吉村昭のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「これは映像になる」
と、どなたかが感知して映画になったのかどうか
2,3前に映画が完成しブレイクしいたのを思い出す
たしかに読んでいて
雪の霏々と舞う中の惨劇を絶えず思い浮かべてしまう小説
日本史の勉強で
「安政の大獄」1859年(安政6年)
「桜田門外の変」 1860年(蔓延1年)
と暗記した昔が懐かしい
けれどもたった2行の年表事項、試験が終われば忘れてしまう
その歴史的事実を忠実に吉村昭さんは小説になさった
ルポルタージュでもない、創作でもない作品
ましていわゆる時代小説でもない
しかし
感動を呼び起こし夢中にさせる筆力
それはなんだろうなぁ、誠実な筆運びというのかな -
Posted by ブクログ
シーボルトの娘「いね」の波乱の生涯
あるいは
女性自立ものがたり&教養小説
とみてもいいのであるが
事実上スパイだった医師シーボルトと遊女の間に生まれ
江戸時代末期、女でありハーフがゆえに辛酸刻苦して
女医第一号になったという
それはそう強調してなくて淡々
吉村さんの筆は
末と維新後の歴史事実にものすごく詳細に詳細に
書かれてあったので、その雰囲気にのまれた
つまり、その裏打ちがあるからこそ
おいねさんがぴかりと光った女性だったのね
との読後感なのである
なるほどね、思うには思うが
すっかり維新前夜維新後の歴史事実に目を覚まされた
そりゃそうでしょ、港にゃ、外国軍艦押し寄せ
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Posted by ブクログ
日本は海に囲まれている。
ということを地理的な意味でも、意識的な意味でも、
強烈に感銘した重厚な一遍であった。
江戸時代、船がシケにあって船乗りが絶海の孤島に漂着。
火山島で水が湧かない、草木もわずかの実はアホウドリの生息地、
現代、鳥島と呼ばれているところにである。
そしてサバイバル、次々と遭難仲間も増え、12年ののち、故郷に帰れるのである。
定評のある吉村氏の筆力が、壮絶に書き尽くしているのは当然ことである。
鎖国の政策が江戸時代の船乗りたちにどんな危険を与えたか、に怒りを覚え、
主人公の「長平」という人物がサバイバルに打ち勝つその人間の成長に共感する。
克明で、淡 -
購入済み
読むほどに先に、先にと心が。
今は読んでる途中です。一気に読めない性分なので。
数年前に、司馬遼太郎の「坂の上の雲」全巻読みました。全6冊でとても時間が、かかりました。日本海海戦のところは後半にでてきます。
同じ日本海海戦でも作者が違うと、どう変わるのだろうと興味が湧きこの本を買いました。難しい表現はありません。とても読みやすいです。
日本海海戦のことを知りたければ、この一冊で充分でしょう。
バルッチック艦隊が出港から各地の港に寄港しながらの様子は、つい世界地図で見てしまうほどの興味がわきます。歴史上、強大国のロシアとアメリカと正面きって戦った国は日本以外にありません。日本史を知る上でも、ぜひ中学生や高校生にも読ん