比較すると、
・秋山兄弟が殆ど(全く?)登場しない!
・ポーツマス条約の小村寿太郎等の交渉状況も含まれている。ただ、これは「ポーツマスの旗」(吉村昭著)を読むと更によい。
・捕虜となった -
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ネタバレ本当はハードカバーで読んだんですが,こちらにレビュー。
文庫版も解説読みたいなあ。
吉村昭さんの弟さんが肺癌に侵され,亡くなるまでを描いたノンフィクション。
辛いですね。読みながら何度も涙ぐみました。
これは身内や親類を癌などの病魔で亡くした人にとって,色々なことを想起させるきっかけになる本です。
私は祖母が癌で亡くなった時のことを思い出しながら読みました。
吉村さんと弟さんのつながりの深さや愛情が感じられました。時折元気だったときの弟さんの回想が入るんですが,それが病気の描写よりも切ないです。
弟さんの心臓が強いことが,命を存えさせるのに役に立った,との記載があり,私の祖母は心臓が弱