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Posted by ブクログ
吉村昭氏の書き方の物悲しさはなんだろう。
高野長英、この本の主人公関鉄之助然りあまりにも切ない。
しかし、世に無名の人が歴史を動かした張本人であったことを、ひしひしと感じさせるその綿密な調査のあとにはただ脱帽である。
世の中を変化させているのは、歴史的功績からすれば極一部の人かも知れない。
しかし、世の中を維持させる役割は、歴史にも残らない一般人である。
我々は、ついつい目立つ人々に目を囚われがちだが、世の中には数多の民がいて、それらは互いに支え合って生きている。
良いことも、悪いことも、その時の情勢で刻一刻と変化する。
ただ、世話になった人にお返しをしようという気持ちは、そう簡単には変化しない。
歴史の転換点では、その人間同士の温もりが、様々な大事件を起こすきっかけとなる。
吉村昭さんの筆蹟を辿ることは、人間とは何かを訪ねる旅である。
私は、最近そんなことを思っている。
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